全国8億5000万人の加藤学ファンの皆様

カナダ報告第2弾
「まさか、21世紀をカナダで迎えるとはな」
Written in Vancouver, 7/1/2001



皆様、こんにちは。改めて、あけましておめでとうございます。今世紀も宜しくお願い致します。

早いもので、こっちに来てもう2ヶ月目を迎えました。バックパッカーを卒業した私は、もう旅はしません。毎日、日本並みに忙しい日々を仕事を中心に過ごしています。先日、無事動物クン達の餌遣りを終えました。終えるとほっとする反面、寂しいですね。毎日、仕事に行く前に餌をやり、帰って来てからも今度は犬のLucyの散歩が加わり、その上母屋のhouse keeperも頼まれていたので、毎日くたくたでした。

仕事の方も順調で、私の働くcafeでの私の仕事はいわゆる雑用(busser work)cafeの仲間の半分は外国人(カナダ人以外)で、と言っても私とブラジル人の青年以外は、みんな英語圏の人です。

我々には言葉のハンディがあります。また、日本人がいない環境で働くという事は、彼らは私個人としてではなく、日本人として見ます。この事は以前NZからも述べましたが、非常に大事な事で、私個人の行動によっては日本人のイメージが変わります。例えば、皆様の近くで外国人が働いていたとすると(例えばイラン人やブラジル人)、彼らがもしトラブルを起すと、

「やっぱりイラン人はどうしようもないな。」
といったイメージを抱くと思います。これと同じで、例えば皆様がブランド物を買いあさりにアジア諸国に行くとすると、現地人は貧乏旅行して純粋に旅を楽しんでる日本人の事も同じように、金持ちで物を買いあさると考えかねません。だから、日本人がいない環境に行く時は十分にその事を踏まえて行動して下さい。



いくら経済大国日本でも、海外に行けば一外国人労働者です。東大卒であろうが関係ありません。失業率が高いカナダでは、そういった身分の我々は仕事を選んでる立場ではありません。お金を儲けるってのが本当に大変な事を、こういった仕事をしてると改めて痛感します。

私は今まで色んな辛い事をしてきたので、このcafeでの仕事は確かにしんどいですが、たかが一日8時間労働なので、どうって事はありません。毎日、もくもくと働いています。その甲斐あってか、みんなからの信用も根づき出し、ボスからは、

「マナブはbusser masterね。」
と言われるようななり、来月から時給制から月給制にしてあげようかと提案されました。あと、新人の教育ですね。カナダの若者は英語に敬語がないぶん、日本の若者よりも生意気ですね。その分、friendlyですが。いい奴もいるしどうしようもない奴もいます。ただ、みんなはっきり物を言うので、こっちとしても楽ですね。

今月から、うちのボスは私を中心にshiftを考えてくれるようになり、私は少しだれてきたこの生活にめりはりをつけようと、毎週火曜日は映画の日(火曜日は安い)、金曜日はnight shiftにして、近くのcommunity centerに通う事にしました。本当はタイ料理かスペイン語を習いたかったのですが、運悪くそういったクラスはなく、Advanced classの英会話をしに行く事にしました。まあ、週に12時間だけなのでどうってことないですが、趣味程度にここに通って少し生活のリズムを変えてみます。side businessの方はボチボチですね。ただ、これはあくまでのsideです。

正月のpartyの日本料理は大好評でした。みんな日本食が好きなんですね。この時の事については後日Topicsで報告します。

こっちの正月は静かでした。と言うか、いつも通りと言った方がいいかもしれません。日本ほど騒がしくないですね。店はほとんど閉まってましたが、私のcafeは開いてて、いつも通り無茶苦茶忙しかったです。




「正月ぐらい家でゆっくりしとけ、ドあほ。」
と何度も自分で叫んでました。今週はまだ正月休みのところもあって、明日ぐらいからは通常に戻ります。

失業率の高い(10%近く)カナダでは、定職に就くのがなかなか難しいです。Christa28歳)の友達の中でも現在定職に就けた人は半分もいないと言ってました。そう言った中、私がcafeの連中によく言われるのが、

