週刊はまなす(87日号)


85日はバンジーちゃんと決戦の日。そう、バンジーちゃんの体重測定の日だ。一週間前よりも体重が減っていれば、私がハーゲンダッツのアイスをおごらなければならないが、現状維持もしくは増量なら私がビールをget。では、その日を少しドキュメンタリー風に書いてみよう。

85日(曇りのち晴れ)
その日の波は穏やかでノナの旗が揚がった。前日の段階で1kg増。この一週間、毎日体重計と向かい合わせ。どうしても体重が落とせない。好きなチョコレートも絶っているのに。なぜだろう。そんな苦悩の日々がしばらく続いた。

そして、測定当日。測定時間は午前中。それは本人からの希望で、測定時は裸で計って少しでも体重を落そうかとも言っていた。ただ、それだけは勘弁してほしい。なぜなら私も立ち会わなければならない。

私は大将の獲ってきたノナをむき終え、そしてバンジーちゃんは体重計に恐る恐る乗った。その前夜は民宿やざわでの紀ちゃん、洋子ちゃんの送別会。折角、体重制限をしていたのに。しまった、飲めないバンジーちゃんもついついいつもより多く飲んでしまった。バンジーちゃんの乗った体重計の針は左右に数度揺れ、次第にその揺れは小さくなり、そしてついにその振動はおさまった。そして次の瞬間、バンジーちゃんの顔は硬直し、しばらくして悲鳴が上がった。どうしても1kg---。たかが1kgされど1kg。しかし、勝負は勝負。現実はそう甘くない。決戦は、バンジーちゃんの敗北に終わった。その日だけは、浜辺を漂うカモメの泣き声が悲痛な叫びのように聞こえた。

決戦後に、我々は今回の敗北を検討した。なぜ体重を落せなかったのだろう。すると、いづみさんからの重要な証言が。

「バンジーちゃん、いつもと全然変らないぐらい食べてたし、ひょっとしたらそれ以上だったかもしれない。それによく昼寝していたし。」
もうこれ以上何も言うことはない。終了。

1日に来られた茨城の三浦さん夫妻は、はまなすHPを読んでこられ、私に向かって、

「大砂賀さんですか?」
と言ってこられた。どうやら、私と朝君を間違えた様子。その後は仲良く我々スタッフと記念撮影。やっぱりデジカメはいい。

2,3日と連泊の千葉の佐々木さんの酒豪には参った。

「私、ビールはざるですよ。」
と、昼間に生を3杯空けて桃岩を歩き、夕食時には更に4杯飲んでた。

3日に私の大学時代の先輩(夫)と同期(嫁)の和崎夫妻がやって来た。和崎さんは北海道に来てもう5年以上になるが、礼文・利尻は初めて。嫁も道産子ではあるがここに来るのは初めて。お二人はお土産に六花亭のお菓子の詰め合わせを持って来てくれ、うちの連中は大喜び。この日は晴れたり曇ったりの天気だったが、私と夫妻は一緒に礼文を観光した。夜は花火大会。打ち上げ花火を順に並べて、大将が一気にバーナーで火をつけた。打ち上げ花火は一気にやるのがいい。そのため花火大会は10分ほどで終了。

4日はお客さんも少なかったし天気も良かったので、午後から私とバンジーちゃんは友美ねえのバイクで、林道へツーリングに出かけた。あいにく利尻富士は見えなかったが、林道周辺にはタカネナデシコ、ツリガネニンジンがきれいに咲いていた。林道周辺は風が気持ちよく、バンジーちゃんは、

「すてき。」
を連発してた。そして、何を血迷ったか、

「私、ライダーになる。」
と宣言してた。全く単純な人だ。カブのエンジンもかけられへん人が何を言ってるのか。そこで、全国自動車教習所の教官の皆様へ。決してバンジーちゃんには免許を与えないように。それが世のためです。えっ、どの人がバンジーさんかって?間違いなく始めに、

「バンジーです。」
と言ってくるのですぐに分かります。

また、大将といづみさんは仲良くホッケ釣りに出かけた。その収穫は4匹。共に2匹づつだが、いづみさんの釣ったホッケの一匹は、たまたまホッケの口に針が引っかかっただけで、いづみさんはそれに気が付かず、かわいそうなホッケはずっと口を引っ張られ放しだったらしい。折角、いづみさんに関しての酒以外のネタができたというのに、どうしてこう爽やかにいかないのか。うーん、キャラクター的に無理かもしらん。

4日の夜、我々は民宿やざわにお邪魔した。ここのスタッフの紀ちゃん、洋子ちゃんとの送別会。紀ちゃんも洋子ちゃんも余り飲まないが、やっぱり飲んだくれてるのはいづみさん、それにやざわのかあちゃん。私はドイツの白ワインを楽しみにしていたのだが、いつの間にかかあちゃんがほとんど一本空けていた。いづみさんもそれに負けじと焼酎をお湯割りしてた。普通の女の子ならカクテルとか酎ハイだが、いづみさんの場合は日本酒か焼酎。ほんまおっさんだ。

