全国24億5000万人の加藤学ファンの皆様

日本全国離島シリーズ第23弾~甑島~

「甑島は、食べる処、飲む処が少な過ぎるやないかー」 



皆様、こんにちは。

今秋は、鹿児島県甑島に行って参りました。大大大満足しましたね。旅の神が降臨とでも言いましょうか。旅感がかなり冴えていました。

これまでの旅の中で、今回ほどうまく悪天候をかわせたことはなかったかもしれません。甑島に渡っですぐに台風17号が沖縄先島諸島から台湾へ。甑島では、この台風の大きな影響はほぼ受けませんでした。次は、秋雨前線の南下。鹿児島に着いてすぐにこの前線の影響で、薩摩地方の週間天気予報では下甑島滞在時が大雨。しかし、実際は曇ってはいるが、まずまずの天気。当時、隣の熊本は大雨、且つ奄美以南も台風の影響で雨。九州から本州はこの前線の影響でしばらく雨。天気予報では、晴れているのは鹿児島のみでした。そうなると無茶苦茶暑い。9月も終わりというのに真夏の気候でした。お陰でバイクで走っていた私の腕は真っ黒になりました。

甑島へは、川内から高速船と串木野からフェリーが1日各2便あります。私は、鹿児島市内でバイクを借りていたので、串木野からのフェリーにバイクを積んで渡りました。

上甑島に着いて、まずびっくりしたのが、余りにも食べる処がないこと。且つ、上甑島里港に着いた際、地元の運動会が催され、店はほとんど閉まっていました。私にとって、各地の飲み屋探しが楽しみなのにその選択肢がない。ある意味、参りました。

甑島はそこそこアップダウンがあり、車がないと回るのはきついです。鹿児島でバイクを借りていて正解でした。上甑島と中甑島はすでに橋で繋がっていて、上甑島の里から中甑島の平良までは15km程。車もほとんど走っておらず、バイクで20分もあれば両集落間を十分走れます。主要産業は観光業と漁業で、船でのクルーズなど思っていた以上に観光業が発達していました。ちなみに、上甑島にはレンタルバイクが数台あるそうですが、下甑島ではなかったです。両島タクシーは各1台。私の島滞在時はタクシーは見かけませんでしたが・・・。
 

「長目の浜」 in 上甑島


 

「開聞岳」
下甑島に着いて驚いたのは、上甑島よりも観光業がかなり遅れていること。上甑島でさえ、沖縄の離島に比べると観光客の数はしれています。しかし、テレビの影響もあり、この時期ですが、上甑島ではそこそこレンタカーを借りた観光客を見かけましたが、下甑島では会わなかった。一方、下甑島には自衛隊があるので、長浜集落にはスナックもあり、食べる処は上甑島よりも多かったような気がします。

島を出て鹿児島本土に戻ってから、久しぶりに旅らしい旅をしました。泊まる場所を直前まで決めない。下甑島を出る前夜、その翌日泊まる宿を探して、場所は何となく加世田にしました。地図を見る限り、そこそこの街で宿も飲み屋もありそう。これが大ヒットでした。

さて、秋の旅も終了し、次はまた春です。鹿児島、気に入りました。沖縄もよかったですが、鹿児島もいい。人のスピード、テンポが独特で、すごく心地良いです。もう少し鹿児島を責めてみたくなりました。次は、トカラ列島に行こうかな?時間的に無理かな・・・?これまでトカラ列島は諦めていましたが、無茶苦茶行きたくなりました。これからしばらく作戦を練ります。

では、次回はまたどこかでお会いしましょう。

P.S.
今年も、9月のトラはひどかった。8月末に優勝が消滅し、その後は毎年のていたらく。で、消化試合の最後に7連勝って何やねん?
でも、わしはアニキの方針は支持するで。トラ若手よ、来年は花開けよ。


湘南より愛をこめて
Oct/23/2016
Manabu Kato



 ☆On the load from Kagoshima to Kushikino

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     



☆Topics Vol. 256-260


Vol. 256
 「飲む処ないやん in 上甑島」

上甑島里港へは串木野新港からフェリーで1時間半程。里港へは川内港から高速船でも行けるが、各港から12便しかない。私は、鹿児島市内からバイクで1時間程で串木野に着き、思っていたより早く着いたので、フェリーまでの3時間程を串木野近辺でブラブラしていた。

この時期、甑島へ行く人は余りおらんやろ。」
と想定していたが、港に着いてびっくり。港に島に帰られるであろう島民がいたのは予想通りだったが、スーツケースを引いた明らかな観光客が思いの外いた。


