全国26億人の加藤学ファンの皆様

日本全国離島シリーズ第26弾~トカラ列島・小宝島~

今まで訪ねた離島の中で小宝島は最強かもしらん

皆様、こんにちは。今年の連休はトカラ列島・小宝島に行って参りました。

トカラ列島には、昨年の宝島に続いて二度目の訪問。当初は悪石島、更に列島の北側を考えていましたが、宿、船の状況で、結局は小宝島に行くことにしました。天気によって島の印象はかなり変わってきますので、大体、私は同じ島に数日滞在しますが、今回はずっと天気が悪かった。曇り、雨、曇りの繰り返しです。

これまで様々な離島に渡りましたが、小宝島は最強かもしれません。とにかく、何もない。食べる処はない、売店もない。島には最近できた自動販売機が一台あるだけ。警察もない。つい最近、島で初めて郵便局ができたほど。そんな島なので、天気が悪いとすることがありません。島は30分もあれば歩いて一周できます。歩いている私に、島の方は、

「もう少しゆっくり歩きなさい。そうしないと、すぐに周り終わってしまうよ。」
と。

船の便数の関係上、私は島に3日間滞在しました。天気が良くなかったので、何もない島で尚更することがない。島に温泉があったのは唯一の救いでした。

島に際立った産業はありません。漁師は1人だけ。牧場はありましたが、それ以外は発電所、診療所、学校ぐらい。限りある仕事に携わる人数をカウントしていくと、あとはご老人と子供達でざっと島の人口(50人程)に達します。十島村では移住者に補助金が出ますが、小宝島では産業を起こすのが難しい。まず土地がありません。

 

「小宝島港」

 

島の所々に立っている看板
道案内はこれで十分


そんな島ですが、島民は普通に生活しています。ある意味、たくましさを感じました。道で島民とすれ違うと、部外者の私にも挨拶してくれます。子供達も元気よく。

さて、トカラ列島でまだ行っていない島がいくつもありますが、もうこれでトカラは卒業します。行くのに不便なのが一番の理由です。かと言って、離島に行くなら数日は滞在したい。時間に限りがある中、この点はどうしてもネックになります。あとは飲み屋がないこと。私にとってはこの点もでかいです。

次はまた鹿児島の何処の島に行く予定です。では、また次回お会いしましょう。

P.S.
今年の虎はどうなってるねん。打てな過ぎる。育成も兼ねているので、大山を我慢して使うべきなのか?ロサリオもどうしたらええんや?金本監督を信じるしかないのか?もしくは、指導者として能力がないのか?

わしは信じてるぞ、虎戦士
「湘南より愛をこめて」

May/20/2018
Manabu Kato





 
☆Glance at Kodakara Vo. 1


 

 

 

 

   



 
 

 

 

 

 
 

小宝島の海
天気が良かったらな・・・ 





☆Topics Vol. 272-275



Vol. 272
今まで訪ねた離島の中で小宝島は最強かも知らん

今回訪ねた小宝島は、昨年の宝島に続いてのトカラ列島訪問。当初は悪石島に行く予定だったが、連休で殆どの宿が休みとあって、宿泊場所が確保できなかった。そこで、名瀬から宝島の次に近い小宝島に行くことにした。
4月からトカラを回るフェリーが新しくなった。「フェリーとしま2」。船の中に入ると新築の匂いがまだ残っていた。以前のいかにも離島船に比べるとはるかにグレードが上がっている。技術的にも向上したのか、以前よりも余り船が揺れなかったように感じた。


 
 

 

 

 
 
「フェリーとしま2」 



6時前に小宝島に着いた時は雨。まだ薄暗い中、島に降りたのは私と島のおばあちゃんの2人。港には宿からの迎えはない。仕方なしに傘を差しながら歩き始め、途中で立っていた地図を見て住宅街に向かった。

