1月4日

「picking初日、えっ、まさかこんな所で…」

ピッキング初日。再びcherry picking。俺としてはアプリコットやネクタリンをしたかったが、元々cherry pickingはAlexを本命に考えていたからまあしゃあない。しかし、orchardまでの道のりはチャリではかなりつらい。道、景色ともに単調なだけに。Orchardまでの約10kmを40分ほどかけて走った。俺がこれから数週間ほどお世話になるSummer fruits orchardはこの辺りでは有名らしく、かなりのpickerが集合した。仕事の前にマニュアルを読まされ、その後は誓約書、tax form。ここのorchardは会社のようだ。こんなに人がいるのに日本人は俺一人。思ったほど日本人はいなかった。町から少し離れているのでBPに泊まってる連中はどこか他のorchardに行ってるんやろう。

このorchardは半端やなく広い。端がわからんのが正直なところ。俺がやることになったrowは反対側からも人がpickingしていくが、おそらく両側から進んでも3日はかかるやろう。ここのrowは4列あって、俺以外にNZ人2人に香港のおやじ。またこのおやじがくだらんことを話しかけてくるし、その上英語がわからん。だまれ、おやじ。

Cherry担当のボスは20代半ばぐらいの兄ちゃん。俺はAlexのcherryのことを聞くと、Blenheimと同じく「ドーサン」という品種は割れまくってて最悪のようだ。俺らがpickする品種は全然ましで、ただまだ半分以上が赤くて採れない。その上、このorchardは色以上に大きさまで指定してくる。かなりqualityを重視するみたいだが、$60/kgと聞いて泣きそうになった。Blenheimの半値やないか、これは。さらに1日60kgは採ってほしいと言ってきた。60kg採っても、$36でそこから税金が引かれる。まあ、これがAlexの相場と考えんとしゃあない。

いざ仕事を始めるとしだいに強烈な日差しが。この暑さは予想以上だ。日差しが強くて頭が熱くなってくるわ、喉が渇いてくるわ。これはやってられん。30℃ははるかに超えていると思うが、なぜorchard側は仕事をstopしなかったのか。あまりの暑さで果実とstokeとの間がゆるくなってきた。それに、shrinkしてきたし。途中で、ボスが俺の思ってたことをみんなに言いにきて、明日からはAM6:00から来てほしいとのこと。やっぱり、そうくると思った。

1つのバケツには約5.5kg入り、それを今日は13杯採った。まあ、この天気でこんなけ採ればいいやろう。他の連中は8杯ぐらいのところを見ると、cherryを経験した俺は人より速かったようだ。ただ、木と木の間隔が狭いのには参った。はしごが入らんし、この間は光が通らんやろ。木を多く植えればいいってもんでもない。こういうところはNZだ。それと、やっぱり人差し指と親指があれてきた。そう、農薬のためだ。

仕事が終わって、俺はヘトヘトになりながらなんとか町に戻り、New Worldで買い物して家路に向かうと、

「まなぶさ〜ん。」

と声がするでは。おいおい、Alexに知り合いなんかおらんぞ。なんと、俺に向かってくる車には裕二郎さんと敬子さんがいるでは。おお、偶然だ。

クリスマスの前まで南島の北のBlenheimでいっしょに仕事をしてた2人と、南島の南のAlexで再会するとは。やっぱり、NZは狭いし、会う人とは会うんやね。裕二郎さんたちはWanakaでstayするつもりがいっぱいでCromwell、そしてAlexと流れてきたらしい。2人はこの後すぐに北へ戻って、Aucklandで車を売ってからバヌアツに向かうようだ。ただ、肝心のフェリーが1月中旬以降にならないと取れない。2人はその間どうするか。俺は、Alexで働くことをもちかけてみると2人は決心し、明日からまた同じorchardで働けるようになった。俺らは偶然にも同じ宿やし、1週間ばかり2人に乗せてもらえる。ラッキーだ。

この2人とはまた日本でも会いたかっただけに再会できてうれしい。裕二郎さんは俺が久々に会った侍だ。今の俺らの世代はほんと侍が少なくなったからな。そういう意味ではこの時代では貴重な人かもしらん。2人と久々に夜遅くまで話してた。またもや仲間との再会。う〜ん、やっぱりうれしいもんやね。

1月5日

「picking2日日、今日からapricotやて」

ピッキング2日目。今朝はAM6:00スタート。俺はてっきり裕二郎さんたちもcherryと思ったら、2人はapricot pickingとのこと。なに〜、今日からapricotもスタートやて。うぁ、俺もapricotをしたい。ボスにその旨を伝えたが、

「お前はcherryをやれ。」

とのこと。しかし同じところでやってた俺以外の3人はapricotにまわされた。なんで、俺もまわしてくれ。apricotのstartはAM7:00からなので、そうなるとtime lagができてしまう。裕二郎さんたちに早く来てもらうんも悪いしな。

今日は途中まで無風やったので、暑くて暑くて。おそらく気温も30℃は超えている。水を1.5リットル持ってきたがこれが正解。1.5リットルでも少ないぐらい水をかなり飲む。

ここのpickerのほとんどは地元の学生と言ってもいいかもしらん。とにかく、みんな若くて、となりのlowのねえちゃんは今年高校卒業らしい。他の連中もほとんど学生で、ウォルターの言ってた通りオタゴ大学の学生が多い。めしの時間に少し彼らと話してて、このorchardでは割れまくった「ドーサン」のrowをpickingしてる人には$1.5/kg、俺らのrowは¢75/kgらしい。この辺はここのorchardのえらいところだ。結局、今日はPM2:00で終了。Total 11杯。昨日よりも少なかった。

