全国10億5000万人の加藤学ファンの皆様
Vancouver出発記念拡大スペシャル

カナダ報告第6弾
「Time is coming, and thanks.」

Written in Vancouver, 3/6/2001

 

皆様、こんにちは。早いもので、こっちに来て半年が経ちました。来た当初は、これから真冬に向かう暗い時期で、朝7時半でもまだ薄暗く、仕事が終わって帰宅する夕方5時にはもう真っ暗。そして、毎日雨ばかりといううっとうしい天気。それに比べて今は、街路樹は緑の葉を付け、summer time実施中ということもあり、夜10時近くまで明るく、相変わらず雨の日もありますが、晴れた日は気温25度近くまで上がる日もあります。我が家の庭もすっかりきれいになり、畑も順調です。ただ、雑草は抜いて抜いても生えてきますが。カナダはこれからがいい季節ですね。

半年間のここVancouverでの生活は、よりnativeに近い英語力の基礎を身につけることを念頭に過ごしてきましたが、その出来具合は40点というところでしょうか。NZで知り合ったEnglandのアンディが以前、

「日本人は本当に賢い。そのひらがなという文字だけで50はあるのに、それに漢字とかもあわせると覚える文字だけでかなりある。そして、それらをうまく使いこなす。それに比べて、英語は26文字だけしかないので簡単だ。」

と言っていましたが、確かに英語は26文字だけの組み合わせですが、覚えれば覚えるほどその奥深さが分かりました。たかが半年でnative並みの英語力をつけるのははっきり言って無謀でした。英語留学に来てる生徒は、高いお金を払って毎日英語づけの日々を過ごしているのに(実際はそうでもない)、私の場合はお金を稼ぎながら自分で時間を見つけて勉強していましたので、そんなに簡単には事が運ぶわけないですね。当然、仕事をちゃんとこなした上で、自分で時間を見つけて周りに色々聞いてたので、常に新しい知識が身に着いたわけではありませんが、その限られた時間内で色々教えてもらってた分、その内容はかなり実用的なものだったと思うし、自分自身の疑問の解消という風に考えると、聞いた内容すべてが頭の中にインプットされています。NZにいた頃は、ワーホリという権利を使ってとにかく面白いことをし通そうという考えで生活していて、その補足に英語力のアップというのがありましたが、今回は技術として身に着けるべく英語力のアップということを考えて生活し、英語の奥深さを知ったので、

「そしたらNZで学んだ英語って何やったんやろう?
とたまに考えることがあります。


野球に例えると、守備練習のノックの打球とフリーバッテイングの打球とは、根本的にボールの伸びや回転が違うので、より実践的なものはどちらかと考えるともちろんフリーバッテイングの打球です。当然、ノックで基礎的なグラブさばき、体の使い方等を学ぶのも大事です。今回の私はフリーバッテイングによる守備練習しかしなかったですが、やはり基礎というのも大事ですね。仮に、相手の英語が聞けたとしても、その言葉の意味が分からなかったら文章を把握できない。だから、普段は会話をしたり、映画を見たりして、色んな表現や言葉をpick upして、家では実用的な表現、新しい単語の取得等基本的なことを勉強してました。実際に、「どういう事をしたか」など行動に関する会話などはほぼ違和感なく地元の人とできますが、問題は抽象的な会話です。日本語でも難しいのに。まだまだ私には訓練が必要です。