「マナブは大学院を出ているのに、なんでカナダに来てcafeなんかで働いているのだ。日本の方がカナダよりもstrongだろう。」
ということです。

「これが俺が選んだ道で、今は大学院を出たとかは関係なく、みんなと働きながら英語のトレーニングをし、自分のしたい事をしてる。」
と言っても、ぱっと来ないみたいです。Davidは、

「マナブがやってる事の方が人間らしく、結果的にはいいという事を他の日本人達は知らないな。」
とよく言ってくれます。彼は日本に2年もいたので、日本人の気質をある程度理解しており、特に彼は学校の先生でもあるので、一番日本人で理解できない事が、

「大学に行っても授業には出ず遊んでばかりで勉強せず、それですぐに就職して、朝から晩まで働いて、一体何のために大学に行って、何のために生きてるの。」
ということらしいです。この辺のところは永遠に答えが出ませんね。

たまに、downtownで日本人と話したりしますが、ほとんどの日本人は私がNZOZでよく会った日本人と同じですね。NZにいた時は、結構元気付けてあげたり、助けてあげたりしましたが、今は彼らとは関わっていません。もう放ってます。

今はとにかく自分の英語力の、特にpresentationのアップに日夜努力してますが、なかなか会話ってのは奥深いですね。我々が学校で習った英語が改めて役に立たないというのが分かります。まだまだ時間はかかりそうですね。みんなは私の英語力を高く評価してくれますが、私が目指してるのは更なる上なので、もっともっと訓練が必要ですね。自分なりに、自分なりの方法を信じて、とにかく頑張ってみます。

Vancouverはいつも雨が降ってます。気温は寒い時は氷点下になりますが、雨が降ってる時は日本の冬と変わらないかな。日中が10弱まで上がる日もあります。その中を毎日傘を持って片道45分の道のりを歩いてます。健康管理だけはいつも気をつけていて、食べ物もしっかり食べ、睡眠も6時間は取るようにしています。残念ながら私は6時間以上寝ると床づれを起こしてしまうため、それ以上はなかなか寝られません。この事を一度Christaに言うと、

「今度、私のカイロプラティックの先生を紹介してあげる。」
と真剣に言われました。軽く交わしてくれたらよかったのに。

皆様も健康にはくれぐれも気をつけて頑張って下さい。

さあ、明日からまた仕事。年末から9連ちゃんで仕事で、今日まで3連休。昨日までの2日間はDavidsnow hikingに行き(後日報告)、今日は掃除、洗濯と主婦でした。毎日、cafeでマグカップに最低3杯はfree coffeeを飲んでいるので、coffeeが恋しくなりました。食べ物はすべて半額で、ただstaff foodというのがあって、最近それらが多く、当然freeです。ねえ、仕事はしんどいけど結構いいでしょう?

では、また来月お会いしましょう。

P.S.
そろそろプロ野球自主トレの季節。やはり、気になるのが大豊(中日に行ったのでしょうか?)、新庄が抜けてからの我が阪神タイガースの4番。あとは、この時期ラグビーとアメフト。また、情報お願いします。

こっちでも「料理の鉄人」が大人気
明日も雨の気配のVancouverから愛を込めて
7/1/2001
Manabu Kato




Monthly Topics in January(1月号)
Written in Vancouver, 14/1/2001


Russell家の人々 No. 2

犬のLucy
Lucy
はとにかく人懐っこい。彼女が吠えたのは、私はこっちに来て二回ぐらいしか見た事がない。Janの事を一番気に入っているが、その次はDavid。私にもかなりなついている。彼女は最近まで歯槽膿漏だったが、抗生物質を塗り続けた結果、今はすっかりよくなった。それまでは、かなり口が臭かった。Lucyが車の中であくびをした時は、まるで満員電車の中で前の日に王将の餃子100個と蓬莱の豚マン20個食ったおやじがあくびして、さらに屁をかました時のような臭いだった。彼女は自分でよくぼける。見ててもおもろい。犬界のお笑いやな。そして、人間が食うものや豆腐ウインナーが大好き。ただ、ドッグフードは嫌いみたい。わがままな奴だ。とにかく、むっ茶かわいい奴。