Cherryが終わると俺はapricotの方に行ってみた。裕二郎さん、敬子さんが汗だくになってがんばっているでは。apricotはcherry以上に色が大事。だから朝早くからは暗くて仕事ができない。トラクターにbinを積んで、kiwi fruitsの時のようなbagを掛けて、はしごを使ってpickingしていく。トラクターにbinを積んでいくということはhourlyか、もしくはみんなで割るのか。ただ地元の若者たちはこの暑さでボスがいないのを見てさぼりまくってる。全く根性のない野郎共が。これがもしみんなで割るならまじめにやってる裕二郎さん、敬子さんがかわいそうだ。2人の仕事が終わるのを少し待って、俺らはへとへとになりながら宿に戻った。時刻はまだPM5:00前。よし、libraryに行こう。e-mailのチェックに行かないと。ここのおばちゃんになんとか交渉して使わせてもらうことになったが、ほんとに二度とパソコンを持った旅はやらんぞ。こんなに大変やとは思わんかった。もう正月なんやな。e-mailで年賀状が来る時代になったか。今日も疲れた。今晩は早く寝よう。

1月6日

「picking3日日、雨上がりは辛い」

ピッキング3日目。朝から雨がパラついている。小降りがorchardに着く頃にはかなり降ってきた。これはどう考えてもないやろうってぐらいの雨だ。しかし、orchardに着くとしばらく雨が止むのを待たされた。時折、小降りになったりもしたが止みそうもない。ただこのorchardの規模がでかいと思ったのは、ヘリコプターを使ってあのでかいプロペラを上空で旋回させ、cherryの木に貯まった水を吹き飛ばしているでは。やっぱり、雨というのはcherryが熟してくるととてつもなく恐ろしいもんなんや。そこまでして取りたいんやな。

俺らが待っている間一人の女の子が車から降りてこっちにやって来た。どこかで見たような。ああ、ラケールだ。Mt.Roskillに行ってたスペイン人のラケールだ。彼女とは一度ウォルターたちといっしょにカキを食いに行ったことがあったな。ラケールも俺を見てびっくりしてたようだ。会う人とは会うんやな。

結局1時間半ぐらい待ってAM10:00になったらorchardに電話くれってことになり、一旦解散した。始めからそうせえっちゅうのに。

宿に戻って少し寝てAM10:00になってもまだ雨が降ったまま。電話してみると、AM11:00にもう一度とのこと。こうなってしまうと仕事をする気にはなれん。モードがday off状態になってる。しかし、こういう時は思い通りにいかんことが多く、AM11:00時点で雨が止み、PM0:00スタートになった。今日はやる気せんけどまあやるか。

orchardに着くと予想通りapricot組もcherry pickingとなった。やっぱり、割れる前に採らんとな。いざ仕事を始めてはしごに登った矢先、俺の登ったはしごはぬかるみでぐらついて、俺は地上3mぐらいから地面に落ちてしまった。やべえと思って地面に叩きつけられるまではほんの数秒。枝を何本か折ったのと、地面がぬかるんでいたために、俺はひじと腰を少し打っただけで助かった。大事に至らなくてよかったが、気を引き締めなあかん。雨上がりは気温は低いが水滴がうっとおしい。これはやってられん。はしごから落ちたのと、途中でやる気をなくしたためPM7:30終了でtotal 11杯。う〜ん、少ねえ。

cherryはほんまなんぼでも食ってしまう。Blenheimの時はもういいと思っていたが、しばらく食わんと食いたくなってきて、Alexでも食いまくってる。そうなると、当然下痢はするし、屁は臭くなる。その上、今日は俺のrowの途中でwhite cherryの木を見つけた。う〜ん、やっぱりwhiteはうまい。これは止められん。

仕事の後、ラケールと少し話していたが、どうやらこのorchardのcherryの相場はかなり安いらしい。他では$1.10/kgのところもある。まあ、俺としては銭はほしいが、今となってはorchardを代える気もない。銭は安いかもしらんがわざわざヒッチでQueenstownから来て見つけたところやからここでええや。

宿に戻って、台所でめしを食ってる時にch-chから来ている家族連れのちびっ子にcherryをあげると、その話が広まってこのキャンプ場のちびっ子が俺のところにやって来た。恐ろしいちびっ子たち。明日また採ってこなあかん。

1月7日

「picking4日日、またもや雨のために中断」

ピッキング4日目。まだピッキングを始めて4日目だというのにかなり疲れてきた。Blenheimの時は仕事をしたくてもなかった日々が続いたのにAlexでは休みたくても休みなし。仕事をし始めると休みがほしくなるのは人間の当たり前の心境だろうか。

今日も朝からどんより曇っていて仕事を始めてすぐに雨が降ってきた。それでも仕事を止める気配がなく、そのうちにかなりの雨が降ってきて、仕事を始めて2時間半ぐらいで一旦中止となり、またもやAM11:00時点で決めるということになった。こういうケースは一番やる気を損なう。一度止めたらもう止めにしてほしいもんだ。

ここのorchardはすごいことをしている。というのは、仕事の有無をラジオ放送で流している。今日もAM10:30ぐらいにmid dayから再スタートという放送が。なんて規模のでかいorchardや。

昼からは日差しが戻ってきた。雨の後の日差しは蒸してくる。これがかなりつらい。それに、まだ木々に水滴が残っているため上からは水が落ちてきてやりにくい。足元はぬかるんでて、はしごは滑るし。ほんまに危ない場所や。さすがにPM3:00を過ぎた頃からやる気がなくなってきた。cherry pickingで一番大事なのは集中力やろう。一旦中断になったり、長期間休みなしで仕事したりすると切れてくる。結局、今日はPM5:30終了の14杯。とにかく、疲れたが、帰りにofficeの黒板を見ると明日はAM6:30−PM6:00と書いているでは。これはつらすぎるで。それに明日はAlexのあの日差しが戻りそうだ。

宿に帰ると俺はもうくたくた。めし食ってゆっくりしたいところだが、ここにはラウンジがなく俺はいつもこの日記をkitchenで書いている。そうすると、毎晩ちびっ子たちがやってきて俺の邪魔をしていく。確かにむかつくが、NZのちびっ子たちはなんであんなかわいいんやろう。ただ、ちびっ子英語は全くわからん。