雨の中、傘を差して初めての島を歩いた。果たして、ちゃんと宿に予約が入っているのだろうか?私はまだバックパックを背負っているからいいが、仮にスーツケースを持った乙女が同じ状況なら不安で泣き出すのではないか?地図には市街地と書かれていたが、一向に家が出てこない。しばらくして、家が見えてきたが、市街地と言える規模ではない。ポツポツと家が並び、道の1番端に宿「民宿湯泊荘」を見つけた。あとあと聞いたのだが、船が着くと島の男性陣は皆港に行って船の着岸、出航作業を手伝う。宿の方は、ちょうどその作業中だった。そんなこと言われても、事前に教えてもらわないと・・・。


宿はいかにも民宿といった感じで、各部屋が襖で仕切られているだけ。襖の隙間から隣の部屋が見られる。トイレにウォシュレットが付いていたのには驚いた。昔ながらの和式便所を想定していたので。その日の宿泊者は、私と名瀬からの工事のおっちゃん達。彼らは何ヶ月も島に滞在している。現場監督の方は、翌週平島に行くと言う。トカラの島を点々と作業している会社で、船の便数も影響してか、現場監督は昨年は年に数回しか帰られなかったらしい。

   


  宿は3食付き。朝は工事の方に合わせて6:30からにした。料理は宿にある材料を使って。小宝島には売店はない。あるのは自動販売機1台のみ。従って、すべての食材、日用品は鹿児島や名瀬から取り寄せないといけない。これは意外だった。私は、宝島のように、小宝島にも売店があることを想定していた。で、夜は酒を飲んで時間を潰そう、と。島に来る人はお酒は持ち込む人が多い。工事の方もケースで持ち込んでいた。しまった・・・。幸いなことに、宿には第3のビールが1¥200で売られていた。私は普段は第3のビールは飲まないが、ここでは選んでいる場合じゃない。

宿の方は、島で唯一の漁師。よって、漁がある日は夕食に魚料理が出る。途中で関西からのお客さんで、魚突きに来られた方がいた。かなり長いモリだが、見事にブダイ等を突いてきた。ブダイは奄美では高級魚。この日は宿の方がそのブダイをさばいて夕食に出てきた。名瀬からの工事のおっちゃん達もこの高級魚には大喜び。やはり新鮮な魚は美味い。宿のメシは普通に美味しかった。地場のものと言えば、夜に出る刺身ぐらいだったが、一般家庭のメシといったところ。ボリュームもあったし。






 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
ある日の朝食

 
ある日の昼食

 
ある日の夕食




   
 


小宝島は、面積1m2、人口50人程の島。30分もあれば歩いて島を1周できる。船の関係上、私は30分で周れる島に3日間滞在した。宿の方曰く、内地の人はこの島の滞在は3日で限界、4日目からは物を投げたくなるのが普通だろう、と。こんな少ない島なので、部外者はすぐに分かる。私が島を歩いていると、島の方が、

「もう少しゆっくり歩きなさい。そうしないと、すぐに周り終わってしまうよ。」
と。

島には売店も食べる所もない。小中学校はあり、この規模の島なのに生徒は10人弱いる。純粋な島の子供の割合は少なく、島を出た夫婦が諸事情で島に残った祖父母に預けた子供や、山海留学という内地で不登校の子を島の人が預かって学校に通わせている。この生徒数に対して、ほぽマンツーマンに近い先生がいるとか。先生と言っても臨時の先生もいるが、概して、翌年の本採用には通る。島ではすることがないので、勉強ができるのである。

島の人々は、道ですれ違うと必ず挨拶してくれる。子供達もそうで、子供達の「こんにちは」は非常に気持ちがよい。島に来た当初の不登校の子達は挨拶はろくにできないが、卒業する時はちゃんと挨拶ができるようになって島を離れて行く。


 
 
 


59日に島で初めて郵便局が開業した。郵便局と言っても簡易郵便局で、要は、郵政が自治体に経営を委託した郵便局。十島村役場は鹿児島市にあるので、役場からは人が来ず、島の人に運営を任せた。まあ、鹿児島市にいる役場の人は、何もない島に来るのは嫌だろう。もしくは、雇用と言う意味で島民に運営を任せたのかもしれない。ATMも設置されるが、果たして島のご年配は使いこなせるのだろうか?