馬のMac
Mac
はすでに20歳。人間ではもうおじいちゃん。そのせいかおとなしいし、余り騒がない。隣りにいる馬は4歳なので、気性が荒くよくフェンスを壊す。Macはそういうことない。私にもかなりなついてきた。競馬好きで馬刺し好きな私にも馬はなつくんやな。餌をあげてて思ったが、馬って結構夜から朝にかけて水を飲む。これは、私が餌をやってた3頭だけか、馬の生理的なものかは知らん。一度、ムツゴロウさんに聞いてみないと。ちなみに、馬ってよく見ると高校時代の部活仲間の中山にそっくりだ。中山の祖先は間違いなく馬やな。

猫のAntoinette
Antoinette
はとにかくきれいだ。見た目が美しい。しかし無愛想で、人間に例えると女優だ。加賀まりこやな。彼女はいつも窓から我々を見ている。脇の下を抱えて、こそばしてあげると気持ちいいらしい。いつも恍惚な顔をする。彼女はいつも外を歩き回って、ねずみを捕まえたりして遊んでいる。彼女は間違いなく猫界で美形に属す。しかし、無愛想なのが問題だ。

猫のBoots
Antoinette
と違って、Bootsはすごく繊細で人目には出てこない。Antoinetteとともに、彼は納屋に住んでいるが、彼が外を歩いているのを見たのは二度ぐらい。私が側によっても逃げていくが、最近やっと慣れ出した。彼も見た目は美しい。でも、少し無愛想だ。猫ってなんであんなに愛想悪いやろう。一度、ムツゴロウさんに聞いてみないと。







cafeからの眺め」

私がcafeで働き始めてしばらく経ち仕事にも慣れ始め、周りを見る余裕ができてきた。そこで、cafeから見たカナダ人というのを少しまとめてみた。

まずは、何と言っても砂糖を信じられないほど使う。いくらlow sugarを使っても、あんなに使ったら普通の砂糖を使っているのと変わらんし意味がない。Low sugarの減りが、他のと比べて断然速い。とにかく、糖分の摂り過ぎだ。蜂蜜もよく使うし。

マーガリンよりは、断然バターの需要量のようが高い。あと、ピーナツバターやジャムもよく使う。とにかく、パン、ベーグルには必ず何かつけて食べると言ってもいい。それも、つけすぎだ。Healthy foodorganicが比較的popularなこの国だが、もっともっと日常的なところで気を遣えばいいのになっと私はいつも思う。この辺のところはよく分からん。単に、マスコミに茶化されて本当の意味での健康というのを理解してないかもしらん。ジョギングしてる人もよく見かけるのにな。全員が全員そうじゃないが。

Coffeedark好きな人が多い。その中でも、やはりEspresso系だろう。LatteMocha そしてCappuccinoといったところが人気だ。紅茶よりもcoffeeの需要のようが圧倒的に多い。朝は、toastmuffin を食べ、新聞を読みながらcoffeeを飲む。とにかく、カナダ人はcafeが大好き。私が働いてる近くにはcafeがたくさんあるが、どこも流行ってる。なんでこんなにカナダ人はcafeが好きなのか不思議なぐらいで、私は忙しい時はいつも、

coffeeぐらい家で作って飲め、ドあほ。」
と心の中で叫んでるが、ある日一緒に働いてる女の子に、

「カナダ人はなんでこんなにcafeが好きなの?
と聞いてみたら、

「だって、yummyだもん。」
と言ってた。

我々は、coffee、紅茶はfreeで、食い物は半額。でも、staff foodというのがあって、冷蔵庫の一番上の棚のものはなに食ってもいい。ない事が多いが、ある時はラッキーだ。ここの食い物はなかなか旨い。しかし、ケーキ系は甘すぎる。これがカナダ人好みの味なんやろう。この前ブラウニーを食ってみたが、甘すぎて気分が悪くなったぐらいだ。Muffinはまずまず。Restaurant foodは悪くない。ただ、スープは少し塩の入れすぎ。これなら、まだ私のパンプキンスープの方が旨い。