1月8日

「picking5日日、俺らはまじめな人種」

ピッキング5日目。疲れがかなりたまってきたが、仕事をせねば。今日の昼すぎに今までやってたrowが終った。その時点で12杯だったが、反対からpickしていた地元の学生は17〜18杯採ってた。そんなはずはない。なんでそんなに採れんねん。速い人は1日で35杯も採るらしいがほんまやろか。

今までやってたblock終って次のblockに行き、この学生のrowとほぼ同じ状態の木を同時に採り始めるとやっぱり俺の方が速いでは。そうか、思った通りだ。彼らはまだ赤いのとか、割れたやつも入れているので速くなる。俺としてはまず第一にqualityを大事にしたいので、完全にいいのばかりを採るようにしている。だから、俺の採ってるバケツはかなりqualityが高いと思う。周りの連中がラフにとってるからと言って俺もラフにするつもりはない。qualityのいいやつをこれからも採り続けるつもりだ。人は人、俺は俺。外人はパワーはあるが、銭が絡むとそのパワーは倍増する。すごいスピードで採っていくが、qualityが低い。裕二郎さんたちがやってるapricotでもそうらしい。cherry pickingをしているとその人の性格がもろに表れるのはおもしろい。それに、こういうところでもやっぱり日本人は日本人だ。ほんとに俺らはまじめな人種だ。今日はtotal 19杯。まあ、AM6:30からPM5:00まででよくやった方だ。しかし、昼間は疲れてどうしようもなかった。まだ今日は涼しかったからよかったが。

ここのorchardのcherry班には2人のボスがいるが、ボスが2人いるのは非常によくない。言ってることは違うし、やる側としては頭に来る。大工の頭領は1人でいいのといっしょだ。全くまいるで。

宿に帰る前にBPに寄った。潤一さん、ラケールに会いに行ったが、何人か旅先で会った連中にも再会。俺も有名になったもんやな。

1月9日

「picking6日日、途中から集中力が切れてきた」

ピッキング6日目。今朝は寒かった。NZは夏と言えども朝晩が冷えるのは日本と違う。寝苦しくないのはいいが、厄介と言えば厄介だ。

今日から、昨日からここに泊まっているKoreanのKimが俺らに加わった。Kimは1人でキャビンに住んでて、俺らと同じorchardで働くことになった。当然、彼もcherryだ。裕二郎さんたちも俺もかなり疲れがたまっている。俺は、今日は途中から集中力が切れてきた。結局PM4:00頃に自主的に終わってtotal 18杯。18杯と一口に言うが1杯5.5kgとすると約100kg。Blenheimでは$1.00/kgやったからこれで$100。ただ、ここは¢75やけど。採ろうと思えばkiwi fruitsよりも稼げるかもしらん。

Alexは町的にはBlenheimよりも俺は好きだ。小ぢんまりとしてて、何と言っても町の周りの岩山がいい。草木がないハゲ山だが妙に空の青さとmatchしている。結構俺はこの町を気に入っているが、店が比較的早く閉まるのが少し不便。AlexからRoxboughに向かう道もかなりgood。草木のない岩山ばかりの荒れ野は日本では経験でけへんからな。

1月10日

「picking7日日、またもやBlenheim組が合流」

ピッキング7日目。今日でちょうど1週間。今朝も寒かった。AM6:30 start時はまだ朝露がすごく、それ以上に手がかじかむ。日本の真夏では考えられん。だから朝の1時間ぐらいは仕事にならん。日中はかなり暑い。今日もPM2:00頃からやる気がなくなってきた。相当疲れがたまっているのか。結局今日はtotal 17杯。昨日よりも少なかった。

今日で裕二郎さん、敬子さんは終了。俺とたまたまAlexで出会って、仕事をする羽目になって申し訳なかったかな。まあ、北へ渡るフェリー代と宿代は稼げたと思うが。2人がいなくなってまた寂しくなるなと思っていたら、今日のりえさんと真吾君がやって来た。またもやBlenheim組。Onukuから2人でヒッチしてきたらしい。裕二郎さんたちがいる時に間に合ってよかった。2人は元々Alexに来ると言っていたので俺はびっくりしなかったが、予定してたよりも早かったな。

俺は今日からテントをやめてソン(Kim)のいるキャビンに移った。テントでも別によかったが色々考えたあげくキャビンに移ることにした。ここのテントサイトは砂地で毎日のように砂が入ってくる。それに、風が強くておかげでテントの部品が少しいかれてしまった。かなり使ってたからな。こんな物理的な理由だけやったら俺にはどうってことない。テントを止めた大きな理由は、そう俺の英語力の低下だ。Blenheim、Onukuと日本人とばかりいたので、俺の英語力がかなり落ちていることに気づいた。これではあかん。何のためにNZに来たのか。もっと自分を追い込もう。ソンといっしょにいると英語を使わざるをえない。

それと、明日からcherryを止めてapricotにしようと考えている。cherryはもう十分やし、折角やからapricotをしたい。まだこの時期ではcherryの方が稼げそうだが、銭以上に俺は経験を取ろうと決めた。そうなると、最低2週間はしたいからな。しかし、俺はあと2週間でここを出ないといけない。じゃないと今後の日程がきつきつだからだ。本当は1ヶ月ぐらい働きたいのだが、なんせ俺には時間がない。う〜ん、全くつらいで。