島に警察署はない。診療所はあるが、医者はおらず、看護師しかいない。緊急時のヘリポートはある。島に火力発電所があり、水は海水を純水化している。

船が港に着く時間になると、島の男性陣が着岸の作業に港に来る。フェリー会社の人はおらず、島民がボランティアで。名瀬からの船は早朝着なので毎回大変である。船は小宝島を時々抜港する。風向きによっては港は大シケとなり、船が着岸できない。抜港するかしないかは事前に島には知らされず、その時の波の状態、船長の判断に寄る。

島には温泉がある。海岸沿いにある湯泊温泉は無料の露天風呂で24時間自由に入ることができる。入浴可、男性、女性、家族入浴中の札を変え、自分で勝手に入る。この温泉近くでは、ブクブクと道路から温泉が湧いて湯気が出ている。この近辺まで来ると、硫黄の匂いで直ぐに温泉があるのが分かる。私が滞在時は少しぬる目だったが、その分長く入れて気持ち良かった。夜になると、島の人も入りに来る。島滞在は天気が悪かったので、この温泉があって助かった。やることがなかったので、私は毎日夕方前に温泉に浸かって、宿で身体を洗って時間を潰していた。


 
 

 

 

 

 
 
 
 
 

       

「湯泊温泉」
無料の露天風呂で、自分で勝手に札を変えて入る

   



島にはトカラハブがいる。沖縄にいるハブよりも毒性は低いようだが、と言っても毒がある。硫黄の匂いがする島なのにハブがいるのが不思議。小宝島はハブの北限。島民はハブとの共存となるが、その存在を気にしていた。どこどこにいつハブが出たとか。ハブは夜、もしくは雨の後によく出てくる。山では、足元のみならず、木にもいる。従って、島の人から、山に行くなら上にも気をつけなさい、と言われた。

島では天気に恵まれなかった。雨、曇り、雨の繰り返し。これだけ色んな島に滞在して、天気に恵まれなかったことは初めてかもしらん。数時間太陽が出た時は、余りにも感動して青空の写真を撮ってしまった。天気が悪いので、本当にすることがなかった。売店があれば酒買って飲んでいたのだが・・・。船で沖に連れて行ってもらおうかとも思ったが、海はシケていて行ける状態ではなかった。海がシケているので、泳ぐにも沖には出られない。気温も低かったが私は入江で泳いだ。沖に出られれば、もっといいポイントがあったと思う。で、冷え切った身体に温泉。温泉があってほんまによかった。

結局、島を6周ぐらい歩いたかもしれない。ただ、この時間潰しの散歩で色々発見があった。島には変わった形の奇岩が多い。これが至る所にあり、何とも不思議な形をしている。毎日同じ道を歩いていると、道沿いの花の状態が変わって行くのに気付いた。昨日は萎んでいた花が今朝は咲いている。普段の生活には全くない視点である。私は何もない島でもそこそこ楽しみを見つけられる。なければないなりの楽しみ方。ないと思えば、それなりの時間の使い方ができる。やることはなかったが、何やかんや時間が経過した。ただ、島の方が言っていたように、正直、3日で十分かな・・・。
   


島に際立った産業はない。牧場はある。漁師は宿の方1人である。塩を作っている方はいる。学校の先生がいる。年金暮しのご老人がいる。こうやって考えて行くと、島民の数に行き着く。際立った産業がない中、皆、それなりに仕事を探して生きている。島の人と話していると、彼らにたくましさを感じずにはいられなかった。新たに移住となると、自ら仕事を探さないといけない。移住して5年間は十島村から補助金が出る。しかし、それも期限がある。パイオニア精神がないと生きていけない。この島ではなかなか大変なことである。