里港に着くと、その日宿泊の港の目の前のホテルに直行し、ホテル内の温泉に入ったりしているうちにすっかり日が暮れた。しまった、島を回ることなくホテルに入ったので、市街地の構造がよく分からない。町中はどっちなのか?果たして飲める場所はあるのだろうか?フロントでその質問をすると、開いているかどうか分からないが、とりあえず右方向に行ってみて、と。言われた通り、右方向へ進んではみたが、店があるような雰囲気ではない。信号を渡って、更に進んで行くと雑貨屋があったが閉まっている。

新しい町に行くと、私は町をブラブラしながら、自分の感覚で店に入ることにはまっている。旅先で意図的にホテルに泊まるのは、素泊まりにしてどこかで飲みたいのと、帰りが遅くなるだろうから、民宿などに泊まると、私が夜遅く宿に帰って立てる音で他の宿泊客に迷惑が掛かるのを申し訳なく思うからである。今回もまずは町をぶらついて、どこか店を探そうとしていたが、店がある気配さえしない。ほんまに食う処、あるんやろうか?

私は更に歩き続け、集落内に入っていくと、灯りが点いている居酒屋「漁り火」を見つけた。もう選択の余地はない。これ以上歩いても、店が見つかる気がしない。そう思ってここに入ることにした。

里集落には何軒か店はあるが、この日は学校の運動会があり、ほとんどが閉まっていた。要は、離島に多い、いわゆる不定休である。また、店構えはあるが、すでに営業を止めたところがいくつかある。何となく店は少ないと予想はしていたが、実際に目の当たりにしてこの状況には参った。

店に入ると、観光客と思われる2組がテーブルと別室にいて、私は一人カウンターに座った。あとで聞いたのだが、甑島で外食する時は事前に予約しておいた方がよい。店によっては、予約分しか仕入れしていないことがある。私は、ここに突然入ってしまったのだが、店のマスターは入店をOKしてくれた。

店に入ってすぐにメニューを見てびっくり。料理は3,000円と5,000円のコースしかなく、飲み物は生ビール、焼酎、ハイボールだけ。焼酎で置いてあったのは薩摩川内の「蔵の神」だけ。甑島の焼酎が飲みたいとお願いしてみたが、この日は「蔵の神」を飲んでほしい、と。1500円と言われたが、私の前に中途半端に空いた4合瓶が出てきた。どうやって会計するのだろうか?

料理は、島の素材を使ったものを適当に出してほしい、とお願いした。すると、まずはきびなごと伊勢エビの網焼き。きびなごが大きいのにびっくり。島の人からこの時期島で獲れるきびなごはまだまだ小さいと言われたが、ふっくら膨らんだ大きなきびなごだった。きびなごも伊勢エビも美味い。他に小鉢と、鯵フライは肉厚、ボリュームがあり美味かった。〆には、伊勢エビをダシにし白菜を具材にした味噌汁を作ってくれた。これでトータル8,000円。料理は5,000円コースやったのか?、とかなり高い感を受けたが、伊勢エビもあったし仕方ないか・・・。
 




「里集落」



 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     

居酒屋「漁り火」



翌晩もここを訪れた。他の店に行ってみたい気もあったが、なんせ選択肢がない。ここは少し値段が高い気もするが、いちいちメニューを見るのは面倒臭いし、地場の美味しい料理を出してくれるのなら、少々値段が高いのは目をつぶろう。前日に甑島の焼酎が飲みたいとリクエストしていたので、この日は私用に里集落にある「六代目百合」を用意してくれた。正直な意見、「蔵の神」の方が飲みやすくて美味かったかな。この日は建設関係者の団体が座敷を陣取っていた。団体には肉料理中心。地元の方が、わざわざここで地場の料理を食べないのはごもっともである。

この日の私の料理は、小鉢から始まり、きびなご焼き、天然ブリの刺身、鯖の唐揚げ、さつま揚げに魚の煮物。どれも美味かったが、マスター手作りのさつま揚げはボリュームもあり、腹にずっしり来た。最後には、余った「六代目百合」の4合瓶をお土産にくれ、ホテルまで車で送ってくれた。いやー、想定していた予算はかなりオーバーしたけど、満足満足。何より外で食べられる場所が見つかっただけでもよかったのかも。

「漁り火」の後は、連日ホテルのバーで飲んでいた。何度も言うが、本当はどこかのスナックかバーで飲みたかったが店がない。このホテルには、離島のホテルには珍しくバーがある。

「リゾートホテル甑島館」は、元々は薩摩川内市が所有し、経営を地元の建設会社に委託していた。しかし、その経営が悪く、結局、市は経営を他の民間会社に委託することになった。明らかに行政のミスである。そして、ホテルは、今年3月に「リゾートホテル甑島館」として再出発した。リゾートという名前は不要の一般的なホテルだが、きれいで温泉もあり、非常によかった。部屋が海に面しており、目の前から朝日が昇る。バーもリーゾナブルな価格で、私は連日ここで地元の焼酎を飲みまくった。支配人自らバーテンとなり、酒を作ってくれる。