1月11日

「picking8日日、今日からapricot & またもやBlenheim組集合」

ピッキング8日目。今日からは再びチャリでのorchard通いになる。片道12〜13kmのこの道のりは思った以上につらい。単調で少しup、downがあって、帰りは逆風になるという最悪さ。でも、しゃあない。今日から、俺はapricotをすることにした。もうcherryは十分だ。Blenheim、Alexと約1ヶ月近くやったか。

apricot pickingは思った以上にhardだ。kiwi fruitsの時と同じで、体の前にバッグを持ちはしごを使ってapricotを採っていく。バッグにapricotが貯まっていく中でのはしごの登り降りはかなりつらい。それと、Alexの日差し。この暑さがかなりの体力を消耗する。

apricotはおそらくヤナギ科じゃないやろか。葉がポプラにそっくりだ。それと枝から棘らしきものが出ていて、これが結構痛く、今日1日で腕が傷だらけになった。色の識別もcherry並に重要で光が当たると明るく見えるし、影では暗く見える。apricot自体の味は皮なしでは柿にそっくりだが、食う時は皮ごと食った方がうまい。皮ごと食うとすももみたいで、酸味があった方がいい。

午前中は時給で$7.50/hr。俺以外にNZ人3人いたが、ほんまNZ人は働かん。銭が絡まんと働く気がしないのはわかるが、それにしても働かん。俺自身も暑さで嫌になってたのもあるが、どうも時給はやる気せん。社会主義の国の発展が遅れているのがわかる気がする。これじゃ発展しないわけだ。仕事をしなくても銭がもらえるのだから。

昼からはcontractになって、俺らは各自rowを与えられ、すべての身を取って大きいbinに入れていき、$60/bin。これはおいしい。俺は2時間弱で3/4まで入れた。びっくりしたのはNZ勢。銭が絡むとなるといきなり気合入れて働きだした。やっぱり、外人のパワーはすごいわ。これなら、日本がオールブラックスにボロ負けするわ。

pickingの最中に地元の新聞が取材に来た。Alexのapricotの取材かなんかやろ。俺ら4人はそろって写真を撮られて、どうやら木曜日の新聞にでるようだ。結局、PM4:30ぐらいまで仕事したが、もうくたくた。これはcherryの方がましだ。とにかく、仕事以上にこの暑さ。日中30℃を超える猛暑の中のpickingは地獄のようだ。それと、行き帰りの道中。特に、帰り道はかなりつらい。これがあと2週間続く。

宿に帰って驚いたのは、なんとBlenheim組のよしさんとミッチーがいるでは。よしさんはチャリで来て、明日一旦ここを出てしばらくしてここに戻って来るらしく、ミッチーはここにstayして仕事するみたい。またもやBlenheimのメンバーとの再会。全くうれしい限りだ。みんな俺がここにいるのを知って、わざわざこの宿に来てくれたんやろう。Blenheimではあまりいい思い出はないが、みんなとはいっしょにいて楽しかった。始めは日本人ばかりで嫌やと思ったが、結果的にはよかった。こんなにみんなが集まるともう飲むしかないやろう。裕二郎さんたちも1日出発を遅らせたようやし。まさか、こんなところでこんなにBlenheimのメンバーが集まるとは思わんかった。でも、また会えてほんとによかった。

1月12日

「picking9日日、寝不足の中の仕事」

ピッキング9日目。結局、寝たのはAM3:00頃。それに、今までの疲れも重なって、朝はむちゃくちゃつらかった。おかげで30分ほど遅刻してしまった。

今日はみんなと同じような仕事をし$27/bin。1bin当たり250kgぐらいある。ここのorchardの中ボス連中はまじでむかつく。いちいちうるさいし、言ってることがいつも違うし。お前がちゃんとせんと俺らが働かれへんやろ。全く近頃の中間管理職は、って感じだ。

今日もAlexは暑かった。この暑さに睡眠不足。これはつらいで、全く。それと、大体昼飯は米を持っていくのだが、今日は昨晩作る暇がなかったのでパンにした。これがまた失敗。パンではパワーがでん。やっぱり、俺には米しかないで。結局、今日は3bin。あの睡眠時間にこの暑さの中での3binは我ながらえらいと思った。またもや有森祐子の心境だ。

さあ、今晩で裕二郎さん、敬子さんとはお別れだ。この2人とはたぶん日本で会うやろう。ほんとにいい夫婦だ。結婚してしまうと子供産んで家庭持ってというのが定番だが、そういった世の中で堂々と自分たちの生活を遂行している。世間の冷たい風やしがらみにビクともせず。俺は2人の生き方に賛成。何事も経験。2人のこの1年間のNZは決して無駄にはならんと思う。いつまでもこの2人でいてほしいし、もし2人がほんとにバヌアツに行くなら俺が味わったほんとのバヌアツを味わってほしい。彼らならできる。また、会おう、裕二郎さん、敬子さん。

1月13日

「picking10日日、仕事が嫌なら辞めればいいのに」

ピッキング10日目。とにかく、今日は蒸し暑かった。これはおそらく雨の前兆やろう。大体いつもAM11:00ぐらいから暑さと空腹でつらくなってきて、めし食った後もPM3:00ぐらいまでは暑くてつらい。今日なんて暑くて暑くて。ほんま死にそうやった。水の飲む量も1日3リットルは超えてるやろう。そうなってくると、めしが食えなくなるが、俺はちゃんとめしだけは食ってるので他の人よりは元気かもしらん。昼の弁当はほとんどがアボガド丼。これは作るの楽やし、うまくていい。やっぱり、人間は健康第一。めしだけはちゃんと食わんと。結局、今日は3bin半。この暑さではよくやった方だ。

宿に戻ると、のりえさん、真吾君、ミッチーの3人も仕事から帰って来てた。この3人の仕事はapple thinning。おねえちゃん(のりえさん)はあまりの仕事のしょうもなさとボスがうっとおしいのとで泣きながらもう仕事はしたくないと言ってた。さすがはお嬢様だ。おねえちゃんのつらさが俺にはわからんので一概には言えないが、彼女は甘すぎる。Blenheimの時も俺が仕事を紹介してあげ、それからと言うもの、銭(条件)のいいorchardにどんどん代わっていった。今度はapricotをするか、thinningをするか天秤にかけた末にthinningを取ったのに、1日でもうこれかい、おい。おまけに、俺のorchardに移りたいとのこと。ああ、もうすぐ30歳やというのにな。この国では失業率が10%近くあって、おまけに俺らは言葉の問題がある。そんなに簡単に銭をもらえるわけない。銭を稼ぐってのはつらいこと。それが嫌なら辞めればいい。人間はみんな自分がかわいいから、いい方にばかり行く。そういった中で、もう少し自分にpressureをかけ、がんばってほしい。

