全国9億人の加藤学ファンの皆様

カナダ報告第3弾
「最近、映画にはまってる」
Written in Vancouver, 6/2/2001

 

皆様、今日は。最近日本では大雪が降ったそうですね?こっちは毎日雨で、気温は最高で5−10℃、最低で0−5℃といったところでしょうか。

私は、相変わらず忙しい日々を過ごしています。さあ、今回はここ最近の1週間の過ごし方を簡単に皆様にご紹介しましょう。。

月曜日 仕事(AM10:30-PM3:30 shift)、映画(少し古い映画、$3.00で2本)、深夜に帰宅
火曜日 仕事(AM10:30-PM3:30 shift)、映画(新しい映画、$6.00)、深夜に帰宅
水曜日 仕事(AM8:30-PM4:30 shift)、そのまま帰宅
木曜日 英語の勉強(自分で)、仕事(PM4:00-PM11:30 shift)、深夜に帰宅
金曜日 英語の勉強(自分で)、仕事(PM4:00-PM11:30 shift)、深夜に帰宅
土曜日 off (でも、最近すぐに予定が入る)
日曜日 off (でも、最近すぐに予定が入る)

仕事自体は多くて1日8時間(法律でそう決められている)で、それ以外は今英語の勉強に費やしてます。基本的に、仕事時間帯は忙しく、周りのnativeと話してる時間がありませんが、周りが英語という環境が一番です。失業率の高いこの国で、自分が求めているようないい環境の仕事は、外国人の私にはかなり難しいですから。月・火で映画を見て聞くトレーニングをしてて、木・金でスラングを中心に会話に使うvocabularyを増やし、土・日は基本的にroom mateのChrista & Davidと一緒にいて話すようにしてます。だから、日本語と接するのはe-mailぐらいの日が多いですね(いつも皆様ありがとうございます)。週に一度はこのHPを編集するようにしてますが、なかなか時間が取れないのが正直なところです。side businessの方ももっとすべきなのですが、私の中ではあくまでもsideなので、本業が忙しい時はそっちに時間を取るつもりはありません。今は、仕事&英語、映画、突然の予定、そしてそれでも時間が余ったらside businessの順ですね。

仕事の方は順調で、最近はみんなから、

「そんなに一生懸命働かないで。」と注意されます。みんなも働いていない訳ではないのですが、私が一生懸命に働いてる姿を見ると、自分がさぼってるようで申し訳ない気になるみたいですね。

「誰もそんなに真面目に働いてないから、もっとrelaxして。」とsupervisorに言われたこともありました。働きすぎて逆に注意されるなんて不思議でしょ?でも、おかげで皆、私に一目置いてくれるようになりました。

"No.1 hard worker"ってな具合に。だから、特にstaffが少ないnight shiftの連中は同じshiftになると喜んでくれますね(楽したいだけかもしれない)。みんなそれなりに気を遣ってくれる人が多いですからね。なんせ、我々のところは30人ぐらい従業員がいる中で(shift制なので私も全員は知らない)、英語圏じゃないのは私ともう一人のブラジル人だけですから。

むかつくこともかなりあります。ここが日本なら私は怒り狂ってますが、ここはカナダなので、それがこっちのスタイルかなと思って我慢してます。まあ、どこの世界でも合う人、合わない人っているし。この辺は難しいところです。例えは少し違いますが、外人が家の中に靴のまま入っても、それは注意できません。それはこっちのスタイルなので、これで注意するとなると、今度は趣味・好みの問題になります。私の場合、仕事中むかつくことがあっても、仕事が終わればすぐに忘れてしまってます。次にすることがたくさんあるので、それにいつまでも構ってられない。これが良いのか、悪いのかはわかりませんが、とにかくみんなと楽しくやってます。人は人、自分は自分と割り切って、おごり高ぶらず、今のまま謙虚に最後まで行くつもりです(辞めさせてくれるかな?)。



映画はすごく勉強になります。より日常的な会話ですからね。シリアスな映画ほど英語が聞き取れます。逆に、comedyは速すぎてだめです。日本の映画を見るのも勉強になります。それは英語のsubtitle付きのものです。

