6月28日

「えっ、自分で買わなあかんの」

 さあ、Taurangaに帰ろう。しかし、眠い、眠すぎる。俺はシャワーをあびて、昨日ウォルターに教えてもらったヒッチハイクポイントまでNigelに送ってもらうことにした。フラットの皆様とお別れして、俺とNigelが純さん、和さん、ウォルターがいるはずのテニスコートに寄ると、なんとテニスラケットを持っている和さんが来てなくて、ウォルターの車の中でみんな待機しているでは。おいおい、おやじ。なにやってんねん。ここに、恵子ちゃんがいたのはびっくりだ。俺は和さんを待とうと思ったがあまりにも遅いので、ウォルターたちにさよならを言って、そしてNigelにmotor wayの入口で降ろしてもらった。

Thank you、Nigel.

 さあ、Taurangaに向けてのヒッチハイク。来る時は4台乗り継いで3時間近くかかったので、帰りはもう少しかかるやろう。そう思っているうちに、Wellingtonに行くというトラックに途中まで乗せてもらった。このgetは速攻だった。最短記録かもしらん。やはり、トラックからの眺めはいい。このトラックの後は、なんとTaurangaに行くというおっちゃんに乗せてもらって、わざわざ宿の前まで来てくれた。2台の車で2時間でTaurangaに戻った。すごいやん、俺。

 宿に戻ると、pruningはもう始まってた。まあ、俺は少し待たなあかんやろう。正直、少し図書館に行って勉強したい。だから、1週間ぐらい待ってもええ。それと、pruningをやってる奴に聞いてびびったのは、自分でクリッパーを買わなあかんみたいだ。そんなあほな。$70ぐらいするらしい。とりあえず、俺はドンに聞いてみたが、ドンも買ったほうがいいぞと言ってた。

う〜ん、どうしよう。

6月29日

「どうも仕事する気にならん」

 

 今日は久しぶりにゆっくり寝た。Aucklandではほとんど寝てへんかっただけに、おかげで少し体が楽になった。しかし、まだ、眠い。

 宿の何人かはすでに仕事を始めたが、昨日ここに戻ってきたばかりの俺は当然待たなあかん。正直、俺はうれしい。というのは、確かに仕事はしたいが、なんか気持ちが乗らん。pickingが終わってみんなと別れて、Coromandelを旅して、Aucklandに行って。少し休みたい、それが今の心境だ。

 それと、Taurangaの図書館でkiwi fruit関係の文献があって、少しそれを勉強したい。折角、ここまでkiw fruitにこだわってるんやから、physiologyも少し勉強したい。

 早速、俺は図書館へ向かい、本を借りようかどうしようか迷っていたが、photo copyすることにした。そうやった。NZのcopyではA3は1枚¢40もするんやった。俺は67枚もcopyしたので、$30近くとられた。しまった。縮小したらよかった。これやったら、一冊本が買えた。

 それから、米を買って宿に戻った。pruningのメンバーはもう20人はいるが、pickingのメンバーより少ないせいかおとなしい。皿もちゃんと洗うしな。しかし、kitchenがなかなかあかない。そうか、個人個人作ってんや。pickingの時は、ドミ、マーティン、ルイスがshare、ルーシー、タニヤ組、クラール、ダニー、etcといったようにshareしてた連中が多かったので、待つには待ったが今ほど待たんでもよかった。今日はPM6:00からPM9:00まで待った。なんとかならんかな。

6月30日

「今日という日はなかった」

 

 俺にとって、1998年6月30日はなかった。というのは、AM10:00に目が覚めて、それからうとうとして結局PM2:00ぐらいに起きて、軽くめしを食って、シャワーを浴びて、テレビを見ているとうとうとしてきて、PM4:00ぐらいにまた寝て、結局PM7:00に起きた。とにかく、体がだるい。眠くて仕方ない。俺が始めてオークランドに来た日と同じ体調だ。なんか仕事に対して気持ちが乗らん。なんでや。

7月1日

「2人の日本人」

 

 今日は朝から嵐。それにしても体がだるい。なんでやろ。今朝、家から新聞の切り抜きと利尻昆布が届いた。よし近いうちにこの昆布を使ってうどんを作ろう。俺はこの宿にいる2人の日本人の女の子にも見せてあげた。元々、俺以外に日本人の女の子が3人いたのだが、今朝1人ここを出て行った。後の2人の日本人も悪くはないのだが、やっぱりアジアで会う日本人とは少し違っていまいちだ。なんて言うか、パワーがないって言うか。それと、日本人と話してしまうと頼ってしまいそうなんで、pickingの時の泰司さんに接した時みたいに、必要以外は話しかけないようにしている。

 ああ、ほんま雨の日はすることがない。ひまや。また、夕方寝てしまった。

 7月2日

「テント生活開始」

 今朝もすっきりしない天気。朝、ジャッキーに明日から仕事と言われた。正直、まだ気が乗らない。それに、俺は最近ここに戻って来たし、pickingの時は始めにやらしてもらったので、ジャッキーに、

「俺は後でいいよ。」

と言ったが、

「No problem。学は早くからpruningをすると言っていたのだから、そんなことは気にしなくていいよ。」

と言ってくれた。さあ、そしたら働くか。それにしても気が乗らん。

 俺は気持ちの切り替えも兼ねて、今日からテント生活にすると決めてた。どうもpickingの印象が強くてあかん。早速、townにテントを買いに行った。買う店はあらかじめ決めていたが、一応他も見てみた。数店舗見まわった後、また始めの店に戻って、80gのバックパッカーといっしょにテントを買った。2つで$238。店の人に何度も値切ったが、テントもバツクパッカーもスペシャルプライスやったので、これ以上は無理らしい。なんやけちやな。俺は宿に帰って、早速テントを建ててみた。う〜ん、なかなかいいやん。しかし、これは寒いわ。この冬をこれで乗り切れるか。

 今晩、デヴィに誘われてin door rock climbingに行った。デヴィはさすがアメリカでやってただけにうまい。俺は素人。これはサポーターがかなり大事だ。力やないコツや。う〜ん、やってみると難しい。さすが、元インストラクターのデヴィは素人の俺にも厳しい。

「ダメ、まだ下りたら。上まで行きなさい。」

おいおい、頼むから下ろしてくれ。

 7月3日

「pruning初日」

 今朝は6時起き。これから毎朝こうだ。それにしても、テント生活はつらいぜ、セニョール。寒すぎるやないか。

 今日から俺はここの宿にいる日本人のゆきさんとかよさん、それにKoreaの2人に加わって仕事することになった。このグループのボスはトニー。俺の嫌いなインド人。一見怖そうだが良さそうな人だ。俺ら以外には、ネパール人、インド人、インドネシア人とアジア系の人ばかり。正直、ゆきさん、かよさんとはいつしょに仕事はしたくない。彼女たちが嫌いなわけではないが、日本人なので頼ってしまいそう。トニーも俺に気を遣ったのか、彼女たちに教えてもらった方が言葉も通じるしええやろうということだ。早速、トニーも混じえて教えてもらうことにした。

 午前中は、昨日彼女たちがcutしたbranchをワイヤーに留めていくtight down。要するに、今年派生したbranchをうまいこと、重ならないようにワイヤーに留めていく。これが思っていた以上に厄介だ。というのは、branchはまっすぐじゃないので、無理やりまっすぐにする。今日はpergolaなので作業はずっと上を向いてやる。これが結構首筋にくる。

 kiwi fruitは1年目の枝にしか実がならんみたいだ。だから、古い枝は残してもしゃあない。とりあえず、俺は言われた通りワイヤーに留めていったが、kiwi fruitの生長速度ってどんなもんや。それがわからんだけに不安だ。

 昼からはpruning。トニーにも少しついてもらって枝を切っていった。とにかく枝がからみあって切りにくいし、俺は今日初めてkiwi fruitに雄と雌があるのを知った。要するに、実がなるのは雌のみ。雄は軽く切るだけだ。いざ切ってみるとどれを残すべきか迷う。う〜ん、難しい。それに、ずっと上を向いたままclipperで枝を切り続けるので肩は痛いし腰も痛い。とにかく、つらい。これはpickingの方が100倍ましやし銭になる。

 pruningは1本の木を整えてたった$2.00。確かに銭はほしいが、pruningは勉強のためにやっているので銭はいい。それにしてもつらい。仕事は個人、個人で、まさしく孤独というか。みんながpruningを嫌がるわけがわかった。こんなに仕事がつらいと思ったのは、初めてカナディアンファムに行った時以来だ。う〜ん。でも、1ヶ月はやる。