1月14日

「picking11日日、初給料日 & 敏君との再会」

ピッキング11日目。思った通り朝から雨。でも、俺らには休みはない。仕事を始める頃には小雨になってきたが昼前からは蒸してきた。昨日とは違う暑さでもう蒸し蒸しする。ただ、午前中は比較的涼しかったので、今日は結局4binいった。PM3:00過ぎからまた雨が降ってきたが雨が降るとほんとやる気がなくなる。それに、危ないし。正直、雨が降ったらday offにしてほしい。

4,5日前からofficeの前にオフのバイクが停まっている。どっかで見たと思ってたら、そうTaurangaで会った敏君のだ。俺は今日5ヶ月ぶりに敏君に再会した。彼はcherryをやってて、もう1つのholiday parkにstayしてるとのこと。ほんま会う人とは会うもんやな。

今日は初給料日。この1週間で$474。しかし、このうちの$100は税金で手取りは$373。う〜ん、思ったよりも少なかったが、先週もつらかったからな。やっぱり、うれしいで。日本では1〜2日で稼げる額だが、こっちでは大金だ。

1月15日

「picking12日日、またはしごから落ちた」

ピッキング12日目。今朝もかなり冷え込んだ。そうなると日中はすごく暑くなる羽目になり、今日も暑かった。午前中、仕事を始めてすぐにまたはしごから落ちた。はんまに危ない現場だ。orchardに所々傾斜があるため、かばんに満たん入ったapricotを持って、はしごの上でバランスを取るのはかなり難しい。ただ、今日ははしごから落ちたのは2回目なので、はしごを横に蹴飛ばしながら枝を持って落下スピードを弱めて受け身をしながら落ちた。高さにして2〜2.5mぐらいやろうか。気をつけなあかん。

昼からは違うブロックに行ってhourlyになった。そうなるとやる気がなくなる。それに、暑くなってきたし。正直、俺もやる気がなくなったが、それ以上にNZ人はだめだ。やればできるはずやのに働かん。ほんまにどうしようもないで。結局、今日は1+1/2+2/3=2+1/6bin。途中二度もブロックを代わったからこんなもんやろ。それにしても、疲れがたまりまくって麻痺してきた。だから、それほどしんどくない。やばいかな。

1月16日

「picking13日日、ビールを飲まなやってられん」

ピッキング13日目。とにかく、今日は暑かった。暑いというよりは蒸し暑い。これは絶対明日は雨やろう。今日与えられたrowは始めの方は実が小さく、おまけに一度採ったrowなのでこれはよくて2binかなと思ってたら、途中からでかい実をつけた木々が現れた。となりのrowも同じ感じやったので、これは樹木自信じゃなく、おそらく土壌の影響でこういった差がでたんやろ。おかげでバッグに詰まるスピードも今までの倍以上で、最後のbinなんて蒸し暑さにもかかわらず1時間半ぐらいでいっぱいになった。結局、今日は4bin。やっぱり、4binはきついわ。宿に帰るともうくたくた。ビールを飲まなやってられん。それに、片道12〜13kmの道のりが追い討ちをかける。ほんまにAlexは暑い。

1月17日

「picking14日日、今日は日本人の株を上げたやろう」

ピッキング14日目。今日で2週間、全体の2/3が終わった。チャリで通い始めてもう1週間。残りlast1weekだ。

今日はからっとした北海道のような暑さだった。こういった日は仕事しやすいが、今日はPM2:00には帰ろうと決めていた。1bin目は少し手こずったが、2bin目はrowに恵まれ、1時間もかからんうちにfinish。しかし、3bin目はかなりの傾斜のあるrow。こういうところははしごを立てるのに困る。もうすでに二度はしごから落ちているだけに、この辺は人以上に慎重にしている。

予定通りPM1:30前には3bin終了した。並いる強敵の外人勢以上の速さだ。外人勢にはパワーでは勝てないが、持久力では俺の方が上やろう。この時点で3bin終了したのはおそらく俺だけやろう。

さあ、帰ろうと思ったら中ボスのアーノルドが、

「もう帰るのか。まだPM2:00前やぞ。」

と言って、だれかが下だけしか取ってないrowを指示して、

「ここのrowをやってくれないか。」

と言って俺がやる羽目になった。これはひどいrowだ。下の部分だけ取りやがって、上の方ばかり残っている。上の方はほとんど熟しててbinに詰められないのはアーノルドも知ってるはずだ。とりあえず、1/2binだけなんとか詰め、結局3bin半で終わったのはPM4:00。いつもと変わらんやんけ。ただ、今日は日本人の株を上げたやろう。裕二郎さん、敬子さんが真面目にいい色のだけを採ってたので誉められ、そして今日は俺。やっぱり、日本人は真面目な民族だ。pickingをしてると、国民性や個人の性格がもろにでる。ほんまNZ人はだらしないで。俺の横のrowをやってた奴も下しか採ってないし、すぐに休憩するし。働け、おい。

1月18日

「picking15日日、なんでいつもこうなんの」

ピッキング15日目。今日から3週目。Final weekだ。今週から新しい品種。ということは、まだ実ってるやつが半分以下。そういった条件でのcontractはつらい。それに、粒も小さいし。selectionしながらのpickingは絶対外人勢には負ける。あいつらはtoo greenのapricotも平気でbinに入れる。まじめな日本人はちゃんと選んでやるからどうしても勝てないがqualityは断然俺のbinの方がいいやろ。今日も最後にアーノルドに、

