1月26日

「久しぶりのヒッチ」

Alexを出る日。昨晩から書き始めた近況報告がまだ終わっていない。それと、apricot pickingの時に唇にできもんができたのだが、これがまだ痛くてしゃあない。全くどうなってんやろう。

AM9:30出発の予定がAM10:00近くになり、libraryまでおっくんに送ってもらうことになった。のりえさんがわざわざおにぎりを作ってくれ、真吾君はみそ汁を持って来てくれた。みんなありがとう。とにかく、体だけは気をつけて。健康第一やからね。

libraryでe-mailを出して、さあ久々のヒッチ。Alexを出るのには2時間はかかるやろうと思っていたが、30分ぐらいでDunedinに行くというアラスカのおやじが乗せてくれた。これはラッキー。ただ、最近の俺のヒッチはどうもたるんでいる。すぐに眠たくなり、途中からウトウトしてしまった。これは申し訳ない。

Roes Junctionでは1時間近く待ったか。Goreに行くという大型トラックがpick upしてくれた。Roes JunctionからGoreまでは富良野、美瑛のような景色だ。ず〜っとsheep farmが続く。俺にはどことなく懐かしかった。GoreからInvercargillまでは速攻つかまった。俺を乗っけてくれたおっちゃんはすごく親切で、

「少し仕事があるから、待っててくれたら宿まで乗せてあげるぞ。」

と言ってくれた。それは申し訳ない。俺は町外れで降ろしてもらい、道に迷いながら約1時間歩いて宿に着いた。

Invercargillはうわさ通りの都会。これはみんながboringと言うのがわかるような気がする。単なる町のみでnothing to do。Palmerston Nth.のようだ。ただ、町の人はすごく親切で俺がinformation centerで聞いたBPに向かって重いバックパックを持ちながら歩いていると、何台か車が自ら停まってくれた。そのうちの1台はさっきヒッチで乗せてくれたおっちゃんで、どうやら仕事が終わったようだ。残り300mぐらいやったので、俺は歩くことにした。

俺が着いたBPは久しぶりのヒット。BPというよりもフラットやね。小ぢんまりしてて客も少なく、宿の人もいい人。横には川が流れていてsituationもvery good。今日は、約2週間ぶりのテントだ。

テントを張った後は久々に見たマクドでBig Mac combを食って、少し買い物をした。とにかく、Invercargillはでかい町。色んな店が建ち並び、物もたくさんある。久々のpak

n save。俺はStewart用に米4kgとパスタ1kgを買って帰った。何と言っても俺は食うからな。明日は買い物。今晩中にリストと8日間のメニューを考えないと。

1月27日

「トレッキングに向けての献立」

今朝は久しぶりにゆっくり寝た。こんなにゆっくり寝たのはいつ以来やろうか。この宿はほんといい。部屋は2つぐらいちゃうかな。小ぢんまりしてて、居心地がいい。久々のヒットだ。

昨晩、今日の買い物リストと予備を入れて10日分のメニューを考えた。これはかなりの量になる。なんせ俺は食うからな。まず、information centerに行ってware houseやキャンピングショップの場所を聞いた。Ware houseでマグカップ、ジャージを買い、キャンプショップでcooker、gasを買った。必要最低限のものはしゃあない。gasは余分に1つ考え3つ買った。

問題の食糧を買う前に俺はFlight Centerを当たってみた。そう、NZの後のことを探りに。俺が一番行きたいところはキリバス、ソウル、ツバル。バヌアツに行った今となってはminerな国に行きたい。今朝、店の雑誌をふと見るとバヌアツのことが載ってた。俺は懐かしい気持ちで無性に戻りたくなった。

ただ、俺が実際に受付のねえちゃんに聞くと、

「それってどこにあるの?」

と旅行会社の人でさえも知らん。Aucklandに問い合わせてくれたが調べるのに時間がかかるとのこと。このねえちゃんのやさしいところはStewartが終わったらここに戻っておいでと言ってくれた。その間調べておいてくれるらしい。なんかinvercargillの人はやたら親切だ。

さあ、問題の食糧。昨日中に米4kg、パスタ1kgを買っておいた。まず考えなあかんのは穀物系。米、パスタ、ヌードル。野菜はたまねぎ、にんじん、キャベツ、ガーリック、アボガド。タンパクはひき肉、ソーセージ、卵、サラミ。ひき肉、ソーセージは始めの2日で食わんとあかん。あと、乾燥野菜とスープの素。スープの素は味付けを変えるのに使える。それと、おやつ類。こういったものは俺は好んで買わんがトレッキングの時は使える。結局、合計で$60を超えてしまった。俺はあかんと思った。これはかばんに入らんやろう。ただ、俺は人以上に食う。それにしても、買い過ぎたかな。

totalでトレッキング用に$150ぐらい使ったか。これは使い過ぎかな。でも、hutが$4.00/nightとすると最大10日で$40。StewartのBPが$10/nightなので、ここに3泊するとして$30。accommodationで$70/2weeks、めし代$150(cookerも含む)として$220/2wとなる。俺の旅の予算は$10/night(テント可なら)、めし代$10/2daysなので、($140+$70)/2wで、$210/2wとなり、ほぼ同じぐらいになる。まあ、pickingで稼いだんやからええやろう。