支配人は長崎出身でこのホテルに住み込んでいる。よって、何かあるとすぐに対応できる体制で、言い換えれば、無休で働いている。この姿勢には頭が下がる。バーには人がほとんどいなかったので、ほぼ支配人と話していた。支配人は非常に人当たりがよく、低姿勢。さすが、様々な接客を経験されてきただけはある。バーの営業は23時までと聞いていたので、私は23時前にはバーを出たが、客がいると支配人は付き合う。私が泊まった初日は、他の客が2時近くまでいたそうで、もちろん支配人は付き合っていた。で、翌朝6時半にはホテルのカウンターにいる。余り無理し過ぎないで、と言いたかったが、支配人に代わる人材がまだいない。バイトが来ても、やることがない島ではなかなか長続きしない。何とか早くいい人材が見つかって、支配人には少しでもゆっくりして頂きたい。



 
 

 

 

 

 

 

 

 
 
   

「リゾートホテル甑島館」

集落にほとんど飲み屋がない中、ここにバーがあったのは助かった。
部屋の窓からの景色は最高。



 
 

 

 

 

 

 

 

     

 「長目の浜」

上甑島の象徴。舞鶴の天橋立に似ている。個人的にはなまこ池が神秘的でよかった。




 
「美咲ちゃんの民宿」

日テレの「ボンビーガール」の美咲ちゃんの民宿。私は、この番組を見たことがないので詳細は知らないが、島民は美咲ちゃんを応援していた。私は美咲ちゃんに遭遇しなかったが、(ずっとではないだろうが)実際に島にもいる様子。上甑島のあちこちに美咲ちゃんのポスターが貼られていたし、「蔵の神」にCMにも出ている。番組上、やらせとか言われているようだが、島の人は好意を持っているし、このお陰で観光客も増えていると思う。いいんじゃない、それで。













 

     



 ☆ Glance at Kamikoshiki

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 



Vol. 257  「そ、そ、そうめんやん・・・ in 下甑島」

下甑島は上甑島よりもでかい。ただ、観光という点では、上甑島よりもかなり遅れている感を受けた。島の人の言葉を借りると、20年遅れているとか。下甑島滞在中は観光客に遭遇しなかった。

下甑島は上甑島より大きく、標高も上甑島よりも高い。その分、峠を越えて島の反対側の片野浦集落に着いた時は、

こんなところにも集落があるんや。」
と本気で思った。ナポレオン岩が見られる西山はまだいい。展望箇所もあり、まだ開けている。片野浦は本当に寂れた集落。小学校は廃校になっているし。ただ、西山でもそうだったが、リフォームされた今風の家がいくつもあったのには驚き。あの狭い峠道を建材を運んだ大型トラック、ローリーが通ったのか?

釣掛埼灯台まで裏道を通って行ったが、途中で後悔した。おそらく、しばらく誰も通っていないのだろう。道が細い上に台風の影響だろうか。枝が散乱し道路を覆っていた。走っても走ってもこれが続く。で、アップダウンの繰り返し。引き返すもこの道。私は終始パンクを気にしながら、道に散乱した枝を避けながら走った。途中で道路上で牛に遭遇。飼い放し状態。さすがにあのでかい図体が真横にあると恐怖を感じた。

手打浜は白砂できれいだった。浜でいうと、甑島の中ではここが一番浜っぽい。映画の撮影にも使われた様子。武家屋敷通りは上甑島の里集落にもあったが、規模は手打の方がでかい。沖縄とまたタイプの違う石垣。丸い石が積まれている。これはこれでよい。

コトー先生のモデルになった瀬戸上先生のいる診療所が鉄筋の二階建てなのにはびっくりした。ドラマの舞台だった与那国島の診療所とは明らかに違う。集落内にポツンと小さな診療所があるのを想定していたので道に迷った。診療所は集落から少し外れた高台にある。先生は最近引退された。引退されると決まった際は、島民から辞めないで、と書面運動が起こった、とか。

上甑島でも思ったが、甑島では集落を繋ぐ幹線道路は整備されている。北の鹿島から南の手打までは、トンネルを駆使して、アップダウンはあったがかなり走りやすかった。瀬尾と手打のトンネルは数年前に完成した。それまで、長浜から手打に行く際は、山を越えて行かなければならなかった。

下甑島には自衛隊がある。その昔は、アメリカ軍が駐留していた。自衛隊がある分、長浜にはスナックが2軒もあった。所帯持ちの隊員は港近くの官舎に住んでいるが、独身は山の上の寮にいる。週末になると、隊員が山から下ってスナックで宴会を開くそうだが、21時半になるとお迎えのバスが来る。それを知ってか、一般人は週末は飲みに来ないことが多い。 

