これが本当の最終回 (!?)
全国12億人の加藤学ファンの皆様

「寂しさゆらゆら、夢破れゆらゆら〜”夢破れて” by 長渕剛〜」
Written in Berkeley, Colifornia, 3/9/2001




皆様、こんにちは。この夏日本は猛暑、台風と大変だっとこと思います。それに比べて、カリフォルニアの夏は最高ですね。雨は降らないし、それほど暑くもないし。日中は暑くなりますが、からっとしてて北海道の夏のようです。朝晩は寒く、特にサンフランシスコの夜は寒い日が多かったです。では、カリフォルニアに来てサンフランシスコを出てからのこの1ヶ月を起承転結風に書いてみましょう。



・・・映画の都ハリウッド、そして国境の町サンディエゴへ・・・


サンフランシスコからは、バスでロスに向かいました(8時間ほど)。ロスのグレハンのバス停は、噂に聞く怪しいところにあります。そこから安宿が多くあるハリウッドへバス、電車に乗って向かいました。ロスは噂通り危ない町です。毎晩パトカーの音を耳にしたし、現に毎日犯罪は起きてます。ロスは車社会なので、にぎやかな通りを外れると昼でも人が歩いてません。夜になると、ほんと人影は見当たらなくなります。一緒の部屋になったナイジェリア人の学生は、

「ナイジェリアは本当に危ない国です。観光化されていないので、旅行者が泊まれるところも少ないし、テロも多いし、警察も平気で不祥事を起します。しかし、ロスも危ないところですね。ナイジェリア人の僕でも夜は歩きたくないですね。」
と言ってました。ロスのdowntownに比べれば、ハリウッドは安全な方でしょう。観光客も多いし結構整備されてます。安宿も多いし、何と言ってもここは映画一色です。Chinese Theater前ではハリウッドスター達の手形と足形があり、それを見に連日人でいっぱいです。スター宅訪問ツアーもあり、またハリウッドでは頻繁に町中でロケはやってるし、何かの集まりの時は、その周辺は交通規制され歩道には赤いジュウタンが敷かれ、高級車に乗ったスター達が姿を現すと一斉にフラッシュの山です。その周りはもちろん人だかりですが、私にとっては大迷惑でした。みやげ物ではスターの生写真が売られてるし、ハリウッドスターの家の場所が書かれた地図なんかもありました。私自身映画は好きですが、個人的に映画俳優に会いたいとも思わない。というのは、仮に彼らに会ってその人間性が見えると、これからその人の映画を見られなくなるかもしれないからです。野球選手もそうで、仮に巨人の選手と会って好印象を受ければ、今度はその選手をやじりにくくなる。テレビに出てる人はテレビで見てるだけの方が気楽です。



ハリウッドでも日曜日の朝にfarmer's marketがありましたが、とにかくカリフォルニアの野菜の品数と質を見て欲しいぐらいです。本当にすごいですよ。日本なんて比じゃないと思うし、アメリカの食生活はどうしてもjunk系をイメージされがちですが、カリフォルニアの野菜に関しては脱帽ですね。本当においしいし、有機系の野菜もつやがよく味が非常にいい。このfarmer's marketも試食ができるのですが、それだけでもこの市場は楽しめます。

ロスの後はサンディエゴに向かいましたが、さすがはメキシコとの国境の町で、町全体がどことなくラテン系でした。サンフランシスコは真夏でも日中は25もいかないぐらい涼しく、朝晩はかなり冷えます。ロスは比較的暑かったですが、それでも朝晩は肌寒く、サンディエゴも同じような気候でした。

サンディエゴ、ロス、サンフランシスコを比較すると、私はサンディエゴが一番居心地よかったです。サンフランシスコは気候は最高ですが坂が多いし、ロスはでかいし治安は悪いし、サンディエゴも大きな都市ですが、どことなく落ち着きがあってきれいな町です。町中は平坦ですし。確かにここも車社会ですが、公共の交通網もそれなりに発達してます。

アメリカの車社会のことは聞いてはいましたが、実際体験するとすごいもので、Freewayなんて片側6車線が当たり前です。地球温暖化防止の京都会議で、アメリカのブッシュ大統領が議定書のサインを拒否したのは、一概に否定できません。仮にこの交通網を規制するとなると、アメリカ国民が納得しないし、社会全体がパニックになるでしょう。結局は、周りよりも自分を取るわがままな考えによるものですけどね。

もちろん泊まるのは安宿ですが、はっきり言います。アメリカの安宿は最悪です。それはきれいとか汚いの問題でなくマネージメントです。各安宿がいわゆるexchangeを募集してます。つまり居候ですね。彼らは時間単位で仕事をしてるので、仮にある時間に予約を入れても、次の担当の人への伝達がうまくできていない。働いてる連中は本当にいい加減で、自分の与えられた時間をいい加減にこなし、彼らのほとんどはお金をセーブするために働いてるだけで、それでなくてもアメリカの旅行者の質は悪いのに、そんな連中が仕事をすると最悪です。掃除もいい加減で、私は何度も切れましたが、私のように怒りまくってる連中が結構いました。自分達のミスでover bookingをしても謝ることなく、

「他に行ってくれ。」
で終わりです。私は宿のマネージメントを長い間していたので、その杜撰な仕事ぶりは我慢できなかったです。本当に頭に来たし、こんな連中を雇ってるオーナーの顔が見たかった。彼らは働いてくれる人がいるだけで、特にどんな連中であろうが関係ありません。コンビニと一緒で、アルバイトがいないと安宿はやっていけません。

それと、アメリカを旅行してる日本人バックパッカーもひどいものでした(vol. 139)。



・・野球観戦、映画、飲み屋・・・


もちろん目的は仕事探しですが、その合間を見ては大リーグを見に行ってました(vol. 132,135, 136, 138)。アメリカのプロスポーツは庶民にすっかり溶け込んでます。日本でいうプロ野球以上に大リーグは国民的なスポーツです。他にも、これから本格的に始まるNFL(アメリカンフットボール)、さらにNBA(バスケットボール)、NHL(アイスホッケー)などがあります。もちろん、私自身野球をしてたので、大リーグは一度は生で見たいという願望はありましたが、一度こっちでプロスポーツを見るとやみつきになります。それは、スポーツというよりもエンターテイメントですね。

ハリウッドの映画産業も、国民的な娯楽で、映画に関しての国民の関心はインド以上かもしれません。私が映画を見るのは、何度も言ってますが英語力の上達というのが一番の目的です。自分の英語力はまだまだで、アメリカを旅行してる日本人の中では私の英語力はかなり高い方ですが、実際こっちで住んでいる日本人の中に入ると最低レベルです。1年やそこらで英語力が上達するわけないし、更なる上達のために私も努力しなければいけませんし、あくまでも私の最終目標はnative並みの英語力なので、そういう意味では私の英語は発展途上です。

私は途上国を旅してる時は、町が変われば必ず市場に行ってましたが、先進国の場合は特に小さな町では飲み屋に行くことにしてます。そこでは地元民と触れ合えます。日本人は海外の飲み屋に行くのにかなりの抵抗があるみたいですが、私の場合は日本の居酒屋に行く感覚で行ってました。ただ、アメリカの飲み屋は必ずと言っていいほど身分証明書の提示を義務づけられます。お酒を買う時もそうで、アメリカでのIDを持っていない私は、常にパスポートを持たないといけない。正直、飲み屋にパスポートを持っていくのは嫌だったので、酒屋でビールを買って宿で飲んでることもありました。アメリカのビールは、バドワイザーに象徴されるようにライト系のまずいビールがほとんどと思ってましたが、酒屋に行くと色々な種類があるのに驚かされます。ビール好きの私にはたまらなかったですね。毎日違うビールを飲んでは味をチェックしてました。



大リーグ、映画、飲み屋を通じて、アメリカ人の国民性を少しだけですが理解できたような気がするし、スーパーにある品々、それを買う人々を見てるだけでも、その食生活が垣間見ることができます。



・・・仕事探しの毎日・・・



今回アメリカに来た目的は、もちろん仕事探しですが、私はinternetと新聞を使って探すことにしました。NZでは適当にinternet cafeに行って、私のlap topを繋がせてくれと交渉したら繋がせてくれましたが、アメリカではinternet cafe、図書館とも断られました。だから、仕方なく毎日図書館で順番を待ってパソコンを使いながら仕事探ししてました。

ロスにいる時は、朝はハリウッドの図書館へ行ってました。ここには20台ほどパソコンがあって、30分交代で予約して使えます。ハリウッドは観光地で安宿も多いのと、あと今の旅行者はほとんどの人がe-mail accountを持っているのとで、毎日旅行者がここを訪れます。しかし、その数は全体の半分もいかないと思います。図書館でパソコンを使うほとんどの人は私と同じように仕事を探しています。だから、安宿には2ヶ月、3ヶ月と滞在している人が多くいるし、一度宿の人に、

「仕事を探すなら2ヶ月はかかるよ。」
と言われたことがありました。その中には、アメリカ人もいますがほとんどが外国人ですね。ヒスパニック系の人やヨーロッパ人。アメリカはあらかじめ労働ビザを取るのがほぼ不可能です。だから、私のように人は企業からのサポートを探してます。一時的な仕事をしてる外国人はもちろんビザを持ってません。いわゆる最低賃金の仕事は簡単に見つかります。もちろん、雇い主も我々がビザを持ってないのは暗黙の了解です。私がいた安宿のアルゼンチン人は既に不法滞在で祖国には帰れないと言ってました。それでも彼は仕事を探し続けてました。

昼からは、リトル東京の図書館に行ってました。ここはdowntownの外れにある日本人街ですが(vol. 133)、もちろん普通なら私はこういったところには来ませんが、ここの図書館のパソコンはスピードが速いし、何と言っても日本の「朝日新聞」、「読売新聞」がreal timeで見られます。雑誌も置いてあるし、このリトル東京ではサンスポと特約したスポーツ新聞が無料で配られてます。だから、パソコンの待ち時間は、いつも新聞に目を通してました。おかげで、最近の日本の情勢はほぼ把握してます。

サンディエゴにいる時も、毎日図書館に通ってました。ここの図書館は一人11時間使えます。ただ、ハリウッドよりも断然利用者が多く、前日、朝早くに予約をしないとその日は使えません。ここにも20台近くパソコンがあり、その大半の人々は仕事探しです。



・・・行き詰まり・・・ 



パソコンを使って仕事探しをするなら、同じ所にいてじっとしているのがいいと思われるかもしれないですが、色んな所に行って色々な人と触れ合うことによって、新しい情報を得ることができます。町が変わればその町の雇用に関する新聞、情報もあるし。ドミには私を入れていつも6人近くいますが、お互いのことを話すと、知ってる限りでお互い助け合ったりします。何気なく入ったお店で、店の人と話す機会があったりします。私は色々アドバイスをもらって、自分なりに考えて色んな仕事にapplyしてみましたが、やはり問題はビザ問題です。したい仕事があっても、所詮私は一外国人労働者なので、会社側からもそう見られます。全米の人材派遣会社にも登録しましたが、その対象はアメリカ人、こっちでの労働ビザを持ってるということが前提です。短期の仕事や、人材派遣会社からいくつかofferをもらいましたが、自分がしたい仕事ではなく、仕事なら何でもいいってわけにはいかないし、ある程度譲れないラインというのが自分にはあるので、それらのofferには返事しませんでした。それらにビザサポートが含まれていなかったのも理由の一つです。失業率が高いアメリカで、一外国人である私は、仕事を選んでる身分でないことは承知ですが、どうしても納得できない部分がいつも自分の中にありました。

そんな中、リトル東京で、いかにもマダムというおばさんから、

「ビザなんて簡単に取れるよ。要は、いい弁護士を見つけてお金を払うだけ。紹介してあげようか。」
と言われた時はショックで、少しカナダの雇用のことも聞こうとバンクーバーの職業斡旋会社に問い合わせたら、予想通り厳しい言葉が返ってきたのですが、最後に同じような事が言われ、

「いい人知ってるから手続き取りましょうか。」
とお金の問題を口にされました。

「やっぱり、世の中お金なんや。」
と改めて痛感したし、金を持ってる者が最後には勝つのか、と思うと少し悲しくなってきました。



・・・夢破れて・・・



それと、一番大事なことにも気づきました。それは、アメリカ社会は日本社会とは全く異なるということです。頭では分かっていましたが、自分の土台は日本社会なので、どうしても理解しづらい部分がありましたが、実際アメリカで仕事探しをしていくうちに、アメリカ社会が何を求めてるかっていうのが分かりました。