 7月4日

「pruningは孤独な仕事」

 今朝もAM6:00起き。まさかNZまで来てこんなに早起きすると思わんかった。この時期は早起きする宿命なのか。毎年礼文なので、AM5:00には起きていたが。まあ、それに比べたらましか。

 さあ、pruning2日目。とにかく、今は銭よりも慣れることが先だ。今日は色々考えながらやってみたがまだまだだ。いかにして体力のlossを防いで、要領よくできるか。う〜ん、ピッキングと違ってpruningは孤独な仕事。どんなにがんばっても俺の力量では1日$50がやっと。それもAM8:00からPM5:00まで働いてだ。今日もかなり疲れた。

 宿の何人かはここを出て、安いフラットに行くそうだ。このBPはドミで週$84、テントで$56。フラットやと週$30ぐらいだ。う〜ん、確かにフラットの方が経済的だ。しかし、俺はここを出るわけにはいかん。ジャッキーにはかなり世話になっている。まあ、金銭的にまだ余裕があるからこんなこと言っていられるのかもしれない。もし可能なら俺はここに残りたい。ひょっとするとハンたちはここを出ると言うかもしれない。もし彼らがここを出たら、俺も出なあかんやろ。というのは、同じグループでpruningやってて、彼の車に便乗させてもらっているからだ。ああ、複雑な心境だ。

 7月5日

「いままでで最高に嫌な仕事」

 今朝はあまりの寒さに勝手に目が覚めた。絶対0℃ぐらいや。それにしても、

この寒さの中テントはつらい。

 今日から、俺らの仲間にもう1人のKoreanが加わった。なんて名前か知らんが、とにかくMr.オクレに似ていて、ハンやリーもオクレって呼んでいる。彼らはpicking仲間のようだ。

 今日も日が暮れるまでずっと仕事。途中、トニーが色々アドバイスしてくれた。昼めしの時に30分ぐらい休んだだけで、それ以外は仕事。それで、今日は$40ぐらい。AM8:00からPM5:00まで働いてたったのこれだけ。とにかく、つらい仕事。俺が今までやった仕事の中のうちで、おそらく札幌でやった深夜のペリカン便が最高嫌やったが、それを100倍上回る。気も滅入ってくるし。でも、絶対1ヶ月はやってやる。

 7月6日

「なんでこんなことしてるんやろう」

 今朝は昨日以上に寒かった。寒さ防止に俺は靴下を履いて寝たのだが無意味だった。また寒さで目が覚め、今朝は震えてた。よし、今晩はズボンを2枚履いて寝よう。

 今日はKatikatiのorchardへ行った。まず始めに、ひたすらpruningするらしい。始めの方はトニー、もう1人のインド人のcontractor、それにorchardのオーナーが俺らのpruningをチェックしてた。俺はオクレと組んで同じrowをやることになったが、やはり怒られるのは俺、オクレ、ハン、リーのbeginnerばかり。それと、トニーは一方的に教科書通りのことしか言わない。トニーが言ってることは確かに正しいが、場合によってはそうはいかない時がある。俺は自分なりに考えてpruningしてるのだが、自分の思い通りにいかないと嫌らしい。こういうところはインド人らしい。どうしても、その枝を切らないといけない時などもある。それやのに、一方的に俺らが悪いと言われる。頭来るで、全く。

 途中で、俺とオクレが使っていたハンに借りたclipperを見て、

「俺がいいのん買ったるからこれは止めろ。金は後でいいから。」

と言って、トニーは昼から新しいclipperを買ってきた。確かに軽くていいやつだが、pruningが終わったらどうしよう。$65もしたんやから、誰か買ってくれへんかな。

 結局、今日はpruningだけで3列近くやったので、$60〜70ぐらいもらえるのでは。しかし、これはAM8:00〜PM5:00まで働いてだ。つらい仕事なだけに気が滅入ってくる。こんなつらい仕事をわざわざNZでやらんでも。なんでこんなことしてんやろ。そんなことばかり考えている。嫌やったら止めればいいのに。これを1ヶ月続ければ、どんなしんどいのでもやっていけそう。それに、この後はバヌアツが待っている。とにかく、我慢。勉強、勉強。

 7月7日

「韓国のMr. オクレ」

 天気予報では雨のはずが天気ええやん。全くどないなってんねん。

 今日もひたすらpruning。とにかく、つらいの一言。しかし、俺も徐々によくなってきて、今日も3列近くできた。

 仕事が終わってみんなで買い物に行って、ふとおもったのが、オクレはなんと牛木さん(北大の先輩)にそっくりでは。俺はまじでびびった。ということは牛木さんはMr.オクレに似ているってことか。うあ、こんなこと牛木さんに言ったら怒られるやろう。とにかく、オクレはfunnyな奴だ。ああ、つかれた。

 7月8日

「徐々に上達してきている」

 今日はWorld Cupのsemi final。ブラジルvsオランダ。宿の連中はサッカーを見て仕事に行くようだ。ハンやリーもサッカーを見たいようで、俺らはオクレが泊まっているBell Lodge backpackerで見ることにした。正直、俺も見たかったのでよかった。

 俺らはいつも通りAM7:00にここを出て、オクレのいるBell Lodgeに着いた時は前半の20分だった。まあ、最終的にはPKでブラジルが勝ったが、オランダもよくがんばった。明日はクロアチアvsフランスだ。

 さあ、仕事だ。始めたのはAM10:30頃。いつも通り単調な仕事。今日から2,3日トニーはいない。娘の誕生日かなんかで、Hastingsへ戻った。しかし、トニーがいなくてもいつも通りだ。

 昼から雨が降ってきた。時折、heavy rainだ。雨が降ると最悪だ。上を向いての仕事なだけに、雨がまともに顔にあたる。つらいぜ、セニョール。しばらくは雨の中仕事をしていたが、PM4:30頃あまりにもつらいので終了。俺らはびちょびちょ。それでも、今日は3列はやった。徐々に上達してきている。う〜ん、もうちょいうまくなったるで。

 7月9日

「俊君との再会」

 昨晩から嵐。雨が降るとテントはうるさい。おかげで全然寝られへんかった。でも、いつもの時間には起きた。この天気じゃ仕事は無理だ。しかし、AM7:00からはサッカーがある。フランスvsクロアチアのsemi final。今日は仕事がないというのを知って、ハン、リー、ベンは起きて来なかったが、それでも7,8人でテレビを見てた。当然、クロアチアのサポーターだ。結果的にクロアチアは負けたがよくがんばった。さあ、今度はfinal。それから、昼まで寝た。

 昼めしを食った後、ハンに車でtownまで乗せてもらいe-mailをチェックしに言った。そして、雨の中を何気なく歩いていると、なんとThamesで会った俊君が俺に気付いた。びっくりした。彼はあの後Fletcher bayまで行って、もう銭がなくなって来週日本に帰るそうだ。俊君は22才にしてはすごくしっかりしている。う〜ん、俺がNZで会った日本人の中では人間的に一番しっかりしているかも。彼はThamesで、

「またどこかで会いたいですね。」

と俺に向かっていってくれ、今日は、

「今度アジアに行った時の日記読ませて下さい。」

と言って、住所を残して帰って行った。なんか最近怖くなってきた。どんどんと俺の日記が一人歩きしている。日本の関係者ならまだしも、NZで会った全く赤の他人にまで影響を与えようとしている。俺は色んな人に影響を与えすぎか。NZに来て俊君で何人目だ。俺自身や俺の日記が彼らの選択肢の1つとなるならいいが、悪影響を与えたらって考えると。しかし、読みたいと言ってくれる人には読んでほしい。とにかく、みなさんはみなさんの考えで。

      

      すべては時の流れのせいかい 

      追ってく影など消してしまえ

      ヒントはお前の足元に転がっている

      明日へ向かって 

      明日へ向かって

      ずっとそのまま突っ走っていけばいい

         〜「明日へ向かって」長渕剛〜

 