「こういう表現の時にこういう英語を使うのか。」というように理解できます(後日Topicsにて紹介)。今、週に2日は映画を見に行くようにしてますが、これだけは外せませんね。特に、この時期アメリカ映画がよく作られるシーズンだそうです。

大学院を出て、すぐアジアに行って英語の必要性を痛感し、その後NZにいる時に、まずはTarurangaで外人勢と働いて、そしてヒッチで旅をしながら英語を勉強してある程度自信をつけました。そして、去年またアジアに戻って、それなりの自信を持って旅しましたが、今回カナダに来て実際にnativeに囲まれて生活しているうちに、

「俺の英語全然あかんやん。」
と失望し、こつこつと自分自身で働き、勉強しながら、たまに見るシリアスな映画で、英語が以前よりも聞き取れる自分に感心し、再び自信を取り戻して、今度はcomedy映画に挑戦すると、またもや聞き取れない自分に失望し、そして再びこつこつと勉強に励む自分がいます。自信を持っては失望し、そして再び頑張る。その繰り返しですね。まだまだ、naitiveと対等には話せません。英会話って本当に奥深いです。

room mateとの生活も少し長くなってきたし、お互いroutineになってきたこともあって、少し嫌な部分も見えてきたのが正直なところです。今までは、

「まあ、いいや。」
と思ってたことが、時々腹立たしい時があります。おそらくそれはお互い様でしょう。特に、国籍が違うし習慣も違うので、どこまで妥協すればいいのか難しいですね。長く人と付き合えば付き合うほど人の内側まで見えてくるのは当然のことで、これは避けられないですね。逆に、お互いの良い部分、悪い部分と言うのが認識できたのは良いことで、これからは次のステップですね。今は、少し間を空けたりして、私なりに彼らとの関係をうまくcontrolしてるつもりです。常に、新鮮な気持ちで接するように。それは、仲が悪いと言うことじゃありません。我々はすごく仲がいいです。彼らもそう思ってるでしょう。彼らは本当にいい奴です。

さて、私はこの2月から生活のピッチをどんどん上げていきます。大体のVancouverでの自分の方向性が確立したし、今まで以上にaggressiveに進んでいきます。自分の英語力にある程度自信がつくまで、アメリカに下るのを延期します。これが1年かかってもいいな、と最近そう思ってきました。学校に行かない自分なりの英語の勉強方法で自信がついたら、いずれその方法を一冊の本にまとめるつもりです。実は、そのことを始めから眼中にいれて、英語のimproveに取り組んでいるのが正直なところです。では、今度は3月にまたお会いしましょう。

P.S
最近、DowntownのRobson St.にある日本人向けのお店に行くことがありましたが、そこは日本の食料品、CD、レンタルビデオ、カラオケボックスなどがあり、日本人の若者が次々と入ってきて、ほんとに日本と変わらずで、私は10分そこにいるのが限界でした。もう二度と行くことはないでしょう。

ところで、プロ野球のキャンプが始まりましたが、我が阪神はいかがなものでしょう?
次期4番は誰がなるのでしょうか?


2000年度の税金の申告が来た。申告はNZの時よりもややこしい。
最近、少し温かいVancouverから愛を込めて
6/2/2001
Manabu Kato




Monthly Topics in February(2月号)
Written in Vancouver, 14/2/2001


「Vegetarian用味噌ラーメン作りに挑戦」

先日、アメリカのシアトルからChrista & Davidの青森時代の友人Scottcamping carに乗ってやって来た。彼は、ここ半年中国、モンゴル、チベット、ネパールと旅して、これからはアメリカ大陸を横断するそうだ。なかなかのwildnice guyで、青森に2年いた彼は雪が恋しくてたまらなく、そしてVancouverまで足を運んでスノボーをしに来た。折角、わざわざアメリカからここまで足を運んだのだから、これはなんかもてなさないと。そう考えた私は、味噌ラーメンを作ってあげることにした。と言うのは、味噌ラーメンはScottの大好物だからだ。しかし、Christavegなので、そこで私はveg用味噌ラーメンに挑戦することにした。