大リーガーのトレードが頻繁であるように、アメリカ社会は転職するのが日常です。日本のプロ野球なら、トレードはいわゆる左遷と考えられがちですが、大リーグの場合は戦力強化のためにトレードが行われ、トレードで移った選手は次の球団で即戦力として使われるケースが多いです。今年を例に挙げて言うと、7月末にレンジャーズからジャイアンツに移ったガララーガ、ツインズからメッツに移ったロートンのように(エキスポスに移った大家もそうです)。日本社会はどうしても就職してしまうと終身雇用いうのが普通と考えられますがアメリカは異なります。つまり、契約制で、「何年契約でこういった仕事ができる人を探してる」、「どういう事ができるか」、「どういった実績があるか」、で人を採用し、日本のように新卒採用というよりも、「他で経験を積んでうちに来て下さい。」といった雇用体系を敷いているところが多いです。

NZorchardでは「No.1 picker」と評価され、礼文では「ヘルパーの鏡」、東京で外回りしてる時は「困った時は加藤君」、Vancouverでは「マナブほどすごい人間は見たことがない」と国問わず、各地で皆様から多大な評価を頂き、とにかく仕事を与えてもらって一所懸命やれば何とでもなるという考えが自分自身に存在し、その気持ちでアメリカに乗り込んできましたが、結局は自分の考えの甘さを痛感しました。色々な経験、それによる自信は付きましたが、要は自分には実績がない。自分の今までの学歴や自分の経験、実績、技術なんて単なる自己満足に過ぎません。それ程アメリカ社会は甘くない。ビザ問題も自分に実績さえあればアメリカ社会も私を受け入れてくれるはずです。

大学院を卒業する時に、研究室の教授に、

「君みたいに何やらしてもできる人間ほど心配だ。何でもできるから結局どっちつかずになる。」
と言われましたが、全くその通りですね。今までどんな仕事をしても、その都度みんなに評価され、するとどんな事でもしたくなってきました。当然、それらから得られた経験や技術は自分には財産ですが、自分の中では専攻分野というのがありますが、その分野だけ見れば私は平凡なものです。つまり、ノルディクスキーの複合競技や十種競技といっしょですね。すべてを総合すればまずまずですが、結局あなたは何なのってとこでしょう。いやー、久しぶりに「敗北感」を味わいました。こんなに悔しくて、どうしようもない気持ちになったのも久しぶりですね。

一度は息詰まった時に、
「そしたら今までやってきたのは何やったんやろう。」
と腐りかけた時もありましたが、私は今までの辛い経験で精神的にもたくましくなったのか、

「そっか、またアメリカに戻って来たらええんや。」
と気持ちを切り替え、そのための課題が明確になったのでもう一度日本に帰ってからの再スタートです。正直、これほどまで日本に帰りたくないと思ったことはないし、日本に帰るつもりでいなかったので少々戸惑ってます。バックパックとスーツケースをこっちに持って来て、バンクーバーで一緒に住んでいたクリスタ、デイヴィッドに、

「もうカナダには戻ることないと思うから、荷物は全部持って行く。」
と言って来たのに、結局は日本に帰るために再びバンクーバーに戻ることになって少し恥ずかしいですね。いやー、生きていくってのは本当に大変なことです。今日生きれるか死ぬかという世界で住んでる人々に比べれば、私なんてまだまだ坊ちゃんですが。なんせ探せば仕事はあるし、選ぶ権利があるのですから。とにかく、一から出直しです。




さて、長々と書いてきましたが、この"History of Traveling"は今回で最後になると思います。引退宣言をしたプロレスラーのように、すぐに復活したいのですが、もう旅をすることはないと思うので、これで終わりになると思います。最後に沖縄を原チャリで回る夢がありますが、もしそれを達成できる時がありましたらまた書いてみます。

「もう旅はやらない。」
と同じ旅仲間のクリスタに言ったら、

「そんな寂しいことは言わないで。旅してないマナブなんて想像できない。」
と嘆かれました。1997年からここまでずっと書いてきたこの記録は、日本に帰るに当たってどこかの出版社にapplyしてみます。出版できればいいですね。今度は仕事で世界を飛びまわって、世界各地の農業事情、国情勢でも書いてみたいです。

では、またどこかで会いましょう。さようなら。

P.S.
私のこのWebに、日本各地の学生もアクセスしてくれてるようですが、旅はあくまでも自分で作るものです。私の旅を真似るのではなく、情報を参考にするだけにして下さい。あと、マスコミ関係の方もアクセスしてるようですが、ネタはぱくらないように。

3/Sep/2001
バンクーバーに戻る前に再びシアトルに寄ってみよう
少し肌寒いバークレーから愛を込めて
Manabu Kato












「今月のお勧め映画 vol. 7

今回で映画情報は最終回。私もできるかぎりこっちで映画を見ていくつもり。

"Rush Hour 2" (おすすめ度・・・・)
数年前に放映された"Rush Hour"の続編。休暇で来たはずの香港でジャッキーとクリスは事件に巻き込まれ、香港、ロス、ラスベガスと舞台は移る。アメリカでは放映されてからの3日間の売り上げはダントツ一位の6700万ドルで、人々の評判もかなりいい。アメリカ映画は拳銃での撃ち合いが日常茶飯事だが、Jackie Chan映画のアクションはあくまでのカンフースタイル。これがこっちの人々には新鮮なのか、アクションシーンが来ると客は大喜び。Jackie Chanの映画は笑いも入るし。Chris Tuckerは前作同様いい味を出してるし、将来彼はエディ・マーフィーのような役者になるだろう。今回は何といっても"Crouching Tiger Hidden Dragon"Zhang Zi Yiが出てる。彼女に対する評価はかなりのもの(私も彼女が大好き)。ちなみに、彼女は元々中国の役者だが、本格的にハリウッド進出を決めたのか、今はNYで英語学校に行ってるらしい。この映画はお勧め。腹から笑える。

"Rat Race" (おすすめ度・・・・)
ラスベガスのあるカジノのオーナーが、スロットマシンで金のコインを手に入れた6組に賞金200万ドルを取りに行くレースをさせる。そして、各自が様々な方法でゴール地点を目指すレースが始まる。なかなか面白かった。最終的に誰が勝つのかなと最後まで分からなかったが、こういうオチかっていう結末で予想はつかなかった。かなり笑える映画だが、日本では公開されないかもしれない。

"The Princess Diaries" (おすすめ度・・・・)
サンフランシスコに住む平凡な女子高生が、ある王国の王位相続権がある事が分かり、このまま平凡な女子高生で行くか、プリンセスになるかを迫られる。そして、プリンセスになることを決めた彼女に、皇族にふさわしい教育が始まる。私はこの映画をハリウッドで見たのだが、舞台がサンフランシスコの町中で見てて非常に懐かしかった。映画も面白かった。

"American Pie U" (おすすめ度・・・)
前回に続く第2弾。大学生になったあの野郎達のその後のgirl huntingを描く。個人的な意見としては前作の方が面白かったかな。今回ももちろん笑いありで面白かったがまずまずかな。

"Jurassic Park V" (おすすめ度・・・)
シリーズ第3弾。行方不明になった息子を捜すために、学者を巻き込んでその捜査に出るが、そこで恐竜達に遭遇する。もちろんCGを使った映画であるが、CG映画は内容よりもその技術にいつも感心させられる。こっちでも話題になったし、日本でもかなり話題になったと思う。

"A.I." (おすすめ度・・・)
スピルバーグ監督の作品で、病にかかった息子の代わりにロボット少年を受け入れることになった夫婦であるが、その息子が帰ってきて、トラブルを起し始めたロボットは捨てられることになる。捨てられたロボット少年は本当の人間になるために、ピノキオに出てくる妖精に会いに行く旅に出る。これもCG映画。それにしても、このロボットを演じた少年の演技はいつ見ても感心させられる。日本でも既に公開されたと思うが、内容的には私にはいまいちだった。結局何が言いたかったのか。技術面はすごいと思う。



MLB(メジャーリーグ)観戦記その4Los Angels Dogers編〜」

ロスと言えば、そうドジャース。野球少年だった私は試合を見に行かないわけにはいかない。ドジャースの本拠地Dodgers stadiumは、はっきり言おう、今まで私が野球を見た球場の中で交通のアクセスは最悪だ。私がvisitor centerで行き方を聞いた時も、

「タクシーで行った方がいいぞ。」
と言われたぐらいだ。ロスは車社会なので、車でのアクセスは問題ない。というか、車でのアクセスを中心に考えられてる球場と言った方がいいかもしれない。球場の入口には高速道路並みの車用のゲートがあり、球場の周りの駐車場の広さは半端じゃない。これだけの敷地を用意するのは町中では無理なのか、球場は町外れの高台にある。と言っても、車ならdowntownから10分ぐらいであろう。バスで行くとしたら、Broadwayから2,3,4番のバスに乗って、Sunset Blvd.Elysian Park Ave.とのT字路で下車し、そこからElysian Park Ave.の坂を15分ほど歩く。しかし、ナイターの場合帰りのバスはないかもしれないし、夜はバスがなかなか来ない。夜のロスの一人歩きは危険なので、その辺のところは肝に銘じた方がいい。ハリウッドからなら、Sunset Blvdから2,3番のバスに乗って後は同じ。帰りは比較的ハリウッド方面にはバスは通る。とにかく、アクセスは最悪。最終のバスの時刻は必ず確認しておいた方がいい。

球場自体はかなり広い。バックネット裏は4階席まであるし、今までの球場に比べると外野席もかなりある。客層は圧倒的にヒスパニック系の人々が多いが、マナーは悪い。ブーイングも多いし。そのせいか、警備員の数も他の球場に比べて圧倒的に多かった。

私が見に行ったのは、84,5日のChicago Cubs戦。そう、もちろん私のお目当てはCubsのサミー・ソーサだ。ソーサの名前は野球に興味がない日本人でも聞いたことはあると思う。1998年にマグワイアーとし烈なホームラン争いをした選手。今年はボンズの陰に隠れてそれ程目立たないが、ホームラン数も相変わらず多いし、打率もよくしっかり仕事をしている。

私が見に行ったのは週末とあってかなりのお客さんがいた。4日は外野のチケットが取れず内野3塁側の3階、5日はレフトスタンドからの観戦。4日はデイゲームで、そうなるとかなり暑かった。今まで見た試合は涼しかったし、時には寒い中の観戦だったのでフリースを着て震えながら見てたが、今回は暑くて暑くて。甲子園で夏の高校野球を見てるようだった。




私は基本的にhome teamを応援するので、今回も一応はDodgersの応援だったが、ソーサの時はソーサの応援をしてた。Dodgersに野茂がいる時なら野茂を応援してたが、野茂がいた時のメンバーはほとんど他に行ってしまった。ピアザもメッツに行ったし。そんな中、私のお目当ての選手はシェフィールドと朴だ。シェフィールドは数年前にDodgersにやって来て、彼の売りはもちろん長打力。朴は野茂がいる時代からずっとDodgersでがんばっていおり、今やDodgersのエースで稼ぎ頭。残念ながら、私が見た試合では朴は投げなかったが、彼は間違いなく韓国の英雄であろう。今年のオールスターでは、リプケンにホームランを打たれてしまったが、彼の投手としての能力はすばらしいし、何と言っても彼は三振が取れるピッチャーだ。

数年前に韓国オールスターが日本に来て、迎えうつ日本チームはなめてかかり、一流選手を引っ込めて戦うという無礼なことをしてぼこぼこに負けた。結局、シドニーオリンピックでも、韓国は全員プロということもあったが日本は勝てなかった。昔は巨人の新浦が巨人を首になって、韓国で野球を覚えて大洋に返ってきて活躍したように、日本で通じなくなった選手が韓国に行ってたが、今は韓国の選手が日本で活躍するぐらい韓国の野球のレベルは上がってる。日本はバレーではもう韓国に勝てないし、サッカーでも勝てない。私がやってたハンドボールでは天地の差があるぐらい韓国は強く、野球もしばらくしたら韓国に全く歯が立たない時代が来るかもしれない。ダイヤモンドバックスには下手投げの中継ぎから抑えで活躍してる金という投手がいるが、彼もすごくいい投手。タイプ的には巨人の斎藤かな。ストレートは速いし、カーブ、スライダーの切れもいい。日本人は韓国と聞くと少し見下す部分がどこかにあると思う。確かに、今の韓国は日本の影響を受け、日本の真似をしているかもしれないが、昔は日本は韓国から色々な技術を教わった。我々日本人は、韓国に対する考え方を本当に変えないと、いずれはどの分野でも抜かれることになるかもしれない。