ほんまにカナダ人の神経は分からん。NZでもそうやったが、なんでこうもアングロサクソンはcafeが好きなんやろう。私は大体coffeeを毎日最低マグカップに3杯は飲んでいる。Freeやからな。しかし、仕事の日は決して家では飲まない。仕事が暇な時は時間を持て余して5杯ぐらいは飲む。だから、仕事が休みの日はcoffeeが恋しくてたまらない。でも、わざわざcafeまで行って飲もうと思わない。そういう時は家で飲む。もう一度カナダ人諸君に言おう。Coffeeぐらい家で飲め、ドあほ。




3つの違ったChristmas party

23/12/2000
仕事が終わった後、私はほぼ日本人だけのChristmas partyに呼ばれた。正直、私はこんなのに全く興味がないし、カナダまで来て日本人同士で会いたくもない。ただ、私のsideでやってるteamglobeがブースを出すというので、正直嫌々手伝いがてら行くことにした。会場には、驚くほど日本人ばかり。こんなにも日本人がいるのか。特に、若い女の子が多かった。合計200人ぐらいはいたかな。我々以外にもいくつかブースがあり、バンドなど適当な催し物が用意されていた。しかし、はっきり言ってくだらん。全然楽しくないし、仕事もする気にならん。盛り上がってるのはほんの一部の人だけかな。

「なんで、俺はこんな日本人ばかりの中にいるんや。」
とこの会場にいる間ずっと腹立ってた。はっきり言って企画倒れだ。仕事が終わって、動物クン達に餌をあげて、雨の中バスでなんのためにこんな所まで来たんや。くだらん。二度と来ない。

24/12/2000
Christmas eve
ということもあって、cafeは夕方でclosed。この日、私は仕事が休みだったが、仕事の後みんなで近くのpubに集合して、supervisorPamの家に向かった。うちのcafeの仲間の約半分はカナダ人以外。Pamの粋な計らいで、家族とChristmasを過ごせない人々を中心に家に招待してくれた。この日は20人近く集まったかな。OZKiwiEnglishScottishBrazilian、そして私。同じsupervisorDonnaTurkeyを焼いてくれ、Pamがそれ以外の料理をほとんど用意してくれた。どの料理も最高。いやー、申し訳ない。私は、予定では始めのpubで飲んで、そのまま帰るつもりだったが、

「マナブもおいでよ。」
Pamに誘われて行くことにしたが、何も持っていくものを用意してなかった。言ってくれればビールでも買っていったのに。

Pam宅では、みんなで和気藹々と酒を飲みながら話してた。ただ、酔っぱらってくると、みんなtensionhighになってきた。こうなってくると、言葉も汚くなってくる。そして、Christmas presentの交換になった。大人でもそんなんするんやな。私を含め何人かはプレゼントを用意していなかったが、その分ちゃんとPamが用意してくれていた。いやー、気が利くな。交換のルールは、みんなでプレゼントを出し合って、くちびきで順番に取っていく。そして、順番に封を開けていくが、他の人のをほしければ、封を開ける前に交換できる。これがなかなかexcitingでおもろかった。前の日のpartyがくだらんかっただけにこの日はすごく楽しかったし、何と言ってもPamの心遣いが嬉しかった。これはお返しをしないとな。ありがとう、Pam

25/12/2000
Christmas Day
。この日はほとんどの店がclosed。そして、人々は自宅や友人宅でこの日を過ごす。だから、町全体がひっそりしてた。私は以前から言われていた通り、アリゾナから一足先に帰ってきたDavidと共に彼の実家のpartyに呼ばれた。David宅はここから車で20分ほど。Davidはおとん似。おかんは感じのよい優しそうな人だ。おとんは少しきびしそう。この日は、たまたまおとんがパソコンを人からもらったらしく、私がset upしてあげた。

我々は昼過ぎにここに着いたが、夕方から続々とDavidの親族が集まってきた。ざっと20人はいたかな。ちびっ子からおばあちゃんまでいる。私は折角の年に一度や二度の親族が集まる日にお邪魔して申し訳ない気でいっぱいだったが、Davidやおかんはすごく気を遣ってくれた。犬のLucyも連れていったが、みんなのおもちゃになってた。この日もDavid家族は家族同士でプレゼント交換をしてた。なんと、Davidやおかんは私の分もプレゼントを用意してくれていた。感激やな。この心遣いにはビックリだ。大人になってもこういった事をするんやな。各々が誰に何をあげると喜ぶかをすごく考えていた。そして、各々がプレゼントを開けると嬉しそうな顔をしていた。うーん、感心だ。