「お前は、たぶんこのorchardのNo.1 pickerだ。いつもいいのばかり採ってるからな。」

と言われた。こういったコメントはうれしいが、なによりもこれで日本人の株が上がるのがうれしい。

昼からはかなり暑くなってきた。俺はPM2:00すぎに3bin終わらせ、帰ろうと思ったら、ジムに、

「このrowを終わらせてから帰れ。」

と結局PM4:00までやる羽目に。なんでいつもこうなんの。今日はtotal 3bin 1/3。まずまずか。

宿に帰ると旅行してたよしさんが帰って来てた。またもやBlenheimのメンバーが1人増えた。よしさんはまず明日から仕事探し。apricotは少し時期が遅すぎかな。そうなると、apple thinningしかないか。

1月19日

「picking16日日、最高気温39℃」

ピッキング16日目。今日は死ぬほど暑かった。最高気温39℃。そりゃ暑いはずや。Alexはとにかく暑い。こんな暑い中で体を動かすのは高校以来やろうか。今週から始まった品種は非常に小さいので、binに貯まるのも遅い。1bin目なんて3時間はかかった。まだ半分以上青いし。それに、この暑さときたらやってられん。俺を含めて6人だけがcontractでそれ以外はhourly。正直、今日はhourlyの方がよかった。apricot自体状態はよくないし、その上、この暑さ。hourlyの連中はPM1:00頃帰ったが、俺らは居残り。さすがの俺も今日はバテバテで、contractの連中もPM2:00頃帰り、俺も自分のrowを終えて、さあ帰ろうとしてると、ジムが、

「このbinをfullにしてくれ。頼む。」

とhourlyの連中が半分しか詰めてないbinを渡された。俺はまじで頭に来た。今日はもうやる気がない。ジムを殺したろうかと思った。もう、やってられん。それに、hourlyの奴が詰めたbinのqualityの悪いこと。半分以上が青いのやんけ。俺はあまりのむかつきに、途中apricotを地面に叩きつけながらやった。この時点で仕事をしてるのは俺だけ。ほんまに、やってられん。結局、3binやった。今日は2binで止めとこうと思ったのに。帰り道はくたくたやし、宿に着いてもしばらく動けない。もう、こんな日は二度と仕事したくない。

1月20日

「picking17日日、日本人同士で仕事」

ピッキング17日目。昨日の疲れが全然取れない。今朝はピッキング始まって以来体が動かん。昨日は俺の限界を越えたからな。それに、今日も暑くなりそうだ。orchardに着いて、さあ仕事って時にジムから今日はwageだと言われた。今日から新しい品種を採るようで、まだ先端部しかとれない。俺にとって今日はwageというのはラッキーだ。contractでは体が動かん。ただ、wageになると気持ち的にだらけてしまう。

今日の品種はNZで一番有名でpopularな品種らしい。だから、木の樹齢も長く、全体的にでかい。そうなると、はしごの先端に立って採らなければいけないが、二度はしごの先端から落ちている俺としては先端に立つのは恐い。デッドボールをくらって引退に追い込まれた掛布の気持ちがわかった。

今日俺は初めて敏君といっしょに仕事した。敏君はがんばってる。Taurangaの時と比べてすごくたくましくしっかりしてきている。自分に少し自信がついたのかな。たいしたもんだ。

俺はたぶん人以上にめしを食ってるやろう。大体、2日で1kgは米を食ってる。こんなに暑いとどうしても水ばかりになりがちだが、俺は水以上にめしを食うことを心がけてる。しっかり食ってるので元気なんやろ。それと、こんなに食ってるのでうんこに行く回数も多い。1日昼と夜は必ず行ってる。だから、毎日快便でお腹は調子いい。結局、今日はPM3:00終了。昨日ほどじゃないけどかなり暑かった。35℃ぐらいかな。明日はcontractがよかったが、明日もwageらしい。まあ、ないよりましか。

1月21日

「picking18日日、キャンベル家への招待」

ピッキング18日目。今朝は一転気温12℃。雨上がりの上にかなり寒い。orchardに着くとapricotが濡れているために、AM9:00からstartということになった。その間どうしようかなと思っているといっしょに働いているキャンベルが家に招待してくれた。キャンベルはつい先週まで岡山の高校に留学していた学生で、日本語もかなりできる。NZで3年勉強してたらしいが、それにしても感じが読めるのには驚きだ。たいしたもんだ。キャンベルは3月から今度はワーホリで日本に戻るとか。NZ人にしてはまじめで、どことなく日本人的な雰囲気を持っている。

キャンベルに日本の時の写真を見せてもらったが、やっぱり俺の思った通り布団に入ってる姿や浴衣姿の写真があった。彼らが見た日本ってのはこんな感じなんやろ。俺らがNZで羊の写真を撮るようなものだ。キャンベルは「Mr.children」のCDを持っていた。これはラッキー。俺はふだんから思っていた質問をぶつけてみた。というのは、アーチストが歌の中で使う英語は本当にusualかどうかってこと。答えはNO。やっぱり、辞書で引いた変な英語を使っているようだ。

今日は時折晴れ間もあったが、全般的に涼しかった。Good picking日和りだ。仕事は昨日と同じwage。ただ、涼しい分やり易かった。それにしても、外人勢は働かん。全くどうなってんねや。お前ら働かんかい。結局、PM4:30でfinish。明日こそはcontractでしたい。

今晩、俺と敏君はキャンベルの家のdinnerに招待された。キャンベルがわざわざ迎えに来てくれた。俺は日本人として何か手土産を考えたが、とりあえずSPEIGHT

S (beer) を買って行った。キャンベルの家族は複雑で、両親が離婚してお母さんはその後再婚したため、今のお父さんとキャンベルは血のつながりがない。お母さんと今のお父さんとの間にできたキャンベルの妹ケイトはすごくかわいい小学生。彼女は間違いなく美人になる。