さて、話は野球に戻して、試合はいきなり初回にDodgers先発バルドウィンからソーサが左中間にぶち込む(36号)。ソーサレベルの選手になると、客は敵であろうがブーイングと拍手の両方の声援に分かれる。さすがはソーサだ。その裏、Dodgersも一番でキャッチャーのロ・ドゥカがヒットで、3番シェフィールドがライトへのタイムリーツーベース。打つ人が打ったっていう感じの攻防。4番グリーンが歩いて、ダブルスチール後、ベルトレのヒットでさらに2点。この日の得点はこの初回のみで、9回裏はDodgers抑えのショウがキッチリ抑えテンポのいい試合で2時間22分で終わった。

次の日はナイター。この日は日曜日とあってよく人が入った。試合は1点を争う好ゲームで、中地区首位のCubsも西地区で首位争いをしてるDodgersも負けられないゲーム。試合はDodgersペースで進んだが、お互いチャンスがありながらゲッツーでそのチャンスを失う展開が続き、小刻みな継投策、代打の代打といった両チームともその駆け引きはすさまじかった。試合は2-1Dodgersリードで9回裏は抑えのショウが出てきて、簡単にツーアウトを取った。観客は総立ちで、このままDodgersが勝つものと信じてる。私もこれで終わったかと思った。しかし、打席はソーサ。そして、追い込まれた後の外角の直球を見事ライトスタンドに同点ホームラン。打った瞬間、ソーサはガッツポーズ。全くすごい選手だ。球場からはもちろん大ブーイング。結局、9回を終わって延長戦となり、帰りのバスがなくなるので私は球場を後にしたが、試合は延長10Dodgersがサヨナラ勝ちした(またもやサヨナラ試合を見逃してしまった)。

いやー、この2試合打つ人が打って私としては大満足だ。ソーサのホームランを2本も見られたし。さあ、次は新庄の応援。次回は、San Diego編。

4/Aug

CHI

100 000 000

140

LA

300 000 00x

380

W Baldwin 1-0
LTrarez 8-7
S Shaw 33

T 2:22
Attendances 47.311

5/Aug

CHI

000 001 001 0

2 9 0

LA

001 100 000 1

310 0

W Milholland 1-0
LGordon 1-1



T 3:29
Attendances 51,327




「ロスにある小さな東京」

ロスのdowntownには、日本人町のLittle Tokyoがある。メトロの駅からも歩いて5分ほどのところ。規模的にはそれほど広くないが、San FranciscoJapan townに比べればはるかにでかいし、町としての機能を考えると完璧かもしれない。ホテル、マンション、モール、ショッピングセンター、銀行、スーパーなど生活に必要なものは何でもあるし、紀伊国屋、旭屋といった大手の本屋もある。劇場や文化会館もあるし、もちろん日本人観光客の土産屋もある。火の見櫓やお寺もあるし、町自体きれいに整備されてるのはSan Francciscoと同じだ。ちなみに、9月末には吉本興業が公演に来る。

ここにある図書館には、日本の本がたくさんある。週刊誌や漫画の単行本はもちろんのこと、その日の朝日、読売、日経新聞が読める。ロスではサンスポ系列の新聞がほぼリアルタイムで無料で至る所に置いてある。私は仕事を探すのに、毎日internetを使ってたが、この図書館にはほぼ毎日来て、そして順番待ちの時間は新聞に目を通し、おかげで最近の日本での出来事はほぼ把握してる。ここのパソコンの接続のスピードもかなり速いし、little Tokyoでの日々はある意味有意義だったかもしれない。スーパーで弁当を買ったりもした。合理的やなと思ったのは、各スーパーの外にはスーパーの商品が食べられるように、椅子とテーブルがいくつか設置されている。だから、昼食時には日本のOLがコンビニ弁当を食べるように仕事途中の人々がよく買いに来てた。モールにはちゃんと警備員がいる。とにかく、何も文句が付けようがないぐらい町としての機能は完璧だ。

もちろん、日本人を多く見掛けるし、基本的にスーパーを除くお店では日本語を使ってる。ただ、スーパーには日本食ひいきの外国人も来るし、本屋では、日本の若者向けの雑誌を見に来る中国系の若者や韓国人も多く見掛けた。日系人の中では英語を公用語に使ってる人々もいるので、日本人でありながら英語で会話している光景を見掛けた時は少し不思議な感じがした。特に、年配層の人々は、戦前か戦後にこっちに渡って来たと思うので、彼らの日本語はおそらく戦前教育の言葉だろう。私には少し違った日本語に聞こえ、強いて言うならお上品な日本語だった。

ある日の週末。このLittle Tokyoでイベントがあった。どういった主旨のイベントかは知らんが、通りは通行止めになって出店が並び、会館では展示会が行われた。出店では各々が物を売り、アトラクションをしてるブースもあり、もちろん日本食中心の屋台もあった。展示会は、いわゆる日本の民芸品の展示会といったところで、盆栽、彫刻、人形、水墨画、水彩画展など様々な展示場があり、日本人のみならず、カメラを持った様々な人種の人々で賑わってた。

私は少し水彩画展の係りの人と話す機会があり、色々質問してみた。これらの催しは、地元の日系人の団体が主催してるところもあるが、この水彩画展は東京の画家が日本を歩いて実際に各地をスケッチし、ロス在住の日系人に日本を懐かしがってもらおうとの試みらしい。私は日本各地を旅した時期もあったので、ほとんどの作品の風景は見覚えがあり、実際そこの風景も知っているので、「うまく書けてるな。」と感心しっ放しだった。

今、日本では欧米の文化がすっかり溶け込み、日本の若者の中にはすっかりその虜になってる連中が多い。無意味な横文字が氾濫し、横文字のアーチストが辞書で調べたと丸分かりのような歌詞を使った歌で人の心を魅了してる(あほか)。外資系産業も今やfast food店に代表されるように日本に定着し、「国際化」という言葉が日常茶飯事になっている。私はこのLittle Tokyoを歩いてて、定年になった年配層が集まって井戸端会議をしてる光景を何度か見かけたが、彼らの心にはいつまでも日本があるし、日本が根づいてるような気がした。こうやって集まって楽しそうに話してる光景は、日本の公園と全く代わりないし、海外にいても同じ光景を目撃できるのは、

「やっぱり、彼らにも同じ日本人の血が流れてるんやな。」
と改めて思ったりもした。彼らの日本への想いは、留学で数年こっちに来て、だらだらと時を過ごし、日本と同じことをしてる坊ちゃん、お嬢ちゃん達が、

「日本に帰りたい。」
と口にする心境とは全く違うものであろう。

私自身、日本を恋しいとは思わないし、帰りたいとは思わない。それは日本が嫌いな訳ではないし、逆に日本人であることを改めて誇りに感じたぐらいだ。日本食は自分で作れるし、日本人が行くようなところには必ず日本料理屋がある。世界中どこでも日本人がいるこの時勢では日本食ということに関しては別に海外でも困らない。これだけ情報が発達すると、日本にいなくても日本の情報はすぐに手に入る。ただ、日本のことは常に意識してるし、日本人である私は自ら国籍を変えない限りどうやっても変えようがないし、嫌でも自分自身に日本が付いてくるので意識せざるを得ない。自分の中にはすっかり日本が溶け込んでいるし、今の私にはある程度日本でしたいことはやったという充実感もある。

改めて「国際化」を考えた時に、我々日本人にとって「国際化」とは決して欧米を中心とした海外を真似ることではない。私の意味する「国際化」とは、庶民レベルで肌で「世界」を感じて、そして改めて「世界」を意識することであって、それは海外旅行に行くとか、海外で生活するということでもない。「世界」を肌で感じるためには、その比較対象となる自国のことを分かっていなければ意味がない。その肝心な事柄が軽視されがちであるし、ほとんどの人々はそのことを分かっていない。つまり、海外に憧れる前にもっともっと自分達の国のことに興味を持って欲しい。日本をもっと肌で感じて欲しい。もちろんその事は私自身にも言える。日本にいるからと言って、ちんたら時間を無駄にしてれば意味がない。日本にいなくても常に自分の中に日本というものがあったらそれで可能になる。

今回、このLittle Tokyoで日系の人々と接して、改めて「日本」を感じた。海外の日本人町って、ある意味海外に住む日本人にとって「日本」を感じるところなのかもしれない。



「台湾人学生とのある日の会話 in LA

私はロス滞在時はハリウッドの安宿にいた。はっきり言おう、ここは最悪なところで、というのは値段は安いが長期滞在者が多く、彼らは周りの迷惑も考えず日夜だらだらした生活を送っている。

ある日、私のいたドミに台湾の学生(レイ・ウォン)が来た。彼は国際学生会議らしき名目でアメリカに来て、その会議の後はひたすらアメリカの余暇を楽しんでた。まあ、20歳そこそこなのでまだまだ子供だが、話してみるとなかなかしっかりした青年だった。我々はひょんなことから台湾における日本の芸能人の話をすることになった。彼の仲間も踏まえて日本の芸能界について話したのだが、とにかく彼らの知識はすごい。台湾では日本のドラマも流れ、日本の芸能ニュースも頻繁に新聞を賑わす。もちろんお笑い番組のこともよく知ってる。私は、今台湾で特に人気のある日本の芸能人は誰かと尋ねたら、私が知らないような名前も挙がってきた。彼らはすごく日本の話題に敏感で、その熱狂ぶりは私の想像以上だ。彼らの年代の台湾人はみんなそうらしい。ちなみに、彼らから名前の挙がった特に人気のある芸能人は、浜崎あゆみ(名前は知ってるが、顔は知らん)、深田恭子(聞いたことない)、広末涼子(学校やめろ、どあほ)、SMAPなどなど。私には全く興味のない世界だ。

そして、次は言語の話になった。私はてっきり台湾では「台湾語」が話されてると思っていたが、台湾の公用語は「中国語」である。台湾と中国は仲が悪いはずなのに一体どういうことだ。

もちろん、元々台湾では台湾語が話されてた。台湾は元々中国領土。中国はとてつもなく広い国なので、当然各地では方言が使われてることになる。台湾語もその一つの方言であり、台湾人は元々烏龍茶で有名な福建省出身で、その地方の言葉がいわゆる台湾語である。もちろん福建省の言葉も台湾語が話されてることになる。香港で使われてる広東語も方言の一つと考えていいだろう。

第二次大戦後、毛沢東に破れ蒋介石は、余儀なく台湾に渡ることになった。そして、台湾を鎮圧し、台湾では公用語として中国語を使うように決めたらしい。だから、レイ・ウォンのおじいちゃん達の世代は中国語ができない。学校教育ではもちろん中国語が使われるが、レイ・ウォン達は親から台湾語を習う。だから、彼らの世代は両語できる。テレビの番組も中国語で、もちろん台湾語放送もある。元々の台湾人と、その領土を奪い取った蒋介石率いる中国本土の移民は今でも仲が悪い。レイ・ウォンの世代は人種が混ざり合ってるのでそういうことはないが、年配層は元々の台湾人、中国移民と分かれるので、いまだに嫌い合ってる人々もいる。うーん、複雑な国だ。

それから、レイ・ウォンに、

「日本人は南京大虐殺についてどう考えてますか?
と聞かれた。その他に、「慮構橋事件」、「慰安婦」についても。彼らにとって、これらの問題は日本の教育下での「原爆投下」と同じぐらい重要な問題である。第二次大戦中は日本は中国や韓国に対して攻撃を仕掛けた側であるが、彼らは仕掛けられた受け身側である。逆に、原爆に関しては我々は受け身側。結局、受けた側の痛みは、仕掛けた方には重要でないというのが、今の教科書問題にもつながると思う。

アメリカの戦争映画は、大体が「ベトナム戦争」に関するもので、第二次大戦に関した「パール・ハーバー」も、舞台は真珠湾攻撃というアメリカにとっては受け身の立場にある。日本の戦争映画でも「ほたるの墓」、「はだしのゲン」のように原爆投下に関する受け身的な立場にあるものばかり。結局は、アメリカも日本も被害者立場にある自分達を美化して、その優越感に浸ってる。そして、それを周りから評価され、それが映画「プラトーン」のようにアカデミー賞につながる。私はレイ・ウォンに、