島滞在中はずっと天気が悪かったので、私が帰る日の船が出るかどうかずっと半信半疑だった。天気予報では鹿児島は大雨。名瀬から鹿児島に船が行けても、鹿児島の波の状態がよくないと船は出られない。仮に鹿児島から船が出ても、小宝島は抜港される可能性がある。連休だから無理しても来るのではないか?色んなパターンを宿の皆様と話し、yahooニュースを見ると、この日は波の高さがかなり高い予報になっていた。どれだけ揺れても船が来てもらわないと困る。仮に予約した飛行機に乗れないとなると、連休中なので別の便は取れないだろう。不安を抱えながら漁師である宿の方に聞くと、この日の船は問題ない。風は回っているので、この日の風なら小宝島に船は着岸できる、と。結果は漁師さんの予想通りとなった。波を読めるってたくましい。それに比べると、コンピューターの情報は劣る。生きる術やな。

これまで色んな島に行ったが、ここまでのへき地は初めてかもしれない。店もない、仕事もない、何もない。ただ、島の人はたくましく、道ですれ違う際の島の人々からの挨拶は気持ちよかった。
 
   



 
☆Glance at Kodakara Vo. 2

 

 
 
 

 

 

     




Vol. 273 鹿児島、奄美、一齧り

1、「てっちゃん」(名瀬)

 龍郷町にもある店で、名瀬で昼飯で鶏飯を食べるなら、ここか「鳥しん」しかないな、と思っていた。聞いたところ、「てっちゃん」と「鳥しん」のオーナーは兄弟。私の好みの鶏飯のダシのベースは「みなとや」になっているので、それに比べると、やはり薄いな。悪くはないけど








   


 2、「58」(名瀬)

金久公園近くを歩いていて、たまたま見つけた郷土料理と居酒屋を経営している新しい店。小宝島の船に乗り込むまで余り時間がなく、他を探す時間がなかったのでここに決めた。私は郷土料理の方に入った。入った当初は、厨房に地元のおばちゃん2人しかおらず、何よりもカウンターに並んだ黒糖焼酎のメニューの多さには感動した。おそらくすべての蔵元の焼酎があったのではないか?しかしながら、少しすると、マイクロフォンを付けた若い女子が入ってきて隣の居酒屋と連絡を取り合い、観光客も次々と来て、知らん間に店は人で溢れた。なんや、そういう店やったんか。
ここで頼んだ刺身は普通に美味しかったけど、ジーマミ豆腐は最低やったな。多分、解凍直前かな?そんな食感やった。鶏飯は既製品のスープのような味やった。黒糖焼酎だけは魅力やけど、もうここに来ることはないね。

 

 

 
     


3、「麗王洞瑠(レオドール)」(名瀬)

小宝島に行く前の夕方、時間潰しに飲み屋を探していたが、まだどこも開いていない。早いところでも開くのは17:00。そんな中、ティダモールに喫茶店兼バーという「麗王洞瑠(レオドール)」の看板を見つけ、ここに入ることにした。店の雰囲気は中世の西欧といった感じで、名瀬にしては場違いである。マスターは見た目からしてかなり個性的。海外での生活も長いそうで、自分好みの店を開かれた。

「なぜ喫茶店とバーを分けなきゃいけないの?コーヒーとアルコールを一緒に出していいでしょ?ヨーロッパでは普通なんだから。」

とごもっともな意見。私も賛成。だから、昼から酒が飲めるところが少ないのよ、日本は。酒は、ビール、洋酒中心で、折角なのでワインを頼もうと思ったが、マスターからはワインは止めた方がいい、と。ワインを飲むお客さんが少ないので、いいワインは置けない。ボトルを開けてもなくならないので、ワインが悪くなる。従って、置いているワインは安いものだから、と。かなり正直なマスターである。
私のような酒好きにはよい店。





 


