週刊はまなす(721日号)


久しぶりに太陽の光が礼文島を照らした。船泊の方は晴れているが、知床の方はずっと曇りという日もあり、東と西でもずいぶんと違う時がある。

20日(木)
今年初の昆布の旗が揚がる。昆布の旗が揚がるとはまなすの前と横の石畳に昆布が敷詰められる。大将は3000円もするユンケルを飲み昆布漁に出かけた(実際は、かとちゃんが後で持って行った)。気合いが入っている。2時間も昆布を採るので体力がいる。ちなみに、かとちゃんのユンケルは2000円だった。かとちゃんは、朝日を浴びながらさわやかにユンケルを飲み、昆布を干していた。

大将が採って来た昆布をかとちゃんが運び、いづみちゃんが手の空いた時間に手際よく根を切って並べているのを見て、バンジーも初参加する。昆布の表面には山と谷があって、山を上にして干すのに、初心者のバンジーはどっちか見分けられず、ご近所のお母ちゃんに親切に教えてもらった。そして、足手纏いになりながらも並べていく。大将の妹さん(りょうこさん)家族(大砂賀 family)も大活躍で、朝君、すぐる君、パパさんも一家総出で昆布干し。しかし、次の日にみんな筋肉痛になったのは言うまでもない。

その日の午後、はまなす前のビーチ(622日号をご覧下さい)でとうとうこっちに来て念願のスノーケリングをした。海はテトラポット内だけでも十分きれいでビックリ。水の冷たさにまたまたびっくり!!さすがに冷たい海流がテトラ内に入ってきたので、その外側に出る勇気がなく、泳ぐというより浸かる感じだった。まあ、それでも海に入れたので満足満足。この日は久々に快晴で「太陽ギラギラの夏」という日差しだったので、岩場の上でしばし寝転がり、ビーチ気分に浸りまくった。

最近、はまなすでは「大奥ごっこ」が大流行。大将が殿、かとちゃんの君、いづみ姫、バンジーの方でお送りする訳ですが、まあ言葉使いの丁寧なこと。何かを頼む時は、「かたじけない。」や、他に「さようでございますか。」など。2階の部屋掃除の時には、時々殿とかとちゃんの君がポットを運んでくれたり、お布団を上げてくれたりhelpしてくれるので、掃除機をかけるだけの至れり尽くせり「お姫様掃除」となる。

ある時は、殿にくっついていづみ姫、バンジーの方が仲良くショッピング。いつもなら、殿一人ショッピングで大変だが、いづみ姫とバンジーの方が殿と一緒に袋詰めをしたり、車に物を運んだりするので、殿にとっては至れり尽くせりの「お殿様ショッピング」となる。

また、6連泊した東京の澤田鎮香(しずか)様を「鎮香御前」とお呼びしていた。鎮香御前は6日間もの長い期間に、日帰り利尻ツアー、礼文巡り、それにトレッキングとかとちゃんの君の綿密なスケジュール調整で楽しまれた。

6日あっても足りなーい。」
とおっしゃっていた鎮香御前。礼文を満喫されたご様子でございましたでござる(バンジーの文章もやや大奥風となる)。

ここまではバンジーがお送りしました。

今週初めは天気に恵まれたが、ここ数日は嵐のような天気。南西の風が強くベンサシ(はまなす周辺地区の呼び名)ではおおしけ。気温はやや高く、そのため近頃は蒸し気味。もちろん、内地のように30℃を越えることはないが、20℃前後まで気温は上がっている。この風が止まない限り、ぐずついた天気はしばらく続きそうだ。

14,15日と群馬から常連さんの成子様が来られた。成子様が来る前に大きなスーツケースが届いたが、その中には酒の嵐。一日はしゃぶしゃぶ、次の日はウニ小屋でちゃんちゃん焼きをしてその酒を飲み干した。その宴には香保里嬢、ガイドの友美ねえさん、尾崎譲も参加。酒乱のいづみさんは目がすわってたし、バンジーちゃんはいつも以上のハイテンションだった。