実際のこっちでの生活の柱は、仕事(生活の糧、英語の勉強)・映画(英語の勉強)・Web siteの編集(今までの旅が形として残ったのは大きい)で、主に自分のためだけに時間を使って(現実にそうはいかなかったが)、すごく充実した時を過ごせたような気がします。特に、日本にいる時は考えてもいなかったオリジナルのdomain nameのこのWeb siteができたことは、かなり自分の中では大きな功績です。日本に戻れば間違いなく編集する時間がなかったと思うし、将来的な出版も考えて今までの旅の最中にこつこつとまとめておいたのがこれに結びつきました。このカナダでの生活は、今までの旅が「動」なら今回は「静」です。その分、真新しい出来事はそう頻繁には起こらなかったですが、その分まとめた内容は密度の濃い今までとは少し違ったcriticalな内容だったと思います。特に、こちらから書いたtopicsに関しては、人に紹介する目的ではなく、「書きたい」という音楽家のような衝動に駆られ、実際に自分でテーマを考え、それについて自分の思っている言葉やフレーズを形にしまとめたものなので、逆に形となって自分で読んだ時に、改めて自問自答してる時なんかもありました。常に、自分が日本で築きあげてきた価値観とここで考えさせられた事柄とを比較していた分、今までのとは違ったさらにはっきりとした価値観が築きあげられたような気がします。これも、ここでの時間をできるだけ自分のためだけに使うということができたおかげでしょう。

半年も同じ所にいると知り合いもかなりできました(日本人の知り合いはほとんどいないですが)。特に、4年前に初めてネパールで出会い、日本で再会したルームメートのChrista & Davidとは、おそらく一生涯の友達となるでしょうし、彼らもそう思ってると思います。2人は、

「マナブ、我々のところを故郷にしていつでも帰ってきて。」
と言ってくれました。仕事仲間も本当に寂しがってくれ、何度もみんなに止められましたが仕方がないですね。supervisorには、

「マナブ、少し考え直してくれない。アメリカに行くのはいいけど、戻って来てくれない?」
と真剣に言われましたが、そのみんなの気持ちは本当に嬉しいですね。色々個々がプレゼントをくれたり、カメラを持ち出して写真をねだられたり、飲み会の誘い等ここ数日無茶苦茶忙しかったですが、これは嬉しい悲鳴です。

仕事は、レストラン(喫茶店兼レストランかな)でのbussingが主だったので、肉体的には辛い時もありましたが、今までやってきた他の辛さに比べればたいしたことなかったです。Christa & Davidは私の人間性、仕事仲間は私の労働力に対してかなり高い評価をしてくれています。その評価が全然気にならないと言ったら嘘になりましたが、今までの私の仕事の経験、日本や世界中の旅先での様々な経験のおかげで、私自身人の評価はほとんど気にならなくなりました。人が自分のことをどう思ってるかほとんど気にならない。良い様に思ってるか、悪い様に思ってるかは人次第ですし、その評価にいちいち合わしていたら本当の自分がいなくなってしまいます。今大事なのは、他人の評価よりも自分自身の満足感ですね。自分が満足しなければ嬉しくない。それは、どの分野に対しても同じ考えで、そう考えることによって、自分の中で常に高いレベルを目指すようにしてます。仕事に関しては、与えられた仕事をちゃんとこなすのではなく、周りも含め仕事全体として完璧にこなすということをここ数年念頭においてますので、結果的に周りの仲間からの評価が高くなるのは当然ですね。そう考えると、公務員的・社会主義的な契約で働かさられてる環境は、正直私にはレベルが低すぎます。つまり、その時点の生活・待遇に満足して、向上しようとする気がない環境では、自分自身も堕落してしまいます。ここでは、「もっと高いレベルで仕事がしたい」と常に考えてました。今度は、もっともっと国際的な(人間の質の)高いレベルの中で仕事をしてみたいですね。

正直、今の環境でも賃金は当然安いですが、それでもお金を貯めながら、英語を勉強して、映画を見て、充実した生活ができます。しかし、バンクーバーでの生活はあくまでもアメリカに行く前のリハビリという風に考えていたので、もう十分ですね。少し長すぎたかもしれないし、しばらくぬるま湯に浸かっていたので、また新しい刺激が欲しくなりました。このままアメリカに下ってもいいのですが、ゼロからここでの生活を送ってきた分、正直少し疲れました。今のmotivationでは、仮にいい結果が残せなくても言い訳になりそうなので、少しrefreshします。どういう気晴らしをするか考えた時に、たまたま昨年のクリスマスプレゼントにChrista & Davidからユーコーンとアラスカの本をもらったのを思い出し、そして「折角やからアラスカに行ってみるか」という単純な発想が起こり、アラスカに向かうことにしました。ここにいる旅行者は、モントリオール方面の東に行く傾向がありますが、私は人がやることは嫌いなので北に向かいます。ひたすら、大陸の一番北端に向かってヒッチ。そして、北極海で泳ぐ、白夜を経験する、ドーサンシティでカジノに行く、ユーコン川のほとりでテントを張って寝る、できればエスキモーに会ってくる・・・。アメリカは何と言っても拳銃の王国。だから、今回はヒッチも少し気をつけないといけません。その辺は少し慎重になってます。周りもかなり心配してくれてます。まあ、あとは運に任せます。