とにかく、明日はBluffまでのヒッチもさることながら、漁船ヒッチが待っている。うまくいけばいいが。

1月28日

「漁船ヒッチは無理やった」

ここの宿はまじでいい。洗濯は銭いらんし、おばちゃんはいいし。ただ、町から少し遠いのが唯一の欠点だ。

Stewartに向けて荷物をまとめてみると、なんとまあ重いこと。普通の時と全く変わらんやないか。これを背負ってのトレッキングはかなりきついで。でも、Bluffに向けてのヒッチポイントまで歩いてる途中に、車が勝手に止まってくれた。とにかく、Invercargillの人は親切な人が多い。このおっちゃんは北海道から本州の端っこまで旅したことがあるみたいで、俺にはすごくやさしくしてくれ、わざわざフェリー乗り場まで来てくれた。ありがとう。BluffはNZ最南端。Cape Reingaで最北端の標識を見た俺としてはここでも見ないことには。Motor way 1の終点まで行くと、最南端という標識が立ってた。Cape Reingaと違って、parkingから歩かんでもいい。よし、これでBluffの目的は終わった。あとは漁船ヒッチのみだ。

俺は港周辺に停まっている船をかたっぱしから聞きまくった。結果はNO。何人かの人が教えてくれたのは、

「fishing boatは確かにこの辺には何隻かあるが、あくまでも目的はfishing。だからStewartには行かないよ。まあ中には行くのもあるけどね。」

らしい。言われてみればそうかもしらん。そうなると、AM10:00にBluffに着いた俺はAM9:30のフェリーを逃してしまった今となっては、PM5:00まで待たなあかん。折角、漁船ヒッチを試してみようとしたのに。タイミングが悪かったかな。

ロビーで寝たり、ターミナル周辺をぶらついたりして俺は何とか時間をつぶした。それにしても、フェリー代$37は高いんとちゃうか。稚内−礼文よりも高いやんけ。おまけに、ジェットボートらしきものやし。うわさ通りにボートは揺れる。俺も車には酔わんが、船には酔いやすい。このなぎはまだましな方だろうが途中で俺は酔ってきた。これではあかん。約1時間ぐらいしてStewartのHalfmoon Bayに着いた。NZ最南端の島。礼文を思い出すね。町は小ぢんまりしてて、俺が思った以上に港周辺はきれいだ。もっと原始的かなと思ったのに。

俺は港から少し離れた「Ann

sPlace」という一番安いBPに向かったが、いっぱいで泊まれなかった。仕方ないのでここのおばちゃんに紹介してもらった他のBPに行ったが、ここは人が多すぎる。失敗だ。それに、なんでこんな日本人が多いんや。おまけに、電気コンロを使うのになんで¢50も取るねん。絶対明日出よう。ちなみに、まなみちゃんと再会したんはびっくりしたな。彼女とはBlenheimで初めて会って、TekapoそしてStewartで再会。ほんまNZは狭いね。

さあ、明日はDOCを訪ねてみよう。詳しいことを聞かんとな。

1月29日

「トレッキング前日、10日分の仕込み」

宿をcheck-outしてまず俺が訪ねたのはDOC。当初の予定ではNorth-west circuit trackを歩こうとしたが、これではなんか普通のような気がして、North-west プラスSouthern circuit trackを歩くことにした。そうなるとtotalで2週間はいるのだが、そこを俺は10日で行くことを決意。DOCに勤めてるAnn(BPのオーナー)もgood lukとしか言ってくれない。とにかく、挑戦。Trackはかなりmuddyらしい。NZ最後で最大のactivity。どうしても俺はこのSteward島を制覇してみたい。どこか礼文に通じるところがあるからだ。

Annに聞いてみると、今日は1ベッドだけ空きがあるというので、俺はそこに泊まることにした。Ann自身の家をBPにしている感じで、いかにも家っていうようなところでなかなかgood。泊まっているのは外人のみ。こういうところがいいね、全く。

昼からは港周辺をぶらぶらしてた。ほんとに小さな町だ。港周辺しか整備されていない。ただ、今は観光のピークなのだろうか、かなりのtouristが港周辺にたむろしている。一体、冬場はどうなるのだろうか。