「一連の日本軍が起した不祥事は本当に情けないことと思ってるよ。満州事変や南京大虐殺もそうやしね。日本に原爆を落したアメリカにも少し感謝の念がある。もしあれがなければ、日本軍は更なる悪事を重ねてたと思うしね。罪のない人を何十万人も殺したんやから。そうそう、そこら辺にいる日本の若者に俺にしたのと同じ質問をしてみな。みんな答えられないというか、逆に、「南京大虐殺って何ですか?」って聞いてくるから。日本人ってそんなもの。今日本で新しい教科書を巡って問題になってるけど、仮に教科書が変わっても、教育方法、国民の意識が変わらん限り、今までと変わらんから。」
と自分の意見を述べた。彼は他にも、

「なぜ日本人ってあんなに頭がいいのですか?」
と聞いてきたので、

「まあ、あえて言うなら一生懸命頑張るからかな。日本の会社員ほど働く民族は他にいないと思うよ。でも、日本人よりも中国人の方が絶対頭がいい。昔、日本は大陸から色々な技術、農耕を教わったし、今の日本語の文字の原点は中国にある。遣随使、遣唐使を派遣して色々勉強しに行き、平安京は唐の都長安を真似ていた。日本は、大陸の文化を真似て、結局は日本人の努力、努力から生まれる新しい発想、社会体系が今の日本を作ったと思う。世界中には華僑を中心とした中国人が至る所にいて、商売に成功してる。その成果は日本どころじゃない。台湾が発展したのも日本の援助もあったけど、孫文の三民主義を遂行したからでしょ?仮に、中国本土が民主主義の国やったら、今ごろとんでもない国になってたと思う。だから、日本人が特別賢いってわけはないと思う。要は、人間の能力を最大限に生かせる環境と、あとは目に見えない個々の努力が必要やと思うよ。」
と答えると、レイ・ウォンは納得してた。

我々は数日しか一緒にいなかったが、とても密度の濃い話をした。レイ・ウォンはそれ程英語がうまくないが、電子辞典を調べては話の内容を理解してた。それと、我々には漢字を使った会話ができる。これは日本人と台湾人とコミュニケーションには非常に役に立つ。レイ・ウォンは今時珍しいしっかりした学生だ。彼は最後に辞書を使いながら書いた手紙を私にくれた。ありがとう、また会おう。



MLB(メジャーリーグ)観戦記その5San Diego Padres編、「新庄君は感じがよかった」〜」

サンディエゴではもちろんパドレスの試合を見に行った。パドレスの本拠地のQualcomm Stadiumは私が今まで行った球場の中で一番アクセスがいいと言ってもいい。downtownからはTrolleyに乗って30分ほどで球場の真ん前に着く。帰りも臨時の列車が出るという至れり尽くせり。このスタジアムはNFLとチャージャーズとの併用。ちなみに、来年はパドレスの新しい球場が町中にできる。

私はサンフランシスコでBART、ロスではMetro、そしてここサンディエゴではTrolleyと電車に乗ったが、この3つともどれもきれい。日本の地下鉄なんかよりもはるかにきれいし、ハリウッド近辺のMetroの駅なんて見るとビックリするぐらいだ。Trolleyは町中は路面電車になって少々動きも遅いが、町を離れるとその速さも増す。切符を買うという点では、BARTはお釣が出ない券売機が多いので一番使いにくいが、Metroは乗り継ぎの切符も買えるし、MetroTrolleyもお釣が出るのでいい。

日本にいる人は、「何を言ってるの?」と思うかもしれないが、アメリカやカナダのバスはお釣をくれないのが常識。それと切符に時間制限もある。だから、試合が始まる前に帰りの切符なんて買ってしまえば、折角やけど使えない。そういう時は、往復切符をあらかじめ買っとく。ただ、サンディエゴもロスと同じ車社会なので、あえて言うならこの球場も車でのアクセスを中心に考えられてると思う。球場周辺の駐車場はかなりでかい。



サンディエゴはメキシコとの国境の町なので、英語の次にスペイン語が話されている。球場でもスペイン語の案内もある。球場の外野のスタンド前にはヤシの木が植えられ、ラテン系の音楽もかかり、今までの球場とは雰囲気が違う。球場で売られてるいわゆるjunk系の食べ物もメキシコ風のも目にした。グランドは野球用だが、観客席はアメフト用に作られてる気がする。というのは周囲すべて3階席までで、普通大リーグの球場は外野席が少ないのにここは充実してる。ファンサービスも行き届いてて、試合開始練習は誰でもネット際まで行ってもよく、選手にサインをもらったり話したりが自由にできる。どことなく、friendlyで客自体も静かで紳士的で、私はすっかりこの球場が気に入った。と言うか、サンディエゴの町自体、私はサンフランシスコやロスよりも気に入った。

さあ、この日の試合は運よくNY Mets戦。そう、新庄がいる。我が阪神タイガースの4番の雄姿をこの目で見ないことには。私が球場に入ってびびったのは、まず日本人のマスコミの数だ。20人以上はいたかな。一人の選手にすごい数だ。彼らは日本人同士固まって色々話してる。さらに、観客席にも驚くべき日本人の数。私はこんなに日本人がこの町にいるのかと逆に驚いてしまったほど。多いのが学生連中。学校のクラスメイトか何か知らんが、数人が固まって、新庄が移動する度にそれを追っかける。その姿は余りにも恥ずかしく、周りの迷惑を何も考えずに行動する。外野のフェンス沿いには練習中の選手からボールをもらおうと、地元のちびっこ達がグローブ片手にボールが飛んでくるのを待っている。それをお構いなしに、ちびっこの間に割り込み、新庄に声をかけてボールをもらおうとする。すると、新庄もその日本人連中に向かってボールを投げるが、新庄が移動する度にその行動を繰り返す。試合が始まっても、新庄が守備位置に来ると、フェンス際に日本人が陣取り、その後ろにはお客さんが座ってると言うのに、お構いなく声援を送る。終いには、警備員に注意される始末。この光景には地元の人も唖然としてて、当の地元民は「新庄って誰?」というような目だった。




本当の大リーグファンにとってはNY Metsと言えば、何といってもマイク・ピアザだ。ピアザの人気はさすがで、敵地にもかかわらず、ピアザぐらいの選手になるとその声援もすごい。メッツがサンディエゴに来るのは今シーズン今回だけというのもある。ピアザには地元の野球ファンが群がり、新庄には日本人が群がるという何ともこっけいな光景をここでは目にした。

新庄に群がるあほな連中を多く目にしたのは事実だが、私の席の前にはおそらくもう定年を迎えたであろう邦人の老夫婦がおにぎりを食べながら新庄を応援してた。彼らは普段は球場には足を運ぶこともないと思う。あと、お母さんが子供に向かって、

「あの5番の人が日本人だよ。」
と教えてる姿は微笑ましかった。新庄が活躍することでアメリカ在住の邦人には大きな刺激になる。それだけ、アメリカで活躍する日本人大リーガーの価値はすごい。なぜ、日本のマスコミはこういった野球を通じた表には出てこない部分を書かないのだろうか。日本人は熱しやすくて冷めやすいので、仮に来年また新しい日本人大リーガーが生まれたらそっちに移動するだろう。私が球場で見たあほな日本人の会話を聞いて情けなかったのは、

「新庄、新庄。ところで、新庄ってどの人?」
と言った言葉を聞いたことだ。だから、新庄には一言言いたい。周りにうろつくハイエナのようなマスコミ連中にはうんざりしてると思うし、どこに行っても追いかけてくるあほな日本人がいて迷惑してるかも知らんが、その陰に隠れてアメリカで頑張ってる日本人見たさに球場に足を運んでいる純粋な邦人がいるし、本当の野球ファンも多くいる。その人々のためにも、とにかくけがすることなくグランドに立ってるその姿を我々に見せて欲しい。

さて、肝心の新庄自身は阪神にいた時と比べると生き生きとしてた。背中の背番号が大きく見えるのは新庄自体の体が他の選手と比べると小さいからだろう。試合前のフリーバッティング時も進んで守備位置についてたし、バッティング練習では思いっきりバットが振れていた。通訳を通して首脳陣とも話をし、仲間ともふざけてる時もあった。観客席にいる我々日本人にも感じよく手を振り、阪神時代よりは生き生きしてるように思えた。とにかく、積極的に動いてる。私にはそう感じた。

この日の試合は一方的なパドレスペース。もちろん、私もパドレスの応援(新庄とピアザの時はメッツを応援してた)。2回にゴンザレスのホームラン、3回は集中打で序盤で6-0とリード。パドレス先発のHerndonは立ち上がりはいまいちだったが、その後はほぼ完璧な内容。結局、パドレスが完封リレーで勝利。新庄は7番センターで先発出場したが、いいところなく4-0。完璧に球威に押されてた。ピアザはさすがで、練習から鋭い当たりを飛ばしてたが、この日は3安打。これぐらいの選手になると声援もブーイングもすごい。私はセンターの外野席にいたので、新庄が目の前に見えた。新庄なりに打者によって守備位置を代え、日本人の声援にも快く手を振ってた。阪神時代の新庄ってこんなに意欲的やったかな?

さて、翌日は前日の新庄の不振のため、私の予想通り新庄は試合には出なかった。私のこの日の目的はメッツのボビー・バレンタイン監督を見ることだ。練習前はバックネット裏でボビーとピアザをずっと観察してた。ボビーはとにかく陽気で感じがいい。お客さんの声援にも応じるし、日本人記者の質問にも感じよく答えてる。女の人と肩を組んでニタッと笑って写真を撮ってるし、ファンのサインにも快く応えてた。なんで、こんないい監督をロッテは解雇したのか。あの年ロッテは成績がよく2位だったはず。それをジェネラルマネージャーの広岡がボビーを解雇した。ボビーはメッツの選手からも慕われてるし、こういった監督が日本にもいていいと思う。ちなみに、ピアザの人気も相変わらずで、新庄には相変わらずあほな日本人とマスコミが群がってる。

さて、この日はレフト2階席からの応援。試合は投手戦。パドレス先発のJarvis1998年に中日でプレーしてた。2回に2つのファーボールとエラーでノーヒットでメッツに1点を取られたが、あとは8回まで2安打で完璧に抑えた。この日の試合は、新庄の代わりにセンターで先発出場したペイトンのまずい守備がすべてだった。私はペイトンの守備位置が新庄に比べて浅かったので、少々疑問に思っていたが、やはりそれが裏目に出た。リッキー・ヘンダーソンのでかいセンターフライを、結果として2ベースになったが、球の追い方を間違えたのと、浅めに守ってたので抜かれることになり、Kotsayのセンター前の浅い当たりを、ホームに悪送球で2点目。パドレスはこの2点をcloserのホフマンがきっちり抑えた。

closerの登場時はどの球場も盛り上がる。テーマソングに乗ってマウンドまで向かうのだが、ホフマンの時も" It's Trevor time."visionに映し出され、観客は総立ち。彼の人気はすごく、その秘密はこの日は300Sにリーチで、そしてこの日見事達成した。その達成時はホフマンはマウンドでキャッチャーと抱き合い、みんなから祝福を受けていた。お客さんも大喜び。SFLAに比べると、SDのお客さんはとにかくお上品。他の球場に比べると際立ったattractionはないが、その分お客さんがvisionに映し出されることが多い。みんなそれを期待してて色々考えてるし、私もひそかにソロで映し出されることを期待してた。私はこの球場をすごく気に入った。居心地がいいし、お客さんが何といっても紳士的だ。


14/Aug

NY

000 000 000

0 8 0

SD

024 000 00x

6 8 0

W Herndon 1-1
L Trachsel 6-11



time: 2:53
ATT: 24,803

15/Aug

NY

010 000 000

1 2 0

SD

000 020 00x

2 9 1

W Jarvis 10-9
L Leiter 7-10
S Hoffman 29

time: 2:20
ATT: 20,838




MLB(メジャーリーグ)観戦記その6San Diego Padres編、「アメリカ対カナダ」〜」

パドレスとメッツ戦の後は、続けてエキスポス戦があった。エキスポスはモントリオールのチーム。そう、カナダのチームが来る。私のサンディエゴでの野球観戦は、どちらかというと新庄のいるメッツ戦よりも、エキスポス戦の方が楽しみだった。それはいくら私がアメリカにいるからと言っても、私のフランチャイズはカナダやし、少々カナダが恋しかったからだ。それにエキスポスには、伊良部、吉井、そして7月末にレッドソックスからトレードで来た大家という日本人3投手がいる。