 4、「脇田丸」(名瀬)

屋仁川通り沿いの魚介の居酒屋で、以前からここの存在を知っていたが、余りにも表通りに店があるので避けていた。しかし、小宝島の宿で、私が、

「名瀬に戻ったら魚が食いたい。」
と話したら、同じ宿にいた名瀬からの建設業の方々が、屋仁川で魚ならここ、と薦めてくれた。

脇田丸」は船の名前で、実際に瀬戸内で漁をしている。鹿児島中央駅から徒歩数分のところにも姉妹店がある。

正直、表通り沿いにあり、明らかに観光客が集まりそうな店なので期待していなかったが、普通に美味しかった。たまに食べるシビは美味い。赤ウルメも美味しかった。アラの煮付けも美味かったけど、ボリュームがかなりあり、刺身にしたらよかったと後悔した。アバス汁も久々に飲めたし。黒糖焼酎の数は少なかったけど、早い時間に食べるだけならオススメかもしれない。






 

 

 

 

 

     



5、「魚福」(鹿児島)

鹿児島に戻って、たまたま入った店。行きつけの店は休みだったので別を探していた。奄美でがっつり魚を食べたので、1日しかない鹿児島で肉か魚かどっちを食うか迷ったが、錦江湾の魚は奄美と種類も違うことだろうし、やっぱり魚にした。
正直、入る前は余り期待していなかった店だったが、かなりヒット。この日は漁港が休みなのは知っていたので、季節外れではあるが首折れ鯖はなかったが(前日はあったらしい)、代わりにしめ鯖を食べたが、いい味にしまっている。久しぶりにカツオの腹皮も食べられた。〆に汁物がある店はよい。ちょうど鹿児島でroutineに行ける店を開拓したかったのでよかった。店の方との会話も楽しかったし、大将も話好きの人の良さそうな方。次は秋か春に鹿児島に来る、と言って店を出た。












 

     



 
☆Glance at Kodakara Vo. 3

 

 

 

 

 

 

     




Vol. 274 小宝島の塩

宝島と同じく、小宝島でも塩を作っている方がいるのは知っていた。島にある地図にも製塩所と書いてあったし。しかしながら、製塩所があるなら、この島なら簡単に見つかるはずだが、始めに島を回った時は見つけられなかった。道路沿いにそれっぽい場所はなかった。そこで、再度島に立っている地図を確認し、ありそうな場所に戻ると藪に入る小道があった。そこを入って行くとそれっぽい建物と焼けた跡があった。おそらく製塩所はここのはずだが、火事になって、作業を中止しているのだろうか?宿で一緒で長期滞在中の工事現場の方にも聞いてみたところ、製塩所の場所はそこで合っているが、最近火事があったので、まだやっていないかもしれない、と。翌日、再びこの場所に戻ると、芝を刈っている方がいて、話しかけてみると、この方が塩を作っている小林さんだった。

小林さんは20年程前に島に移住し製塩を始めた。火事の跡は、漏電して建屋が焼けたらしい。そこで、緊急に塩を天日干しする場所を作ったのはいいが、簡易的にビニールで覆われた場所なので、天気が良くないと干せない。

塩の原料として、湯泊温泉の温泉源を使用している。要は、海から湧く温泉が原料。これまで各離島で様々な塩と出会ってきたが、温泉を原料にした塩は初めてかもしれない。海から温泉を汲んできて、あくを取りながらグツグツと煮る。あとは乾かして篩に通すだけ。温泉源なので硫黄臭がどうかな?、と思ったが、そうでもない。乾燥時に飛んで行く。当然、島に塩を販売する場所はない。「フェリーとしま2」の売店では見かけたが、大々的には販売していない。ユーザーは鹿児島の飲食店とか、口コミで広がった方々。製造量に限りがあるので、こういった販売形態が合っているのかもしれない。