 宿に帰ると礼文の大畑君から手紙が来ていた。しもた。今日、大畑君と大将に手紙を出したのに。

 7月10日

「今日は止めよう」

 今朝はすっきりしない天気。小雨がぱらついている。こういう日は仕事をする気にならん。しかし、ハンはやる気まんまん。リーはいまいち乗り気じゃない。オクレは今日は行かないと言って、宿に帰って行った。

 今日、俺らはTe Punaの少し向こうの前に行っていたorchardで仕事を始めたが、途中から激しい雨が降ってきた。仕事をしているのは俺らだけ。しかし、ハンやリーはやる気だ。俺は雨の日は無理したくない。これで風邪でもひいたらあほだ。昼前にちょうどきりよく1列を切り終えたので、ハンとリーに言って今日は止めることにした。ここ最近一緒に働いているネパールのおやじも止めると言ってきた。それにしても、ボトボトだ。銭のほしい気持ちはわかるが、むちゃはせんとこ。もう子供じゃないんやから、なあハン。特に、お前や。お前も俺と同じ歳やろ。もう少しみんなのことを考えて。

 7月11日

「吉村夫妻の訪問」

 また嵐。おかげで全然寝られへんかった。俺はいつも通りAM6:00すぎに起きたが、こりゃ無理だ。テントから出るのも嫌になるぐらいの嵐。そこで嵐が止むまでテントで待つことにしたが、結局昼すぎまでやまんかった。一体どうなってんねん。雨の日はほんまにすることがない。宿のみんなはビデオを借りてきて見たり、ボーッとしたり。俺は手紙を書いていた。

 ちょうどその時、なんと徳さん、理砂さんが来た。そうや、今2人共Taurangaの近くで、farm stayしてるんやった。どうやら明日そこを出るようで、それでわざわざ訪ねてくれた。この前Aucklandで会った時に、わさびを買ってきてと頼んだらほんまに買ってきてくれた。よし、これで刺身が食える。

 実は今、彼らはとんでもない状況に直面してて、それはNigelから買った車の車検が通らんらしい。それだけひどい車を買わされて、今裁判にもちこんでいるそうだ。徳さん曰く、車を買う時は車検を通してから買えとのこと。こっちの車検はたった$20。あと、保険に含まれるのは対物だけで、人身は国が面倒みてくれるようだ。それにしてもひどい話。同じフラットメイトを信じた徳さんが被害に遭うなんて。2人は明日Aucklandに戻って色々手続きをして、今度はThamesのホテルでexchangeするようだ。徳さんはe-mail addresを取ったみたいなので、これからはe-mailでやり取りできる。とにかく、裁判がんばって下さい。

 ああ、雨は嫌や。頼む、やめ。

 7月12日

「帰ってきたpicking戦士」

 さあ、久しぶりのまともな仕事。しかし、今日も時々雨が降ったり、止んだり。pickingの時はあんなに仕事がしたかったのに。やっぱり、pruningはその気になれん。「気力の限界」。引退会見の北勝海の心境だ。しかし、仕事は徐々に上達。今日は$80ぐらい稼いだんちゃうか。

 今日は残念なことがあった。俺は何気なく枝を切ろうとしていたら、clipperでワイヤーを挟んでしまった。刃がかけた。ああ、これじゃトニーに売れんやろ。

 仕事を終え疲れて宿に戻ると、Israel人のインバルが俺に向かって、

「学、あなたの友達が来てるよ。」

と教えてくれ、俺が対面したのはpickingの時の仲間、孝君だ。彼はAucklandで英語の勉強を終えてpruningのために戻ってきた。これでpickingメンバーが2人になった。うれしいね。pickingの時の仲間は身内のようなもんだ。気が滅入っている時に、あの時の仲間が加わるのは、凄く助かる。

 「とにかく、pruningはつらい。」

俺は孝君にこれを強調してあげた。

 7月13日

「首脳陣への不満」

 やはり、晴れるとあかん。放射冷却で寒くて寝られん。今朝はWorld Cupのfinalやったが、見ないで仕事。う〜ん、見てえ。

 ここのorchardのボスはあまりにもうるさすぎる。どうやれ、こうやれ、いちいちうるさい。俺はpruningのメンバーの中で一番下っぱなので、一番よく怒られる。今日ももう少し切れと言って怒られた。しかし、研究者の立場から言わせてもらうとトニーの言ってることに矛盾を感じることがある。というのは、トニーは新しい枝が生えてない空間には、古い枝を残せという。しかし、orchardのボスは切れという。俺もボスに賛成。実が成らん枝を残しても無駄。養分の無駄。他に、トニーは枝の先端は切るなと言う。しかし、切らざるを得ない場合や切るべき場合がある。というのは、絡まっている枝はほどよく切った方が楽やし、あまり長い枝は光合成の妨げになる。ちなみに、ボスも切る方が多い。たまに、ほんとにトニーはpruningを知っているのと思うことがある。しかし、下っぱの俺が文句を言える立場でない。

 それと、ボスもトニーも14〜15本だけ枝を残して残りは切れと言うが、もしそうしちゃうと、枝が途中で折れたりしたら、とり返しのつかんことになる。だから、俺はいつも20本ぐらいは残すようにしている。もし多ければ、tight downの時に切ればいい。俺の考えすぎか。彼らに素直に従えばいいのか。う〜ん、ええや。明日から素直に従おう。

 7月14日

「ジャッキーへの告白」

 今朝、宿を出ようとしたら突然雨が。ガーン。またかいな。ほんまにどないなってんねん。天気予報を見ても雨。とりあえず、オクレが待っているので宿を出ることにした。

 仕事を始めて30分ぐらいで突然の激しい雨。俺らはみんなで相談して、今日は止めることにした。仕事がないとすることがない。午前中、俺らはしばらくジャッキーと話をしてた。もう少しでここに来て3ヶ月になる。だからジャッキーとも長い付き合いだ。今ではお互いを「ハニー」と呼び合う仲だ。

 そのジャッキーに俺は今月でここを出ることを告げた。始めは、ハンやリーがここを出ると車がなくなるからというニュアンスで俺が言ったら、

「そしたらまた別のcontractorを紹介してあげるよ。」

と言ってくれた。ジャッキーにはほんと世話になっている。しかしもう十分。仕事に気が乗らないのもここが長いからかも知れない。

 客観的に見るとこの宿はよくない。はっきり言って汚いし、ジャッキーの客に対する応対はだめだ。NZの他のBPが親切なところが多いので、そう思うんかもしれない。しかし、俺にとってここは我が家のようだ。俺はジャッキーに夏には戻って来ると誓った。

 とにかく、今はおもしろくない。あまりにもpickingの時の宿が刺激的やったし、楽しかった。ジャッキーも同じ意見だ。今のメンバーはよくない。仕事が終わったらみんなテレビを見るだけ。前のようにみんなで飲みに行ったり、遊んだりはしない。俺自身もここを出たい気が日に日に強くなる。しかし、今月いっぱいはこのつらい仕事をやり遂げよう。

 7月15日

「Israel人を見直した」

 昨晩の嵐はすごい。まさに台風。デヴィのテントは吹き飛んだ。俺のテントも揺れに揺れてた。おかげでほとんど寝てない。テント生活を始めてまともに寝た日はないかも。

 昨日の嵐を見て、誰も今日仕事があるとは思わんやろ。俺も朝起きてびびった。なんと、お月様が出てるでは。当然、ハンやリーは寝たまま。俺は起こすべきかどうするか迷ってた。とりあえず、天気予報を見ると晴れ。結果的にハンを起こしたが、後で、

「なんでもっと早く起こしてくれなかったの。」

と怒られた。そんなん知るか。

 今日も1日単調な仕事。しかし、いつもより1時間少なかったのに$80は稼いだかも。俺もすっかりコツを覚えた。久しぶりだ、トニーやボスに怒られなかった日は。

 今晩インバルがあまりにも俺のテント生活がつらいのを知って、シェラフを代えてあげようと言ってきた。彼女のシュラフは冬山用。これを借りれば間違いなく今まで以上にぐっすり寝られる。しかし、その気持ちで十分。彼女はほんまにいい子だ。俺は今までIsrael人に対していい印象を持ってなかった。というのは、あまりにも旅先で会うIsrael人はマナーは悪いしむかつく。