今日のdinnerはchicken。chickenなんて久しぶりだ。主食はバレイショなところはいかにもNZらしい。キャンベル家の皆さんとの食卓。お父さんはテレビでやってたクリケットを色々教えてくれ、お母さんは俺らのこと、日本のことを色々聞いてくる。ああ、久しぶりに温かい食卓だ。めしもうまいし、雰囲気もいいし。これがNZの家庭か。farm stay、home stayをやってない俺としては初めてのNZの家庭を経験。う〜ん、たまにはこういうのもいい。栄養もたっぷり摂ったし。帰りにはお土産にNZでNo.1のチョコレートをくれた。なんていいお母さんなんやろう。ほんとにありがとう、キャンベル家の皆さん。

ああ、楽しかった。これで少しリラックスできたので残り3日間がんばらねば。明日はAM6:30スタート。よし、がんばろう。

 

 

1月22日

「picking19日日、また会おう、和さん」

ピッキング19日目。空はどんより曇っている。今日は久しぶりのcherryだ。cherryをやってる時はもうしたくないと思っていたが、たまにはいいもんだ。それに、たっぷりcherryが食えるし。ただ、実際pickingを開始してみると、まあcherryのqualityの悪いこと。Blenheim状態でほとんどが腐っている。そん中からselectionするのはかなり嫌気がさす。全くまいったもんだ。

昼すぎの時点で何とか11杯はいったが、cherryの食いすぎで下痢になったのとqualityの悪さにやる気を失ってたのとでPM2:00ぐらいで俺は止めた。qualityを重視している俺としてはこんな悪いcherryしかとれないのが申し訳ない。もうcherryは十分だ。

宿に帰ってめし食って、明日の弁当を作っているところに、なんと和さんがやって来た。和さんの車には幸恵さんも乗ってた。幸恵さんは10月にいっしょにTaurangaまでヒッチし、Coromandelを旅した仲間。1月始めにOZから帰ってきて、しばらく和さんと旅するとか。和さんは2月3日に日本に帰る。だから、今日が和さんと会うのはfinal。う〜ん、寂しいね。和さんとは幾度となく再会し、色んな思い出がある。年齢差は5〜6歳あるが、それを感じさせない親近感がある。ほんまいいキャラクターだ。

和さんと俺とくれば、もう飲むしかない。俺らにBlenheimメンバーも加えてみんなで飲むことになった。和さんとはもうしばらく飲まれへんからな。幸恵さんとはHastingsで会うかもしらん。あのヒッチの旅以来、彼女も少しaggressiveになったみたい。とにかく、折角のNZ。時間だけはどんどん過ぎていくので、それを忘れないでほしい。

友よ その昔 俺たちは 汗をかいた

友よ その昔 俺たちは 西陽に背を向けた

友よ その昔 俺たちは 土の臭いをしてた

友よ その昔 俺たちは 守るために走ってた

〜 「友よ」 長渕 剛 〜

また会おう、和さん。

1月23日

「picking20日日、打ち上げparty」

ピッキング20日目。さあ残りlast 2になった。和さんに朝orchardまで乗っけてもらって、そこでお別れした。和さんは敏君とも知り合いで2人が会えてよかった。

今朝は寒かったが日中はどんどん暑くなってきた。久しぶりのcontract。やっぱり、contractは気合いが入る。俺自身では自分のpickingに関しては特に何ともなかったが、ボス連中が言ってるように他の人に比べて俺はかなり速いかもしらん。人の1.5倍の速さはあるかもしらんし、それでいてqualityもかなりいい。こうなってくるとボス連中もあまり俺には指摘しないが、たまにする指摘がかなり厳しい。今日は途中アーノルドが何千とあるアプリコットの中から、5〜6個指さして、

「学、これとこれはまだ青いぞ。」

と言ってきた。う〜ん、きついコメントだが、それだけ評価してくれているのはうれしい。結局、今日は3bin。元々3binで終わるつもりだったので予定通りだ。

今晩PM7:30からorchardで飲み会があった。cherryが終わったのと打ち上げとが重なって、cherry、apricot、packhouseのメンバーが50人以上来た。当然、ほとんどがNZ人で中には子供もいた。たぶん13歳ぐらいやろ。またこいつがヤニは吸うし、ビールは飲むし。一体どうなってんねん、この国は。ビールだけかなと思ったら、BBQもあって、ソーセージだけかなと思ったらbeefもあるでは。さすがはbig orchard。パン、サラダもあるし、ビールも十分ある。これはええ。俺はビールも飲みまくり、食い物も食いまくった。

アジア人は俺、敏君、ソンのみ。あと女の子の多くはcherryとpackhouseに集中しているのを考えると、いかにapricotがつらいかがわかる。アジア人がこれだけ少ないと、俺らは個人というよりも日本人として見られている。だから、俺らの働きによっては、今後の日本人のイメージが変わってしまう。ただ、今年は裕二郎さん、敬子さんがすごくいい印象でここを後にし、俺も敏君も印象がいいので、日本人の株をかなり上げたやろう。飲み会の席で、トラクターのdriverのディックが俺のところに来て、

「お前はほんとにいいpickerだ。Good。」

と言ってくれた。こういうコメントは心の底からうれしいし、素直に喜べる。みんなが俺に対して抱いているイメージを崩さずにもう1日がんばらねば。

俺と敏君はPM10:00過ぎに宿に戻った。宿の連中のために少しtake awayをして。さあ、明日はfinal day。あともう1日。

1月24日

「picking最終日、3週間休みなし & picking data」

ピッキング最終日。とうとう最後の日が来た。今日で21日目。3週間休みなしで働くことになる。orchardまでの道のりもこれでfinish。よくも続けられたもんだ。昨日の飲み会のせいか、AM8:00スタートのはずが、いるのは俺と敏君のみ。正直、俺の体もボロボロで今朝はAM8:30までは動けなかった。やっぱり、3週間休みなしは今思えば辛かった。いざ仕事を始めても足が重くて動かない。まさしくこれが俺の体力の限界。引退会見の千代の富士のようだ。