長浜にも一軒ホテルがある。台風が近づいていたので、船が出ない可能性もあり、私は事前に下甑島の宿を決めていなかった。前日に台風がこっちに来ないと分かった段階で、ホテルに素泊りで予約を入れた。ホテル「こしきしま親和館」は高台にある。予約した際は、2泊目は予約がいっぱいということだったが、結局は2泊ともOKで、且つ、キャンセルが出たということで別館を用意してくれた。いわゆるアパートの部屋。こっちの方が断然落ち着く。ここのホテルの方も親切で最高に対応が良かった。帰りにお土産に甑島のTシャツをプレゼントしてくれた。いやー、甑島の両ホテルは最高やったね。対応もいいしきれいし。
 





「ナポレオン岩」



 
     

「下甑手打診療所」



 




ホテルの方に飲み屋を聞くと、焼肉屋か寿司屋を薦められた。もちろん、選択の余地なし。寿司屋「寿し政」に行くに決まっている。店に電話してみると、その日は定休日で、特別にその日を利用した島の団体さんの宴会が入っている、と。諦めようかな、と思っていたら、うるさいかもしれないけど、カウンターならよいよ、と。全く問題なし。他の客がいないカウンターはもってこいである。

「寿し政」に着くと、座敷では団体さんが盛り上がっていた。私はビールと刺し盛りを頼んだ。下甑島は漁船が少なく、それ程魚が獲れない。そのため、寿司屋で置いている地場の素材は限られていた。そんな中、私はタカエビを頼んだ。下甑島名物で、現在、漁の真っ只中。タカエビは甘くてうまい。

翌日もここに来た。この日も地元の焼酎を飲みながら、できる限り地場の食材を使った料理を出してくれた。連子鯛塩焼にガシラ(あらかぶ)の揚げたもの。どれもうまかったが、もう少し生ものを使った料理があってもいいのに。まあ、大将のこだわりなら仕方ないか。大将は自然薯掘り名人。冬になると野生の自然薯を掘りに行く。私に食べさせてあげたかった、と。ママは明るく無茶苦茶かわいい。特に笑い方がかわいく、私のちょいちょいのボケに大声で笑う姿が非常に愛らしかった。

ママから長浜に2軒あるスナックの話を聞いてみた。一つは若い子がいる「カトレア」、もう一つは若い子がいない年配のママのみいる島っぽいスナック「ユリ」。もちろん、行くならスナック「ユリ」やろう。事前にママからスナック「ユリ」に連絡してもらった。

スナック「ユリ」に着くと、寿司屋の団体さんの一部がいた。団体さんにユリママの娘さんが含まれていたのと、島に飲む場所が限られるので、この光景は予想がついた。しばらくして、同じホテルに泊まっているトンネル工事の関係者が来られた。となると、店はカラオケで一気に騒がしくなった。しまった、カウンターでママと話しながらゆっくり飲みたかったのに…。ユリママには、私に構うことなく、団体さん優先をお願いし、私は騒々しい中、一人でカウンターで飲んでいた。

ここで何よりも嬉しかったのは、お通しにはタカエビの刺身を出してくれたこと。甘い、で、プリプリしていてうまい。思っていたよりもボリュームがあるし。タカエビを食べ終わると、ママからお代わりいる?、と聞かれたので、もちろん頂くことにした。ただ、お代わりの量も始めと同じぐらいボリュームがある。先に「寿し政」でタカエビの唐揚げも食べたし、更にこの量となると、さすがにくどく、食べ過ぎかも。何でも食べ過ぎはよくない。私は、エビの食べ過ぎによるアレルギー発症を不安視しながら、「甑州」をロックで飲みつつ、タカエビを食いまくった。

翌日は1組のお客さんが帰ると、店は私とママだけになった。この日もいっぱいのタカエビの刺身のお通し、お代わり付きに、焼酎は前日とは違うものということで「五郎」を用意してくれた。ここからは私が待っていた時間である。ママとの2人でのトーク。

離島のスナックでママと2人きりになるといつも思う。やはり、ママにとっては私は安パイなのだろう。島の人間でもないし、聞いた話を島の誰かに話す訳でもないし。ママからは深い話を聞かせて頂き、色々と考えさせられた。痛感するのは、当たり前だが島には島なりの生活、歴史があるということ。私の置かれている環境、これまでの歩みと比較すると、同じ国に住んでいるとは思えない。深すぎる。

帰りはママがホテルまで車で送ってくれた。歩けるからいいと断ったのだが、ホテルに上がる坂がきついから、と。スナック「ユリ」は、いくら飲んでも歌っても男3,000円、女2,000円。もっと取ってよいよ。