そして、party。地下にはparty会場が設定されていて、ここでも再びTurkey。うーん、これがまた旨い。そして、ワインを飲みながらの歓談。やっぱり、親族の中に赤の他人の私が一人いると気を遣うな。でも、みんなをじっくり観察していると、これがカナダ流Christmasの過ごし方なんやと改めて思った。料理も旨かったし、何と言っても楽しかった。日本では、Christmasは彼、彼女と過ごすのがトレンディと考えられがちだが、こっちでは違う。 Davidにこのことを聞いてみたら、

「彼、彼女以上に、この日だけは家族と過ごすことの方が大切。特に、親が子供に会いたがる。こういう日じゃないと集まれないし。」
と言ってた。日本でいう正月かな。ほんと、Davidには感謝やな。ありがとう。



New Year Party and Fuck'n New Year

私は年末年始の間、9日間休みなしで仕事で、New year eveも仕事をしてた。そんな中、1231日に我々は以前から計画していたNew year partyを開くことにし、私は常日頃からRussell家の人々や色んな人々に世話になっているので、その感謝の意味も込めて、日本料理を御馳走することにした。メニューは、お好み焼き、私流鮭のチャンチャン焼き、寿司、そして年越しそば。Partyには、ChristaDavidの友人が入れ代り立ち代り来て、計30人ぐらいはいたかな。日本人は、まさこちゃまの友人のお嬢ちゃまが数人来たが、典型的な日本人の悪い癖でこんな所まで来てまたもや日本人同士固まってた。こういう人
たちは放って置こう。私はお嬢ちゃま達とはほとんど関わらなかった。

お好み焼きは広島風で、昆布だし(当然、利尻昆布)に小麦粉を混ぜ、vegetarianのことも考え、具はシーチキンとキャベツとヤキソバで、最後に卵を落して、おたふくソースとかつお節で完成。チャンチャン焼きは、礼文で作ってた味噌を少しCanadian好みに代え、鮭の上にマッシュルーム、レモンスライス、もやしを乗せ、その上に味噌をかけてホイルに包んで蒸した。寿司のネタは、鮭、イカ、アボガド、そしてカニ缶で、鮭は切り身を買ってきてさばき、イカは冷凍イカを丸ごと買ってきて、コロを取ってネタを作り、アボガドは醤油、ワサビを混ぜたソースを作ってシャリの上に乗せ、カニ缶は細かく裂いてマヨネーズと和えてシャリに乗せた。私自身考えてみれば寿司を握るのは初めてだ。シャリは少し水っぽくなったがちゃんと酢めしにして、思考を凝らして木のまな板の上にネタを飾り付けた。蕎麦はざるそばにし、だしは私が四国で追い求めていた究極に近い味にし、酒、みりん、醤油(もちろん、キッコーマン)に砂糖を加えて醤油だしを作り、それとカツオだしを13で混ぜた。


結果は大好評。どの料理もCanadianにバカうけ。特に、お好み焼きとチャンチャン焼きは絶賛。私的には、チャンチャン焼きの味噌は少し酒を入れすぎた感じだったが、彼らはお構いなく。お好み焼きも、おたふくソースだけでは甘いので、少しコチュジャンを入れてもよかったが、彼らにはこれで十分。Davidは私が料理している姿を写真に撮ってたぐらいだ。みんなからどうやって作ったのか何度も聞かれたが、毎回答えるのも面倒臭いので、
"Those stuff are my original. That's why, secret."
と言ってレシピを明かさなかった。ただ、みんな私に対して拍手をしてくれた。
ありがとう、ありがとう。

Partyには、Christaのもう一人の妹のJeyも来てくれ、Jeyも旅好きで、なんと私と同時期にラオスを旅してたことが発覚した。KimRaulaJudyも来てくれ、Kimも私のお好み焼きを絶賛してた。そして、年が明ける時になって、私はみんなでカウントダウンしようと思い、ラジオをつけてその時を待っていたが、知らん間にkitchenの方で、