さて、長々とくだらないことを書きましたが、カナダの報告はこれで最後になると思います。尚、アラスカへの道中はパソコンは持っていきませんので、このweb siteupgradeはしません。時々、internet cafee-mailをチェックしますので、しばらくは何かありましたら、

manabu1218@hotmail.com

に連絡下さい(できれば英語で)。アラスカの後は一旦ここに戻って荷物を取りに来て、すぐにサンフランシスコに飛びます。アラスカからいつここに戻るかは見当がつきません。なんせ、カナダの大きさをまだ把握していないし、地図もまだ見ていないので、これから道中で検討します。大陸の北端に行ってここに戻るのに最低1ヶ月はかかると思いますが。

では、今度はアメリカで会いましょう。

私にすっかりなついた小犬のフランキーと別れるのはかなり寂しい
まだバスのストが続くVancouverより愛を込めて
3/6/2001
Manabu Kato




Monthly Topics in Jun(6月号)
Written in Vancouver, 3/6/2001


「今月のお勧め映画 vol. 5


これから夏に向けて見たい映画が続々と公開されるが、しばらく見られないと思うとかなり寂しい。ここを出る直前まで、時間がある時はここぞとばかりにsecond runもふまえて映画を見まくった。また機会があったら私が実際見たおすすめ映画を紹介する。

"15 minutes" (おすすめ度・・・・)
Robert Deniro, Edward Burns
ロバート・デニーロ扮する警官が、人を殺したところをビデオに撮るいかれた2人組を追うが、逆にその2人に捕らえられ、自分が殺されるところをビデオに撮られてしまう。そして、そのビデオが全国に放送される羽目になる。映画自体ハラハラドキドキの連続で、さすがはロバート・デニーロで、役者としての貫禄があり、見ている側としては安心できた。日本でも今公開されてると思うが、見ても損はしない映画。


"Angel Eyes" (おすすめ度・・・・)
Jennifer Lopez, Jim Caviezel
私の好きなJennifer Lopezが主演ということでこの映画を見に行った。シカゴ警察官に扮するJennifer Lopezはある日、追いかけてた犯人に殺されそうになるのを、不思議な青年に助けられる。それから2人のlove storyが始まるのだが、彼の身元は全く分からず、彼自身記憶喪失であることが分かる。そして、1年前の交通事故に居合わせた彼女は、彼がその時の被害者であることを知り、彼には妻と子供がいたことも分かる。前作のJennifer Lopez主演の"Wedding Planner"よりは出来が良かったかな。マスコミからの評価も悪くないし。Jennifer Lopezは本当にかわいい。映画自体も悪くない。お勧め。


"Shrek" (おすすめ度・・・・・)
Mike Myers, Eddie Murphy, Cameron Diaz, John Lithcow
こっちで大評判のCG映画で、主役のShrekの吹き替えをMike Myers、ロバをEddie Murphy、お姫様をCameron Diaz、王様をJohn Lithcowが担当するお伽話的な映画。王様からお姫様の救出を命じられた嫌われ者の怪物Shrekは、ロバと共にお姫様の救出に成功するが、やがてそのお姫様に恋してしまう。正直な感想、絶対見るべし。本物そっくりによーくできたCG映画で、それぞれのキャラの動きや風景にはまじで脱帽だ。要所要所での細かな演出も見事なもので、さすがハリウッドと思わせられる。ロバがまたいい味出してる。私の好きなCameron Diaz扮するお姫様もOK。英語も簡単でわかりやすい。公開前からかなりの評判で、実際公開後の人々の反応もいい。日本でも間違いなく公開される。絶対見るべし。