宿に戻ると、俺には明日の準備が待っている。なんとか荷物を減らしたいがどう考えても無理だ。全部で25kg近くになったんちゃうか。ただ、食糧は少し余分に持って行きたい。もしもの時のことがあるからな。肉はもやし、ガーリックで炒め、明日の晩めし用にした。ソーセージは半分茹でて冷凍し、半分はキャベツ、卵と炒めた。これで3日間のタンパク源はOKやろ。あと、ゆでたまご4個、サーモン缶、サラミがあるからなんとか10日分はいける。穀物系は米4kg、パスタ1.5kg、ラーメン8パックで十分やろ。

今晩、宿の連中に飲みに行こうと誘われたが申し訳ない。断るとなんでって言ってきたが、行きたいのはやまやまだが、今回は申し訳ない。明日、初日からいきなり2日分を歩くので今日はパス。正直、ビールを飲みてえ。無事、トレッキングから帰ってきたら絶対飲んでやる。

1月30日

「トレッキング初日、こんなに辛いトレッキングは初めてだ」

トレッキング初日。朝から今にも雨が降りそうだ。俺はAM7:30に宿を出た。とにかく、思った以上に荷物が重い。10日分の食料が入ってるからな。この荷物を背負って無事歩けるだろうか。trackに行くまではヒッチをしようとしたが、なんせStewart島。車が通らんでは。結局、重たい荷物を背負ったまま1時間ほど歩いた。もうこの時点でくたくただ。

trackに入ってからは容赦なく荷物の重みが体にのしかかる。正直、引き返そうかなとも思った。こんなに辛いトレッキングは初めてだ。ネパールの時はまだ荷物が軽かった。そう考えるとトレッキングのポーターは強烈な足腰をしている。当初の予定では2時間おきに休憩していこうと思ったが、とんでもない。この荷物じゃ1時間おきじゃないと辛い。汗の量も半端やない。正直、言い訳になるが体調もよくない。Alexでのpickingの後、ほぼ休む暇なくこのtrackに来たので体がボロボロだ。途中のMaori Beachで何人かのトレッカーとすれ違った。そのうちの3人は日本人で、そのうちの1人は俺とAlexで会ったようで俺のことを覚えてた。全く俺も有名になったもんだ。

そうこうしているうちに予定通り4時間でPort Williamに着いた。今日はこのhutをとばして次に行く。海岸線で立ち止まるとおびただしい数のサンドフライが寄ってくる。この疲れた体にサンドフライはきつい。俺がPort Williamのcamp siteでおにぎりを食ってると、

「学さんですよね。」

と1人の日本人の青年がやって来た。なんで俺はこんなに有名になっているの。彼はBlenheimで俺のことを知って、途中からあのフラットに入ったようで、のりえさんやゆかさんから俺のうわさを嫌ほど聞いたらしい。ほんまNZは狭いわ。ここでも俺はまた色んなNZ情報を教えてあげた。

Port WilliamからBungareeまではもう精神力のみだった。所々trackはmuddyやし、up downもある。30分おきに休憩せな歩けない。とにかく、荷物が半端やない。肩のみならず腰、膝にもきた。もう俺の体力の限界ははるかに超えている。とにかく、水がほしい。途中から水がなくなり、これはまじでやばいと思った。結局、PM4:00に無事Bungareeに到着。俺はもうフラフラ。hutに着いて、水をガブガブ飲み、ベッドに横たわった。参った、これがあと9日も続くのか。なんで俺はこんな辛いことをしてんねやろうとまじで思った。それに、着いてすぐ雨が降ってきた。これは明日最悪やろう。

hutは思ったよりきれい。水は雨水やろうが、そんなことは俺には関係ない。2時間ほどしてアメリカ人のカップルが来たが、彼らはよっぽど疲れていたんやろう。速攻寝てしまった。俺はInvercargillで買ったばかりのcookerを使って、米を炊いて昨日料理してたひき肉を温めて食った。うまい、やっぱり米やね。ただ、問題はガスがどれぐらいもつかだ。元々8日のつもりでStewartに来たのでそれを10日にした今となってはガスだけが心配だ。食料は十分あるのだが。とにかく、1日目は限界を超えた。この先が思いやられる。

1月31日

「トレッキング2日目、もう体がボロボロだ」

トレッキング2日目。昨晩の雨はすごかった。結局、朝方まで降ってた。こうなるとtrackはますますmuddyになるやろう。昨日1日がかなりhardだったのか、俺の体はボロボロだ。特に、腰と背中は最悪。とにかく、荷物。これをなんとかしないと。