 しかし、インバルは違う。俺のシェラフは冬用ではない。しかし、テント生活は自分で選んだ。だからインバルに甘えるわけにはいかない。

「学、ホントにそれでいいの。私には気を遣わなくていいから。」

ありがとう、インバル。その気持ちだけ頂きます。

 7月16日

「雨、雨、雨」

 昨晩からまた雨。よって今日もday off。全くどないなってんねん。この2週間で何日働いた?ほんまにむかついてくる。雨の日はすることがない。今朝は勉強してた。そのうちにだんだんと晴れてきたが、昼すぎぐらいにまた雨。ああ、むかつく。

 昼ごろ、かよさんに続いて、ゆきさんからもパソコンを貸してと言われた。またもやe-mail。俺のノートは大活躍。

 夕方、e-mailのチェックに行って、夜はベンが借りてきたビデオの鑑賞会。ベンはビデオを5本借りてきて、今晩はそのうちの「クールランニング」と「ロミオとジュリエット」を見た。雨の日はこれぐらいしかすることがない。明日はまじで仕事がしたい。まじで頼むで。

 7月17日

「そういうことは早く言え」

 今朝はまた雨。今日こそは仕事がしたい。俺はハンと相談してしばらく待つことにした。ニュースを少し見ているうちに雨が上がってきて、よし行こうってことになった。それにしても、ここ最近の雨はすごい。Waikatoでは床下浸水がすごい。連中テレビのニュースで流れている。Aucklandもすごかったみたいだ。

 今日は雨なので、Te Puna近くのorchardでtight downをしていると、トニーからこれが終わればKatikatiに行くように言われた。今日も雨が降ったり、止んだり。それでも最近かなり上達したのかpruningが早くなった。しかし、途中でリーが、

「学、ここの木は切ったらあかんってボスが言ってた。」

と言ってきた。おいおい、切ってもうたやん。そういうことは先に言え、リー。

ああ、また怒られるやんけ。まあ、ええ。素直に謝ろ。

 今晩、ジャッキーと飲みに行くことになっている。ジャッキーと行くのは久しぶりだ。ジャッキーはすごく楽しみにしているみたいで、俺に何度も、

「今日行くよ。」

と言ってきた。う〜ん、俺も楽しみだ。

 7月18日

「今日は眠かった」

 昨日は久々にTaurangaのにpubに行った。1ヶ月半ぶりぐらいか。久々の

 

OAK&ALT だ。

いっしょに行ったのは、ジャッキー、孝君、チョイン、それに昨日来たばかりのkiwiとEnglishの野郎2人。この野郎2人はナンパ野郎だ。次々とねえちゃんに声をかけっまくっている。大人数の場合は2人ぐらいいなくなってもいいが、今日は5人で来た。この2人が他の女の子を連れて来るとジャッキーの立場がない。俺にも何人かねえちゃんが抱きついてきたが、するとジャッキーが、

「私のハニーに手を出さないで。」

と追い払ってしまった。そうや、今日はジャッキーと飲みに来たんや。

 結局、俺は1時半ぐらいには宿に戻った。そのため、今朝は眠かった。しかし、今日は快晴。そのため、朝はかなり冷え込む。俺はあまりの眠さにハンの車の中で30分ぐらい仮眠してから仕事を開始した。

 それにしても今日は天気がいい。昼ぐらいからかなり汗をかいてきた。やはり、今日はあまり眠ってないせいか、途中から体がだるくなってきた。あかん。やっぱり、睡眠は大事だ。

 仕事の帰り、ここのorchardの隅にまさしく食ってくれというようなきれいな橙色のオレンジの木を見つけた。当然、俺らはぱくって帰った。今日も$80ぐらいか。

 

 7月19日

「アジア人ばかりや」

 今日も快晴。この2日間でかなり焼けた。pruningは多分明日で終わるやろ。かなりみんな速くなってきて、ここ数日でほとんど切り終えた。その後はtight downが待っている。

 俺は自分でもうるさい方やと思うがオクレには負ける。とにかく、オクレはうるさい。じゃかましい。たまにむかつくことがある。オクレは違う宿だが、うちの宿には5人のKoreanがいる。そのうちの1人のおやじは俺はどうも好きになれん。この宿では結構嫌われている。人のものを勝手に食うし、勝手に使うし。チョインもそういうところがある。そう考えると、ハンは優等生だ。

彼はほんまにいい奴。しっかりしているし、思いやりがあるし。

 俺ら日本人4人とKorean5人のアジア人9人が同じ宿にいる。今半分以上がアジア人。アミシはモザンビーク、インバルはイスラエルなので、native Englishはスティーブン、エリック、ベン、デヴィの4人だけ。最近ハン、リー、オクレとの会話が多いので、徐々に英語力が衰えていってるような。なるべくベンやデヴィたちと話そうとするが、彼らは宿に戻るとテレビばかり。ゆきさんやかよさんとはできるだけ話さないようにしているが、孝君とは付き合いが長いので話してしまう。とにかく、アジア人が多すぎる。ああ、前の方がよかった。

 7月20日

「やっぱり、インド人はむかつく」

 今朝はあやうく寝坊しそうやったのをハンがテントまで起こしに来てくれた。やはり、仕事が続くとつかれてくる。

 俺らがorchardに着いて1時間ぐらいしてトニーがやって来て、どうやらお金の計算をするために誰がどこのrowをやったかcheckするようだ。そのため、俺らは1列づつ、誰がやったかチェックしていくことにした。

 今、このKatikatiには6人労働者がいて、俺ら4人と元々ChineseだがKorean国籍を持つおやじ2人がいて、俺以外はみんな韓国語で話す。だから、俺にはさっぱりわからん。このうちのKoreaのおやじは、pruningの腕はすごい。ボスもベタ誉め。しかし、俺はどうもこのおやじも好きになれんかった。なんか、なんて言うんやろ。相性ってやつか。今日、このおやじはみんなで列のcheckをしていると、やたらトニーにかんでくる。やはり、金がからんでくるとその人の性格が浮きでてくる。俺がこのおやじを好きになれんわけだ。とにかく、せこい。なんで俺の周りにいるKoreanはこんなにむかつく奴が多いんやろう。

 ざっと計算したところ、このorchardで$550ぐらい稼いだか。約2週間ここで働いてこの額だ。まあ、勉強のつもりで始めたpruningなので、もらえるだけましか。

 昼から残りを仕上げて、今度はオモコロアのorchardでもcheckを行った。ここにはほとんどいなかったので$120ぐらいか。とにかく、この額からもpruningがどんなに過酷かわかる。

 今日、俺はトニーに憤りを感じた。今までにも何度も腹立ったことがあったが、トニーは、

「お前ら、自分がpruningしたところをtight downしてから仕事辞めろよ。」

と言ってきた。つい数日前は、

「仕事を辞める2日前に言ってくれ。そしたらその分の金はやるから。今月で辞めるの、No problem。」

と言っておきながら、なんじゃ、その態度。やっぱり、俺の嫌いなインド人。

 実は、Katikatiのorchardのボスが、tight downを終えないと金をくれないとわかったらしい。それで態度を変えやがった。その上、雨で仕事をしろと言ってきた。おいおい、雨の日は仕事をするなとorchardのボスが言ってるんやろ。そのくせ、てめえは雨の日は風邪を引くからと言って仕事をせんくせに。ほんまにむかつく。金もごまかしそうな気がする。

 宿に戻ると、またKorean同士の会話が飛び交う。じゃかましい。外人から見る海外の日本人に対する気持ちってこんな感じやろか。

 7月21日

「こんなの勉強じゃない」

 今日は最悪の日だ。こういうことになると予想はついていた。というのは、今日からtight downが始まったが、当然のごとくorchardのボスは俺らの後ろをついて回ってきた。とにかく、俺らはこのボスが大嫌い。実は、トニーもこのボスのことを嫌っていて、気がつくといつもorchardからいなくなる。今朝、仕事を始めてしばらくすると、ボスはトニーも混じえて俺らに色々言ってきた。確かにボスの言ってることはcorrect。しかし、トニーに仕事を任せた以上ボスは口を出すべきではない。でないとトニーの立場がない。今日も、仕事が始まってすぐにトニーはいつものようにいなくなり、orchardに残ったのは普段の6人だけになった。そうすると、ハン、リーのペアー、俺、オクレのペアーの後をずっとついて来て、あれこれ指示を出し始めた。そりゃ、すべてのbayが同じように長くていい枝のみでtight downできればbestだが、植物はそういうわけにはいかない。新しい枝が生えてない部分もある。枝がないからと言って古くて太いのを残しても無意味だ。俺らはあほじゃないからそれぐらいわかる。