"Almost Famous" (おすすめ度・・・・・)
Billy Crudup, Frances Mcdormand, Kate Hudson
前から見たかった映画で、second runで放映されたので見に行った。1970年前半、ロックンロールに憧れる自称ジャーナリストの15歳の青年が、ひょんな事からあるバンドの全米ツアーに参加することになる。そして、そのツアーでの様々な出来事を描いた映画。今年のオスカーの助演女優賞候補になったFrances McdormandKate Hudsonは、その評判通りいい演技をしてた。特に、Kate Hudsonはデビュー3年目21歳という若さであの演技力は大したもんだ。何とも言えないいい間(ま)を持ってる。将来いい役者になると思う。映画自体も心温まるいい映画だった。おすすめ。


"Pearl Harbor" (おすすめ度・・・・・)
下記参照



「日本料理小鉢系を中心としたparty その2


今回のこのpartyのきっかけは、ずっと前に私と同じ職場のマリー(フランス)が、私が日本料理を御馳走する代わりに、マリーがクレープを作るという交換条件をしたことから始まり、私の出発日が近くなったある日、

「マナブ、寿司はどうなったのよ?いつ作ってくれるの?
と何を血迷ったか突然彼女は思い出し、そしてpartyをすることになった。いざ、partyをするとなったら、マリーは大喜びで、職場に張り紙をして参加者を募り、結局Christa側が6人、職場側が10人となった。当然、料理人は今回は私一人。特に、キム、クリスタ、デイヴィットは正月、前回、今回と3度の出席なのでmenuのことも考えなあかん。リアンも前回、今回と出席。職場側は全員初めてで、今回も家庭料理中心に献立を考え、今までとなるべくダブらないような味付け、装飾、工夫を凝らして以下のようなmenuに決定した。

大皿系

材料

備考

寿司(Main Dish, にぎり、巻き、ちらし)

にぎり・・・トロ、サーモン、タイ、だし巻き

巻き・・・キュウリ、アボガド、ツナ、カニ

ちらし・・・ニンジン、ゴボウ、椎茸

酢飯

にぎりのネタ探しに苦労して結局左記のものとなった。巻きは、アボガドベースのソースにキュウリを混ぜたものと、ツナ、カニにマヨネーズを混ぜたものの3種類を作った。ちらしは、あらかじめニンジン、ゴボウ、椎茸を煮込んで具を作っておいた。

あんかけやきそば

そば、ニンジン、ゴボウ、椎茸、もやし

そばを軽く塩・コショウで炒め、たれは野菜を昆布出しで煮込み、塩・コショウで整え、純和風にした。

テリヤキチキン

チキン

チキンを酒・醤油汁に浸け、照りたれはみりん・醤油・砂糖で作った。

お好み焼き

キャベツ、ツナ、カニ、小麦粉

vegeのことも考え、肉なしの具にして、昆布出しに小麦粉、具を混ぜ、今回は大阪風(正月は広島風にした)にし、仕上げはもちろんおたふくソース、マヨネーズ、かつお節を使った。