" Happy new year."
とみんなで乾杯し出し、私もそれに加わった。一体、カウントダウンはどうなったのか。いやー、楽しかったで。みんなと色々話せたしな。まさか21世紀をカナダで迎えるとは、学生時代は予想もつかなかった。

私は元旦も仕事だったが、みんなが帰った後少し後片付けをしておこうと洗い物をしながらグラスに残ってたワイン、ビール、テキーラをほとんど飲み干し、AM 4:00近くに寝た。が、朝起きるとなんか気分が悪くて。そうやった、寝る前に残ってた酒をほとんど飲んだんや。そして、その日はAM 11:00から仕事で、店もその時間からopenの予定だったので、slow startでゆっくりできるなと甘い考えでcafeに向かうと、なんと勝手にボスがAM9:00ぐらいに店を開けてて、店内には鬼のように人がいた。おいおい、正月ぐらい家でゆっくりせい、カナダ人。なんで、わざわざこんな所までcoffeeを飲みに来んねん。カナダでは休日出勤の場合、通常の1.5倍の給料を払わないといけないので、この日は最低限のstaffしか来ていない。忙しいが私の身体にはまだ酒が残ってる。そして、何でこんな日に限って快晴やねん。徹マン明けのように、太陽がまぶしくて仕方ない。もう、最悪の新年だ。あほか、カナダ人。




「最低の仕事を最高にする美学、まさしく超一流」

私は常日頃から「超一流」の人間を追求しているが、私が意味する「超一流」とは二つ意味があって、一つは人が期待している以上のことをすることで、それは野球界で例えるとイチロー、落合クラスの選手。打率もよく、打点もよく、ホームランも打てるし、走れるし。ピッチャーでは、勝ち星も計算できるし、その上防御率もいいし奪三振もすごい人(現在では思い当たらない)。

もう一つの意味の「超一流」は、最低の仕事を最高にすること。つまり、人が余りやりたがらない仕事をして、人が期待している以上の結果を出すこと。これが、私がNZで追い求めていた「超一流」の美学で、今の仕事でもその事を念頭において仕事をしている。

日本を出ると、いくら経済大国日本人でも、特殊な技術がない限り一外国人労働者に過ぎない。当然、条件のいい仕事ができるわけがない。ただ、最低の仕事をする時は、別の意味では自分の居所をすごく作りやすい空間でもある。つまり、与えられた仕事を期待以上の結果で返すと、周りからの信頼も厚くなり、自然と自分の居場所ができてくる。それは、私の経験上おそらくどこの国籍であろうが、どこ出身であろうが関係ない。ほとんどすべての分野に当てはまるだろう。

また、日本人がいない環境、あるいは日本人に対して余り興味を示していない人たちの中では、自分次第で周りの日本人のイメージを代えることができる。私がNZAlexにいる時に、この事を初めて意識し、

「お前はNo.1 pickerだ。来年も来いよ。」
と言われた時はどれほど嬉しかったが。しかし、どんな時も始めは辛い。なん
せ最低の仕事だから。要は、根性と自分を信じる根気が必要だ。そして、自分の居場所さえ作ってしまえばこっちのもん。つまり、始め周りは最低の目で自分のことを見ていたが、それでも自分の居場所ができるということは、今度は通常もしくは最高の目で見てくれるということになる。仮にその段階で少しミスを起こしても、最低の自分を周りは認識してるので、そんな簡単に自分が築きあげたものは崩れない。ただ、snobbyになるのとは意味が違うが。

少し抽象的な説明になったが、この事は非常に大切なことで、どの世界にも通じるはず。恋愛に関しても同じ事。是非、皆様にも試して頂きたいと言いたいところだが、先にも言ったが自分の居場所を見つけるにはかなりの根気が必要。それまでに諦めてしまう人々がほとんどだ。私は「超一流」の美学を既に何度か経験したので、これからも一生涯かけてさらなる洗練された美学を追い求めるであろう。この快感は止められん。でも、正直そこまで行くには辛い。




Fantastic Snow Shoeing

先日、Davidと二人で泊まりでsnow shoeingに行った。Winter sportsには様々あるが、snow shoeingははっきり言って日本人にはなじみがない。要は、snow shoesという特別の靴を履いて雪の中を歩いていく冬版トレッキングと言ったところか。