 ボスとその奥さんが俺らのrowをチェックしている時に、どうやら俺がmaleの枝を切ってしまったのに気付いた。俺もなんでこんな枝切ったんやろと考えるぐらいeasyミスだ。それからはハン、リーのrowや俺、オクレのrowを徹底的にチェックし出し、ハン、リーのrowを見て怒り始めた。

「お前らトレーニング積んだんか。」

その上、ハンとリーに向かって、

「お前らはbeginnerだ。あいつら(俺ら)はstupidだ。お前らは今日は仕事をするな。なぜ、いつもトニーはいないんだ。」

と怒りまくっていた。ボスの気持ちはわかる。ボスは俺らに仕事を与えているんやから、要するに俺らはプロとして仕事をせなあかん。確かに、俺らが今日tight downしたrowのpruningはよくないと思った。というのは、俺らが仕事を始めて間もない時にpruningしたrowだから。しかし、それはいいわけ。それと、トニーがいないのもよくない。トニーとボスの言っていることが違うので俺らはどうしたらいいのか。親方が2人いるのはまじでよくない。それにしても、ほんまにこのボスにはむかつく。俺らは仕事の後、他の人がやったrowを見たが、俺らが見てもひどいというrowもある。このrowをあのボスが見たら。ひどいと言ってももちろん合格点だ。要するに、ボスは完璧を求めている。それは無理。ああ、なんでNZでこんな嫌な思いせなあかんねん。折角のNZが。早く仕事を辞めたい。

 しかし、自分たちでpruningしたrowをtight downしないとトニーは止めさせてくれない。こんなの勉強じゃない。日本の教育といっしょだ。向こうからの一方的な指導。俺らに耳を傾けない。明日でひょっとしたら俺らは首になるかも。とにかく、やれる限りやるか。

 7月22日

「男やな、トニー」

 今日インバルがここを出て行った。彼女はpruningでは金は貯まらないのでKerikeriの方に行くと言ってた。インバルはほんとにいい子。Israel人でもこんなにいい子がいたんかっていうぐらいの子だ。彼女がいなくなるのは寂しいが、俺らがとやかく言う立場やない。たぶん、Kerikeriに行っても仕事がないと思う。pickingの時は次にOZに行くとか、どこどこを旅するというふうにpositiveな気持ちでみんな出て行ったがpruningは違う。みんなnegativeだ。それぐらいつらい仕事だ。

 さあ、嫌なorchardに行かねば。今朝、俺はトニーに昨日の一部始終を伝えた。そうすると、

「あのボスは狂っている。とにかく、ボスの言うことは聞き流せ。お前らのことで俺が怒られてもどうってことない。気にするな。」

とトニーが言った。俺はトニーを初めて男だと思った。ありがとう、トニー。今日も、ボスがとやかく言ってくる。ほんとにあのボスはおかしい。たぶん友達がおらんやろ。それにしても、tight downは時間がかかりすぎる。horrible.。ほんまに今月中にpruningしたところを終わるんか。今日1日で$40ぐらいちゃうか。

 今晩、Koreanのおやじがジャッキーを怒らせた。きっかけはジャッキーがkitchenをきれいにしろと言っただけなのに、それに対して、おやじはおちょくった態度を取りやがった。おい、おやじ。お前出て行け。みんな迷惑してんねん。チョインも変やし、リーももっと周りを見ないと。とにかく、なんでこんなにKoreanは変なんや。ハンのようにまともな奴もいるのに。

 7月23日

「ほんまに、horribleだ」

 俺らがorchardに着くと、トニーを始め誰もいないでは。ボスもトニーのことを聞いてきた。ボスは何度かトニーの携帯電話にtelしたようだがつながらんらしい。一体、どうなってんねん。

 俺らのtight downもかなりよくなってきた。ボスの文句も減ってきた。今日でオクレといっしょにpruningした列は終わった。後は、俺らは別々にtight downをしていく。それにしても、指先がかなり痛い。クリップによる痛みだ。なんとかならんもんか。

 ボスは相変わらずうっとうしいが、怒られ続けているうちにかなりの知識がついた。切った枝をそのまま置いとくときのこが生えてくるとか、これが何年目の枝とか。おかげで勉強になったのは確かだが、やっぱりボスはおかしい。変だ。

 この3日間で$100ぐらいか。pickingなら1日、pruningなら1日半で稼げるのに、tight downでは3日もかかった。ほんまにhorribleだ。Definitely。二度とやらん仕事だ。

 7月24日

「pruning初給料」

 今朝は雨。しかし、トニーからTelがあって仕事をするようにと。雨の中の仕事はつらい。とにかく、気が乗らん。でも俺らは自分のrowをtight downし終えないといけない。全くつらいぜ、セニョール。

 今日、トニーが給料をくれた。オモコロアのorchardとここのpruningの分。オモコロアの方が$120、Katikatiが$550。20日ぐらい働いて約$700(約52,000円)。たったのこれだけ。その上、トニーは、

「とにかく、自分のrow仕上げてからここを出て行け。」

と念を押した。わかった、わかった。

 実は、トニーから聞いたんだが、ゆきさんとかよさんがorchardのボスに言われて首になったらしい。彼女たちが働いているorchardは、俺らのボスの息子さんのorchardで、この親子はお互いに行き来している。たぶん、首と言ったのはうちのボスだ。理由は力がないかららしい。おいおい、そんな理由あるかい。そしたら彼女たちが今まで働いていたオモコロアのorchardはどうなる。ちゃんと仕事したやないか。とにかく、うちのボスはおかしい。そんなに働いている連中が信用でけへんかったら自分でやれ、ドあほ。ほんまにむかつくで。

 今晩、俺は炊き込みごはんとおすましを作ると決めていた。折角、日本から利尻昆布が届いたので、孝君にもこの昆布でだしをとった食い物を食わしたらなあかんと思ってた。そう思って、俺はこの昆布を使って炊き込みごはんとおすましを作った。味はまずまず。孝君も喜んでくれた。まあ、たまにはこんなもんもええか。うん、よかよか。

 7月25日

「絶対、ボスは棟梁にはなれん」

 今朝も雨。でも、俺らには休みはない。俺らがorchardに着くと誰もいない。また俺らだけか。さあ、仕事、仕事。いつものようにボスが俺らのrowを見回る。特に、今日は俺の後ろをずっと付いてきた。まじであのボスはcrazyだ。絶対、ボスは棟梁にはなれん。部下を信用できないトップ。最低だ。rowとrowの間にあるどっちのrowにも向いていない枝や、向こう側に傾いているlong caneをボスは俺のrowに無理に持って来ようとする。おいおい、向こう側のバランスも考えろ。向こう側にあるのは取るなと教えたのはあんたやろ。そんなに無茶したら折れるやろ。案の定、自分で折りまくって自分で怒ってた。あほちゃうか。

 今日は雨が降ったり、止んだり。時折、中断もした。そんな中、俺らのtight downもかなりよくなってきて、初めてボスが俺を誉めた。俺もなかなかのもんになってきたんやな。ハン、リー、オクレもgood。元々、俺らはそんなに悪くない。たまたま、始めにやった植物がよくなかっただけ。それと、俺らが以前働いていたオモコロアのorchardのボスもgoodと言ってたようだ。とにかく、自信持ってやろう。じゃないと気持ちが乗らんし、しょうもないミスをしてしまう。

 PM3:30頃、ボスが今日は仕事を止めろと言ってきた。1日中雨が降ったり、止んだりで、俺らの体も冷えきっていた。時間的によかったのかも。

 それから、宿に戻ってテレビを見ると、All Blacks vs南アフリカの試合が始まってた。この前、All BlacksはOZに負けて、今日も南アフリカに負けた。どうした、オールブラックス。このままじゃ、最下位で終わってしまうぞ。