水餃子

皮、魚肉、セロリ、ニンジン

魚肉に微塵切りしたセロリ、ニンジンを混ぜ、たれは酢・醤油・ごま油・白ごまで作った。

マーボ−豆腐

挽肉、ニンニク、豆腐、トウバンジャン

ニンニクと挽肉を炒め、砂糖・醤油・トウバンジャンで味付けし、表面を揚げた豆腐を混ぜた。

あら汁

鮭のあら、マッシュルーム

鮭のあらでだしを取った汁を塩・醤油で整え、マッシュルームを加えた。




小鉢系

材料

備考

柳川鍋

ニラ、ニンジン、ゴボウ、椎茸、生姜、卵

野菜のみを柳川鍋風に砂糖・醤油・酒・ほんだし・みりんで煮込み、とき卵を乗せた。

揚げ出し豆腐

豆腐、片栗粉

片栗粉をまぶした豆腐をごま油で炒め、たれはほんだし・酒・みりん・醤油・砂糖で作った。

ほうれん草のお浸し

ほうれん草、かつお節

茹でたほうれん草にかつお節をかけ、醤油で味付けした。

きんぴら

ニンジン、ゴボウ、白ご

ニンジン、ゴボウを醤油とみりんで炒め、白ごまをかけた。

酢の物

キュウリ

塩もみしたキュウリを酢・砂糖で整えた。

大根の煮物

大根

大根をおでん風味の薄い味付けで煮込み、特製の味噌に浸けた。



















結果は正月、前回同様、大好評。キムはお好み焼きの大ファン。お好み焼きを私自身"Japanese Pizza"とみんなに紹介し、これはみんな絶賛。前回も踏まえて、意外にきんぴらが人気があった。揚げ出し豆腐、テリヤキは認知度も高い。ドナは、柳川鍋をかなり気に入ったみたいで作り方を教えろとうるさかった。大根の煮物と味噌は今回も大ヒット。焼きではなく、水餃子にしたのも正解。酢・醤油も好評。あら汁は、まずまずだったが、今回は少々魚臭かったのが反省点。寿司は巻き方の講義も開き、私がにぎりを作ってるところをキムは写真を撮ってた。

Christa側と職場側でグループが分かれてしまったが、みんな料理には満足してた。トレバーは今まで食べられなかったものが食べられたと喜んでたし、マリーは日本料理は寿司だけしか知らなかったようで、今回で色々あることを知ったみたい。日本料理好きのアリシアも大満足し、party2週間近く経ってもまだこの時の話をしてる。いやー、今回はさすがに一人ですべてやったので疲れた。準備も、買い物も、仕込みも、後片付けも。自称料理人の私自身は反省ばかりだが、こんなにみんなに好評だったのは正直嬉しかったし、本当の意味での庶民的な日本料理を紹介できたことが何よりも自己満足だった。マリーのクレープもうまかったし。また世界のどこかでこの小鉢系を中心としたpartyを開いてみよう。それには、私自身も更に腕を磨かないと。
























「これは戦争映画?それとも恋愛映画?映画パール・ハーバーについて」


数日前、先週公開になった話題の映画「パール・ハーバー(日本語で真珠湾)」(日本では714日公開かな)を見てきた。これは日本軍の真珠湾攻撃に関する映画で、日本でもこの映画に対する批判が色々あると思うが、この映画に関して色々下記にまとめてみる。

"Pearl Harbor"
Ben Affleck, Josh Hartnett, Kate Beckinsale

story
幼なじみで親友のBen AffleckJosh Hartnettは、共にアメリカ軍隊に入り、ある日健康診断でBenは看護婦のKate Beckinsaleに心引かれ、そして2人は恋に陥る。しばらくして、Benにイングランド行きの命令が下り、その後彼が戦死したとの情報が入る。そして月日が流れ、今度はJoshKateが恋に陥るが、そこに戦死したはずのBenが生きて帰ってくる。そんな中、日本軍の真珠湾攻撃で多数のアメリカ兵士が犠牲になり、BenJoshを含め数名のアメリカ兵士にいわゆる東京への特攻命令が下る。

・バンクーバーのローカル紙"The Vancuver Sun"でのこの映画に対する批評
この映画の日本での放映方法について、様々なメディアが批評したが、そんな中ここの地元紙"The Vancuver Sun523日付)"での内容を以下に要約してみる。