我々は、VancouverからWhistler方面に1時間半ほど車を走らせ、そこからsnow shoesを履いて歩き始めた。周りは一面銀世界。ただ、標高が低い分雪質はよくない。我々は、寝袋、防寒具、食糧をバックパックに積め歩き始めたが、改めて我に返ると、

「俺、何してんやろう。」
と自己嫌悪に陥った。その日は天気が悪く、下の方は雨、上の方は雪で、辛い登りを黙々と歩くだけで、さらに年末年始の9日間労働の休み明けの日だっただけに、私は心身とも疲れきってた。

結局、2時間半ぐらい歩いたか。我々は、hutlunchを食べ、さらに先に進むか検討したが、色々考えたあげくその日はそこに泊まることにした。カナダは緯度的なこともあり、現在日の出は午前8時ごろ、日の入りは午後4時ごろと非常にday timeが短い。


我々は、軽い昼食を済ませ、新雪の中を遊びまくった。この辺りは、いわゆるpowder snow。私は北海道を思い出した。この日は、まだNew year holidayというのもあって、我々の後から続々と人が来て、このhutには計14人来た。確かに、hut自体それ程大きくないが、14人寝ようと思えば寝られる。しかし、我々はよりcozyな空間を考えて、我々が来る前に女の子二人が遊びで作ってたかまくらを少し拡大して、今晩ここで寝ようということになった。そして、夕暮れまでに急いで増長工事を開始し、何とか二人が寝られる空間を作り上げた。入口は保温のことを考えて、人一人がやっと匍匐前進しながら入れるスペース。天井は座って首を折り曲げないといけないぐらいの高さ。でも、hut内で窮屈で寝るよりは全然まし。

そして、晩飯をhutlazynoodleで済ませ、いざかまくらで寝ることになったが、私自身もかまくらを作ってそこで寝るのは初めて。外気は−10ぐらいかそれ以下。しかし、かまくら内はおそらく0前後。それほど寒くない。我々は服を着込んでシュラフにくるまって、candle lightを点した。うーん、これがまたfantasticだ。なかなかgood。そして、寝る時間になったが、朝方かいつかは知らんが、私はあまりの寒さに目を覚ました。寒い。周りは雪だらけやし、シュラフも雪で濡れている。着るもんはもうないし。かかとは冷たいし。ふと、横のDavidを見ると爆睡してる。信じられん。次の日の朝、Davidに聞くとぐっすり眠れたらしい。おいおい、どんな肌してるんや、カナダ人。

次の日は雲一つない快晴。すると、我々の周りには頂きを雪で覆われた山々が姿を現した。私は一瞬ネパールを思い出した。うーん、すばらしい。しかし、ネパールの8000m級の山々と違うところは、植生を見ればすぐに分かる。この辺りはたかが2000mほどなので、まだまだ針葉樹林が広がっており、森林限界には達してない。周りはpowder snow、そして真っ白に覆われた山々。


「来てよかった。」
と初めて思った。

我々は、この白銀の世界の中、持ってきたEspressoで乾杯した。また、これが旨い。そして、軽く朝飯を食った後は、我々は再び雪の中で戯れ、さらに30分ほど上へと登り、少々急なcliffを登り切って、この広大な景色を一望した。うーん、すばらしい。Davidはあまりの気持ち良さに野ぐそしてた。さすが、雪の国カナダっと思ったのは、雪崩を調査する人々が新雪をシャベルで掘りつめ、雪の層をチェックしてた。これには感心だ。月に何度かhutを管理する人もいたし。我々は昨晩、かまくらでstay overし、我ながらあほやなと思っていたが、この寒い中テントを張ってる大馬鹿やろうもいた。カナダでは冬にキャンプするのはどうってことないみたい。こいつらどんな肌してんねん。

そして、来た道を我々は下り始めたが、帰りは食糧もなくなり、1時間ほどで楽々下った。いやー、楽しかったで。こういう冬の楽しみ方もあるんやなと改めて思った。NZStewartをトレッキングしてる時は、hutに水がなかったので水の貴重さを改めて知ったが、今回は水の心配は要らない。雪を溶かすだけでいいので。問題は寒さ対策やな。うーん、もう一度行きたいで。