 7月26日

「10日ぶりのday off」

 昨晩、ジャッキーとパブに行った。当初の予定では、PM10:30頃に宿を出るつもりだったが、ジャッキーの友人が訪ねてきたようで、俺はジャッキーを待ちくたびれてソファで眠ってしまった。正直、俺はかなり疲れきっていて行きたくなかった。しかし、ジャッキーは律儀にも俺を起こしてくれた。もうすでにPM11:30をまわっている。ジャッキーは、

「学、come on。」

と言ってきかない。また、俺は有森裕子状態。自分で自分を誉めた。結局、眠たい目をこすりながら、雨の中townへ向かった。

 とにかく、つらい。疲れて立ってるのもしんどい。AM2:00過ぎに、ジャッキーは店を代えようと言って、俺らは「grumpy mall」を出たが、俺が帰りたいと言ってもジャッキーは、

「だーめ。」

の一点張り。次の店では、久しぶりにモニカ達に会ったが、俺は体力的に限界で孝君に言ってそっと帰ってきた。結局、寝たのはAM3:30。そして、起きたのはAM6:30。えらいやん、俺。

 今朝も雨。ハンは俺がつらそうなのを見て、

「学、今日day offにしようか。」

と言ってきた。俺は、

「No,problem。」

と言ったが、どうやらハンが休みたかったらしい。なんかきっかけがほしかったんやろ。リーも休みたそうで、俺らは10日ぶりにday offにした。そして、そのことをオクレに伝えにBell Lodgeに向かったが、オクレも休みたかったみたい。やっぱり、人間休みも大切やな。

 今日は朝から少しデビィにEnglishを教えてもらって、昼から孝君にe-mailの使い方を教えにtownに向かった。久しぶりの休みだが、こういう時はいつも雨。雨の日しか休めない。全くつらいぜ。

 実は、2日ほど前に大変なことが起きて、それはハンのお金がなくなったことだ。それも$500。この1ヶ月のpruningの金のほとんど。どうやら、ハンはジーパンのポケットにそのまま入れていて、宿のどこかに落としたみたい。ハンはすっかり落ち込んで、もうKoreaに帰りたいと嘆いている。俺が何度も、

「ちゃんと探したか。」

と問いかけても、もう金のことは忘れたいと言って耳を傾けない。誰かが金を見つけて盗ったのか。そうは考えたくないが。俺はハンがいつも座っているソファの近くを探してみたがない。なんとかして見つけ出したい。宿の誰かが盗ったとは考えたくない。

 ハンはほんまにいい奴。思いやりがあって、やさしくて、気が利いて。俺がNZに来て会ったforeignerの中で、一番人に紹介できる奴だ。とにかく、人間がせこくない。いっしょにいて疲れない。だから、俺は人事とは思えない。なんとかならんもんか。

「ああ、神様。お願いします。ハンのお金を見つけだしてください。」

 7月27日

「なるほど」

 今朝も雨。しかし、天気予報では昼からよくなるとのこと。俺らは1時間ぐらい待って仕事に出かけた。今日も、ボスは俺らをチェックしている。驚いたことに、ボスは俺のclipperを磨いてくれた。いいところあるやん。しかし、まだいちゃもんをつける。

 俺は自分でもかなり速くtight downをしているなと思っていたが、俺がみんなの中で一番遅い。どんなに急いでもみんなに追いつけない。なんでかなと思ってふと他の人のrowを見ると、枝の数が俺の半分ぐらいだ。そうか、どうりで時間がかかるわけだ。よし、明日からもっと枝を少なくしよう。今日も$40ぐらいしか稼いでないかな。

 7月28日

「自分が日本人であること」

 今日は快晴。雲1つないいい天気だ。さあ、仕事。あまりにも天気がいいのでかなり汗をかいた。今日、トニーがボスに月曜日には終わると伝えたようだが、果たしてほんまに終わるのか。しかし、予想に反して俺のtight downもかなり速くなってきた。pruningが徐々によくなってきた時のrowなので、tight downも前に比べて楽だ。今までは1日$40稼げればよかったのが、今は$60近くになった。ざっと計算したところ、あとtight downしなければいけない木は134.5、つまり269本。1日に50本として、約5日。うまくいけば日曜日には終わりそうだがどうやろか。

 今晩、家から荷物がきてた。その中には日本のここ最近の新聞があった。毎日pruningしていると、俺が日本人であることをすっかり忘れてしまう。こうやってる間でも日本は動いている。う〜ん、ほんま日本には帰りたくない。日本の情報を目にすると、自分が日本人であることを痛感する。それと、荷物の中に植野からの写真が入ってた。俺と山口と植野が最後に鳥取で会った時のやつだ。もうしばらくこの3人で会うこともないかな。また3人で会いたいな。

 7月29日

「う〜ん、なかなかのものだ」

 今朝は寒さで目が覚めた。やはり、晴れるとかなり冷える。今日もいつも通りのtight down。俺が今やっているrowは、pruningがかなりよくなった頃のものなので、tight downもかなり速くなっている。自分で見て、このbayはgood pruningかbadかわかるようになった。う〜ん、なかなかのものだ。

 俺らはなんとか日曜日には終わりそうだが、トニーにもう2日ぐらい働いてくれと言われた。ボスの息子のorchardはpruningだけが終わっている状態で、できる限りでいいのでそこでtight downしてほしいとのこと。まあ、この際やから2日ぐらいいいやろ。今日も$60近く。いい感じだ。

 7月30日

「ハンの車が故障した」

 また雨。雨が降るとテントに雨があたってうるさい。だから、勝手に目が覚める。それにしても、かなり強い雨だ。俺らはいつものように待機することにし、少し小降りになってきたので出ることにした。Bell lodgeでオクレをpick upして、さあって時にハプニング。なんと、ハンの車のエンジンから煙が出てるでは。どうやら、エンジンオイルが空やったようだ。この時、また激しい雨になってきたので、しばらく待機することにした。

 しばらくしてから、ハンがエンジンオイルを買って入れてみたがどうも心配。Katikatiまではかなりあるし。車の下に大量のオイルの跡があるってことは、エンジンからオイルが漏れているっていうことか。穴が開いたんかな。ハンはOK、OKと言ってるがほんまか。とりあえず、仕事に行くことにしたが、今度はラジエーターの中に水がなかったようでまたもや煙。全くどないなってんねん。

 結局、仕事を始めたのはAM10:30頃。空はすっかり雲がなくなって快晴。今日、俺がやったrowはpruningがうまかったためか、かなりの速さでtight downができた。俺は初めてtight downをおもしろいと感じた。まあ、一瞬だけやけど。それにしても、Chinese Koreanのおやじはすごい。俺よりも全然速い。さすがはベテランだ。仕事に関しては尊敬できる。

 最近、ボスの文句もほとんどない。俺らのことを諦めたのか、信用し出したのか。とにかく、とやかく言われなければ仕事もしやすい。結局、今日は$40ぐらいか。なんとか日曜日までには終わらせたい。

 帰りに、orchardを出る前にハンの車のラジエーターに水を満たんにしたが、特に問題なし。何が悪かったんやろ。

 7月31日

「モザンビークの友達」

 今日で7月も終わりか。もうすぐpruningを始めて1ヶ月。早いもんだ。今日はなんか体がだるかった。特に、昼頃からしんどくて仕事をするのがつらかった。やっぱり、疲れか。そのため、いつもはもう少しできたのが今日は$50ちょいか。夕方、雨が降ってきて俺らは仕事を止めた。

 俺のtight downもlast 2 blockまできた。残り約3row。数にして120本。おそらく土、日と必死こいてやれば2日で終わる。ぎりぎり2日ってとこか。しかし、今晩アミシと飲みに行く約束をしている。だから、明日はつらいやろ。

 アミシはモザンビークから来ているguyでほんまに人がいい。俺にとって黒人の友達はミッシェルに次いで2人目だが、アミシは人に紹介できる人間だ。とにかく、ユニークで一度俺が、