16日から6連泊で東京から鎮香譲が来られた。鎮香譲は去年に続いての礼文。私も予定を考えてあげるのに苦労したが、その滞在期間に京都大学の大学院生、東京からまっちゃん(去年のお客さん)、あと私の学生時代の悪友のちび夫妻、五十嵐カップルと続々と色んな連中が来て楽しんでた。

最近ホームページを見て来られるお客さんが多くなったが、18日から連泊された横浜の葛西さんは、私に向かって、

「あの、バンジーさんですか?
とおっしゃってきた。すいません、一緒にしないで下さい。葛西さんはデジカメで色々景色をお撮りになってた。この2日間は天気も良かったし、ウニ漁、昆布漁もあったし。いい時に来ましたね。

21日は大変だった。私の友人が計7人も来た(前泊者も兼ねて)。鎮香嬢、まっちゃん2人組、、ちび夫妻、五十嵐カップル。それ以外に一般のお客さんが28人もいてわやだった。仕事が終わるまでは彼らとゆっくり接する時間がなく、その日は大雨だったが夜に「深夜のナイトツアー」を決行した。午後9時半頃、彼らを車に乗せ、私が運転手、バスガイドが友美ねえさんで、ひどい雨風の中いざ須古頓へ。途中の浜中付近では風速14m。友美ねえさんは小道具に名札、手袋、マイク、スケッチブックを持って来てみんなを爆笑させてたが、ここまでするならなんで制服着て来えへんの?全く中途半端なボケやな。

スコトン岬では、みんなでジュージャン(ジャンケンして負けた人が全員のジュースを買う)。結果はちびが負け、取りジャン(人数分適当に買ったジュースを再びジャンケンで取り合う)でもちびが負けてた。ジュースを買う時に、自動販売機に1000円札を入れたのはいいが、大雨のため紙幣が濡れて、途中で抜けなくなってしまった。これはなんとかせねば。私は慎重に取り出そうとしたが、予想通り途中で紙幣が破れてしまい、みんなから一斉に非難を浴びた。おい、誰がやっても破れたやろ。ちなみに、次の日にちび夫妻、五十嵐カップルを連れて、再びスコトン岬でアイスクリームジャンをしたが、またもやちびが負けていた。折角、おごってやろうと思ったのに。まあ、人生そんなに甘くない。ちびもこれを機にでかくなってくれ。

ここ数日の悪天候で私のテントはついに破れてしまった。中は濡れているし。やませ対策で古いふすまをテントの横に立てたが、今朝また破れた。しかし、テント生活ももう残りわずか。もうこうなったら、破れたまま、濡れたままのテントで寝てやろう。

17,19日とウニ漁、20日には今期初の昆布の旗が揚がった。昆布になると、私も大将もいつも以上に気合いが入る。そうしないと一日持たない。朝4時前に大将は出陣。そして、私はユンケルを飲み干し、4時半頃出陣。昆布漁初日は5時開始の7時まで。大将の昆布の腕は天下一品で、今回は船三杯も揚げた。そして、我々は船から昆布を引き上げ、急いで干し始める。しかし、この忙しい時間に邪魔する人が2名。一人はその日のお客さんで、大阪からの福田のおばちゃん。

「兄ちゃん、忙しいところごめんな。」
と色々話し掛けてくる。ごめんと思うなら邪魔しないで。

「お母さん、うるさい。」
と私も抵抗するが、お母さんはさらにエスカレート。

「出発まで時間ないで。今から秒読みするから。」
まいった。さすがは大阪のおばちゃんだ。おそらく、地球上で一番強い生き物は大阪のおばちゃんやろう。絶対、絶滅せえへんな。

そして、もう一人昆布干しを邪魔するのはバンジーちゃん。昆布は裏返しに干すし、重ねるし、うるさいし。今度からバンジーちゃんの、

「なんか手伝おうか?
の問いかけに対しては、はっきり解答しよう。

「お願いだから邪魔しないで。」

天気:ここ最近天気は悪い。南西の風が強く蒸している。ただ、朝晩はいつものように冷える。この天気は数日続く見込み。

花:花の全盛期はもう終わりかな。しかし、桃岩周辺ではイブキトラノオ、群生地ではウスユキソウもまだ咲いてる。江戸屋の山道が花を見るならいいかもしれない。