歩き始めると思った以上にmuddyだ。ただでさえmuddyなのに、昨日の雨が拍車をかけた。もう途中からは靴もドロドロになり、muddyは気にならんようになった。それにしても、なんで登りばっかりあるんやろ。登りがあったら下りがあるはず。ただ下りになると体、荷物の重さがもろに膝にくるので辛いし、その上このドロじゃ危なくてしゃあない。これは大変だ。途中、South、north-westを歩いているトレッカーに会った。彼は14日間の日程らしい。やっぱり、2週間はいるかな。彼は四度も野生のキーウィを見たようだ。う〜ん、俺も見てえ。

それから、しばらくして俺はまじで道を見失った。やべえ。DOCに文句を言ってもしゃあないが、Great Walkよりもこういったtrackこそもっと印をつけてほしい。大げさかもしらんが、このtrackは命がかかっている。もし迷ったりでもしたらまじで見つからんと思う。なんせ原生林の中やからな。行っても行っても同じ景色で、足下はドロのみ。ただ、たまにでる海岸の砂浜はほんとにきれい。このtrackを歩く連中以外は来てないのだろう。ゴミが全くない。それに、ドロだらけのtrackから砂浜に出るとほっとする。

今日は晴れてたと思ったらすぐに雨が降ってくる山特有のchangableなweather。何度も言うようだが荷物がずっしり俺の肩にのしかかる。肩、腰、足が痛くて痛くて。なんでこんな辛いことしようと思ったんやろうとそればっかり途中考えていた。景色も単調やし気が滅入ってくるだけ。もう1人誰かいたらなとどんなけ思ったか。

なんとかPM3:00にChristmas Village hutに着いた。まず、俺は頭を洗った。とにかく、すごい量の汗だ。そして洗濯し、暖炉に火をつけた。ここのhutの薪はvery dryで、すぐに火がついた。しかし、この雨じゃ明日泊まる人は薪が湿ってて大変やろうから、俺は少しだけ薪を使って、dryなのを明日の人のために残してあげた。もう体がボロボロだ。体中すべてが痛い。まだ2日目やのに。

2月1日

「トレッキング3日目、俺は超人的な体力をしているかもしらん」

トレッキング3日目。昨日は結局俺1人だった。今朝もどんより雲っている。今にも雨が降りそうだ。俺は超人的な体力をしているかもしらん。昨日あんなにボロボロやった体が歩き出すとそれほどでもない。やっぱり、ストレッチが効いたのか。日本を出る前に親知らずを抜いた時の松岡歯科医院の歯医者さんが言ってたのを思い出した。

「君はすごい回復力だね。2日で穴がふさがってるよ。こんな人いないよ。」

やっぱり、俺は変人やろうか。ただ、荷物はずっしり俺の肩にのしかかる。この荷物の位置エネルギー(mgh)を肩にかかる時点でエネルギーに代え、それをアースで地中に熱として放出するシステムを考えてくれへんやろうか、ドクター中松。あほなもんばっかり作らんで、たまにはトレッカーに役に立つもんを作ってほしい。

途中のLucky beachからはまた登り口がわかりにくいやんけ、DOC。何度も言うようやけど、ちゃんとわかりやすく目印をつけてくれ。また、その後が強烈な登り。全く嫌になってくるで。時折通るbeachはまじでbeautiful。これが砂浜ってやつかって感じで、所々泣き砂になっている。ほんまはbeachでゆっくりしたいのだが、そうなるとサンドフライ君たちが寄ってくる。彼らに刺されると蚊よりも痛痒さが残るからな。

今日はいつも通り辛かったが、予定より早くYankee River hutに着いた。AM8:45に出たから、まあPM3:30ぐらいかなと思ったらPM2:30に着いた。muddyさは相変わらずやったのに、少し俺の体もトレッキングに慣れてきたかな。このhutは川に面しててgood。川に足を浸けるとなんと気持ちのいいこと。川で洗濯もできるし。hutの水を使ってのwashingは気がひける。ただでさえ水がないのに、washingや体を拭くのに使うと後の人がもし使おうと思ってなくなったら申し訳ない。ただ、最低限の水で頭を洗ったり、タオルを湿らせたりするのはどうしようもない。

Stewartの川の水はなぜか茶色。地中からしみでた地下水が流れているためだろうか。理砂さんが言ってた“森のエキス”という言葉を思い出す。飲んでも平気やろうか。hutについてまずすることは洗濯と薪集めだ。海辺に行って乾いた流木を探しに行く。火を炊かないと服が乾かん。ほんと火ってのは大切なものだ。火がないとめしは食えんし、服が乾かん。確かに水も大切。ただ、バヌアツの時と違って水がなければ川に行って汲んで来ればいい。ここのhutはなんでこんなにサンドフライとハエがおるのか。全く嫌になってくるね。殺しても殺してもサンドフライは沸いてくる。ほんま頭に来る。