まず問題はだし。何で取るかだ。豚足も鳥も使えない。私がイメージしたのは、こってりとした北海道風の仕上げで、その装飾に熊本風のあのにんにくの風味を添え、飾り付けにもやし、ゆで卵、コーン、そしてバターを使う。さあ、一番肝心なのはだしだ。まず私は、トンコツラーメンのだしをヒントにして、ニンジン、タマネギ、にんにくを丸ごと鍋に放り込み、そこにピーマンも加え、それを弱火で丸一日煮込んだ(これを、塩こしょうで整えれば、野菜スープとしていける)。それから、味付け。私は味噌とトウバンジャンで整え始めたが、どうもこっちで買ったトウバンジャンが私の思ってる味じゃない。それに、味噌も合わせ味噌にすればよかったと後で後悔した。色々配分を考えたが、私がイメージしてた北海道風のこってりした味がどうしても出ない。さらに、にんにくを加えてみたがだめだ。バターもかなり加えた。仕上げ用に、にんにくの微塵切りをごま油で炒め、それをスープと混ぜて熊本風の装飾をしてみても、北海道らしいこってり感が出せない。生姜で少しまろやかさを出してみたがだめだ。野菜ではこれが限界なのか。結局、私はこれ以上のアイデアが浮かばず、これにトッピングを加えて完成させた。これ以外に、ニンジンとマッシュルーム、だしに利尻昆布を使った炊き込み御飯も作ってあげた。残念ながら、私はこの日の仕事がnight shiftだったので、彼らとは一緒に食事ができなかった。

そして、次の日。彼らに味噌ラーメンの感想を聞いたら大満足してた。Scottは汁を一滴も残さず飲んだらしい。たまたま遊びに来てた函館出身のあずさちゃんも、北海道らしいこってり感が出てておいしかったと満足してくれた。炊き込み御飯も彼らには最高だったようだ。しかし、だめだ。彼らにはよかっても、私自身が満足していない。野菜だけではあれが限界なのかもしれない。もう一度挑戦だ。納得いかん。



 「オーストラリア人のための日、しかし・・・」

126日はAustralian day で、OZにとっては特別の日らしい。私のcafeにはOZの女の子が3人いる。ブロンウィン、ローレイン、そしてレイチェル。我々はその日の夜、downtownの飲み屋に集まって、このOZ3人のために盛り上がった。ここには、我々以外にもそれぞれの友人達も来て、色んな国籍が交じり合ってた。OZNZは犬猿の仲。言わば、東京と大阪、イギリスとアメリカみたいなものだ。OZ人はNZに対してよく羊の泣きまねをして馬鹿にする。しかし、私はNZ側なので、正直にレイチェル(この子がいつも楽しくて明るい)に、

「俺はNZの方が好きやで。」
と言ったら、ブーイングが返ってきた。まあ、そんな風にお互いじゃれ合いながら、楽しい一時を過ごした。

その後、みんなで他の店に行こうってことになって、私はてっきり踊りに行くものだと思ってた。聞いたら、そんなものだと言ってたから。そして、いざ次の店に着いて入ろうとしたら、な、な、なんとgay clubではないですか。信じられん。まさか、ここに来るとは。中は、ダンスホールに人がぎっしりで、そのほとんどが当然gay。女の子もちらほらいたが、彼女達のほとんどがレズビアン。男の裸のビデオが店内には流れていて、そして私の周りでは男同士が抱き合ってる。上半身裸になってキスしてる連中もいる。この光景にはギー(cafeの仲間)もびびってた。この中にアジア人は少ないのか、私に声をかけてくる連中も結構いたし。信じられん。私は丁寧に野郎どもをあしらい、