1binが終わって、2bin目にアーノルドが結構いいrowをくれた。これが助かって昼すぎに2bin終わり、これでもう止めようと思ってるとアーノルドに、

「もう1rowやってくれ。上からカワサキ(敏君)が来るから、下から上がって行ってくれ。」

と言われた。最後まで厳しいアーノルド。

日中の気温は37℃あった。どおりで暑いはずだ。敏君が2bin目を終わった時点で俺はすでに3bin目の半分まで来てたが、この3bin目は敏君とshareになった。敏君もかなり上達した。俺はまた色々コツを教えてあげた。結局、final dayは2bin半。ようやく俺のpickingが幕を閉じた。そして、俺が帰ろうとしているとアーノルドが俺のところへ来て、

「学、色々ありがとう。来年はwork visa取ってやるから戻って来い。カワサキも連れて。」

と言ってくれた。こういったコメントは本当にうれしい。もう来るなと言われるよりもまたおいでと言われるのはやっててよかったとほんとに思う。始めは口うるさかったジムもアーノルドも、最後は何も言わなくなり、俺を認めてくれた。ありがとう、みんな。ここに来て3週間やり続けてよかった。また会おう。

宿に戻ると敏君がビールを持ってやって来た。敏君とももうお別れ。Tanrangaで会った時の敏君は今の敏君じゃない。言動がはっきりし、自分に自信が持てるようになったんやろう。あの辛かったpruningに耐えここまで来たんやから。立派になったもんだ。今度敏君と会うのは日本やね。

さあ先週$700以上稼がせてもらったapricot pickingも終わり、明後日はここを出る。ここでpickingdataをまとめてみよう。

Cherry 350g/30個 → 12g/piece (varietyによるが一般的に)

Apricot 600g/5個 → 120g/piece ( 〃 )

として、

cherry AM6:30 − PM4:00(実質9hr半)で20 buckets(約100kg)

apricot AM7:00 − PM4:00(実質9hr) で4bin(約1000kg)

とし、1日に採る個数は

cherry 100×103/12 = 8.3×103 = 8,300個

apricot 1000×103/120 = 8.3×103 = 8,300個

で単位時間当り、

cherry 8,300/9.5 = 870個/hr

apricot 8,300/9 = 920個/hr

1bin当りの個数は

cherry 5.0×103/12 = 420個

apricot 250×103/120 = 2,000個

cherry ¢75/kg、apricot ¢27/binとして

cherry ¢75×100 = ¢7,500 = ¢75/day

(Blenheimでは$100/day)

apricot $27×4= $108

時給は

cherry $75/9.5 = $7.9/hr

apricot $108/9 = $12/hr

一個当りは

cherry $75/8300 = $0.90×10-2 = ¢90/100個

apricot $108/8300 = $1.3×10-2 = $1.30/100個

1月25日

「Alexでのlast day」

3週間ぶっ通しの仕事が終わり、ゆっくりしたいところだが、今日はすることが色々ある。まずは手紙。書かな書かなと思ってた人に今日こそはと思って書いた。それが済むとテントの洗濯。俺のテントはかなりかびてきて、とりあえず掃除のおばちゃんにブリーチを借りて浸けておいたが、ほとんどとれてへんやん。これはあかん。

昼からはのりえさん、真吾くんにe-mailのアドレスを作ってあげた。2人ともコンピューターにはうといようだが、e-mailが一番連絡を取りやすい。色々批判はあるが、こういったメディアはどんどん利用するべきだと思う。和さん、徳さんに無理矢理作らせたが、結果的に彼らは満足してくれた。2人共まじでパソコンの購入を考えるようになった。今日も俺あてにダニーやマンディからmailが来ていた。Taurangaで別れたはずの彼らと連絡が取り合えるのはe-mailのおかげだ。

その後は、買い物。テントの修理に釘を買ったり、宿の息子に借りていたチャリを修理したり。とにかく、忙しくて休んでられん。

夕方、俺はチャリでAlexの町が一望できる丘に登った。Alexはほんとに小さな町だ。その先のClydeはもっと小さい。ただ、岩山に囲まれたこの町は俺のお気に入りだ。岩山に作られたclockもいい。今日はその真下まで行ってみたが、直径11mもあったのには驚きだ。町の真ん中を流れる川もきれいだ。俺は川で何気なくションベンをしていると、

「こら、トイレは向こうやぞ。川に向かってションベンするな。」

とおやじが怒ってた。どうやら俺の下流で水を飲んでたようだ。それは怒るわな。

いっしょに暮らしていたソンともお別れ。ソンはどう考えてもKoreaのボンボン。銭がないと言いながらあまり働かない。そのくせCDウォークマンや電子手帳を持っている。俺は色々旅のテクニックや仕事のやり方を教えてあげたが彼には役に立っているだろうか。

さあ、Blenheimのメンバーともお別れやな。今晩、俺が余ってたパスタを作ってみんなで食った。ミッチーはビールを買ってきてくれ、よしさんはワインをくれた。変に気を遣わしたかな。というのは、俺は彼らの3倍近く銭を稼いでいたので、給料日や何かある度に色んなもんを買ってきてみんなで食った。別に彼らから何かをもらおうって気はないし、これがいつもの俺のスタイル。銭は稼げばいいだけだが、こういった時間は銭では買えない。みんな俺のことを一目置いて見てくれてるのはうれしいが、いつも言うようだが俺は至って普通。やりたいことをただ行動に移しているだけ。それ以外の何者でもない。だから、みんなに一言。考えることは簡単。ただ、それを行動に移す時の勇気はかなり必要。人間は誰でも自分がかわいいから自分に不利になることを避けようとする。ただ、それではいつまで経っても人間は変わらない。だから、時には自分を追い込んで、あおって、厳しくしてほしい。

Its easy said than done.

このことを忘れないで、これからもがんばれ。また会おう。