下甑島滞在時の昼飯は、ホテルからは港のボリュームのある食堂かパスタが食べられるイタリアン風の店を紹介された。島は食べる場所が限られる。この話を「寿し政」とスナック「ユリ」のママに伝えると、2人とも珈琲「山荘」を薦めてきた。珈琲「山荘」も含め、このママたちは仲が良く、私が行くなら一緒に行くと「寿し政」のママは言っていたほど。珈琲「山荘」は、ママこだわりの内装に、手の込んだ小鉢料理がいくつも出て来る、とか。そこまで言われたら行くしかない。そう思って、少し早い時間だったが行ってみた。

店の内装はママたちの言う通り。ドライフラワーが飾られ、色々工夫されている。店内には、地元の方2人がコーヒーを飲んでいて、いかにも地元の人しか来ないような雰囲気。観光で来た私にホテルが薦めない訳だ。入店して、私は、「寿し政」、「スナックユリ」の両ママから紹介されたことを伝えると、山荘ママは、

なら、二人には紹介料を渡さないと。」
と笑っていた。

これだけこだわった内装なので、さぞかし手の込んだ小鉢が出て来ると思っていたら、ママからは、

ごめん、今日はそうめん。」
と。そ、そ、そうめん。全然手が込んでへんやん、手抜きやん。メインが肉とキャベツの炒め物で、それにご飯とそうめん。あっさり胃にやさしい味でうまかったが、さすがにこれには笑けた。

その夜に、「寿し政」で山荘ママと会ったのだが、当然山荘ママがいる前では、この手抜きへの私の叫びの話ができない。山荘ママが帰られた後、私の叫びをネタっぽく話すと2人は爆笑。ユリママにも同じ話をしたら爆笑していた。ママからも、

えっ、そうめん?」、

って。




 

 

 

 

 

 

     

寿司「寿し政」



 
 

 

 


スナック「ユリ」



 
 

珈琲「山荘」



 
       

「瀬尾観音三滝」



 

 

 

 

   

タカエビ



 
     
     

上甑島里港を出て下甑島に渡る日。当初は、下甑島の鹿島港で降りて、バイクで長浜まで南下する予定でいた。その日はいい天気で、里港はべたなぎ。しかし、朝の放送で台風の影響で鹿島港には寄らずに長浜港に直接行く、と。おいおい、訳が分からん。ええ天気で波もないやないか。私は仕方なく長浜港で降りて、陸路で鹿島まで北上し、鹿島港の状況を確認しに行ったが、同じくべたなぎ。なんでやねん。船会社が手を抜いたんちゃうか??おかげで、この日の島での時間を1時間程無駄にしたやないか。いまだに納得いかん。



 ☆ Glance at Shimokoshiki

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



 

 

 

 

 

   



Vol. 258  「鹿児島、甑島、一嚙り

「まぐろラーメン at 味工房みその」(いちき串木野)

そこそこ有名店と思う。日曜日というのもあって、結構人がいた。あっさりとした魚介系のダシに、漬け様のまぐろが3切れ具材で乗っていた。素朴な味。
  
     



「まぐろラーメン at 松榮丸」(いちき串木野)

ここのまぐろラーメンの方が美味かった。魚介系のダシにしっかりと塩で味が整っていた。ただ、折角やから大トロも頼んだが、この小さな切身3切れで1,200円は取り過ぎちゃうか?

  
     



「寿し膳・かのこ」(上甑島中甑港)

上甑島にマグロが養殖されているとは知らなかった。ニッスイがここでマグロを養殖しているが、島でこのマグロを食べられるのはここだけ。仕入れには限りがあるため事前に予約した方がいいと言われたので予約しておいた。店に着くとすでに料理が並んでいた。正直、ここまで期待していなかったがおいしい、脂も乗っていて。大将も親切で色々とマグロ情報を教えてくれた。店の場所が分かりにくかった以外は完璧。

 

 

 

     



「アオサラーメン at YOU & 友(POP1)」(上甑島中甑港)

島の数人にここを薦められた。正直、ここも期待していなかったが、うまい。麺にアオサが練り込まれ、魚介系のダシに、チャーシュー、それにマー油様のトッピング。普通に東京にあっても遜色なし。これはいける。
ここでは、店に無理言って、刺身定食の刺身のみも出してもらった。















 

 

 

 

     



「枕崎お魚センター」(枕崎)

「ぶえんカツオの刺身」
釣れてすぐに血抜きして急速冷凍したもの。口当たり滑らかでプルンプルン。食べ応えある。

「カツオのビンタ煮」
昔、バイクで日本を回っている際に食べたのを思い出して食べた。そうそう、この味。懐かしかったが、口が肥えたのだろうか?もう少し甘さを控えめにして、鰹の臭みを取った方がよいかも。