「日本人用に新しい結末が作られる。日本ではこの映画を恋愛物と紹介してる。」

これは戦争映画なの?それとも恋愛物なの?それはどちら側にいるかによって異なってくる。

この夏最大のディズニー映画「パール・ハーバー」は日本では違った風にプロモーションされてるだけでなく、エンディングも変えられている。ドイツ用にもまたその結末が変えられているという。アメリカでの結末は、日本軍の真珠湾アメリカ艦隊への惨めな襲撃にアメリカ軍はどのように打ち勝ったかというKate Beckinsaleの語りで占められ、最後に"America Overcome"と締めくくられる。しかし、日本とドイツ向けにはこの部分はカットされ、つまりディズニーは特に日本を悪者にしようとしない。なぜなら、日本は巨大な映画市場で、映画「タイタニック」では全売り上げ(22500万ドル)の20%を日本で記録したからだ。実際、この映画監督のMichael Bayのディズニーの前作「アルマゲドン」は日本だけで11500万ドルの収益を記録した。

また、「パール・ハーバー」は予告編やポスターで、1941年の日本軍の真珠湾攻撃についてのこの戦争映画を恋愛物(第二次世界大戦を背景にした恋愛映画)として紹介してる。しかし、これは必要なアプローチである、と海外映画配給元のBuena Vista Internationalは語っている。

日本で公開される予告編では、日本軍幹部が真珠湾への奇襲攻撃を極秘で計画している場面や日の丸の鉢巻をしたパイロットが飛行機に乗り込む場面などはカットされている。しかし、恋愛物とするならこれらのカットシーンはやむを得ないが、我々の予告編ではカットするべきではない。なぜなら、日本軍は実際にその場にいるのだから。

さらに、Japan Timesの映画評論家は以下のように述べている。「もし利益を得たいなら、日本には戦争映画よりも恋愛物として売り込むべきだろう。つまり、海外映画配給元は正しい選択をした。日本では戦争映画としては売れない。もしそうしたら、誰も見に行かないだろう。見に来る人々は、カップルか10代の若い連中なのだから。」

・実際に映画を見た感想
はっきり言おう。これは間違いなく戦争映画だ。恋愛物と匂わせるのは全体の4分の1もなかったと思う。だから、逆に日本でこの映画をどうやって恋愛物として紹介するのか興味がある。カットされるシーンも多いだろうし。実際、映画自体3時間はあった。果たして、日本ではどれぐらいの放映時間になるのか。

映画の出来としては悪くない。公開週の売り上げもダントツ全米一位。特に、戦争場面はものすごいスケールだ。さすがアメリカって感じで、そのスケールは「タイタニック」以上かも知らんが、ただ正直ちょっとお金のかけ過ぎな気もする(制作費14500万ドル)。戦争シーンにもかなり時間を取ってたし(ちょっと長すぎ)。実際、Michal Bay作品は爆破シーンやアメリカ国旗を使い過ぎ。いかにも、「アメリカはいつも正しい」と言い張っているようだ。そのせいか、日本軍幹部が奇襲攻撃を密約してるシーンや日本軍に関するシーンは余りにも杜撰で、役者はJapanese-Americanということも影響してると思うがせりふは棒読み。せりふ自体も「おいおい、そんな表現使わんやろう。」と思わせるような教科書通りの言葉。見てて恥ずかしくなってきた(残念ながら日本ではカットされる)が、日本語が分からんこっちの人には字幕を読んでいるだけで特に問題ない。また、日本軍が本当に悪者のように描かれており、時代劇でいう悪代官そのものだった。

ここ最近、オスカーで「タイタニック」、「グラディエーター」と制作費がかなりかかっている作品がbest pictureに選ばれてるので、この作品も来年度のオスカー候補にノミネートされるかもしれないが、評論家からの評価は余り良くない。私自身、この評価は分かるような気もする。とにかく、「これでどうや。」ってぐらい次々と戦争シーンが出てきて、その戦争自体よりも、その製作技術を前面に出してるような気がした。それなら、まだ先日見た「マミー・リターンズ」のスケールの方がよかったかな(違った意味で)。あれにはまじで圧倒された。