小林さんは外部から来られたので、都会的な感覚をまだ持たれているのかもしれない。外部機関にお願いして、各地の塩との成分比較のデータを作成していた(参照:小林さんから頂いたデータ)。この規模の個人経営で、こういった取り組みには非常に驚いた。このデータのおかげで小宝島の塩の特徴が分かりやすい。他の塩と比べると、灰分、特にカリウム、カルシウム、鉄分が多い。

製塩の他にも、小林さんは色々やられている。山海留学の子供を2人受け入れている。いわゆる、この子達の島のお父さんで、子供達を島で育てている。今月からは島で初めて営業が開始される郵便局でも働き始める。船が来る度に港へ行かないといけないし。これでは身体がいくつあっても足らない。郵便局が始まると、もっと忙しくなると思う。小林さんは、誰かに製塩を継がせたいとは言っていたが、いかんせん後継者がいない。高校がないこの島で、中学を卒業すると子供たちは島を出て行く。島に若者を呼ぼうにもまず島に際立った産業がないので、人を呼んでも働き口がない。産業を起こそうにも土地もない。小林さんなりに島の今後のことを色々考えてはいたが、何よりもインフラやな。小林さんには、

「頑張って内地で塩を宣伝するので、製塩は続けて下さい。」
と伝えた。


小宝島を出る際に、港での作業の前に、小林さんは私の元に近づいて、

「船の中で、酒のアテにでもして下さい。」
とポケットから島の筍のキムチ漬けを出して、私にそっと渡してくれた。
 





 

 

 

     



 
☆Glance at Kodakara Vo. 4

 
 
 

 

 

 

     



 
☆Glance at Kodakara Vo. 5

 
 

   




Vol. 275 名瀬でのroutine

事前に名瀬の夜にハシゴする飲み屋を決め、今回は小宝島に行く前後で訪れた。「郷土料理春」と「カテリーナ」である。

春」は昨年たまたま入った店。店のママはすごく感じよく、奥に広い座敷があるが、入口のカウンターと完全に分かれている。従って、カウンターにいる限り、小ぢんまりした個人店にいるような雰囲気であり、奥の騒がしさが全く伝わって来なくて非常に心地が良い。

名瀬の店ではよくあるのだが、普通にメニューから注文する方法もあるが、店お任せのコースがある。コースは郷土料理と称する小鉢系の料理が何品か出てきて(大体、飲み放題で¥4,000)、いちいちメニューを見て頼む手間も省け、私には非常によい。というか、ここでの私のお目当はカウンターにずらっと並んだ黒糖焼酎。何を頼んでもよい。1年ぶりに訪ねた私をママは覚えていた。

ママは美人で非常に感じがよい。ここは地元の方が多く来るが、おそらくママ目当ての客も多いと思う。且つ、ママはかなり気を遣ってくれる。私はカウンターに並んだ黒糖焼酎の瓶を眺めながら飲むだけで十分満足なのに、私が1人でカウンターに座っていると、座敷が忙しいにもかかわらず、私を気にかけて、ちょくちょく私に話しかけてくれる。カウンターに別の客が来ると、私に話を振ってくれる。見てて気の毒になるぐらいの気遣いで、

「ママ、もうええよ。」

と思う時も多々ある。

名瀬に着いた夜、カウンターの隣に座った地元の内装業のTさんから自ら内装を手掛けたスナックが3周年で一緒に行こう、と誘われてた。名瀬にはスナックやキャバクラが何軒もあるが、行くなら地元の子がいる店がいいな、と思っていた。で、実際Tさんと言った店はそうであった。

ここは、スナックと言うよりは、ローカルなクラブといったところか。さすがは記念日ということもあり、店には花が並んでいた。我々の席に着いたある女の子のお父さんとTさんが知り合い。いかにも島らしい。内地の子と違って、やはり彼女たちは島の子である。ある意味、純だし、所々島のローカルな話題になるのは、聞いていて微笑ましい。彼女たちはちゃんと髪をセットしているところを見ると、名瀬にもそういう場所があるのだろう。記念日ということもあり、着物の子もいたが、名瀬での着物は暑いやろう。