「カツオの腹皮焼き」
これが一番うまかったかも。本場はうまい。脂が乗っていて、本州ではなかなか素材が手に入らないかも。食堂下の市場で腹皮を大量に購入した。








 

 

 

 

 

 
 



「仲加原」(鹿児島)

鹿児島市内でたまたま入った。遅い時間に突然入ったのに、人のよさそうな大将は私を歓迎してくれた。料理もおいしく、甑島から戻った日にまた来る約束をし、実際に行くと喜んでくれた。私が帰る際は、

「何も手土産を持たせてやれない、こんなものしかない。」
と韓国のりとウイスキーのサンプルをくれた。いい店やね、ここも。

 

 

 

     



「市場食堂」(鹿児島)

35℃近くあった中、宿から路面電車を使ってその後徒歩20分、帰りは徒歩1時間程掛けて、汗だくになりながら行った食堂。ここは朝から開いていてよい。観光客も来ると思うが、私が店にいた時は、漁港で働いている人しかいなかった。仕事が一段落したのだろう。朝からビールを飲んでいる人もいて、頼んでいたものはラーメンとか普通の定食とか。私は、地場の首折れ鯖と鯵を刺身で頼み、追加で貝汁、鯵フライをビールを飲みながら食べた。漁港で朝から魚を食べながらビールはなんて贅沢なんだろう。鹿児島に来たら、ここで朝飯やな。それにしても、貝汁の具の多いこと。お椀のほとんど貝やん。

 

 

 

 

 

 

     



「愛加那」 at かごっまふるさと屋台村(鹿児島)

鹿児島を出る前に、どこかで鶏飯を食べたかった。そこで、昼にマッサージで寄った「ラフィネ」で聞いてみたところ、鹿児島中央駅近辺に食べられるところがある、と。そこが、駅近くにある屋台村の「愛加那」。店に入ると、私は奄美でよく頼んでいたように鶏飯のご飯少な目で頼んだら、ミニ鶏飯があるというのでそれにした。うーん、そうそう、このやさしいダシ。こんな近くに鶏飯が気軽に食べられるところがあったんやな。教えてくれた「ラフィネ」の乙女に感謝やな。

 

 

 

 

   



「ざぼんラーメン」(鹿児島)

鹿児島の代表的なラーメン屋チェーン。鹿児島中央駅にもある。過去にバイクで放浪中に食べて以来、懐かしくて久しぶりに食べてみた。
まあ、普通かな。

  
 
 
 



「宇都酒造」(南さつま)

加世田の「和心凛々と」マスターの同級生がされている酒造所。マスターの紹介と言うと、歓迎してくれた。オーナー、奥さんともすごく感じのいい方。ここで、「紅金峰」を購入した。オーナーのお母さんだろうか。お土産に地元のみかんをくれた。これがまたうまかった。
  

 

 

 

     



「吉永酒造」(下甑島)

下甑島唯一の酒蔵。ここの「甑州」「五郎」「亀五郎」と飲んだが、個人的には「甑州」が一番よく、ケースで購入した。芋臭くなく、飲みやすく、繊細な味がする。ここのお酒はなかなか東京で見かけないと思う。家族で経営されている小さな蔵元なので、ほぼ地元で消化されるのでは?









 

 

 

 

 

     



味処「きたはら」(鹿児島

今回もここにきてしまった。ここは料理もおいしく、ママも明るくて居心地よい。今回はママと連絡先を交換したが、ママの携帯に私の名前を”湘南ボーイ”で登録してやったで。ふ、ふ、ふ。
















 
 

 
 
 

     



「思無邪」(鹿児島) 

ここにもまた来てしまった。鹿児島中央駅近辺ではここの味噌ラーメンがが一番うまいと思う。この店限定の「薩摩の上」もうまかった。

 



「バレル・バレー」(鹿児島空港近く)

鹿児島を出る前はいつもここ。今回、ここで鹿児島では珍しい米焼酎「薩摩白流」を飲んだ。癖がなく飲みやすく、おみやげに帰って帰った。










 

 

 
   



Vol. 259   「加世田、よいかも・・・」

鹿児島を出る前々日、一応、船が欠航して戻れないことを想定して、前もって島を出て鹿児島本土に戻る予備日を設定していた。当初の予定では、下甑島を午後便で出て、その日は串木野に泊まろうかと思っていたが、甑島に渡る前に串木野を下見をしてみた結果、なんかしっくり来なかった。でも、2便で島を出ると串木野着は夕方なので余り移動できない。なら、1便で出てそこそこ走って、鹿児島市内に戻るか?もしくは、枕崎で泊まるか?しかし、これら案もなんかしっくり来ない。そこで、甑島で鹿児島の地図を改めてよーく見ることにした。すると、枕崎の手前に南さつま市加世田というところがあり、見た感じそこそこの街っぽい。それに宿もある。よし、加世田に泊まろう。そして、島を出る前日に加世田のホテルを予約した。