「モザンビークって外国人いるの?」

って聞いたら、

「いっぱいいるよ。ケニヤ人でしょ、タンザニア人でしょ、ナミビア......」

 おいおい、いっしょやその辺は。アミシは天然ボケってタイプで、俺と飲みに行くのは今晩が最初で最後だ。というのは、来週には俺はここを出るからだ。

 宿に戻るとアミシの方から、

「今日townに行くだろ。」

と言ってきた。彼はすごく楽しみにしている。正直、しんどいが行くかな。アミシに申し訳ないしな。

 8月1日

「父ちゃん情けなくて涙が出てくるわ」

 昨晩、ジャッキー、アミシ、ショーン、ゆきさん、かよさんとtownへ行った。おそらく、TaurangaのFriday nightはこれが最後。来週はもういないやろ。ショーン、ゆきさん、かよさんは先に「grumpy mall」に行って、俺らは先に「Oak & Alt」に行き、それからpubを転々とした。俺、アミシ、ジャッキーは黄色人種、黒人、白人。まさしく人種のるつぼだ。

色々pubに行ってみたが、なぜかどのpubも盛り上がってなかった。時間的にはいい時間やのにな。

 しばらくして、grumpy mallでショーンたちと合流したが、とにかく俺はしんどくてだめだ。俺はジャッキーに言ってAM1:00頃帰った。みんなに申し訳ない。それでも今朝もAM6:00には目が覚めた。さすがに今日はつらい。俺は仕事の前少し車で寝た。

 実は、オクレが昨日またボスに怒られたようで、その原因はオクレはどうも枝を折りすぎとのこと。俺はどうやってボスがそのことを知ったのか不思議に思っていたら、ボスはみんなのrowをチェックしながら、地面に落ちてある枝と木の枝があったところとを照合して回ってる。こんなにくだらん人間はNZで初めてだ。そんな人のあら捜ししてどうすんねん。もう、俺はボスに対して情けなさでいっぱいだ。なんて、みじめな人間なんだ。

 「お前のバカさ加減には父ちゃん情けなくて涙が出てくるわ。」

懐かしの暴れはっちゃくのおやじの心境だ。

 今日は$60弱。さあ、明日は最後のブロック。残り2 row、60本。ぎりぎり明日で終わるか。今日、トニーにもう2,3日仕事してほしいと言われてた。ボスの息子のorchardに、ゆきさん、かよさんがpruningだけしたrowが残ってるようで、同じ日本人やからやってくれへんかと言われた。まあ、2日ぐらいならやってもいいか。ハンたちとそういう話をした。

 8月2日

「ついに終わったで」

 今日であのorchardは終われるか。残り60本。さあ、スタート。ハン、リーも俺同様、あと2 row残っている。オクレは昨日すでに終了。オクレは最後に4人でshareしてpruningしたrowを1人でやることになった。

 俺はいつも通りtight downしていく。絶対、今日中に終わってやる。もうここには来たくない。1時間に6〜7本のペースでtight downしていかな。tight downをし始めた頃には考えられんかったこのペース。1時間に4本がやっとだった。俺もかなり上達したもんだ。しかし、相変わらずボスは見まわりにくる。もう、そんなもんは気にならん。

 PM1:00に1rowを終えた。さあ、残り1row。ハンやリーも俺と同じ頃last rowに入った。俺ら3人の力量はいっしょぐらいだ。やや、ハンとリーの方が速いか。

 PM4:45ぐらいに、まずハンが終えた。この段階で俺はlast4本。車で寝てたオクレも起きてきて、俺のrowを手伝ってくれた。やがて、リーも終了。PM5:00俺も終了。ついに終わったで。もうこのorchardともおさらば。全くうれしいぜ、セニョール。もうあのボスの下で働かんでもええ。しかし、あと2日はボスの息子のorchardでやってくれとトニーに頼まれている。でも、気は楽だ。とにかく、疲れた。みんなお疲れ様。

 8月3日

「ドンとの再会」

 今朝は快晴。だから俺のテントはむっちゃ寒い。

 今日から2日間はあのボスの息子のorchardへ行く。気も楽だ。それにしても、今日は風が冷たくかなり寒い。

 orchardに着くと、トニーにゆきさん、かよさんがpruningしたrowをtight downしてほしいと言われた。これがまたかなり長い。それに、ひどいpruningだ。もう一度pruningしないとtight downできない。2人が初期の頃にやったrowか。それにしても、horrible。2人には申し訳ないがひどすぎる。早速、俺とオクレはとりかかった。ハンとリーは自分たちが前にpruningしたrowをやることになった。

 それにしても、俺はかなり速くなったのか。トニーもびっくりしてたぐらいだ。でも、orchardのボスの息子には切りすぎやと少し注意された。pruningがひどいとtight downはかなりつらい。ほんまにそのことが身にしみてわかった。というのは、いつもはある程度枝の配置を決めて、その後1本づつクリップで留めていくという2段階でやってたが、今日はその前にpruningが入って3段階の作業だ。その分時間も余計にくって、今日は$40ぐらいか。まあ、ゆっくりやったのもあるが。

 夕方、ハンにドンの家に寄ってもらった。ドンに会うのはpicking以来だ。実は、ドンにネガを貸してて、それを取りに来た。ドン家のみなさんと会うのはほんと久しぶり。みんなの顔を見るとホッとして、pickingの頃を思い出す。ドンも奥さんも、俺が突然来たのにもかかわらずいつもの2人で俺を迎えくれた。よくドンの家にお邪魔したもんだ。それに比べて今は...。俺はドンと少し話をしたかったがハンたちが待っている。ドンとはもう2度と会うことはないと思うが、ドンに会えてほんとよかった。ありがとう、ドン。あなたに会えてほんとによかった。確かに、pickingはつらかったが、あなたの優しさに俺らはどんなに助けられたか。これからもpickingのcontractorとしてがんばって下さい。ありがとう、ドン。

 8月4日

「pruningは2度とやらない。それだけは断言できる。」

 昨晩はまじで寒かった。今朝、起きたらfrostだ。ということは快晴。俺らのfinal dayにはふさわしい。さあ、仕事に行こうと思ったら、俺らの車に俺らの嫌いなKoreanのおやじが乗り込んできた。どうやら、おやじのところのギャラが少し低いので、トニーのところに代えたいようだ。なんて野郎だ。一緒に行ってるアミシや孝君はどうなんねん。まあ、そんなことはええか。とにかく、俺らにはfinal day。orchardに着くと早速仕事にとりかかった。トニーにこのrowは仕上げろと言われている。とにかく、俺はできるところまでやろうと最初にre-pruningから始めた。

 昼すぎになってトニーがやって来て、

「今、お前がやってるrowの半分が終わったらそれでいいから、この後おやじの方のorchardに銭をもらいに行こう。」

と言ってきた。あのorchardには2度と行きたくないがしゃあない。そして、俺は自分のrowを終わらせて、最後にハンとリーのrowのre-pruningを手伝うことにしたが、ここのorchardのボスがまたいちゃもんをつけてきた。こいつはあのむかつくorchardのボスの息子だ。親が親なら子も子。とにかく、細かいしうっとうしい。トニーも呆れてる。最後になって気分が悪い。

 それから、ボス(おやじ)のorchardに向い、トニーがボスに、

「こいつら今日で終わりやから銭くれへんか。」

と言うと、ボスはきれて俺らを車に乗せ、俺らがpruningをしたrowを回りながら文句をつけてきた。ここはどうとか、ここのrowの銭はやらんとか。当然、俺のrowも指摘された。ほんまに気分が悪い。最後までこうか。ほんまに変なボスにあたった。やりにくくてしゃあない。

 確かに、ボスの気持ちもわかる。pruningはkiwi fruit orchardの中で一番大事な仕事。それをいい加減にされると困るんはわかる。でも、トニーに仕事を依頼したんやから責任者はトニーだ。だから、いちいち口出しするとやりにくい。トニーもトニーで悪い。彼は銭がほしいだけ。あまり俺らには無関心。とにかく、仕事を早く終わらせろの一点張り。こういうトップの下で働いている俺らが一番困る。まあ、いい経験になった。いいことばかりではない。こういう上司の下で働いている部下はつらいやろう。仕事の良し悪しは人間関係がかなりのweightを占める。改めてそう感じた。pruningは2度とやらない。それだけは断言できる。