今晩のめしはパスタ。具はたまねぎ、にんじん、にんにく、ソーセージでいこうと思ったが、町で作ってきたゆでたまごがボロボロ。それに、キャベツも黒くなってきた。よし、全部入れたれ。そうすると、鍋に入りきらん。結局、具を炒めるのを2回に分け、味付けは塩、コショウとスープの素。理砂さんに教えてもらったスープの素がこれまた使える。今日のdinnerは最高。山奥でこんないいもんが食えるとは。それと、食後にcoffeeを飲んだ。こんな贅沢な時をこんなとこで過ごしていいものか。まだ残り7日もあるというのに。毎日のストレッチと睡眠時間をたっぷり取ることを忘れずに気を引きしめていこう。

2月2日

「トレッキング4日目、人におかされていない大自然」

トレッキング4日目。昨晩、全然寝られへんかった。結局、寝たんはAM3:00。深夜、俺しかいないはずの外で何かが歩いている音が聞こえてきた。なんやろうと思って、窓の外を見るとなんとポッサムでは。それと川のほとりで水を飲んでいるのは子鹿のバンビ君では。かわいい、バンビ君。俺が写真を撮ろうとすると逃げて行ったが、Stewartは野生の王国だ。あとはキーウィを見るだけやな。

今日は俺の予期してた最悪のことが。hutを1つ飛ばして10時間近く歩くと言うのに。そう、朝から雨だ。この日だけは降ってほしくなかったのに。雨になるとただでさえmuddyなのがますますmuddyになる。それと、カッパを着ると、体中の熱気が外に出て行かなくなり、カッパの中で蒸してくる。だから、着ても着んでもいっしょ。よってカッパを着るのはあきらめた。途中のSmoky beachはまじできれかった。これで雨がなければな。ただ、ここでも1つDOCに文句を言いたい。標識をはっきり出さんかい。俺はもっとbeachを行くと思って途中水にはまって靴の中がドロドロになったやろ。ここからLong Harryまでがまじでつらかった。なんでこんなにcreekがあるねん。creekがある度に下に降りて、また急な坂を登らなあかん。雨の日の坂はこたえる。立ち止まるとすぐに寒くなるし。これはまじで限界やった。

Long Harryからは少し岩場を歩いた。砂浜を違って岩場は膝にくる。この岩場からEast Ruggedy hutまでは特に辛くはなかったが、午前中の疲れが足腰にもろにきてた。hutに着くと立ち上がれなかった。hutに着く前のlook outからのEast Ruggedy beachはまさに絶景。人におかされていない大自然といったところ。海の水もきれいでとにかくbeyond description。

ここしばらく人と会ってなかったが今晩のhutにはEnglandのguy、それとDOCの2人のおっちゃんがいた。やっぱり、人がいるってのはいいね。この兄ちゃんの英語はなまりが強すぎてわからんかったが。ここのhutは水がほとんどない。水がないってのは辛い。飲料水で精一杯ぐらいの量で、洗濯等は近くのcreekに行かなくてはならない。creekと言ってもドブみたいなところ。火、水ってのはほんとに大事だ。とにかく、今日はくたくた。結局、AM7:20スタートで10時間かかるところを8時間ぐらいで歩いた。これが俺の限界ってとこか。

2月3日

「トレッキング5日目、ついに会えたキーウィ君」

トレッキング5日目。今朝もどんより雲ってた。これは間違いなくまた雨やろうと思ったらなんと晴れてきたではありませんか。晴れてくると気分もいい。

今日のtrackはとにかくmud。行っても行ってもドロばかり。これに結構足をとられ、時々ズボッてはまって、おかげで靴下までドロドロ。はじめの2〜3時間はほぼflatやったが、ドロに時間をとられた。途中のlook outからWaituna Bayを見て考えを変えた。このままSouth circuitに行っても同じnative forestの中を歩いていくだけのboringなコースだ。この先、歩いててもそれほど変化がなくおもしろくない。だから、Southはあきらめて途中にあるRocky mountainに登ろう。俺はそう考えを変えた。

考えを変えてしばらくすると、forestの中の方でゴソゴソする音が。おお、あれはキーウィ君ではないか。ついに会えたキーウィ君。なんともかわいいこと。くちばしが長く、土の中から何かを探しているようだ。Abel Tasmanで見たwekaよりも二周りぐらいでかい。俺はしばらく追いかけてみたが、彼は森の中へと入って行った。俺がStewartに来た目的、NZでの目的をこれで果たせた。よし、もうStewartはええ。Southをあきらめて、North Westのみにしよう。今日はとにかくmuddyなtrackだった。こういったtrackは逆につかれる。うっとおしくてしゃあない。