また、真珠湾攻撃という日本軍が実際に行った行為に対して、アメリカ側からとらえたらこうなるのかなってこの映画を見ながら感じた。おそらく、「プラトーン」と同じように、映画自体かなりアメリカナイズされた脚色になっているとは思うが、それは「蛍の墓」や「はだしのゲン」でも同じ事だろう。ただ、私自身小学校の社会の時間で「真珠湾攻撃」という言葉しか習わなかったような気がするが、実際この映画を見て「真珠湾攻撃」という形を知ったような気がした(先にも述べたが客観的な真実とは異なるかもしれないが)。

日本では、この映画は恋愛物として紹介されるようだが、私自身の意見としてはこっちで流れたように戦争映画として流して欲しい気がする。しかし、映画をビジネスと捉えたり、表現の自由という権利を考慮した時に、この日本でのstrategyはなんとも致し方ない。ただ、事実をひん曲げて公開するのだけは止めてほしい。いくら表現の自由が保証されてるからと言って、公の場で嘘はあかん。我々の恥ずかしい過ちをはっきりと認識する勇気ってのは簡単なことに思えるが、なぜそう簡単にいかないのかは不思議だ(今問題になってる社会の教科書の改定も同じだろう)。

とにかく、日本でこの映画がどのように放映され、皆様がどのように感じるか是非感想を聞かせて頂きたい。

ちなみに、イギリスの女優Kate Beckinsaleは世間ではあまり知られていない27歳のオックスフォード大学出のエリート。無茶苦茶きれいな女優だ。「美しい」という言葉がぴったりの女優。「タイタニック」でKate Winsletが大ブレークしたように、同じKateKate Beckinsaleもこの映画で間違いなくブレークするだろう。



「私からroom mateへの最後の料理〜ミャンマーのラーメンモヒンガ〜」

昨年ミャンマーを旅してる時に、麺通の私はいわゆるミャンマーの麺料理モンデイトウ
モヒンガを各地で食べ、特にシポーの屋台のモヒンガはほぼ毎日食べ、その簡単なレシピを英語がほとんど話せない現地人から学び、私の舌がその味をほぼ覚えていた。そして、今回Christa & Davidへの私から最後の料理としてこれを彼らに作って挙げることにした。まずは簡単なレシピを下記に紹介しよう。

ベース・・・魚、大豆
1.魚(今回は鮭の頭)、大豆(3人分で500gほど)、ニンニク(たっぷり)、生姜(たっぷり)を弱火で2日ほど煮込む(今回はニラが余ってたので、それも微塵切りにして入れた)。

2.魚の臭い消しとうまみを付けるために、赤ワインと酒を注ぐ。

3.しばらく弱火で煮込んだ後、スープをこして、あとはバターとごま油、塩・コショウで整えるだけ。実際、現地ではどの脂分を使っていたのかは分からない。麺は個人の好み。

結果はまずまず。イメージしてた味らしく仕上がったが、もう少しこくがあっても良かったかもしれない。2人は満足して、残さず食べていた。それにしても、ここに来て色んな料理を2人に作って挙げた。日本料理好きの2人だからこそ、私も作ってあげたい気になり、そして私自身もすごく勉強になった。このモヒンガも少し変わった味ではあるが、ミャンマーで初めて食った時は衝撃を受けた。というのは、それ以外のミャンマー料理は脂っこく、はっきり言って不味かったからだ。2人には、

「これが最後の料理。」
とちゃんと念を押しておいた。またどこかでこれを誰かにつくって挙げよう。また私のレシピが増えた。



「色々な送別会、そしてありがとう」


出る直前まで様々な送別会を各自が私のために催してくれた。そのいくつかを紹介しよう。

その1 Christa & David
2人は海沿いにあるゲリコテニスクラブのパディオに私を招待してくれた。途中から、Christaの友人シェーン、そしてLee & Janも来てくれた。ここは海が目の前で、右手方向にはdowntownが見える絶好のlocation。あいにく曇り空ではあったが、周りは多くの人で賑わってた。我々は、ビールを飲みながら歓談し、そして各自好きな夕食をorderした。Christaはどうしてもここに私を連れて来たかったみたい。小ぢんまりとした小人数ではあったが、私はこういった小人数の方が好きだ。今回は、わざわざ私のためにみんなが時間を取ってくれたのだから感謝しないと。