カナダでNHLを見た時は、アメリカのチームとの対戦の時は、お客さんは敵意識丸出しで、それは阪神ファンが巨人ファンに、大阪人が東京人に対する気持ちと同じだろう。逆に、アメリカ人はそれ程カナダを意識してないし、サンディエゴのファンもモントリオールの球団というよりも、単なる他の球団の一つと考えてるようだ。こっちにあるflight centerという格安チケット店でも、カナダ店はどこもアメリカ行きの格安チケットを売りに出しているが、アメリカのお店ではカナダ行きのフライトは宣伝に出してないし、特にカナダに対しても需要がないように思える。それは、東京人が大阪に対する考えと同じであろう。

私がこの日球場に着いてまずびびったのは、新庄の時はあんなに日本人がいたのに、この日は全然いないといことだ。マスコミ関係者もお客さんも。エキスポスには日本人が3人もいるというのに一体どういうことだ。パドレスもエキスポスも今年は下位のチームなので、お客さんもそれほどいない。エキスポスにはピアザレベルの選手がいないのもあるし、エキスポス自体人気のない球団というのもある。私は試合前の練習をずっと三塁側のエキスポス側で見ていた(ちなみに、この日の試合観戦は一塁側3階席から)。

吉井と大家はしゃべりながら最後列での体操。時々スタンドを見ながら、

「かわいい子おれへんかな?
とでも言ってるようだった。伊良部は選手の中に入って黙々と体を動かしてる。しかし、その表情は怖い。なんか不機嫌そうだ。その後のキャッチボールも、吉井と大家はふざけてる。全くどうしようもない。伊良部はキャッチボールすることなく、外野の守備へ。ボールがまだ投げられへんのかな。そんなにけがは悪いのか。吉井と大家はまだふざけてる。大家は前日ロスで投げたのでこの日はお役ごめんなのか、コーチに呼ばれて球拾いをする羽目に。すると、一人になった吉井は外野にいる伊良部の元へ。そしてまたもやおしゃべり。それから、練習中ずっとしゃべってた。余りにもしゃべってるので、その元へコーチが足を運ぶ。全く困ったもんだが、さすがは吉井は関西人だ。ええキャラだ。新庄は日本人一人だったので、黙々と練習に取り組んでいたが、日本人は大リーガーも我々バックパッカーも同じで、言葉ができない分固まってしまうのか。まあ、彼らの場合仕事でこっちに来てるんやから、それでもいいやろう。




試合前の国歌斉唱の時になって、久々にカナダ国歌が聞けると思って期待していたが、この日の試みは手話での国歌斉唱。何言ってるのか分からん。折角聞けると思ったのに。

さて、試合の方は、パドレス先発のLawrenceが悪すぎた。初回にエラー、四球、連打で3点を失い、4回にも四球がらみで1点を取られる。とにかく、ボールが多くリズムが最悪。対照的にエキスポスのVazquez90mphを超えるストレートと、チェンジアップのコンビネーションが完璧で、ヒット4本は許したが8回を0点に抑えた。さすがはエキスポスの稼ぎ頭で、この日は吉井が投げることなく4-0でエキスポスの完勝。8回裏には代打でパドレスのTony Gwynnがでてきて、するとお客さんは総立ちで彼を迎えた。私もGwynnは見たかった選手で、日本では2000本安打は打者の目標とされ、名球界という名誉を手に入れられるが、彼は既に3000本安打を記録してる。全くすごい選手だ。残念ながらGwynnはショートライナーに倒れたが、彼の雄姿を見られただけで私は満足だ。

その2日後の日曜日。私はまた球場に足を運んだ。この日は日曜日のデイゲームとあって、ちびっこが多く、"Super Kids Day"という名目で、入口では子供たちにお土産が配られ、ちびっこがグランド整備やアナウンスを体験したりと至れり尽くせりだった。客の3分の1はちびっこやったと思う。デイゲームの観戦はとにかく暑い。私はセンター外野席からの観戦だったが、日差しがもろで暑くて暑くて仕方がなかった。

試合前は、伊良部がエキスポスでは一番乗りですぐにブルペンに行って投げ始めた。私はてっきり先発かなと思ったが、どうやら調整してる様子。吉井はちびっこたちに快くサインをしてた。この姿は他の大リーガーと変わらず、ファンを大切にしてた。とにかく、大リーガーはファンを大切にする。そうやって彼らも育って来たと思う。この辺のところは日本の選手達も見習って欲しいものだ。大家は相変わらずふざけてる。彼はパシリ系やな。ドラマやったらおちにされそうな役やろう。

試合前は久しぶりにカナダの国歌が聞けた。もちろん選手自体にカナダ人はほとんどいないと思うが、それは阪神の選手が大阪出身ばかりじゃないのと同じだ。この日のレフトスタンドには自衛隊の卒業生らしき何百人という若者が迷彩服を着て陣取ってた。そして、アメリカ国歌斉唱の時には全員敬礼して、その姿はりりしかった。そして、回の途中で彼らを紹介する時が来ると、観客は総立ちで彼らを称えた。これがアメリカ人の本質なのかなと私は改めて思ったし、それが映画産業の戦争映画にも反映してるのだろう。

さて、試合は投手戦。エキスポスのArmasは完璧なピッチング。1回に四球は出したが5回まではノーヒットに抑えた。6,9回にヒットは打たれたが、三振10個を奪うピッチング。特に、3番クレスコ、4番ネビンとパドレスの中心打者は全くタイミングが合わず、この2人から三振5個を取ってた。9回裏2-0でエキスポスリードでワンアウトの後代打はまたもやグウィン。さすがはグウィンでセンター前にヒット。彼の人気は不動だ。これでリズムが狂ったArmasはツーアウトの後四球を出し、ここでピッチャーは代わったが、この日不振のクレスコの代打トラメルがセンターへタイムリーを放ち、ツーアウト1,3塁で打席は4番のネビン。この試合最大の見せ場だったが、ネビンは粘りはしたがあえなく三振で試合終了。結局、吉井はこの日も登板しなかった。

サンディエゴのこの球場は本当に居心地がいい。私はここで計4試合見たが、サンディエゴでは機会があればまた試合を見てみたい。

17/Aug

MTL

300 100 000

4 9 0

SD

000 000 000

0 4 2

W Vazquez 12-11
L Lawrence 3-2



Time: 2:44
ATT: 22,513

19/Aug

MTL

001 001 000

2 6 0

SD

000 000 001

1 3 0

W Armas 9-11
L Herndon 1-2
S Strickland 1

Time: 2:33
ATT: 24,309




「一日だけのメキシコ in Tijuana

818日の日記より
サンディエゴはメキシコとの国境の町。downtownからTrolley30分ぐらいでメキシコの国境の町Tijuanaに行ける。Trolleyの終点からはfree wayをまたぐ国境の橋を歩いてメキシコに入る。俺はもちろん地図も何も持ってないので、人の流れに従って歩いて行き、橋を渡ってしばらくすると、知らん間にTijuanaに入っていた。パスポートチェックも何もない。数日間の滞在ならビザはいらんらしい。

さすがは国境の町で、Tijuanaに入るやいなやみやげ物屋がずらっと並んでた。俺がこの町に来た目的は、タコスを食いまくってビールを飲みまくることだ。もちろん、tourist相手のミーハーレストランに行く気はないし、屋台で地元の人と一緒に食うのが目的。国境付近は、とにかく土産屋がすごい。客引きの数も。俺はアメリカで日本人と言われたことはないが、やはり客引きの連中は俺の雰囲気で日本人と分かるのだろう。「友達」、「ちょっとだけ」とアジア諸国と同じ様に俺に声をかけてくる。物乞いしてくる人も多いが、そのほとんどはちびっこ。インディオ系の人々のような気がしたが、親が子供を使って物乞いさせるのはどこの国も一緒やな。俺はこの光景が非常に懐かしく、客引き、物乞いが俺に近寄ってくる度に、俺はなぜか嬉しかった。

このみやげ物屋一帯から、今度は川に掛かる橋を渡るとdowntownに続く一帯へとつながり、この一帯もみやげ物屋ばかり。もちろん、店の人はtouristからぼりまくってるが、俺はこの辺りにこんなにtouristがいるとは思わんかった。というか、この辺りはtouristと物乞いしてる人々しかいない。みやげ物にはいかにもメキシコっていう衣服、置物、テキーラ、タコス・・・。

俺はここから更に歩き続けdowntownに入った。これがメイン通りかな。ここにはtourist相手の店しかない。もちろん、USドルはどこでも使えるし、どこの店でも英語OKやろう。ここでも日本語で話しかけてくる人もいたし、ある店でタコスの値段を聞くと6.00”とおもっきりぼってきやがった。全くどうしようもない。俺はメキシコの通貨もレートも知らなかったので、どこか信用できそうなところで情報を得る必要があった。と思って、俺はこの通りを歩き続け、人でにぎやかな一帯を通り過ぎたところにampmを見つけた。こんなとこにもコンビニがあるのか。このコンビニは最近できたばかりなのかかなりきれいだ。俺はここで掃除してたねえちゃんに通貨のことを聞こうとしたが、俺が英語で話しかけると逃げて行った。そうやな、ここはメキシコやから、スペイン語がでけへん俺が悪い。そして、ここで、



"US$1.00 = 9 peso"
というレートを知り、ここで地ビールらしきものを2本買った($2.20ぐらい)。メキシコと言えばコロナやけど、コロナならどこでも飲めるからな。

俺は更に人のいない方向へ歩き始め、地元民しかいないweekend marketらしきとこに着いた。そうなると、売られてる衣服も今風のものとなり、いかにもメキシコと言ったものはない。ただ、見た目でバッタ物と分かるナイキやカルビンクラインの品があるのはいかにもって感じだ。

俺は今度は別方向に歩き始め、周りにtouristがいない食堂らしきところに入ったが、もちろん店の人は英語ができないし、メニューもスペイン語。スペイン語の全く分からん俺は、どれを注文したらいいかも分からん。値段もペソ表示。俺は適当にこれとこれっという風にタコスを二つ頼んだが、一つは生野菜とサワークリームの乗ったタコスで、もう一つはエビと生野菜の乗ったタコス。しまった、生野菜とsea foodは止めといた方がいいと言われていたのに。ビールも適当にメニューを指差して頼んだ。タコスはうまい。チャパティーのような生地に要は好みに応じて色々巻くだけ。非常に簡単な料理だが、バラエティはある。会計の時は、店の人は俺の持ってたUSドルを電卓を使って計算してくれた。

俺はこの後もtouristがいない裏通りの屋台を探して歩き続け、一つの屋台で一つのタコスという具合にタコスを食いまくった。屋台には色々あって、雑誌、果物、日用品なんかを売ってるのもあり、果物の屋台を見た時にはタイを思い出した。タイにいる時には毎日のように屋台のパインを食っていたからな。タコスの相場は、touristがいるところでは$1.00 、それ以外のところでは大体¢75。牛肉や豚肉のも食った。合計何枚食ったやろ。ビールも5本ぐらいは飲んだし。最後は満腹で、その後は何も食えんかった。ちょっとぐらいスペイン語を知ってたら、俺も地元の人と話せたのにな。

Tijuanaはメキシコと言うよりはここはアメリカやろう。ミャンマーのタチレクと同じだ。雰囲気は裏通りに入るとメキシコって感じで、壊れた家屋、煩雑とした通り、ボロボロの車といかにもという空気が漂い、俺には非常に懐かしかった。なんで、この辺りにはこんなにも歯医者が多いんやろう。至る所に歯医者がある。乗合タクシーでは思いっきり人を乗せてた。メイン通りはtourist向けの店ばかりだが、彼らのほとんどはサンディエゴ滞在で、日帰りでここに来てるはず。食ってるもんはtourist向けのメキシコ料理ってとこかな。飲んでるのはコロナやけど、お店はもろwestern。そういったところに人が集まるのはどうしてか?何のためにTijuanaに来てるんやろう。この辺りの考えは俺には分からん。カオサンもそう。まあ、人のやってることにけちつけるのはよくないが。