"Why am I here? Nightmare!!"
と何度叫んだか。しかし、そんな中アンジェリック、クラール、後から仕事を終えて来たデビ、ジェシカ、ケルは平然と踊ってる。ギーも苦笑いしながら踊ってたが、ギーの友達のメキシコ人は切れてた。うちのcafeの連中はよくここには来るみたい。と言うか、ここはかなり有名なgay clubらしい。

gay clubは女の子にとっては安全な場所で、特にここで流れるdance musicに引かれてみんな来るようだ。とにかく、熱気ムンムンで皆かなり盛り上がってる。しかし、私は一刻も早くここを出たく、最後までむずむずしてた。私が世界で嫌いなものは、何と言ってもインド人とgay(ホモも含む)だから(これは、良い・悪いの問題じゃなくて、好き・嫌いの問題であることをここで断っておく)。

結局、ここに閉店のAM 2:00までいた。しかし、この店で一つだけためになる英語の表現を学んだ。それは、

"I'm straight. (私は正常です)"

この事をみんなに言うと爆笑する。いやー、ほんとにあの晩は悪夢だった。経験としては残ったが、二度と行くことがないだろう。ちなみに、我々が始めに行った飲み屋は、深夜からレズ専用になるらしい。みんな、普段からどんなところで飲んでんねや。全く密度の濃いAustralian dayだった。



 「新しい住人?」

最近、我が家に新しい仲間が増えた。それは、小犬のフランキーだ。また、これがかわいい。我が家と同様に、Judy宅にも同じ所から子犬(ハンピー)をもらってきて、ハンピーとフランキーが一緒にいることが多い。二匹とも兄弟で、種類はJack Russell。彼らを台所で放し飼いにして飼ってるが、カゴから出すと彼らは走りまくる。フランキーは体が小さいが、顔に茶色のパッチワークがあり、見るからにかわいい。ハンピーは顔に模様はなく真っ白。その表情は、化粧を落した女の人みたいで、Davidは始めブキ(歌舞伎から取った)と呼んでたぐらいだ。でも、二匹ともかわいくて、かわいくて。私は、犬好きの人がよく自分の犬の写真を撮って人に見せてる気持ちが初めて分かった(それは人間の子供でも同じだろう)。走り回ってたと思ったらすぐに眠くなって寝てしまう。寂しくなると泣き始める。そして、どこでもおしっこやうんこをする。その度に、我々がその処理をする。基本的に、しつけはChrista & David (主にChrista)に任せてるが、都合の悪い時はすぐに私に回ってくる。この辺りはわがままだ。

「なんで、私は子犬なんかもらったのだろう。」
とたまに彼女は不満を漏らしてるが、あの寝顔を見るとその不満は一気に飛ぶ。これは、人間の赤ん坊でも同じだろう。しかし、我々があまりにも小犬を可愛がるので、最近もう一匹の犬のLucyの機嫌が悪い。この辺りは難しいところだ。とにかく、小犬には手がかかって仕方がない。Christaは一生懸命本を読んで勉強している。

そんな中、私は不覚にも彼らのどちらかがしたうんこを踏んでしまった。それも、靴ではなく、直にだ。まあ、仕方ないと思う自分と、いつか仕返ししてやるという自分が今のところ両方存在し、仕返しに仕向けてる自分のオーラの方が断然強い。いずれ、彼らが落ち着き出したら復讐してやる。覚悟していろ。は、は、は、は。



 「Ice Hockey観戦記」

ある日の日曜日、私はLeeice hockeyを見に行こうと誘われた。ice hockeyはカナダでは一番人気のあるスポーツ。日本でいう野球・サッカー・相撲を足したようなもので、NZではラグビーに値する。ice hockeyを見るには、一番安い席で通常$40(約3200円)はするが、この日はfamily dayということで、Lee4人分のチケットを安く手に入れ(一人$25)、LeeDavidLauraそして私の4人であいにくの大雨の中、stadiumまで見に行くことになった。