串木野でまぐろラーメンを食べて、いざ加世田に行こうと思ったら、加世田まではたった30km。昼前にまぐろラーメンを食べ終わったので、この距離なら13時には加世田に着く。やはり枕崎まで行っておいた方がよかったのかも…。途中の吹上浜に寄り道したが、予想通り昼過ぎには加世田のホテルに着いた。

折角なんでもう少し走りたい。しかし、行きたいところまでの距離感が分からない。その話をホテルのフロントに伝えると、色々と親切に教えてくれた。折角なので近くの温泉にも入りたい。ただ、鹿児島は温泉と酒造所は至る所にあり、素人にはよく分からん。この話もフロントにぶつけると、同じく親切に教えてくれた。

加世田の街中と言っても知れている。ホテルがある街中から数分も走ると信号もなく、交通費も大したことない。野間岬までの海岸線は走っていて無茶苦茶気持ちよかった。

温泉は、結局、吹上温泉「みどり荘」にした。かなり老舗で人気があるように感じた。私がいる時は露天風呂に数人しかいなかった。温泉は硫黄臭が強め、目の前には池が広がり、いかにも文学小説に出てきそうな趣のある風景。ここにいた地元の方から、地方からわざわざ加世田に来てくれるのは嬉しい、ありがとう、と言われた。すごく地元愛の強い律儀な方。これで、温泉の温度がもう少し低ければ最高やったのになあ…。あれは熱すぎやろ。

宿に戻ると、そう、飲み屋探しである。加世田には飲み屋がそこそこあり、この規模は私好みである。申し訳ないが、ホテルから紹介された飲み屋は、外観を見て却下した。折角なので、温泉で出会った地元の方お薦めの「黒ちょか」に行ってみた。確かに良さそうな店。ただ、カウンターは空いていたが予約だったのだろう。私は座れなかった。仕方なしにテーブルに一人で座った。となると、面白くないなあ・・・。後から常連さんがカウンターに座り、私が帰る際には、カウンターを空けられず店の方から謝られた。やっぱり、人の紹介よりも自分の感性かな?ズルしたらあかんな。カウンターに座っていたら印象が違っていたかもしれないが・・・。

ただ、料理はうまかった。水イカ刺身は甘くてうまい。鹿児島で鳥刺しを何回か食べたが、ここの鳥刺しが一番うまかったかも知らん。食感もよく、ボリュームもあり。砂ずりの刺身は初めて食ったかも知らん。これもうまかった。

「黒ちょか」の後は、街をブラブラした。やっぱり、いつもの自分の感を頼りにもう一軒探そう。そこで気になって入った店が「和心凛々と」。ここがまたヒットした。

カウンターが広めに、テーブル、個室がいくつかあり、店の規模としては私好みよりも広め。マスターは、私と同じぐらいの年齢だろうか。メニューから料理を探すのは面倒臭かったので、地場の食材を使った料理、地場の焼酎をお願いした。



 
 

   

「万世特攻平和祈念館」



 
     

   

吹上温泉「みどり荘」



鹿児島に来て改めて思ったのは、鹿児島の鯵と鯖はうまい。青物は湘南でも地場の魚なので、当初は鹿児島に来てまでも・・・、と食べるのに否定的だったが、この日はまず鯖の刺身。脂が乗っててうまい。次に、この時期に鹿児島で獲れる「秋太郎(バショウカジキ)」。この時期に鹿児島沿岸を来遊する。これも脂が乗っていてうまかった。それと、タカエビの塩焼き。この近辺でもタカエビが獲れる。甑島では刺身を食いまくったので、どこかで塩焼きが食べたかったのでタイミングバッチリ。

焼酎も地場のものを順次出してくれた。まずは、「金峰」。マスターの同級生がやっている酒蔵「宇都酒造」のお酒。飲みやすくて繊細な味。なかなか酒屋でも見つけられない。次は、「紅金峰」。「金峰」のサツマイモのさわやかな風味付きといった焼酎。私は、翌日に「宇都酒造」を訪問してこの「紅金峰」を購入した。「富乃宝山」がこの近辺で製造されているのは知らなかった。「黒瀬」は、「白波」の「薩摩酒造」が居酒屋にしか卸していない焼酎。それと、「一どん」。抽選でしか手に入らない。バイクで走っている最中にこの酒造所を通り過ぎたのだが、そんな貴重なら寄って来ればよかった。短い時間だったが、マスターは仕事が一段落して、カウンターの私の横に座り、加世田のことを色々と教えてくれた。いやー、いい店に入ったわ。満足、満足。

