帰って来た全国1億2000万人の加藤学ファンの皆様


NHKスペシャル「ついにあの男があの島に帰ってきた!!!」




皆様今日は。日本に帰ってきてからまだ連絡をしていなかった皆様、御無沙汰しています。58日にSydneyから無事帰国しました。そして、今は礼文に戻ってきました。やっぱり礼文はいい。2年ぶりにさいはての地に戻りましたが、毎年この島はきれいになっていきます。しかし、人々の心は変らない。

「いや、いつ帰って来たんだ?」
と島の人々は歓迎してくれました。

19歳の時に初めてこの地を訪れ、20歳から民宿の経営(接客、経理)を任されて、実質経営をするのは今年で3年目。しかし、通算では7年目です。歴史を感じますね。私が来た当時小学校に入ったばかりの近くのちびっこは、今年中学生になりました。

20歳の時はがむしゃらに経営してましたが、ここ数年は考えて仕事をするようになりました。自分なりに成長したと思いますが、まだまだお客さんや島の人から学ぶところはかなりあります。今年は漁師とうちの民宿経営の他に、もう一軒の民宿の接客と、たまにレンタカー屋からお客さんの送迎も頼まれ、毎日死にそうな日々を過ごしています。時には、外人客の通訳も(私の英語はそれ程うまくないが、島の人々は全く英語が分からない)。大将には、
「お前、支配人のバッチつけろ。」
と言われています。

それと、うちの民宿に私のlap topを導入し、お客さんの予約、書類の整理、e-mailでの予約等、なかなかパソコンを使った経営が功を奏しています。うちの大将も大喜び。
「礼文でパソコン使ってる民宿はねえべ。」

今年は団体さんが多く、今月末から7月中旬にかけてはほぼ毎日満室状態。これで、漁がかさなるとわやですね。8月の予約は徐々に入ってきています。正直、仕事はかなり辛い。しかし、島の人々と話していたり、一緒に飲んだり、お客さんから、
「また、来年来るね。」
と言われると疲れを忘れてしまう。この島での人とのふれあいや出会いは、決して東京や大阪ではできないでしょう。

2年前に民宿の改装を大将に提案し、去年工事を行って、その結果すっかりきれいになりました。これなら誰に薦めても大丈夫。お客さんからの評判もいい。もし時間のある方は是非お越し下さい。

それと、今回礼文に来てうれしい知らせを聞きました。今年、駅伝で名門の山梨学院大学に戸村浩一という青年が入学しました。浩一は礼文の子で、札幌の高校に行くまでは礼文で過ごし、浩一が小学生の頃は一緒にキャッチボールをしたり、8時間コースを歩いたり、宿題を見てあげたり、進路について色々アドバイスをしてあげました。マラソンランナーでもある私は、昔は浩一とよく競争しましたが今はもう勝てないですね。去年全道大会で優勝してインターハイに出場し、山梨学院のスカウトが浩一に目をつけました。こういう知らせは非常にうれしい。話によると、山梨学院大学陸上部に入る連中のほとんどは、箱根を狙っているようです。浩一は1500mで全道で優勝しましたが、同級生には全国一がいるそうです。今年の山梨学院は、3,4年にはいい選手がいるらしいが、2年生はたいしたことない。箱根の枠は補欠を入れて20人。陸上部は全員で80人。甲府で寮生活を始めた浩一。山梨学院陸上部は自分で健康管理をしなければならない。つまり、自分で食事を作り、洗濯、掃除も各々がやる。健康管理ができない人間は試合で使ってもらえない。浩一のおかんも島から食材を送って応援している。常に、マスコミの注目の的である山梨学院。陸上特待生が多い中、礼文生まれ、礼文育ちのあの浩一が全国でどこまで通じるか。頑張れ、浩一。礼文町長、教育委員会も応援しているそうです。

山梨学院に入った以上合宿やら何やらで、しばらく礼文には帰ってきません。時には海外合宿もあるそうです。この春にカナダ合宿があったらしいのですが、浩一一家にとっては海外なんて夢のまた夢。家族みんながパスポートの事を知らなくて、結局浩一はカナダには行けなかったらしい。

「パスポートを取るってのは面倒くせえんだな。」
と浩一のおかんは笑ってました。

浩一とは2年前に彼が礼文に帰省してきた時に再会し、
「兄ちゃんと一緒に酒飲みてえな。」
と言われ二人で一晩飲み明かし、その年の秋に札幌で会ったのが最後ですね。私にとっては浩一は弟のようなもの。浩一のおかんも息子の将来を楽しみにせくせく働いて仕送りしています。もし、インカレか駅伝で浩一の名前を見つけたら応援してあげて下さい。

以前、皆様にお伝えしたように、今回一時帰国した目的の一つにもう一度日本を見直してみようという意図がありました。去年、私が訪ねたバヌアツ共和国の旗を持っての全国縦断ツアー。当初の予定では、東京の友人宅に預けていたバイクで全国縦断をするつもりでしたが、どうやら私がNZにいる間に盗難に遭ったようです。仕方ないので礼文まではairで行って、秋に民宿のカブを借りようかと思いましたが、どうしても行きもバイクで走りたくなりました。というのは、八戸にいるカナダ人のクリスタとデイビットに会いたかったからです。クリスタとは2年前にネパールのタラパニという標高3000mぐらいの小さな集落の山小屋で出会い、カトマンズのgeneral post officeで偶然再会し、クリスタは彼氏のデイビットと共に八戸教育委員会に呼ばれて、八戸で英語を教える事になりました。その任期は今年7月で終わり、彼女たちはカナダに帰ってしまう。NZに一番air mailをくれたのも彼女たちで、2人から外人が見た日本の印象を聞きたかった。それも日本を見直す一つだろう。そして、行きもバイクで行く事を決意し、無理言って姉にバイクを借りました。大阪からここまでかかった日数は2週間。この間に色んなタイプの私の関係者を訪ねました。面白かったですね。

525 羽曳野(大阪)−八幡(京都) 50km
526 八幡(京都)−原村(長野) 452km
528 原村(長野)−平塚(神奈川) 160km
529 平塚(神奈川)−野田(千葉) 100km
531 野田(千葉)−仙台(宮城) 503km
61 仙台(宮城)−八戸(青森) 437km
62 八戸(青森)−苫小牧(北海道) ferry
63 苫小牧(北海道)−伊達(北海道) 89km
64 伊達(北海道)−札幌(北海道) 128km
66 札幌(北海道)−稚内(北海道) 365km
67 稚内(北海道)−礼文(北海道) ferry

この間の旅日記は現在作成中。
では、本格的に秋から開始する全国ツアー、「全国縦断バヌアツ親善大使ツアー」の途中でまたお会いしましょう。

朝晩はまだストーブをつけている礼文から

頑張れタイガース!!!巨人だけには負けるな!!
17/6/1999
企画・構成・脚本・演出:加藤 学
友情出演:北海道礼文町の皆様