テレビでは何度か試合を見たことがあったが、私にとってこうやって生で見るのは初めてだ。場内は思ったほど寒くなくきれいで、氷もきれいに磨かれてる。我々はビールを片手に、Lauraは巨大なポップコーンを片手に持って試合開始を待っていたが、選手が姿を現すと同時に満員の会場からは大歓声。そのほとんどが地元Canuckssupporterで、相手側のChicago Hawks supporterはほとんど見かけない。当然、私もCanucks側だ。こういうのっていい加減なもので、私がNZにいる時に初めてラグビーを見に行ったSuper 12の試合が、地元Aucklandの試合だったので、私もAucklandsupporterになったが、今回もそうだ。仮に私がTorontoにいたら、そのsupporterになっていただろう。ちなみに、私が阪神ファンになったのも、初めて買ってもらった帽子がたまたま阪神だったからで、それが巨人のだったら私は巨人ファンになってたはず。でも、そんな自分は想像したくない。巨人ファンになってる自分が存在するなんて恐ろしい。考えられない。

試合前は、全員起立してアメリカ、カナダの順で国歌の斉唱。カナダ国歌の斉唱後は、観客のvoltageは最高潮。そして、試合開始。第一period、先制はChicago。すると、ブーイング。しかし、すぐにVancouverも追いつく。すると、場内からは大歓声で、waveも起こる。しかし、すぐさまChicagoが逆転。またもや、ブーイング。その日のVancouverは生彩を欠き、結局26Chicagoが勝利を収めた。Vancouverの人々にとっては最悪の試合だったはず。しかし、私には試合の結果なんてどうでもいい。試合を見られたということで満足だ。

ice hockeyは日本の野球と違って、トランペットや太鼓を使ったうるさい応援がない分、一つ一つのplayにインパクトがあり、そしてすごく盛り上がる。ステックでパックを打つ音や、体がぶつかり合う音、エッジが氷を削る音がすごく響く。随所にさすがはプロというplayもあったし、ケンカもあった。氷の上であんなに華麗に動き回る彼らは改めてすごいと思った。million dollars playerだから当然だが。technicalな面で言うと、ice hockeygoalの裏も使えるというのは魅力だ。パックが氷の上を滑るのと、goalの裏の壁の丸みをうまく利用して、試合展開の流れを簡単に変えられる。私がやってたハンドボールでは、よく右から左sideに振って、side changeで流れを変えたりしたが、今日の試合ではそれを頻繁に行ってた。あと、人があんなにころころ代わるのにはビックリだ。時計も頻繁に止まるし。パックを手で掴んだり、足で止めたりもいいみたい。詳しいruleはわからん。今日のこの大差の試合結果の要因は、Canucksの選手のシュートミスが多かったのか、相手のキーパーがうまかったのか、Canucksのキーパーの調子が悪かったのかも分からん。いやー、最高やったね。





 「今月のお勧め映画 vol. 1」

さて、2000年度のオスカー(アカデミー賞)候補が昨日発表された。これから毎月、私が見た映画を日本公開に先駆けて(公開されないのや、既に公開されてるのもあると思う)皆様に紹介していこう。ただ、ここで先に断っておく。私が意味する「おすすめの映画」とは、映画自体はフィクションでありながら我々にはそれを感じさせないで、役者が演じる登場人物並びにstory的にrealityであり(SF3Dは除く)、映画自体が我々に何かを訴えているか、もしくは我々になにか新しい発見を提供してくれる作品とする。よって、世間一般の論評とはずれが生ずるがこの辺りのところはご了承いただきたい。

"Cast Away"(おすすめ度・・・・・)
Tom Hanks
不運な飛行機事故で、幸運にも命だけは助かったトム・ハンクスが無人島での生活を余儀なくさせられる。始めは何もない生活に戸惑い、気が狂っていたが、その生活が4年にも及び、幸運にも現代社会に戻れることになった。しかし、4年ぶりに戻った現代社会に違和感を覚え、昔の恋人には新しい家庭が・・・。映画自体トム・ハンクスらしい脚色で、彼らしい動きが随所に見られる。無人島での生活が、映画のほとんどを占めるので、会話も少なく英語もかなり理解できた。日本でも間違いなく公開されると思う。これはかなりお勧め。トム・ハンクスは主演男優賞候補。