Hell fire pass hutに着いた頃にはもうPM3:30。日に日に足の裏の傷が増えていく。痛くてしゃあない。このhutも水が少ない。まあ、ないもんはしゃあないが。水っていうのはほんまに大事なものだ。改めてそう思う。

夕方、sand hillを下りてBig Hellfire beachに行ってみた。ほんとにきれいなbeachで、砂浜は泣き砂だった。泣き砂はHahei以来やな。きれいな海を見ると礼文、バヌアツを思い出すね。このhutからの夕日は最高。晴れた日はこれがあるからいいね。今日、夕日を見ながら初めて知ったことは南半球って太陽は東から登って北を回って西に沈むのか。太陽はてっきり南を回るもんやと思っていたのに。

今晩のhutには泊まるのは俺を入れて7人。3人は逆方向、1人は昨日のEnglish、もう2人はhutを1つ飛ばして来た。人が多いとにぎやかでいいが、正直落ち着かん。

2月4日

「トレッキング6日目、きれいなsunset」

トレッキング6日目。昨晩、Maison Bayからやって来たNZのカップルの彼女の方が吐いた。よっぽどtrackがきつかったのか、体調がよくないのか。大事に至らなければいいが。

今朝はどんより雲っていたのに、途中から晴れてきた。晴れると気持ちも違う。ただ、trackはいつも通りmuddyで傷だらけの俺の足にはきつすぎる。体が痛いのは荷物を背負ってる肩ぐらいであとは筋肉痛ではあるがそれほどたいしたことはない。しかし、足の裏のまめや皮がめくれたところは痛くてしゃあない。そのため、今日は靴下を2枚履いたが、treckingの時の靴下はやっぱりwoolやね。靴下はいいのを買えばよかった。

Little Hellfire beachまではそれ程きつくなかったが、そこからMason Bayまでの道のりがきつかった。急な登り、急な下り。その上、trackはmuddyときたらそりゃこたえるやろう。これはまじでつらかった。Mason Bayはbeachに下りてみると思ったより汚い。始めの方は石ころやし。なんと言っても流木が多かった。さっきのLittle Hellfire beachもそうやったが。

Mason bayからしばらく中に入って行くとMason bay hutがあった。おお、目の前に川が流れているでは。川があるとゆっくり洗濯できるし、体も頭も洗える。それに動物たちが水を飲みに来やすいし。折角、目の前に川があると言うのに、外人勢はなんで体や服を洗わんのか。ただでさえ日本人以上に体臭がするのにな。俺が何気なく晩めしを作ってると昨日からいっしょのメンバーが、

「お前、いつもいいの食ってるし、結構材料持ってるな。ひょっとしてcookか?」

と言ってきた。hutにいたメンバーは俺のめしに感心してた。はっきり言って、彼らはろくなもん食ってない。ヌードルやスープばっかり。そんなんでは力でえへんやろう。俺の今日の晩飯は米とシーチキン、サラミ、乾燥野菜を入れたスープ。炭水化物系以外にタンパクも摂らんとな。しっかりめしを食って、ちゃんとうんこしている俺の方が彼らより断然パワーがあるし、疲れも彼らよりも残らない。寝る前は毎日ストレッチして、筋肉にたまった乳酸に酸素がよく行き渡るように血行をよくしている。栄養学的、医学的にもちゃんと考えているつもりだ。

めしの後はbeachに行って夕日を見に行った。昨日からいっしょのドイツのおばあちゃんも後から来た。ほんまにこのおばあちゃんは元気だ。このパワーには俺も脱帽だ。それにしてもきれいなsunsetだこと。low tideのMason bayはさっきと全く別のbeachのようにbeaytiful。ここ2日間天気に恵まれてラッキーだった。このhutの前に川が流れているってことは、そう動物君たちが来やすい。ここのvisitor bookにもキーウィを見たという人がかなりいる。俺ももう一度見てみたい。そう思ってPM11:30ぐらいまで待ってみたが、残念ながら見られなかった。しかし、きれいな星空は見た。サザンクロスにミルキーウェイ。見事なもんだ。