帰りのアメリカ入国はさすがに厳しかった。パスポート、荷物チェック。さすがはアメリカだ。俺は満腹感でぐっすりとTrolleyの中で寝てしまった。





MLB(メジャーリーグ)観戦記その7Anaheim Angels編〜」

さあ、カリフォルニアでの野球観戦シリーズもついに最後の球場。アナハイム編だ。アナハイムと言えば、何といってもDisney Land。ここには世界中の人々が足を運ぶし、ロスに来る人のほとんどはここに足を運ぶと思うが、私には全く興味がない。私はサンディエゴからバスに乗ってアナハイムまで来た。アナハイムには安宿がないとは聞いてみたが、行ったら何かあると信じてここまで来たが、本当に安宿はなかった。周りはDisney Land一色で、そこを訪れるミーハー観光客の泊まるリゾートホテルばかり。ここから少し離れたフラトンという町にYHAはあるが、しばらく予約でいっぱいらしい。ここのバス停がどこにあるのかさえ分からない私は、仕方なしにそのままロスに向かうことにし、再びハリウッドの安宿に泊まることにした。

ロスからはDisney Land行きのツアーバスがかなりあり、アナハイムには電車を使っても行ける。距離にして40milesほど。しかし、路線バス(460番)もあり、もちろん私はそれで行くことにしたが2時間近くかかる($3.35)。しかし、問題は帰りだ。アナハイムからロスに戻るには、平日なら最終PM10:08発のAmtrackに乗らなあかん。ナイターの開始は大体PM7:05なので、テンポよく試合が進まないと最後まで見られないことになる。

バスでDisney Landに着いた私は周りを見てびびった。まさしく人工的に作られた異空間で、まるで私はその中に迷い込んだハイエナのようだった。ここから、エンジェルスのEdison Fieldまでは4milesほど。近くに路線バスがある。この日は、サンディエゴで知り合った日本人のお姉様とその友人と一緒に行くことになっており、私はその2人が泊まっているヒルトンホテルに迎えに行ったが、まあヒルトンの豪華なこと。まずは入口で迷ったし、中に入っても広くて豪華過ぎてビックリした。当然、安宿の冊子なんて置いてないし、ミーハーツアー、世界中のヒルトンのパンフレットと私が普段目にしないものばかり。客層も全く違う。そして、なんとか2人と会えて、我々はバスに乗って球場に向かった。



Edison Fieldもかなりきれいな球場。数年前にrenewalしたらしい。正面入口にはエンジェルスの帽子のオブジェが左右に二つあり、この周辺も人工的に作られた異空間って感じだ。その周りの駐車場もばかでかい。Amtrackの駅は目の前で、電車からのアクセスは最高だが、なんせ本数が少ない。球場内もきれいで、センター方向には人工的に作った岩と滝があるし、そこからは花火も上がる。ちびっ子たち用のattractionもあり、外野の雰囲気はSFPac Bell Parkによく似ている。クラブショップには長谷川のユニフォームも売られていて(日本人相手かな)、長谷川はすっかりエンジェルスの顔になっている。この日の対戦はレッドソックス。そう野茂がいる球団だ。

日本人大リーガーを考える時に、日本人は単純やから旬の者のみ注目する。今はイチロー、新庄だが、もし来年西武の松井やヤクルトの石井が来たら、そっちに注目度は移るやろうし、数年後に日本人大リーガーが当たり前の世界になったら、

「今は日本の野球よりもメジャー。」
と言って、各民法局が放映権を取って、日本でもメジャーの試合ばかり流す時代が来るかもしれない。しかし、この流れを作った人物、それは野茂であることを忘れてはならない。




近鉄との交渉がもつれ、単身アメリカに渡った野茂を単純なマスコミ連中はろくな事を書かなかったが、その年のオールスターに先発するぐらいになった野茂を今度は追いかけるようになって、こびるようになった。「強い者には巻かれろ」、まさしく日本社会でrat raceをしている人間のやることだ。そして、長谷川。彼はオリックスが優勝した時のオフにメジャーに移ったが、その年確か18勝ぐらいした彼のことを、

「この年たまたまよかっただけで、メジャーで通じるわけない。」
といった記事をよく目にしたが、トレードが日常のメジャーで中継ぎという目立たない立場で一球団で頑張っている長谷川をもっとマスコミは評価してもいいと思う。それだけ球団にとっては、長谷川は貴重な戦力で、もちろんそれは長谷川の努力の賜物だ。私が4月にシアトルに野球を見に行った時も、もちろんイチロー、佐々木の応援に行ったが、その対戦相手がエンジェルスというのもあって、長谷川の雄姿を見るのを楽しみにしてた。そのパイオニア対陰のヒーローとの対決がここアナハイムであるというので、これは見なあかんし、私には大リーグファンとしてもちろんアナハイムで試合を見るという目的もあった。

球場では思った以上に日本人を目にしたが、やはりDisney Landが近くにあるというので、ついでに見に来た人々なのであろうか。我々が球場に入った時は、ちょうどレッドソックスの練習中で、野茂は外野で球拾いをしてた。報道陣は見かけなかったが、外野のスタンドには野茂を見に来てた数人の日本人を目にしたし、野茂はボールをねだるちびっこファンにちゃんとあげてた。野茂自身でかいので大リーガーの中に入っても見劣りしない。ただ、多くの選手がズボンの裾をスパイクぎりぎりまで下ろしてる中で、野茂は赤のストッキングを思いっきり見せ、そのスタイルは少しおっさん臭かった。ローテーションで考えると、野茂はアナハイムでは投げることはなかったのでその雄姿が見られなかったのは残念だったが。

試合はレッドソックス先発のWakefieldがぴりっとせず、初回いきなり3つの四球で無死満塁。しかし、何とか後続を抑えて、その後は緩いカーブをうまく使って、80mph前半の直球を活かし、打者にタイミングを合わさせない。阪神の星野のようなピッチングだが、カーブを中心にピッチングを組み立ててたので、盗塁されまくってた。2回にエンジェルスが1点を入れ、そのまま7回まで来たが、7回表に連打でレッドソックスが2点を取って逆転。その裏エンジェルスもヒットと四球で逆転。場内も盛り上がり始め、これからって時に、この7回の攻防が時間を取って、この回を終わって私は帰らなければならなかった。試合は、8回にエンジェルスが駄目押しのホームランで、9回は抑えのPercivalがきっちり抑えたみたい。いやー、Percivalは見たかったな。長谷川はこの日の登板はなかったが。

我々はライトスタンドから試合を見てたが、アナハイムのお客さんはおとなしい。非常に紳士だ。客の中にはDisney Landのついでに来たという人もかなりいると思う。球場の雰囲気もattractionもふまえて、シアトルのSafeco Fieldにすごく似てる。途中、レッドソックスの応援があったのにはさすがにブーイングが来たが、away teamaway fieldで応援されるなんて考えられへんな。まあ、何と言ってもこの周辺ではドジャースの方が有名やからな。大阪で例えると、いつも話題にされるのは近鉄よりも阪神やからな。

ちなみに、帰りにロスに着いたのがPM11:00。それから最終の地下鉄に乗ってハリウッドに戻ったが、日本では最終列車は慌ただしいが、どの駅にもほとんど人は見かけなかった。車内も客が数人。おいおいって感じやったな。

そして、その3日後の土曜日。レッドソックスの次にNYヤンキースがアナハイムに来てた。ヤンキースと言えば、今世界最強と言われてるチーム。そして、そのエースであるClemensがローテイション通りこの日投げるという事で、行かないわけにはいかない。私はあらかじめこの日のチケットだけは買っていた。

再びバスでロスからアナハイムまで。2時間の路線バスはすることもなく疲れる。普通、球場の開門は試合の2時間前だが、ここは1時間半前。週末ぐらい早くすればいいのに。さすがはヤンキースだけあって、球場にはawayにもかかわらずヤンキースサポーターが3分の1はいたと思う。私が座ったのはレフトのブルペンの真横。そのネットで試合は見にくかったが、もろClemensが見られた。おそらくClemensは大リーグでも一級品の右腕投手だと思うし、お客さんもそれは十分承知。この日までは16-1と抜群の勝率で、ヤンキースの東地区一位の原動力であろう。ブルペン周辺は多くのファンが取り囲んでた。

長谷川もファンに応えてサインをしていたが、彼はチームメイトと違和感なく話してる様子を見ると、かなり英語が流暢に思える。通訳らしき人も見かけないし。ブルペンでも仲間と談笑してた。Clemensからはそうは点を取れないので、ヤンキースがリードする展開が予想されたが、前日、その前と投げた長谷川がこの試合では大差での登板はないと予想は付いたが、私の予想通りこの日の長谷川の登板はなかった。

この日はデイゲームというのもあってかなり暑かった。試合の方は予想通り一方的なヤンキースペース。初回、エンジェルスは三連打と盗塁を絡めてClemensから1点を取ったが、その後はヤンキースの反撃が始まる。2回に連打で3点、5回にホームランと連打で2点、6回はホームランで2点。その裏エンジェルスも2本のツーベースで1点を返した。Clemensは普段どういったピッチングをするのかは知らんが、立ち上がりはぴりっとしなかったが、それ以降はボールは多かったが、なんか抑えてるという野茂のようなピッチングだった。多分フォークと思うが、その落差はすごかった。

Clemens7回でマウンドを降りたが、それからは小刻みにエンジェルスは点を入れ、とうとう9回裏はヤンキース抑えのRiveraが出る羽目に。すると、ヤンキースファンからは大歓声。Riveraは今アメリカンリーグで佐々木とセーブ王を争ってるヤンキースのcloser。私もまさかこの試合展開でRiveraが見られるとは思わなかった。しかし、この日のRiveraはぴりっとせず、ワイルドピッチあり、タイムリーありで、それ程この日は球威はなかったと思うのだが、ほとんど直球勝負で最後はなんとか三振に抑えて試合終了。後半はエンジェルスも粘ったが、ヤンキースが7-5で逃げ切った。

結局、長谷川の登板は見られなかったが、シアトルで一度見たし、ClemensRiveraが見られたのでよしとしよう。もう、アナハイムには来ることもないだろう。



22/Aug

BOS

000 000 200

2 6 2

ANA

010 000 21x

4 11 0

W Levince 7-7
L Wakefield 8-9
S Percival 36

Time: 3:05
ATT: 23,017

25/Aug

NYY

030 022 000

7 9 0

ANA

100 001 012

5 5 0

W Clemens 17-1
L Valdez 8-8
S Rivera 40

Time: 3:23
ATT: 43,398




「カリフォルニアの日本人旅行者達」

私は仕事探しにカリフォルニアのサンフランシスコ、ロス、サンディエゴと回ってもちろん安宿に泊まっていたが、そこでは日本人旅行者と会うこともあった。というかどこにでも日本人がいた。NZOZ、カナダ、そしてアメリカ(シアトル、アラスカ、カリフォルニアだけだが)と英語圏を旅して回ったが、はっきり言おう。アメリカの日本人旅行者の質はこの中で最低だ。もちろん、ミーハー旅行で来てる連中はどこの国でも同じだが、要は我々のようなバックパッカーについて。それは日本以外の他の国のバックパッカーについても言える。

アメリカにはワーキングホリデーという制度がないので、宿で会った日本人はアメリカ在住の学生ばかり。そして、この時期夏休み中とあって、休みを利用して短期で来た日本の社会人や学生がその質の悪さに拍車をかけてた。

最近の日本人バックパッカーは固まって行動する連中が増えたように思う。それはアジアでもそうだった。数人で一緒に旅すると心強いのは確かだが、結局は他人に合わせないといけないし、他人に頼ってしまう羽目になり、一番損をしてるのは出会いを少なくしてることだ。海外にいても日本人同士だけ固まって、日本語で会話し、日本と同じように酒を飲んだりカラオケに行ったりしてる。アメリカに英語を勉強しに来てる学生の中で、安宿に泊まって学校に通ってる連中もいるが、宿に帰れば日本人社会。1年ほどの語学留学に来てる連中がそれで語学がうまくなるはずはない。それでいて英語ができないと言って悩んでる。さすがに4年もこっちにいる学生は日本人とつるもうが、それなりにうまくなってる。この問題は他の英語圏でも言えることだが。

海外を旅行して、安宿に泊まるメリットは、もちろんその宿泊費の安さにあるが、ドミに泊まると色んな国の人々と接することができる。日本では得られない話やお互いの国の情報交換もできる。こんないい機会をなんで彼らは無駄にするのか。日本人となら日本では嫌というほど接さないといけない。英語ができないからと言って、日本人といつも一緒にいたら一向にうまくならない。この辺のところは最終的には本人の甘えだと私は思うが。

アメリカはワーホリがない分、その学生のほとんどは仕送りをもらってると思う。だから、お金の使い方を知らない。アメリカドルが強いにもかかわらず、こっちでの生活を選択したのだからよっぽどやと思う。短期でこっちに旅行に来てる連中は、ある程度現地でお金を使って行くので、中にはそれに合わせてこっちに留学してる学生もお金を浪費してる。毎晩のように固まっては酒を飲み、周りの迷惑を考えず明け方までしゃべってる。全くどうしようもない。