店は段々と混んで来て、Tさんも明日があるから帰ろうということになり、会計となってその額(¥25,000)にはびっくりした。軽い気持ちで考えていたが、さすがにシャンパンを2本も開けられると、この額になるわな。と言っても、都内のクラブに比べると知れている。

Tさんは会計を全部払うと言ったが、わざわざ私のためを思って連れてきてくれたのにそれでは申し訳ない。且つ、Tさんから前日も来たと聞くと、おそらくこれに近い額を払われたはず。よって、私が会計を払うことにした。Tさんは恐縮していたが、時間はお金では買えないからそれでいい。後日、「春」のママにこのことを伝えると、Tさんに払わせればよかったのに、と。島の人が観光客を何処かに連れて行くということは、純粋に島を楽しんでほしいと思う気持ちからで、そういう店に連れて行くということは、それなりの出費を考えていたと思うよ、と。


 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

     

「郷土料理春」の料理と黒糖焼酎の数々



「春」の後は、「カテリーナ」。ここに来るのは、もう何回目だろうか?1年ぶりの訪問ではあったが、ママもマスターも覚えてくれていた。このお二人もすごく感じがよい。ママは、島の優しいマダムといった感じ。小宝島から戻って訪ねた時は、ここしばらく天気が悪かったので、船が動くかどうか心配してくれていた。

今回、ここで大和村の役場のMさんと一緒になった。今、鹿児島は「西郷どん」ブームで、今、鹿児島ではドラマのシーンの場所を訪ねる観光客も多い。私が東京の商社に働いていると伝えると、Mさんは大和村の農産物の商品化を考えている、と。Mさんも理解していたが、我々が内地や海外でものを動かすとなると、大和村の農産物でのバッチサイズでは小さ過ぎる。それと、加工場の衛生面と品質安定性。折角、こうやって南の島を回っているので、何とか地場の産業の発展のお役に立ちたい、といつも思っているが、現実はなかなかうまくいかない。

「カテリーナ」は、客層の平均年齢は高い。平均60歳程だろうか。ママにジャニーズ系の若者が来たらどうする?、と聞いてみると、話すことないから断るかも、と。たまにどこかで飲んでフラフラ入って来る観光客もいるそうだが、殆ど来ない。私は、地方ではいつもこういう店を求めているので、ここも非常に居心地よい。今回も店を去る時、お二人に前回と同じことを言った。とにかく元気でいて下さい、と。

那覇に行く時は、大体夜のパターンは決まっていたが、名瀬でもようやく自分好みのハシゴを確立できた。両方とも自分の感覚で見つけた店。これまで何度も思ったが、やはり、雑誌やネットで見つけた店よりも、自分の感覚で見つけた店に尽きる。規模的に那覇よりも名瀬の方が遥かに小さいので、今となっては那覇よりも名瀬の方が居心地がよい。ただ、折角名瀬でのroutineを確立できたが、奄美もそろそろ卒業の時期かな・・・。


「カテリーナ」のお通し
いつもかなり多く、充実している

で、いつも会計は¥2,000



 
☆Glance at Kodakara Vo. 6

 

 

 

 

 

 

     



 
   

ある日の朝食
名瀬のホテルのメシはかなり充実している

 



 
    鹿児島に戻って、「鹿児島屋台村」の「愛加那」に寄ってみた。屋台村は観光地なので、これまで避けていたけど、鶏飯が食べたくて。鶏飯も普通にうまかったし、黒糖焼酎は飲めるし、ここ、いいかもしれない。



 
     鹿児島に来たら、やはり〆は「薩摩思無邪」やね。




 
 

 
 
 
久しぶりに「バレル・バレー」に来た。空港で時間があれば、やはりここも捨てがたい。  



 
 
 
 

  
鹿児島空港のANAラウンジ