2月5日

「トレッキング7日目、こんな楽なtrampingもええやろう」

トレッキング7日目。早朝、kiwi spottingに出かけたがまたもやキーウィ君とは会えなかった。もう一度君に会いたいね、全く。

今日のtrackはvery flat。Fresh water Landing hutまでは14kmあるが、very easyだった。こんな日があってもいいのか。ただ、今日はwindyで、その上単調なtrackなので、時折異常に寒かった。いつもはup downがあるのに、このtrackはflatなので、足の同じ筋肉を使うのだろうか。そうすると思った以上にしんどいし、足の裏の皮が左右とも同じところがめくれた。これはまいった。途中、あまりの痛さに立ち止まったりしたが、なんとか気力で歩ききった。

hutに着いてからはしばらく動けなかった。疲れがかなりたまってきたな。しかし、昼からはRocky Mt.climbingが待っている。荷物のないtrampingはこんなに楽なのか。Rocky Mt.までは所々steepやったが、全然問題ない。trackもdryで、気になったのはsummit付近の強風ぐらいか。この風にはまいった。礼文のスコトン並みで、おまけに気温が低いため、かなり冷え込んでいる。ここからのviewはbeautiful。Mason bayの方からPaterson Inletの方までくっきり見える。ただこの寒さはなんとかしてほしい。ゆっくりでけへんやんけ。

結局、Rocky Mt.Climbingはreturnで1hr40min。たまにはこんな楽なtrampingもええやろう。

2月6日

「トレッキング最終日、半端な気持ちでは歩けないtrack」

トレッキング最終日。このhutの周りに何人かテントを張っている連中がいて、話してみるとDOCのメンバーだった。彼らはStewartの野生のポッサム、ネコ、ラット、特にポッサムの数を数えているらしい。ポッサムはbushの木の実、時には木をかじって森林破壊しているそうで、このプレデターを退治しようというわけだ。だから、至る所にtrapやpoisonをしかけている。う〜ん、俺は彼らの意見には賛成できない。確かに、ポッサム、猫のせいで野生のキーウィやバンビが絶滅しかかってるかもしらん。しかし、それがnature systemのような気がする。弱肉強食、仮に人間の手で人工的にこの体系を変えるとしたら、それこそ自然破壊のような気がする。

さあ、今日は最終日。体はOKだが、足の裏がボロボロで、昨晩足の裏のまめの水を抜いた。やっぱり、靴がよくない。3日目ぐらいにそこの金具が取れて以来かかとにかかる圧力がすごい。とにかく、あと23kmもってくれ。

今日の山場は何と言っても前半の山越え。300m以上ある山を越えなければならない。実際、思ってた以上に急でつらかった。hutで同じだった連中も苦労していた。それにしても、Englishのピーター、マーティンはタフだ。あんな食料でよくもパワーが出るもんだ。それに比べると俺は燃費が悪いかもしらん。

前半の山場を終えると途中からRakiura trackに入った。こうなってくると、逆に寂しくなってくる。trackに足場がひかれていて、今までのあのつらさが懐かしくなってくる。それと、こういった板の間を歩き続けてると、俺のかかとへの負担がかなりくる。これは辛いわ。

PM12:30前にNorth Arm hutに着いた。4時間半ぐらいでここまで来られたのは予想以上のでき。このhutでRakiuraを歩いてきた日本人に会った。久しぶりに日本語を話した。たまに話す日本語ってのもええもんやな。ここからはあと12km。天気がだんだんよくなって暑くなってきた。track自体どうってことのない板の間。しかし、これが俺のかかとを容赦なく痛めつける。なんとかもってほしいもんだ。

trackの途中でどっかで見た日本人が。ああ、よしさんでは。Blenheim、Alexといっしょやったよしさんでは。Stewartに来るとは聞いていたが、こんな所で会うとは。よしさんはNWを歩くつもりではいるらしいが(途中まで)、俺は色々アドバイスをしてあげ、よしさんが背負ってたテントを持って帰ることにしてあげた。このテントを持ってのtrackはきつすぎる。なんせ食料がかなりあると思うので。とにかく、がんばって下さい。またどこかで会いましょう。

さあ、残りもう少し。しかし、よしさんのテントが加わって、急に足にきた。なんと言ってもかかと。痛くて痛くて。こんなに辛いんは久しぶりかも。もう限界を越えている。足が前に進まない。これはまじでやばい。骨が折れてる(疲労骨折)かもしらんとまじで思った。もっといい靴を用意すべきだった。

そうこうしているうちに、ようやく町並が見えてきた。久しぶりの電柱。やったあと言うよりも足の痛さでそれどころやない。途中通り過ぎた車をヒッチしようとしたが、ここまで来たらと思ってやめた。

PM4:00少し前、無事DOCに戻ってきた。疲れた。まじで足が痛くてだめだ。結果的にSouth circuitをやめて正解だった。足以上に食料がやばかった。10日分の食料を考えていったつもりだったが、予想以上に腹が減って危なかった。あと1日は何とかもっただろうが。とりあえず、俺は今日泊まる宿を探したが、以前泊まった宿はいっぱいで港の近くのBPをDOCで紹介してもらった。とにかく、疲れた。それ以上のコメントはない。何と言っても足の裏。特にかかとが痛くて痛くて。宿でもしばらく起きられなかった。