アメリカぐらい通貨の強い国になると、バックパッカーとしてラウンドしてるアジア人のほとんどは日本人。もちろん、韓国人もいるが他の英語圏に比べるとはるかに少なかった。そして、その日本人旅行者のほとんどは「地球の歩き方」を片手に持って、この本に載っているところ、宿に向かう。普通にいるだけでも、日本人は体が小柄やからすぐに日本人と分かるのに。ロスの宿で数人の日本人と話をしたが、

「ロスって危ないですよね?日本人は狙われやすいって。」
と分かっているのに、なぜロスの町中で「地球の歩き方」を堂々と広げて読んでいるのだろう。あの黄色の表紙と青の背表紙は、知ってる人は現地の人でも知ってるし、この本を持ってるがために日本人と分かり狙われた旅行者の話を私は色々な国で耳にしたし、実際その現場を見たこともあった。ある国の大使館員は、この本を廃止にしたいと言ってたほどで、海外旅行の日本人が狙われる原因の一つにこの本がかなり影響してると思う。韓国でも同じような本が発売されているが、日本人と間違えられて、彼ら韓国人が狙われたケースもあると思う。私は何度となく注意した。

「人が多いところではこの本を見ないように。」

ロスで何人の日本人にこの事を言っただろう。私自身、この本は大嫌いなので読まないし、ガイドブック自体持たないが、その方が旅は面白いし、本の情報ばかり頼りに旅してると、本には載っていない面白い情報を見落としがちになる。なんでアメリカの日本人バックパッカーはこんなにもお嬢ちゃん、坊ちゃんが多いのか。私は人のことを心配してる身分ではないが、かなり心配になってきた。だから、何度も色んな人に注意してあげたり、何人の日本人のために時間を費やしただろう。私は、「俺は保護者か。」と何度も自分で突っ込んでた。

では、どれほどアメリカの日本人旅行者が情けないか、私と彼らとの会話を例に取って見よう。

その1 女子大生A
私:「カリフォルニアにはどれぐらいいるの?

A:「2週間はいようと思うんですけど、この宿日本人多いし楽しいし。ずっとここにいようかなって考えてます。」

私:「何のためにここまで来たの?


その2 学生B, C

B:「今日は何するの?

C:「特にない。」

B:「酒でも飲んでようか。」

私:「(心の中で)どあほ。」

その3 女子大生C
(私が彼女にご飯を作ってあげることになり、お米を炊いてもらうように頼んだら)
私:「おい、何やってんねん。米を電子レンジに入れてどうすんねん。まず研がんかい。」

C:「お米って洗うの?ガスでどうやって炊くの?」

私:「貸せ、俺がやるからよお見とけ。」




その4 社会人D
私:「日本は何でもそろい過ぎて、楽になればなるほど物事の本質を見失ってる人が多くなってると思うよ。」

D:「楽になればいいじゃないですか。苦労する人だけが苦労すればいい。僕は将来貧しい国に行って、豪遊して生活したい。なんか天国らしいですね?そういう話は聞きます。」

私:「日本で何してたの?

D:「教師です。」

私:「そうやって子供にもの教えてたんや。どうしようもないな。」

その5 学生E
E:「日本人ですか?うれしいな。独りでいると寂しくて。町歩いても寂しいし、英語は全くできないし。独りで寂しくないですか?

私:「(心の中で)どあほ。」


その6 社会人女性F

F:「でも、独りで行くの怖いし。」

私:「あのな。確かに注意するのには越したことないけど、そこは昼間は子供もおるねん。いいか、海外に来て恐怖感で何もできないのなら、旅行はしないこと。何も見えてこないし意味ないよ。」

その7 女子大生G
G:「そうなんです。今アメリカドル強いでしょ?だから仕送りのお金もすぐになくなって、もっと欲しいって感じ。だから、一度日本に帰ろうかなって、その事親に言ったら、ちょう喜ばれて。」

私:「うん、帰った方がいい。」








その8 女子大生H
H:「今度お金貯めてまた外国行こうっと。」

私:「外国もいいけど、その前に自分の国のことも知っときや。日本もいいよ。海外行く前に日本を旅行したら。」

H:「日本については本で見ます。」

私:「自分の足で歩いて目で見てこい。」

H:「どこがいいですか?

私:「どこもいい。」

その9 社会人I
I:「この「地球の歩き方」に載ってるツアーに参加したいんですけど。」

私:「こんなんに参加するよりも、この宿の受付に行ってみな。もっと安いのん教えてくれると思うよ。とにかく、本には左右されないように。」

その10 女子大生J
J:「その方法は「地球の歩き方」には一番実用的でないと書いてますよ。」

私:「俺はそうは思わんな。確かにその本を見て旅するようなミーハーな奴は銭出してツアーバスや電車に乗るかも知らんが、地元の人に取ってはこれは一番経済的で、庶民的で、実用的やと思う。」



もっともっと情けない会話があったが、余りにも多かったので忘れてしまった。世の中こういったお嬢ちゃん、坊ちゃんばかりになってしまったら、一体これからの日本はどうなって行くのか。韓国やタイのように、日本にも兵役の義務を課すべき時が来たのでは。とにかく、年々バックパッカーの質が悪くなっている。




「これがカリフォルニアの吉野家だ」

私はロスにいる時に町中で「吉野家」を見つけた。吉牛通の私としては行かないわけにはいかない。サンフランシスコでは「吉野家」は見かけなかったが、ロス周辺ではどこにでもある。私は、ロス、ハリウッド、サンディエゴと7,8回「吉野家」に足を運んだ。

カリフォルニアの「吉野家」は日本のとは雰囲気が違う。ファーストフード店のように各自がカウンターに買いに行く。店員は土地柄もあるのか、ほとんどがヒスパニック系の人々。もちろん使われてる言葉はスペイン語だ。メニューは主に牛丼の他に、エビ天丼、チキンテリヤキ丼とあり、セットメニューにはどんぶりの他にソフトドリンクが付いてくる。そして、デザートも売られてる。牛丼の並みが税込みで$3.00弱、大盛りが$4.00弱。量はかなり多く、大盛りは食うのに苦労したほどだ。紅生姜、醤油、七味は各自自由に使っていい。お客さんは日本人もいるし、アメリカ人、、メキシコ人と多彩で、downtownにある店では昼食時になるとかなり混む。日本では女の人は「吉野家」に行きにくいと思うが、こっちでは女の人もかなりいる。いわゆるファーストフード店と考えてよい。ただ、日本と違ってdowntownのお店は夜には閉まる。それは治安の問題があるからだろう。ハリウッド店は24時間営業であったが。

さて、肝心の味であるが、はっきり言おう、「まずい」。とにかく、味がない。醤油とみりんが少ないし、つゆも少ない。ご飯は悪くないし量もある。問題は生卵がないことだ。生卵と醤油、七味、生姜で自分好みの味に整えるのが吉牛の醍醐味であるのに、それができないのはどういうことだ。なんで牛丼といっしょにコーラが飲めるねん。牛丼にはお茶やろう。丼ぶりじゃなく、ポリ系の容器に入れられるのも納得いかないし、なんでプラスチックのフォークで食わなあかんねや(ちなみに、箸は頼めばくれる)。私はテリヤキ丼も食ってみたが、テリヤキのソースは市販のテリヤキソースやろ?ちゃんとみりんと醤油を使って作らんかい。味噌汁はまずまず。まあ、インスタントやからはずれはない。御新香はもう少し塩を利かせてもいいんとちゃうか。違う、こんなのは吉牛ではない。私は、ある店で「マネージャー募集」の張り紙を見て一瞬考えた。地元の人に本当の牛丼を食わせてやりたいと。

とにかく、アメリカで「吉野家」を見つけたら是非食ってもらいたい。こんなのは吉牛ではない。



おまけ
Written in Seattle, Washington, 8/9/2001










MLB(メジャーリーグ)観戦記その8〜マリナーズ100勝おめでとう in Seattle〜」

カリフォルニアからカナダに戻る前に再びシアトルを訪れた。それは、もちろん野球を見るためだ。今年のシアトルマリナーズの快進撃はすさまじいし、1998年のヤンキースの記録にもう少しだ。シアトルはアメリカでは、どちらかと言うと田舎なので、その分地元の人々からの支援もすごいし、メジャーの球団の中で観客動員数は一位だ。ここ最近なんて、36試合地元の試合で満員御礼を記録したぐらい。相撲なら分かるが、野球でこの記録はすごい。シアトルに行ってもチケットが取れない覚悟でいたが、シアトルに行く前オークランドにいる時に、連続満員御礼記録が途絶えたことを知った。この記録が途絶えたのは月曜日の試合で、西地区で低迷してるタンパベイ戦。私が見る予定にしてた試合は水曜日の同じくタンパベイ戦で、ひょっとしたらという気になって、シアトルに着いてすぐにマリナーズショップを訪れたが、席は選べなかったが残りのチケットは若干あった。これはラッキー。元々の私の本命は、この二日後のバルティモア戦。このチケットは取れないと覚悟してたが、案の定sold out9月の残りの試合はほとんどすでに売り切れ。これから、シアトルに行こうと考えてる方はそのつもりで。

さて、久々にシアトルに戻ってきた私だが、シアトルはアメリカというよりもカナダだ。町もきれいし、雰囲気も気候もカナダと言った方がいい。4月にここに一度来たが、今回も泊まる宿は、球場に一番近いYHAにした。anti YHA派の私ではあるが、この宿のメリットは何と言ってもキッチンが充実してるし、きれいなのはもちろん、セキュリティーもしっかりしてて、食堂兼livingがかなり広い。私はここでlaptopを使って色々書くつもりでいたので、ここはもってこいのところ。久々にこの宿に戻った私であるが、日本人の多さには驚いた。私の部屋は全員日本人やし、食堂では日本人以外見かけない。4月に来た時もその多さに唖然としたが、今回はそれをはるかに上回る。バンクーバーからのワーホリ、学生連中もいたと思うが、今回目にしたのはスーツケースを持って短期で来てた日本人。短期の日本からの学生も多かったと思う。部屋で一緒になった学生なんて、


「英語が全くできないんですけど、これからロスに行くのにどうしたらいいですか?危ないって聞くんですけど。」
と情けないことを言ってきたので少し厳しく説教してやった。

私は基本的に旅で会う固まってる日本人には声をかけないので、今回も彼らとは話すことはなかったが、とにかくこの数には驚くばかり。マリナーズのショップにも、日本人以外見かけなかった。宿の受付の人は、私のつたない英語ではあるが、

「あなた日本人なのに、なんで英語ができるの?
と言われた。一体彼らはどんな英語を話しているのか。

さて、久々にマリナーズのSafeco Fieldに戻ってきた。シアトルの街中はほぼ完璧に把握してるので、球場へのアクセスも覚えてる。近くのアジア食材屋「宇和島屋」にももちろん行った。球場には、まあ日本人が多いこと。報道陣の数も半端やない。サンディエゴで、メッツ戦を見た時以上やな。もちろんお目当ては、イチローと佐々木。特に、今年はイチローやろう。たまたま練習中に外野でイチローと佐々木が並んで球拾いをしてたので、その周りのスタンドにはおびただしい日本人の数。佐々木はマスコミの人々ともよく話してた。お客さんとも話してたし。佐々木の元々の明るい性格もあるかも知らんが、ちょっと寂しいのかも知らんな。今年はイチローにすべてを持って行かれてるような感じで。



もちろん、私もイチローと佐々木の応援に来たが、それ以上にマルティネス、オルルド、ブーンと今年のマリナーズを引っ張ってきた選手のプレーがもう一度見たかった。それに、マリナーズにはSele (13-5)Moyer (16-5)Garcia (15-5)Abbott (14-3)というすごい勝率の先発人がいる。4月に見た時はまだシーズンが始まったばかりで、今年の展開は予想できなかったが、今回再びここを訪れるに当たって、もう一度彼らのプレーが見たかった。特に、セカンドのブーンがこれほどまで活躍するとは思わんかったな。今や、地元の人々からの声援もすごい。イチロー、マルティネスに匹敵するぐらいだ。彼は打率もいいし、打点、ホームラン数もアメリカンリーグの上位にいる。今年のMVP候補にイチローとブーンの名が挙がってるが、私個人的にはブーンにあげたい。マリナーズはこの日100勝目がかかった試合。それにしても、この球場は本当に人が入る。この日も、44,720人。私は1塁側3階席からの応援となった。