 さあ、今晩はハン、リーとはlast night。予定通りpubへ向かった。彼らはTaurangaの町を知らない。仕事の毎日やったからな。俺は色んなpubに連れて行ってあげたかったが、Tuesday nightはだめだ。ほとんどが閉まってる。しゃあないから開いているパブに行った。

 ハン、リーとは同じ年で同じアジア人。Koreaは日本以上に柵が強いみたいで、彼らは仕事、結婚に焦ってた。特に、ハンは真面目なだけに真剣に悩んでた。そんなハンを見て、俺はこう言ってやった。

 「ハン、お前は悪いことをしているわけじゃない。Koreaは世界の中の1つの国でしかない。今、旅をしながら色んなことをしたいならすればいい。25〜60歳まで働くのと、30〜60歳まで働くのはいっしょ。Koreaで仕事が見つからんかったら、海外の会社に入ってKoreaに乗り込めばいい。もっと余裕を持って。人は人。ハンはハン。」

 ハン、リー、pruningお疲れ様。絶対、また3人で飲みに行こな。同じアジア人。また会おう。

 8月5日

「ジャッキー、ごめん」

 今朝ジャッキーに木曜日までの宿代を払った。俺はジャッキーに今週ここを出ることをどうしても言えなかった。もうここには3ヶ月もいるからな。ジャッキーとはお互いを“ハニー”と呼び合う仲だ。それが、つい先日俺がここを出ることをジャッキーに伝えた。すると、予想通りジャッキーは嘆いてた。

「なんでもう出るの。ハンたちがいなくなるなら、他のcontractorを紹介してあげるから。」

ジャッキー、ごめん。もう俺には十分。ここに来て3ヶ月。いつまでもここにいるわけには...。

 先週の金曜日にジャッキーとpubに行って、その時ジャッキーは、

「マナブ、私はみんながここを出て行くのがほんとは寂しいの。でも、私にはどうしようもないでしょ。私はここのマネージャー。だから、どうしようもない。」

と俺に語った。去る者よりも残された者の気持ち。俺の礼文での気持ちと同じだ。

 俺はジャッキーにFridayに出ると伝えた。すると、

「マナブ、1日延ばそうよ。Friday nightは一緒にpubに行こう。考え直して。」

と言われ、アミシには、

「Sundayにしない。僕はSundayはoffだから、Saturday nightはfeverしよう。」

と言われてる。ありがとう、みんな。ただ、もう少し考えさせて。

 昼頃、ハン、リーが別々にここを出て行った。おそらく、彼らとは生涯の友人となるだろう。あんなにつらかったpruning。とにかく、お疲れ様。また会おう。

 さあ、俺にはすることがたくさんある。e-mailのチェックにkiwi fruitのpaperまとめ、それと荷物のpacking。とりあえず、今日はe-mailのチェックから。この20日間、俺は一度もチェックしてなかつたので20通以上きてた。これには返事書かんと。それと、実家から日記が添付されていた。俺がコピーして送ったpickingの時のだ。うん、なかなかよく打ってる。おかんも始めてにしてはたいしたもんだ。よし、今晩手直ししよう。

 今晩、孝君とざるうどんを食った。孝君がこの前Aucklandに戻った時に買ってきてもらったうどんをゆでて、ダシは昆布、鰹で取って、あとは徳さんが持って来てくれたわさび。数日前にこの宿に来た敏君にもあげた。う〜ん、うまい。たまの日本食はこたえる。当然、ショーンやデヴィにもあげ、彼女たちもうまいと喜んでたが、デヴィは、

「これを食べる時のその音はいいの。」

と聞いてきた。うどんを吸い込む時の音。彼女たちにはnoisyらしい。

 8月6日

「光二さんとの再会」

 おかんから送ってきた日記の修正が思った以上に時間がかかる。しかし、俺はなんとか午前中には終わらせた。

 昼からはMt.Maunganuiに向かった。思い起こせば、Taurangaに来て3日目ぐらいにここに来た。あの頃は宿からの長い道のりを歩いてきたもんな。pickingを待ってた日々。今日は孝君にチャリを借りた。懐かしのMt.Maunganui。それに、何と言ってもbeach。いつ見てもbeautiful。ここでみんなとビーチバレーをやった。絶対、もう一度ここに戻って来よう。俺はそう考えている。

 夕方、宿に戻って荷物の整理をしていると、日本人らしき人がこっちに向かって歩いてきた。

「おい、学。」

な、なんと光二さんだ。光二さんとはMt.Roskillの学校のクラスメート。俺はてっきり光二さんはAucklandにいると思ってたが、今TaurangaのYHAにstayしながら孝君と同じorchardでpruningしてるらしい。どうやら、今日たまたま孝君と話しているうちに俺の話になったようだ。まさか、光二さんに会えるなんて。この前Aucklandに行った時に、和さんから光二さんは入院していると聞いていた。そのことを光二さんに詳しく聞いてみると、どうも胃に穴が開いたらしい。俺が入院費のことを聞いたら、1日$800ぐらいとか。光二さんは4日間入院したので合計$3200。すごい額だ。しかし、光二さんは海外保険に加入していたので、全額保険会社負担に。やっぱり、保険には入っとかなあかん。改めてそう思った。

 今晩、光二さんを誘って「mid city」に飲みに行った。現在、このpubではThursday onlyでビールがjog一杯$1.00。途中から孝君、デヴィも来て、なんとモニカ、ピーター、マイク、リンダも来た。ちなみに、彼らは以前うちにいた連中で、今はフラットに移った。こうやって光二さんとまた会えるとはな。Mt. Roskillの仲間で初めて一緒に飲みに行ったのは光二さんやったからな。人との出会いというのは不思議なもんだ。光二さんは結構英語ができるので、外人がいようがいまいが問題ない。うーん、ビールもうまいし楽しいね。久しぶりの仲間との再会。酒好きの光二さんはここのpubのことを知らなかったようだが、今日は結構喜んでくれた。

 さあ、明日はfinal Friday night。Taurangaのpub、last dayだ。

 

 8月7日

「last Friday night in Tauranga」

 last Fridayが来た。とにかく、今日はすることがたくさんある。まず午前中にみんなに送るe-mailを仕上げた。その後、すぐに荷物をpackingし、post officeへ行ってAucklandに荷物を送った。俺はかなり輸送料を取られるかなと思ってたが$10ぐらいだった。おお、これは使える。

 それから、townへe-mailを送りに行った。ここの人たちとはすっかりお友達。俺が行くといつも席を空けてくれる。今日は孝君に言われたメールも送信し、日記もコピーし、そして皆さんとお別れ。ほんとお世話になりました。

 その後、Pak

n saveに寄って今晩用のつまみを買い、宿に戻って少し寝た。

 さあ、farewell party。と言っても、俺、孝君、敏君、アミシの4人だ。ほんとは逆なんだが、今日は俺がビール、つまみ代をすべて出した。まあ、金が入ったからいいか。この場では軽く飲んだ。この後はパブが待っているからな。

 そうこうしているうちに、ジャッキーが、

 「pubに行くよ。」

と言ってきた。さあ、last Tauranga night。ジャッキー、ベン、リビィ、ショーン、孝君、アミシ、俺でpubに向かった。

 Taurangaの町ではほとんど日本人は見かけない。そのせいか、俺はpubではよく人から声をかけられる。声をかけてくると言ってもアジアの時みたいではなくすごくfriendlyだ。日本人が珍しいのかどうか知らないが。それ以上なのがアミシ。というのは、NZには黒人がほとんどいないため彼は目立つ。マオリ、インド系の人は多いが、俺はNZで黒人を見たことがない。だから、アミシとパブに行くと大人気。

 今晩も飲んで踊って。とにかく、Taurangaのpubはテーブルがほとんどないので立ちっぱなし。だから、疲れる。しかし、日本と違って金がかからなく、1日大体$10ぐらいか。正直、俺はここ数日の疲れでくたくた。それに、眠くてしゃあない。

始めに行ったpub、「grumpy mall」が終わると次のpubへ。あかん、ジャッキーは俺を帰してくれない。ああ、つらい。もう十分。俺は孝君とこっそり帰った。ごめん、ジャッキー。

 さあ、明日はここを出よう。その前にpackingせんと。