久しぶりのシャワー。8日ぶりに体が洗える。それにhot shower。ただ、ここの宿のshower limit timeが5分。自家発電でもしているのか。5分でもいい。久しぶりに体を洗ってすっきりした。

シャワーを浴びて、一息ついているとEnglendのマーティンが来た。彼も同じ宿で、それも同じ部屋とは偶然だ。彼とはHellfire Passからいっしょになったが、彼はバケ者だ。NW circuitを6日で歩きやがった。俺の8日も結構すごいと思ったのに。その上、明後日から今後はTe Anauに戻ってルートバーンを歩くらしい。あのパワーは信じられん。

俺はトレッキングで余った最後のめしをお茶漬けにして、その後はパブだ。もう、ビールしかないやろう。当然、マーティンもいっしょ。それに、East Reggedyからいっしょのピーター、Fresh water Landingでいっしょになったスイスのデビスも来た。みんな、今日同じ日にHalfmoon Bayに着いた。ピーターは10日かけて、デビスは6日で。デビスもバケ者だ。ああ、久々のビールは最高。みんなも同じ気持ちやろ。彼らとは仲間以上のものが生まれたな。俺らのテーブルの横に日本人の女の子3人が座っていたが、ピーターが俺に気を遣ってくれて、

「お前、久しぶりに日本語話したいやろ。向こうに移ったら。」

と言ってくれたが、今日はそんな気になれん。俺は彼らといる方がいい。とにかく、みんなでゆっくりビールが飲みたかった。みんなほんとにお疲れ様。また、会おう。

NW circuit trackを歩いてみて、正直このtrackは人に薦められない。半端な気持ちでは歩けないtrack。あと長期戦なのでしっかりした装備じゃないとだめだ。歩き終わっての率直な感想、

「二度とやらない。」

これ以外の言葉が見つからん。でも、歩ききってほんとよかった。また1つ自分にプラスになったような気がする。

2月7日

「久しぶりの文明社会」

久しぶりにゆっくり寝たいところだが、いつもの週間でAM7:00には目が覚めた。しかし、昨日の疲れはかなりとれた。問題は足の裏だけだ。

荷物をまとめて以前泊まっていたAnns Placeに置かせてもらっていた荷物を取りに行って宿を出た。船で帰るかどうするか。できればAirで帰りたい。Stand-byなら$45でInvercargillまで行ける。そうなると船とほとんど変わらん。それに、上空からのStewartも見てみたいし。とりあえず、Stand-byにしてもらって、俺は漁船のヒッチを試みたが、やっぱり漁に行って戻ってくる船ばかり。タイミングが悪いのだろうか。まあ、今回ははっきり言ってヒッチする元気もないのであきらめよう。

AirのflightのPM1:30までブラブラしていると、なんどDOCでやす君に会った。やす君はBlenheimの時のメンバー。彼はChristmas VillageからMt.Anglemに登って帰ってきたようだ。偶然の再会にお互いびっくりした。Blenheimのメンバーとはほんとあの時以来よく会う。わからんもんだ。

やがて、flightの時間になって、shuttle busで空港まで運んでもらったが、なんじゃこれは。単なる空き地やん。飛行機はパイロットを入れて10人乗りぐらいか。俺は運よくパイロットの横に座らせてもらった。これはラッキー。

そして、take off。上空からのStewartは思った通りexcellent。なんと言っても海のきれいこと。ただ、島の中は原生林のみのジャングル。ジャングルを見るとバヌアツを思い出す。

Stewartから20分ぐらいでInvercargillに着いた。久しぶりの都会に戻ってきた。空港からはshuttle busもあったが、俺は歩くことにした。NWを歩ききった今となってはこれぐらいどうってことない。しかし、思った以上に距離があり、それに今日は蒸し暑い。やばい。明日雨かもしらん。

StewartのAir officeで俺の荷物を計ってもらった時、あの食料がなくなった今の時点で18kgあった。ということは、トレッキングに出かける前は30kg近くあったのか。そりゃ重いはずだ。そしたら、いつもの俺の荷物はどうなるんやろ。35kgぐらいあるんとちゃうか。

空港から1時間半ぐらい歩いてやっと懐しのRiver side B.P.に着いた。いつ来てもここはいい。何と言っても人がいないのがgood。宿の人も俺を覚えていて温かく迎えてくれた。さあ、久しぶりにテントを張って洗濯だ。トレッキングの時のドロまみれの服がどっさりある。ここは洗濯がFreeなのがいい。ほんまに久々にヒットのB.P.だ。