試合はマリナーズ先発Seleが悪すぎた。ストレート、カーブ系統の単調な組み立てがよくなかったのか、球威もなかった。31/3を投げて6失点で降板。この降板は無理もない。しかし、その後のHalamaがナイスピッチングで、RhodesFrankrinとそれ以降の投手はDレイズに点を与えなかった。3回に4点を取られたマリナースであるが、その裏は3安打で3点を返すところはさすがに強い。この日のポイントは5回やろう。6-3とリードされた5回裏、マリナースは1アウトの後、イチローがファースト強襲ヒット、マクレモア2ベースで23塁。ワイルドピッチでイチローがホームインで、ブーンの四球の後、バッターマルティネス。もちろん、ここはDレイズとしてはゲッツー狙いだが、ブーンの盗塁で2,3塁となり、この盗塁がこの日のすべてやと私は思う。マルティネス三振後、オルルドのタイムリーで2人が返って同点。こうなればマリナーズペースで、キャメロンのタイムリーで逆転。6回には4安打と3つのエラーで一挙5点。結局、この日の佐々木の登板はなく、マリナーズが12-6で逆転勝ちした。イチローは3-1、四球1、犠打1、得点3という成績。とにかく、マリナーズは強い。これで今年100勝目。100-40は驚異的な数字。1998年のヤンキース(100-38)ペースで100勝に到達。このマリナースの強さの秘訣は、皆が野球をよく知っててteam playに徹してることであろう。5回のブーンの盗塁や、6回のイチローのバンドもそう。一瞬のチャンスをみんなでものにしてるって感じかな。この姿勢は今の阪神の選手にも見習って欲しい。このまま行くとチャンピオンシップでヤンキースに勝てるかも。

色々な球場を回った後、再びここに戻ってきてみると、アトラクションで考えたらこの球場が一番面白いかも。色々考えられてるし、客も喜んでいる。客は圧倒的に白人が多いのも土地柄かな。ただ、私が行った6球場の中では、サンディエゴが一番よかったかな。



5/Sep

TAM

004 200 000

6 12 3

SEA

003 045 00x

12 13 0

W Halama 10-6
L Phelps 2-2


Time: 3:19
ATT: 44,720




MLB(メジャーリーグ)観戦記その9〜ありがとう、カール・リプケン・ジュニア in Oakland and Seattle〜」

Oakland編(93日)
ロスからサンフランシスコに戻ってきた私は、再びオークランドのNetwork Associate Coliseumを訪れた。目的は、バルティモア・オリオールズのリプケンを見るためだ。

リプケンの名は日本人の中でも聞いたことはあるかもしれないが、日本のプロ野球の鉄人と言われていたのは元広島の衣笠であるが、大リーグの鉄人はこのリプケンであろう。1981年にメジャーデビューした彼は今年で引退を表明してる。パドレスのグウィンと共に今の大リーグを引っ張ってきたと言ってもいいぐらいの選手。今年のオールスターではホームランを放ち、MVPも取った。そのリプケンがオークランドに来るというので、野球ファンの私としては行かない訳にはいかない。

どれだけリプケンがすごい選手かと言うと、これまでで連続試合出場2,631(世界1位)、通算3,171安打(歴代13位)、通算429ホームラン(歴代31位)、通算11,461打席(歴代4位)、通算5,146出塁(歴代11位)、通算1,685打点(歴代18位)、通算600二塁打(歴代12位)、通算2,978試合出場(歴代8位)。とても信じがたい記録の数々。

この日は勤労感謝の日でアメリカでは休日。そのせいか、普段余り人が入らないこの球場でもリプケンの姿を人目見ようと、多くの人が足を運んだ(それでも空席が目立つ)。球場に入る時には、away teamにもかかわらずリプケンのカードが全員に配られた。もちろん、ここはA'sの球場であるが、この日の主役はもちろんリプケン。前日はバルティモアで試合をし、東海岸からここ西海岸までの長旅で疲れたのか、私の予想通りこの日のリプケンは試合には出なかった。スタンドでは、リプケンにサインをもらおうと多くのファンが待っていた。3塁のA's側にはほとんど人がいない。A'sの練習が終わって、オリオールズの練習が始まってもリプケンは姿を見せない。お客さんはみんな彼を待っている。一体どうしたのか。試合の開始時刻が近づいてはいるが、リプケンが現れる気配もない。私もリプケンを見ようとここまで来たのに、一体どうなってるのだ。

そして、練習が終わりかけた時、リプケンがジャンパーを来て登場し、登場するやいなやスタンドのファンの所に走りサインをし始めた。スタンドのファンは大喜びで、もちろんそのほとんどはA'sサポーターであるが、そんなのは関係ない。アメリカの野球ファンは、よく野球を知っている。リプケンもそれを承知のはず。サインをし始めたのはいいが、リプケンは一塁ベンチからライトポール際まで、彼を待つファンにできる限り応えてた。試合直前まで警備員に囲まれながら、スタンドのファンに一人一人サインをして行く。awayの選手だというのに。私はこの光景を見て感動した。彼はまさしくプロ選手だ。アメリカで野球を見に来てる人々は、もちろんそのhome teamのファンであるが、それと同時に野球ファンだ。いいプレーには拍手するし、味方でもミスをすれば構わずブーイングが起こる。それに、野球の楽しみ方、野球自体をよく知ってる。それが、このリプケンの態度に繋がるんやろう。この日のリプケンのプレーは見られなかったが、その姿を見られてよしとしよう。満足、満足。ちなみに、この日は3塁側3階席からの観戦。

さて、試合はA'sの一方的なペース。今年はマリナーズに隠れて目立たないが、A'sは無茶苦茶強い。ここ10試合は9-1というペース。勝率もヤンキースに匹敵する。他の地区にいれば、首位を独走してるぐらい強い。特に、今は勢いがある。4回にGiambiヒットの後、Chavezがライトへツーラン。オリオールズ先発のTowersも悪くなかったが。6回には二死後Giambiのツーベース、そしてDyeChavezLongの三連打で更に2点。A's先発Hudsonは完璧なピッチング。彼は長谷川に似たタイプの選手だ。テンポのいいピッチングと、コントロールがよく7回には2本のツーベースで2点を失ったが、8回を2失点で抑えた。そして、9回はcloserIsrnghsnがきっちり抑えて試合終了。アメリカンリーグのWild CardでもA'sは一位をぶっちぎりで、このまま行けばチャンピオンシップでヤンキースと当たる事になる。この勢いなら、王者ヤンキースに勝てるかも。

それにしても、なんでこんなにA'sは強いのに、ここはそれ程客が入らんのか。海を挟んだPac Bell Parkのジャイアンツはいつも超満員やのに。




Seattle編(97日)
オークランドでのA's戦の後は、オリオールズはシアトルでマリナーズと対戦する。私が、シアトルに寄ったのも、もしチケットが取れるならというわずかな期待を込めていたからだ。しかし、予想通りチケットは既に完売。ここまで来たら是非リプケンのプレーを最後に見たいという希望があって、とにかく私は球場に足を運ぶことにした。

この日は金曜日で、開門前から長蛇の列。日本人観光客以外のお客さんのお目当ては、もちろん私同様リプケンやと思う。ダフ屋も結構見かけたし、チケット売り場でチケットをないことを知って、ダフ屋から買ったり、帰って行く人も多く目にした。

チケットは完売であったが、私はなぜかこの日は試合が見れるような気がしてた。理由は特にないが、自分に流れる空気からそう感じていた。私は試合を見る気満々で、チケットを持ってなかったがフリースも持って来てた(シアトルの夜はかなり冷える)。前々日のDレイズ戦の時に、わざわざチケット売り場に足を運んでチケットのことを色々聞いてみると、

「試合当日にチケットが払い戻されることがある。だから、当日もう一度来てみて。」
と言われてた。しかし、ほとんどの人はこの事を知らず、私がこの日再びチケット売り場の人に尋ねたら、

「あらかじめ選手が買ったチケットがキャンセルされることがある。それは確率は高いとは言えないけど、その可能性はないとは言えない。空きが出次第、それを再発行することになる。」
とおばちゃんは丁寧に教えてくれた。そして、私は、



「ここで待ってるから、もし空が出たら教えて。」
とおばちゃんに言っておいた。その待ってる間も、警察の目を盗んでダフ屋が寄ってきたが、私はチケットが取れる気がなぜかしていたので、ダフ屋の交渉には応じなかった。チケット売り場に来る人もかなりいたが、みんなないと知って帰って行った。皆が帰って行く中、私は取れることを信じてひたすら待ち、それから30分ぐらいしてからか、おばちゃんが、

「何枚欲しい?今、払い戻しの情報が入ったから、チケットを売ることができるよ。」
と言ってくれ、もちろん私は席を選ぶ権利はなかったので、普段は座らない3塁側ベンチの少し先の1階席で、グランドから4列目という最高の席が取れた。リプケンが守るサードからすぐ近く。私がチケットをgetしてる姿を見た人が数人集まってきたが、その次の人で再びsold out。一瞬の出来事やったな。

球場に入ってみると、私の思っていた通り、away teamにもかかわらず、地元シアトルの人々もオークランド同様三塁のオリオールズ側のスタンドにリプケン見たさに人が集まってた。もちろん、そのほとんどはマリナーズファン。マリナース側はと言えば、イチロー見たさの日本人がほとんど。それに、相変わらずグランドでは日本人報道陣ばかり。客は、「キャー、キャー」言ってるしな。おいおい、もっと野球を知ろうぜ。

自分の銭で自分で好きなことをするのに、私が文句つける義務はないが、人に迷惑かけてまで好き勝手するのはどうかと思う。周りの迷惑を考えずに、イチローを追いかける日本人。他の人が座ってるのに、その間に入って写真を撮り捲る日本人のおっちゃん、おばちゃん。他の人が座るという席に、平気で土足であがって写真を撮る人々。チケットがないと言って説明してるにもかかわらず、英語が分からないのか、他の人が並んでるのに、窓口で時間を費やす人々。私が座った1階席は値段も高いので、イチロー応援ツアーか何か知らんが、ツアーで来てた日本人達が群がってた。とにかく、イチロー、新庄とブームに乗って野球を見に来る日本人に一言言いたい。アメリカで活躍する日本人を応援するのはいいことだが、周りの迷惑も考えるように。もう、みんな大人やろ?




この日は、リプケンは5番サードで先発。練習中は、リプケンは熱心に練習に取り込んでいたが、突然練習中にもかかわらず、スタンドの方に来て、ファンにサインをし始めた。オークランドで見た光景で、それからは練習に参加することなく、ずっとサインをし続けてる。この姿にはお客さんも感謝感激やろう。第一打席に立つリプケンには、全員からスタンディングオベイション。すると、リプケンはヘルメットを取ってご挨拶。今年のオールスターで見た光景。いやー、全くの紳士だ。残念ながら、この日のリプケンは4-0。この日メジャーデビューのマリナーズVasquez8回に代打でヒットを打ち、三塁まで来た時にリプケンが色々と声をかけていたのが印象的だった。私はリプケンのプレーが生で見られて本望だ。一度、ファールを追って私の目の前まで来たしな。残りの試合もけがすることなく、その姿を皆に見せて、惜しみないファンの声援に応えてほしい。本当にお疲れ様。

さて試合は、マリナーズの一方的なペース。1回イチローのヒットを皮切りに、マルチネス四球、オルルドタイムリー、ブーン犠牲フライ、キャメロンツーランと一挙4点。さらに3回に2点、72点、、8回にも2点と計10点を取った。本当に強い。マリナーズ先発のアボットは四球は多かったが、8回のホームラン1点に抑え、9回はネルソンが登場できっちり抑えて試合終了。イチローは5-3で、1回に3盗は失敗したが、全くすごい選手だ。簡単にヒットを打つんやからな。

この日はグランドの近くで試合を見たが、試合自体近くで見えるのはいいのだが、全体として野球が見られないので、やっぱり私には3階席の方がいい。ベストは2階席かな。アメリカで計6球場18試合野球を見たが、このSafeco Fieldがエンターテイメント性を考えると一番かな。いやー、満足満足。


3/Sep

BAL

000 000 200

2 3 0

OAK

000 202 00x

4 9 0

W Hudson 16-7
L Towers 8-9
S Isrnghsn 27


Time: 2:28
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7/Sep

BAL

000 000 010

1 2 0

SEA

402 000 22x

10 12 1

W Abbott 15-3
L Mercedes 7-17



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