その後は、あまりにも星がきれいだったので、桃岩、桃台猫台まで星を見に行ったが、飲み会の最中にかあちゃんが、桃岩トンネルには幽霊が出ると言い出したので、みんなトンネル周辺ではおびえてた。私はそれに拍車をかけるように稲川淳二ばりの不気味なトークでみんなを更に恐怖の世界へ導き、単純で怖がりのバンジーちゃんはすっかりその術中にはまってた。宿に帰ってもその恐怖は溶けず、部屋へ向かう階段の鏡を見て、

「そこの鏡に人が映るねん。」
と訳の分からんことを言ってた。

おいおい、その鏡に映ってるのはお前やろ。

5日に来た滝川の竹部さん、高橋さんは約20年前のうちのお客さん。私は20年前と言われてもぴんと来なかったが、二人が来られたのは1982年。その当時まだ高校生だったそうだ。阪神が優勝したのが1985年だから、そう考えるとかなり前のような気がするし、それから阪神が優勝していないのを考えるとすごく憂鬱になってくる。ちなみに、その当時私はまだランドセルを背負って鼻をたれていた。

二人とも礼文の客層の変わりぶりにビックリしておられ、私は現在の礼文について色々説明してあげた。残念ながら、大将のことは記憶になかったようだ。

二人からのメッセージ。
現在花婿募集中。年齢制限なし。

大学1年の朝君は、最近色気付き始めた。先日北大生の由美子ちゃん、康子ちゃんが宿泊し、その二人から朝君宛てにメールが届いた。そのメールには普段はまじめな朝君も大喜び。朝君はとにかくまじめで、独り言が多いのはネックだが、繊細な心を持っており、詩を書くのが趣味。また、その詩がロマンチック。そこで、今週から朝君の詩集の一部を紹介しよう。

大砂賀朝の今週の詩(うた)

Missing

誰もいないリビングに 空しさだけが漂う
ケンカ別れからそろそろ半年 あなたはどうしているのだろう
飾ってあった写真を 手に取って覗いて見ると
二人肩を並べて仲良く写っていたね
あの頃は恐れるものなんて何もなかった筈なのに
今になってあなたがいないことがこんなに恐いなんて

*逢いたくて でも逢えなくて今日もまた逢えずじまいに
ほんのわずかな勇気だけなのに どうしても一歩が踏み出せない

アルコールを飲み干すと 苦い思いが蘇る
家を飛び出して未だ戻らず あなたはどこにいるのだろう
偶然見つけた手紙の 封を開けて読んでみると
「さよなら」たった一言 残して消えていた
あの頃は思い出の場所へ手をつないで歩いたね
今もあなたがあの場所で待っていたらと願う
逢いたくて 恋しくなって淋しがり屋の僕だから
恐れることなんて何もないから 勇気出して二人で出直そう
あなたと二人三脚でゴールを目指して

* repeat

あなたに逢いたくて 今すぐ逢いたくて逢えずに終わるよりも
あなたが待っていると信じてるから 急いであなたを迎えに行くよ
急いであなたを迎えに行くよ


朝君の詩に関しての御感想、御意見は、
Fax: 01638-6-1205
まで。

尚、音楽関係の方へ
朝君の詩に曲を作ってくれる方募集中です。ステキな曲をお待ちしております。

今週は3,4日がウニ、5日がノナ、そして5,6日が昆布の旗が揚がった。漁が5日も続いたのは今年初めて。さすがに5日も続くと我々は疲れる。6日の早朝は晴れていたが、二日干しをしようとしたら急に曇ってきて、雨がぱらつき始めたので急遽取り入れた。その日採った昆布は干すのを止め、海に浸けることにした。昆布の日に急に曇ってくると本当に困る。雲行きと風を見て干すかどうか判断するのだが、この日はどこも判断しかねていた。

今年も浩一が帰ってきた。浩一は現在山梨学院大学の学生で、箱根駅伝を目指して日夜がんばっている。私は5日の夜、いつものように浩一のカウンセラーとなり、酒を飲みながら色々悩みを聞いてあげていたが、浩一は夜更かししたため次の日の昆布漁を寝坊して手伝えなかった。そのため、私は浩一のおかんにひどく怒られた。ちなみに、大将もひどく怒られてた。いや−、参った。当然、私は浩一にしっかりと説教したが、浩一のおかんはほんまに恐い。私も将来のことでよく怒られる。でも、子供のことを一生懸命考えてよく働く人だ。見ているだけで感心する。

天候:ここ最近、風がそれ程ないため蒸し暑い日々が続いている。蒸し暑いと言っても25℃もいかない。朝晩は相変わらず冷える。天気は比較的いい。ただ、いつものことだが、防寒具、雨具は携帯した方がいい。傘は不要。礼文で傘をさすとトレッキングコースなら間違いなく風で壊れる。

花:先日、礼文林道に行ってみたが、タカネナデシコ、ツリガネニンジンがきれいに咲いていた。江戸屋の山道でもきれいに見える。桃岩周辺もまずまず。

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