"Chocolat"(おすすめ度・・・・・)
Juliette Binoche, Johnney Depp
フランスのある小さな村に移ってきた母とその娘。彼女達は北風と共に町を転々とし、そこでチョコレート屋を開いてそれを広めていく運命にある。そして、この小さな村でも新しくできたチョコレート屋がその周りの人々を少しづつ変えていく。story的にもきれいで、心温まる映画。どういう基準で日本で公開される洋画が決まるのかは知らないが、この映画はこっちでもかなりの評判。私もかなりのお勧め。この映画はオスカー候補で、Juliette Binocheも主演女優賞候補。

"State & Main"(おすすめ度・・・)
Alec Baldwin, Charles Durning, Clark Gregg, Philip Seymour Hoffman, Patti Lu Pone, William H. Macy, Sarah Jessica Parker, David Paymer, Rebecca Pidgeon, Julia Stiles
アメリカのある小さな町に映画の撮影のためにやってきた映画会社とそこの住人とを巻き込んだcomedy。映画的には場内からはかなり笑いが起こっていたので面白いと思う。ただ、comedyとなると英語もかなり速いので、私自身余り内容は理解できなかった。日本語字幕付きなら面白いと思うが、日本で公開されるかどうかはわからない。

"Traffic"(おすすめ度・・)
Michael Douglas, Don Cheadle, Benicio Del Toro, Dennis Quaid, Catherine Zeta-Jones
アメリカとメキシコを舞台にしたdrugに関した映画。3つの独立した話から成り、マイケル・ダグラスはdrug撲滅運動に力を注いでるが、一方で彼の娘がdrugにはまってしまう。内容的には、非常にcomplicatedslangも多く、最終的に何が言いたかったのか、私にはいまいちよく分からなかった。ただ、こっちではかなりの評判。当然、オスカー候補に指定されている。

"Save The Last Dance"(おすすめ度・・・・・)
Julia Stiles, Sean Patrick Thomas
バレーに打ち込んでいた少女が、そのオーディションを見に行く途中だったお母さんを交通事故で亡くし、バレーを諦め、離婚した父方に引き取られる。そして、そこで新しい生活が始まるが、そこは黒人社会。そこで彼女はある黒人の青年に引かれ、やめたはずのバレーにhip hopを取り入れた新しいバレーを完成させる。内容は黒人と白人との恋愛物だが、黒人社会の本音が垣間見れて社会的にもいい勉強になった映画だった。ただ、黒人の英語は分からん。難しすぎる。teen -age movieなので、日本で公開されるかは分からないが、これはかなりのお勧め。

"Sugar and Spice"(おすすめ度・・・)
Marla Sokoloff, Marley Shelton, Melissa George, Mena Suvari
ある高校のチアリーダーの5人組のリーダー格の女の子が、同じ高校のアメフト部の学生と結婚して妊娠してしまう。しかし、出産等これからの生活のことを考えると、彼らのアルバイト代ではやっていけない。そこで、資金稼ぎに彼女達が考え出したのが銀行強盗。そして、チアリーダー仲間で銀行強盗を決行するという内容のcomedy映画。内容的には面白い映画だったが、ある意味では教育上よくない。というのは、銀行強盗した彼女達が将来的に全員成功してしまう。日本では公開されるかはわからないが、私自身そういう意味では余りお勧めできない。


 「KIKUJIROU」

この前、たけしの映画「菊次郎の夏」を見に行った。Broadwayにある映画館では少し古い映画を週代わりで二本で$3.00(約240円、ただしこの値段は月曜日のみ)で公開していて、その週はたまたまたけしの映画があった。私自身邦画は日本にいる時からほとんど見ないので、たけしの映画自体も余り見たことがない。たけし監督の作品もなんとなく印象として残ってるぐらいか。こっちで邦画を見るとなると、当然英語のsubtitle(字幕)付きで、私は英語の勉強も兼ねてこの映画を見に行くことにした。