加世田にも知覧同様、特攻基地があった。知覧は訓練して特攻隊が飛び立つ基地だが、加世田ではいきなり特攻隊員が飛び立った。特攻基地を使った町おこしという点では、加世田は知覧に圧倒的に負けている。特攻基地=知覧と思っている人がほとんどではないだろうか?翌日、私は、「宇都酒造」で焼酎を購入した後、加世田の特攻祈念館「万世特攻平和祈念館」に寄ってみた。知覧の祈念館に比べると、ここはかなり規模が小さい。知覧と違って、お土産店は並んでいないし、駐車場も小さい。大型の観光バスも見なかった。この違いには驚いた。1階の展示場は写真撮影可能で、2階の遺品や手紙が展示されるフロアは撮影禁止。私が着いた時は開館直後だったので、入場者は私ともう一人だけ。祈念館の規模は大きく異なるが、知覧でも加世田でも展示内容は同じ。いつ見てもジーンと来る。なんで将来のある少年たちがこんな目に遭わなければいけなかったのか・・・。


加世田ステイ、かなりよかった。街の規模はそれ程大きくなく、それでいて普通の街にあるような機能がある。食材もいいのがあるし、温泉もあるし、おいしい焼酎も飲める。ここ最近の放浪は行く先がほぼ決まっていたが、今回のように先を決めない旅は久々だった。やっぱりいい、旅は。



 
   

「黒ちょか」



 
 

 

 

   

「和心凛々と」



 
  
「枕崎駅」

枕崎に来たのは17年ぶり。
以前はもっと小っちゃい駅だったような気がするが、すっかりきれいになっており、昔の面影はなかった。
久しぶりに南の終着駅に辿り着いた今となっては、また北の終着駅の稚内に戻りたくなった。 
















 

 

 

 

 

 

 

     



 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

「たまて箱温泉」

加世田から鹿児島に戻る際に立ち寄るならここと薦められた「たまて箱温泉」。かなり有名なところのようで有名人の色紙が多く飾られ、外国人向けと思われる英語での案内もあった。露天風呂を見てびっくり。絶景。目の前は海で開聞岳が目の前にある。 全国各地の温泉に立ち寄ったが、こんな絶景に遭遇したことはないかもしれない。露天風呂では撮影禁止となっていたが、誰もいなかったのと余りの絶景に写真を撮ってしまった(すみません)。男女の露天風呂の位置が日替わり。



☆On the load from Kushikino to Kagoshima 

 

 

 

 

 

 

     



Vol. 260 藺牟田瀬戸架橋」

上甑島と中甑島はすでに橋で繋がっているが、現在、中甑島と下甑島に橋を架ける工事が行われている。しかし、台風の影響や冬のしけ等により、工期が遅れ気味とか。私は、中甑島からこの建設状況を目の当たりにし、宮古島と伊良部島を繋ぐ橋が工事中だったのを思い出した。規模は異なるが、何となくその時の光景によく似ている。違う点は、都会の宮古島と田舎の伊良部島を繋ぐのとは違って、田舎同士の両甑島を繋ぐ点。正直、メリットはあるのか?

確かに、橋が繋がることによって両島の雰囲気、特に下甑島は変わると思う。両島は行き来しやすくなり、観光客も下甑島に行きやすくなる。しかし、宮古島と橋が繋がった伊良部島の少し洗練されたような雰囲気を下甑島にもたらすことができるだろうか?甑島の産業は漁業と観光業。橋が繋がると、両島一緒になった観光業のPRが必須。そうしないと、多大な額を投じた橋建設の見返りは得られず、過疎化が進行すると思う。下甑島のある方が言っていた。

「高齢化した島に、今更島を繋ぐ橋が必要?橋を作るなら、串木野と繋いで欲しい。もしくは、下甑島に大きな病院を作って欲しい。」

甑島から串木野へのフェリーの本数は12便。且つ、冬場はよく欠航する。串木野での診察となると、宿泊が絡んで余計な費用が発生してしまう。他何人かにも橋の建設について聞いてみましたが、賛否両論だった。

橋が繋がった後の甑島に行ってみたい。どう変わるのか?下甑島のユリママにもそんな話をした。


 

下甑島、「鳥ノ素山展望所」より



 

上甑島、「木の口展望所」より



「鹿の子大橋」



 

 

   



 


 

 

 
     

 「甑大明神橋」



 
 

 

     

下甑島鹿島からの「藺牟田瀬戸架橋」



 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

     

これまで様々なところでバイクを借りたが、今回借りたバイクが今までで間違いなく最高だった。HONDA「PCX125」2015年モデル。走行中は静かで思ったよりもスピードが出て楽。ヘルメットも新しかったし。バイク屋に行くのに電車で行かなければならなかったのが面倒臭かったが、店の方はすごく親切で、無茶苦茶気持ちよく乗れた。