その2 Lee & Jan
週末の日曜日、Lee & Janの親族のdinner、そして2人からの私への送別会を兼ねて、母屋に招待された。dinnerにはLeeの両親、Janのお母さん、JudyRaulaChrista & Davidそして私の10人。メニューはパエリア。おお、素晴らしいと言いたいところだが、みんな作り方を知らない。よって、Christaにいきなり、

「マナブ、今晩のパエリア作って。」
と言われた。おいおい、どないなってんねん。パエリアは先月子呼呂さんが作っていたのを横で見ていたので、作り方はほぼマスターしている。ただ、スープのだしの塩加減が心配だ。サフランは前のが残っているので、Christaと魚介類を少し買い足しに行った。そして、母屋に行ってみると、Leeが大量の鯛の切り身を買ってきており、

「マナブ、多いかな?
とそのすべてを私に差し出した。10人分のパエリアはフライパンでは作れない。よって、鍋で作ることにしたが、具に関しても各自好き嫌いがある。肉は食えん人もいるし。年寄りが多いので、余り味は濃くできない。一体、私は何をやっているのだ。今日は私の送別会ではなかったのか。そうこうしながら、私はエビ、ピーマンをそれぞれ軽く塩・コショウで炒め、musselを蒸して、スープはサフラン、タマネギ、エビ、musselの汁を使って、そして鍋にご飯を敷いて仕上げに入ったが、問題は大量の鯛の切り身。米の水加減をどれぐらいにすればいいのか。私の心配は的中し、出来上がりは少し米固めになってしまい、それからしばらくスープの残りを加え蒸らして何とか仕上げた。評判は無茶苦茶良かった。みんな残さずきれいに食べ、なんか無茶苦茶感謝された。しかし、一体どうなってるのだ。私の送別会はどうなったのだ。Janにも、

「私がマナブを見る時は、マナブはいつもなんか作ってる。」
と言われたし。デザートのケーキもうまかったし、みんなとも色々最後に話ができたし、彼らは本当にいい人達ばかりだ。こうやって母屋での夕食もこれで最後になると思うと無性に寂しかった。

その3 仕事仲間編
Vancouver最後の夜は仕事仲間との大宴会で幕を閉じた。downtownpubに入れ代り立ち代り30人以上は人が来たと思う。同じ仲間のブラジル人のGuiもここを出るとあって、うちのレギュラー人はほとんど集まったかもしれない。みんなとこうやって飲むのも最後だ。個々が贈り物をくれ、何人かが私宛てにメッセージを書いてくれた。私と同じシフトが多かったChrisは、

「今まで色んな人と働いてきたが、マナブほどすごい奴はいなかったよ。今までこんなスゴイ奴は見たことなかった。」
と誉めてくれ、他の連中も、

「マナブは今まで私が見た中でNo.1ね。」
「マナブほどすごい人は本当にいないよ。」
「お願いだから行かないで。」
「本当に行くの?いつでも帰ってきてよ。」
と数々の賛辞を贈ってくれたが、私は他人の評価はあまり気にならない。一番大事なのは自分自身が満足したかという事で、そういう点では今回のここでの仕事は合格点に達してないな。逆に、supervisorPamにここぞとばかりにうちの経営方針、ボスの人間性などをぶつけてみた。普段全く不満をたらさなかった私の言動にみんなビックリしてたが、Pamは納得してくれてた。私がここで働いた目的は、あくまでも英語力のアップなので、特に賃金やシフトのことにはこだわらなかった。むかつくことも常にあったが、英語を教えてもらうという姿勢が常にあったので、それには我慢できた。しかし、managementというbusiness的な視野や、私がボスの立場になって従業員を見た時には、かなりの矛盾・絶望感があったので、絶対最後にPamにこのことを言おうと思っていて、今回本人に直接打ち明けて私も満足した。

帰り際にみんなとお別れをし、特に女性陣から愛情のこもったhugをされるとさすがにジーンと来た。これからはe-mailでのやりとりとなるだろう。ありがとう。