映画を見る時はいつも会話を聞き取るのが精一杯で、見終わった後かなり疲れてる。だから、1日に2本見る時にシリアスものの後、もう一度シリアスものを見るとなるとかなりの労力を要す。しかし、この映画は当然日本語なので、始めは会話が完璧に分かるのにビックリした。当然と言えば当然だが、この時の衝撃は表現しづらい。

「なんでこんなに日本語ってわかりやすいんやろう。」
と改めて感じたぐらいだ。私は字幕を真剣に目で追った。当然、その字幕上の言葉は日常語だ。そして、字幕を読んでいくうちに感じたことは、私自身その文章はほぼ理解できるということだ。それだけ、見る・読む方の私自身の英語力は、より日常levelに達してると言うことになる。ただ、これが話す・聞くだけとなるとまだまだだ。対等にnativeと接するには程遠い。

こうやって、邦画を英語の字幕付きで見るとかなりの表現が文字として身につく。私にとって、これは新たな英語の勉強法の発見になった。

「こういう時にこういう表現を使うんか。」
という具合に。他の邦画は知らないが、勉強するならたけしの映画はもってこいだ。と言うのは、彼独特の演出である俳優の動きが少ない映像は、発する言葉自体も他に比べて少なくさせ、つまり会話が少ない分、会話会話に集中できる。それに、彼自身お笑いタレントであるので、所々笑いも交えrelaxでき、映画自体にめりはりがつく。この映画のstory自体も私には悪くなかった。浅草の下町を舞台にして、日本の昔ながらの町並み・風習・娯楽等も垣間見ることができ、映画館にいたカナダ人にとっても日本自体の勉強・紹介にもなったと思う。今度は是非こっちで、たけしの「HANABI」をビデオで借りて見てみよう。いやー、いい勉強になった。



 「日本再発見方法(少し評論的に、海外放浪中の皆様に捧げる)」

いくら日本が嫌い、日本はもういいと思っても、我々は日本で生まれて育ったので、やはり日本のことは気になるものである。日本にいると、例えば雑誌や新聞を読む時、どうしても自分の好きな分野だけ読んで、あとはお構いなしという人々がほとんどであろう。新聞で例えると、大体我々の世代が読むところは、テレビ欄、スポーツ、芸能ニュースそしてせいぜい三面記事ぐらいである。しかし、私も海外を旅して長くなるが、海外にいる時に日本の新聞や雑誌を目にすると、感動して隅から隅まで読んでしまう。それは、他の日本人も同様であろう。仮に、ここに日本経済新聞があったとしても、必ずと言っていいほど普段は全然無縁の若者たちまでもそれに目を通す。つまり、日本にいる時は情報がありすぎて、どうしても自分自身でうまくそれらを扱いきれず、その結果自分の趣味の世界に走ってしまうのである。それが海外だと、それらの情報が一切遮断されるので、たまに来る情報に対してはより敏感になり、選択肢がそれしかないのでそれに走ってしまう。当然、情報を得たいという攻撃的な姿勢がその背景にあることが前提になることをここで断っておく。

この人間の心理・習性をうまく利用すると、ある意味では新しい分野の開拓にもつながる。つまり、普段は政治・経済などの時事的なことに全く興味がない人でも、定期的にそれらに関する情報だけを目にすると、必然的にそれに食らいついてしまう。すると、

「へえ、こんなことが起こってるのか。結構面白いな。これってどういう意味やろう。一度調べてみよう。」
といった建設的な欲望に駆られ、それが自分の新しい分野の開拓、ひょっとしたら天職との出逢いになるかもしれない。このことは、日本の再発見に通じるとも言えるし、日本のことをもっと知りたいと思ってる人にとっては、海外でしかできない日本の再発見方法と言っても過言ではない。ただ、これを行うに当たって一番大切なことは、周りに情報が少ないってことである。つまり、情報が周りにありすぎると、人間の性質上どうしても趣味の世界に走ってしまうからだ。

海外を放浪中のcrazyな諸君、一度試してみたまえ。新しい自分と出遭えるかもしれない。